クリッパー系は型式が1文字違いで並んでいるので、DR64V(バン)用と書かれたサンシェードを DR64W のつもりで買ってしまう取り違えが起きやすい。実際、DR64W 用として売られている全窓セットには、製品メーカー自身が「DR64V には対応できない」と適合欄に明記している。買う前に決めることは2つだけで、自分の型式を確かめることと、どの窓まで覆うかを用途から決めることだ。
用途で決まる3つの範囲
DR64W 向けのサンシェードは、覆う範囲で3系統に分かれる。製品メーカーの適合情報によると、フルセットの内訳はフロントガラス1枚・サイドドアガラス2枚・スライドドアガラス2枚・クォーターガラス2枚・リアガラス1枚の合計8枚、リアセットはそこからフロント1枚とサイドドア2枚を抜いた5枚構成になる。
| 使い方 | 覆う窓 | 枚数 |
|---|---|---|
| 通勤・買い物の駐車、日焼け対策 | フロントガラス | 1枚 |
| 後席の目隠し、仮眠 | スライドドア2・クォーター2・リア1 | 5枚 |
| 車中泊で全方向をふさぐ | 上の5枚+フロント1・サイドドア2 | 8枚 |
迷ったらまず面数を決め、そのあとで固定方式と収納を比べる。価格は面数が増えるほど上がるため、この順序で絞ると選択肢が一気に減る。以下の商品価格はいずれも確認時点の Amazon 実売価格で、変動する。
DR64W という型式の位置づけと適合表記の読み方
新車で買えたのは約1年3か月だけ
日産の公式ニュースリリースによると、DR64W 世代の NV100クリッパー リオは2013年12月3日に全国一斉発売された。ワンボックスタイプのワゴンで、キセノンヘッドランプや両側オートスライドドアを備える上級仕様として、クリッパー シリーズに再び追加されたモデルだ。グレードは E と G の2種類、ルーフは標準ルーフとハイルーフ、駆動方式は2WDと4WD、パワートレインは K6Aターボと4速オートマチックの組み合わせだった。
後継モデルを発表した日産の公式ニュースリリースでは、新型が2015年2月24日に発表され3月3日に発売と告知されている。つまり DR64W が新車で売られていたのは約1年3か月で、いま乗っている個体はほぼ中古購入になる。手元の車が標準ルーフかハイルーフか、グレードが E か G かを把握しておくと、商品ページの適合欄を読むときに迷わない。
DR64V(バン)用とは共用できない
製品メーカーの適合情報によると、DR64W 用のプライバシーサンシェード フルセットには「本製品はNV100クリッパーリオDR64W用になりますのでNV100クリッパーDR64Vには対応できません」と書かれている。バンの DR64V とワゴンの DR64W は窓まわりの形状が異なり、型式が1文字違いでも共用できない。
判断の基準は車名ではなく適合表記で、「クリッパー用」という括りで選ばない。購入前に車検証の型式欄で DR64W を確認し、商品側の適合欄に DR64W(系)が入っているかを照らす。今回扱うプライバシーサンシェードは適合表記が「DR64W系」でルーフ形状別の品番分けは示されていないが、製品によっては区分が分かれるので、商品ごとに適合欄を読む。
フロントガラス1枚をどう選ぶか
毎日の駐車で使うなら、まずフロント1枚から始めるのが現実的だ。選択の分かれ目は固定方式で、DR64W 向けには挟み込み式と磁石式の2系統がある。
サンバイザーで挟む方式
製品メーカーの適合情報によると、こちらは適用車種として「日産 NV100クリッパー DR64V型 2代目(2013.12〜2014.4)/日産 NV100クリッパーリオ 2代目 DR64W型(2013.12〜2015)」を挙げている。装着は吸盤を使わず、本体を広げて下部をフロントガラスに押し当て、サンバイザーを下げて挟むだけ。ワイヤータイプなので折りたたんで小さく収まる。セット物と違い、フロント用は適合欄に DR64V と DR64W が並んで載る製品もある——だからこそ車種名ではなく適合欄そのものを見る必要がある。確認時点の実売価格は¥2,450。
ruiya NV100クリッパーリオ DR64W 専用 フロントガラス用サンシェード
上部を磁石で留める方式
もう一方は、広げてフロントガラスに合わせ、上部を磁石で固定する方式だ。サンバイザーを操作する手間がなく、乗り降りのついでに付け外ししたい人に向く。重量は約180gで、使ったあとはワイヤーフレームをひねって折りたたみ、付属の収納袋に入れてドアポケットやシート背面へ収められると製品説明に記載がある。実売価格は¥2,480で、挟み込み式とほぼ同額。方式の好みで決めてよい。
趣味職人 フロント ワイヤーサンシェード 単品 Sサイズ
車種名入りでも汎用品のことがある
注意が要るのはここで、商品名に「NV100 クリッパー リオ DR64W系 対応」と車種名が入っていても、適合欄には「本商品は汎用品です。表題に記載している車種に対する専用品ではありません」と製品メーカーが明記している場合がある。上の磁石式がこれにあたり、車種専用の型紙で作られたものではない。フロントガラスの実寸とサイズ表記(Sサイズなど)の相性を自分で確かめる前提で選ぶ。
なお、同じ商品ページの中で「超耐久6層構造」と「高品質4層構造」のように層数の表記が食い違っている製品もある。表記が一致していない以上、層数の多さを選ぶ根拠にはしない。遮光の度合いは、覆える範囲と隙間の少なさで考えるほうが実際の使い勝手に近い。
後席まわりだけを隠すリアセット5枚
5枚の内訳
リアセットの中身はスライドドアガラス2枚・クォーターガラス2枚・リアガラス1枚で、商品説明にも「本製品は【リアセット】です。フルセットではありません」と書かれている。着脱は簡易吸盤で窓ごとに貼り付ける方式、使わないときは折りたたんで収納する。生地は光を遮る仕様で、外からの視線をさえぎる目的にも使える。
前席側は別に用意する前提で考える
後席側の側面ガラスとリアガラスは、走行中の装着物に関する保安基準の当該規定の対象外にあたる(詳しくは後述)。だから、後席で子どもを寝かせる、荷室に積んだ物を隠す、休憩中に仮眠する——こうした使い方が中心なら、リアセット5枚にフロント1枚を足す構成で足りる。フロントを別売りで選べる分、固定方式を自分の好みで組める利点もある。確認時点の実売価格は¥17,900。
趣味職人 プライバシーサンシェード DR64W系 リアセット5枚
全窓8枚のフルセットが向く使い方
8枚でどの窓が埋まるか
フルセットはリアセットの5枚に、フロントガラス1枚とサイドドアガラス2枚を加えた構成だ。前席の左右まで覆えるので、外から車内が見える窓が実質的に残らない。日産のリリースによると DR64W はリヤシートが左右独立でスライドとリクライニングができ、助手席前倒し機構とフルフラット機構も備える。車内で横になる使い方ができる車なので、全方向をふさぐ必要があるのは車中泊のときだと考えて選び分けるとよい。
リアセットとの差は3枚だが、価格差は小さくない。実売価格は¥32,400で、リアセットと比べておよそ倍。前席側を覆う必要が本当にあるかで決める。
趣味職人 プライバシーサンシェード DR64W系 フルセット8枚
サンシェードで何度下がるのか
ダッシュボードには大きく効く
JAFのユーザーテストでは、駐車条件の異なるミニバン5台を室温25℃に揃え、気温35℃・晴天の条件で正午から4時間放置して温度を測っている。ダッシュボードの最高温度は、対策なし(黒)が79℃、対策なし(白)が74℃だったのに対し、サンシェード装着では52℃。直射日光が当たる面には、はっきり差が出る。ハンドルやダッシュボードが触れないほど熱くなるのを抑える、内装の日焼けを減らすという用途では、数値どおりの働きをする。
車内全体の温度上昇は防げない
一方で同じテストの車内最高温度は、対策なし(白)52℃に対してサンシェード装着50℃で、差は2℃にとどまる。窓開け(3cm)が45℃、エアコン作動が27℃という結果と並べると、サンシェードは車内をひんやり保つ道具ではないと分かる。乗り込む前の換気とエアコンは、シェードを付けていても別途必要になる。
走行中に付けたままでよい窓・いけない窓
フロントと前席側は駐停車中だけ
道路運送車両の保安基準第29条では、自動車の前面ガラス及び側面ガラス(告示で定める部分を除く)は運転者の視野を妨げないものとされ、ひずみや可視光線の透過率について告示の基準に適合しなければならないと定めている。さらに同条は、その窓ガラスに検査標章など列挙されたもの以外を装着・貼り付け・塗装・刻印してはならないとも定めている。保安基準の細目を定める告示第39条では、視野の範囲に係る部分について可視光線透過率70%以上の確保を求めている。
フロントガラスと前席の左右ドアガラスを覆うシェードは、駐停車中の使用に限り、走り出す前に必ず外す。
後席側とリアは規定の対象外
保安基準の細目を定める告示第39条は、第29条第3項でいう「告示で定める部分」を運転者席より後方の部分と定めており、運転者席より後方の座席等の側面ガラスがこれに含まれる。リアセットが覆う範囲は、この当該規定の対象外にあたる。
ただし規定の外だからといって、後方がまったく見えない状態で走ってよいわけではない。ドアミラーで補える範囲かどうかは自分で確かめる。
外し忘れを防ぐ置き場所を決めておく
外したシェードの行き先を先に決めておくと、付けたまま発進する事故が起きにくい。ドアポケット、助手席足元、シート背面のポケットなど、運転席から手が届いて視界に入る場所がよい。収納袋が付属する製品なら、袋ごとの定位置を作っておく。
買う前に確認する4点
- 適合表記に DR64W(系)が入っているか。DR64V や DR17W だけの表記は対象外。
- 必要な面数。フロント1枚か、リア5枚か、全窓8枚か。用途から先に決める。
- 固定方式。サンバイザーで挟む、上部を磁石で留める、簡易吸盤で各窓に貼るの3通り。取り外しはいずれも逆手順で、折りたたんで定位置へ戻す。
- 収納性。折りたたんだ形と収納袋の有無、そして車内のどこに置くか。夏以外はシェードが荷物になる。
この4点を商品ページ上で順に確認できれば、車種名だけを頼りに選ぶより失敗が減る。
よくある質問
DR64V(バン)用のサンシェードは DR64W に使えますか
セット物については使えない。製品メーカーが適合情報で DR64V 非対応と明記しているものがあり、バンとワゴンでは窓まわりの形状が異なる。フロント1枚の製品では両型式を適合に挙げる例もあるので、商品ごとに適合欄を読む。
エブリイワゴン用と書かれた製品は使えますか
自己判断で読み替えない。スズキが公開している四輪車の歴史では、エブリイワゴンの2005年モデル(2代目)が ABA-DA64W、2015年モデル(3代目)が ABA-DA17W と記載されており、DR64W の時期はスズキ側では DA64W 世代にあたる。ただし両社の公式資料に相互の適合を示す記載は無いため、DA64W 用と書かれた製品が DR64W に付くとは言えない。適合欄に DR64W があるかで判断する。
走行中も付けたままにできますか
フロントガラスと前席の左右ドアガラスは外す。運転者席より後方の側面ガラスとリアガラスは当該規定の対象外だが、後方視界が確保できない状態での走行は避ける。
サンシェードを付ければ車内は涼しく保てますか
保てない。JAFのユーザーテストでの車内最高温度の差は、白い車の対策なしと比べて2℃だった。効くのはダッシュボードなど直射が当たる面で、車内の空気そのものの温度上昇は別の手段で対処する。
商品名に車種名があるのに汎用品と書かれているのはなぜですか
車種専用の型紙で作られていない製品でも、装着できる車種として車名を商品名に掲げる場合があるからだ。適合欄に「汎用品」と明記されていれば、サイズ表記と自車のフロントガラス実寸を照らし合わせて選ぶ。
まとめ
最初にやることは、駐車場で自分の車の窓を見て、どこを覆いたいのかを決めることだ。フロントガラスだけなら1枚、後席の目隠しと仮眠までなら5枚、車中泊で全方向をふさぐなら8枚。範囲が決まったら車検証の型式欄で DR64W を確かめ、商品側の適合表記と照らす。
そのうえで固定方式と収納の好みを比べれば、選択肢はもう数点しか残らない。あとは、フロントと前席側のシェードは発進前に外すという運用を、置き場所ごと決めておくだけだ。
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