真夏の昼下がりに駐車場へ戻り、ドアを開けた瞬間の熱気と、触れないほど熱くなったハンドル。クリッパー リオで一日に何度も停める使い方をしていると、まずフロントガラス1枚だけでも塞ぎたくなる。ところが「DR17W 用」と書かれた商品を開くと、型式まで明記して車種別に裁断していると書くものもあれば、車種名を掲げながら説明文で汎用品だと断っているものもある。買う対象を絞る分かれ目は、この適合表記の読み方にある。
DR17W で照合できたのはフロントガラス用の3点
車種名と型式で探した範囲で、適合表記に DR17W の4桁英数字を含み、かつ確認時点で販売中だったのはフロントガラス用の3点だった。
| 製品 | 適合の書かれ方 | 形・留め方 | サイズ | 価格(確認時点) |
|---|---|---|---|---|
| カーキャンパージャパン 傘型 | 型式 DR17W と年式 H27.2〜を明記 | 傘型・折り畳み式 | 車種に合うサイズで発送 | ¥4,980 |
| ruiya パラソル型 | DR17V と DR17W を併記 | パラソル型・サンバイザーで挟む | 記載なし(車種別表記) | ¥2,450 |
| RAIDOU フロント用 | 車種名と型式を掲げつつ汎用品と明記 | 板状・収納袋付き | 大145×80cm/小140×70cmから選択 | ¥1,980 |
選び分けは「車種に合わせて裁断されたものを買うか、自分のフロントガラスを測って汎用品のサイズを選ぶか」の1点に落ちる。 価格はいずれも Amazon の実売価格で、確認時点の表示にすぎない。
一方で、後席まわり用や1台分をまとめて覆うフルセットは、今回そのまま勧められる形にならなかった。候補に挙がったものは適合表記が「DR17系」で4桁英数字を含まないか、確認時点で即時に発送できる在庫状態ではなかったためだ。後ろまで覆いたい場合は、商品ページの適合表記に自分の型式が入っているかを直接確かめてほしい。
DR17W はどの車で、車検証のどこを見るか
2015年3月発売の3代目、2024年に車名が変わった
日産は2015年2月24日に新型 NV100クリッパー/NV100クリッパー リオを発表し、3月3日から発売した。これが DR17W 世代にあたる。2024年3月26日には一部仕様変更とあわせて車名が「クリッパー バン」「クリッパー リオ」へ変わり、CVT の採用、フルタイム4WDからパートタイム4WDへの変更、LEDヘッドランプの全車標準装備などが入った。車名が変わっただけで別の車になったわけではないので、商品ページに「NV100クリッパーリオ」と「クリッパーリオ」の両方が現れても混乱しなくてよい。
現行の新車はすでに DR18W
DR17W は2015年3月から2026年5月までのクリッパーリオで、いま新車として売られている車ではない。日産の公式諸元表(現行版)と環境仕様書はどちらも車両型式を3BA-DR18W としており、DR17W の表記は無い。DR17W 側の終わりの時期そのものは日産の書面では確認できず、中古車の型式別カタログ2社がそろって DR18W の開始を2026年5月としていることから割り出した値になる。商品ページが「現行クリッパーリオ対応」とだけ書いている場合、その「現行」が DR18W を指していれば DR17W の話ではない。
車検証の型式欄は ABA- か 3BA-
日産が公表しているリコール届出表には、NV100クリッパーリオの型式として ABA-DR17W と 3BA-DR17W の2通りが現れる。福祉車両では ABA-DR17W改 という表記もある。同じ DR17W が排出ガス規制の区分で分かれているだけなので、商品ページが「DR17W」とだけ書いている場合、接頭記号の違いは照合の妨げにならない。見るべきは4桁英数字のほうだ。
「車種別」「専用」の中身は3通りに分かれる
同じ言葉が使われていても、DR17W 向け商品の実体は3通りある。
- 型式(DR17W)と年式を明記し、車種に合うサイズで送ると書いているもの
- タイトルに車種名と型式を掲げながら、説明文で「専用設計ではなく汎用品です」「サイズは選択式です」と断っているもの
- バンの DR17V とワゴンの DR17W を同じ適合として併記しているもの
3点のうち RAIDOU は2にあたり、ruiya は3にあたる。タイトルだけを見て「専用品だからサイズは合う」と判断すると、実際には自分でサイズを選ぶ商品を買うことになる。
もうひとつ、商品ページのメーカー表記に「3代目 DR17W型(2015.3〜現行)」のような書き方がある。日産の書面ではすでに現行が DR18W なので、この「〜現行」は書かれた時点の言い方であって、いまの新車まで含む意味には読めない。DR17W に乗っているなら型式の一致だけを見ればよく、この語に引きずられる必要はない。
比べる軸は覆う範囲・留め方・たたんだ形
覆う範囲
フロント用は前面ガラス1枚だけを覆い、駐車のたびに数十秒で着脱する使い方に向く。後席まわり用は後部の窓とスライドドアのガラスを覆うもので、後席に子どもを乗せる場面や荷室に日を入れたくない場面で要る。1台分は前後をまとめて覆う複数枚構成で、フルフラットにして仮眠する場面向けになる。クリッパー リオは乗車定員4名のワゴンで後席側にも窓を持つため、バンとは必要な範囲の考え方が変わる。
留め方
傘型・パラソル型は骨を広げて置くだけで自立する。サンバイザーで挟むタイプは吸盤の手入れが要らず、広げて下部をガラスに押し当ててバイザーを下ろすだけで留まる。吸盤式は位置を細かく決められる代わりに、装着前の拭き上げと吸盤の手入れが要る。磁石式は鉄板部分に貼り付けるもので、枚数の多い後席まわりに向く。フロント用ではルームミラーの根元をよける切り欠き加工の有無が、実際の付けやすさを決める。
たたんだ形
傘型は棒状にたたまれるので助手席側の隙間に差しておける。板状のものは収納袋に入れて後席の足元や荷室に置くことになる。使わない季節に置き場所が決まっていないと、結局使わなくなる。
販売中の3点を、商品ページの記載どおりに
カーキャンパージャパンの傘型(型式と年式を明記)
商品ページで「NV100 クリッパーリオ DR17W 用」と掲げ、車種参考欄に「型式:DR17W」「年式:H27.2〜」と明記している。傘型の折り畳み式で、対象はフロントガラス。「車種に合うサイズのサンシェードをお送りいたします」と書かれており、購入者がサイズを選ぶ形ではない。バックミラー切れ込み加工済みでルームミラーをよけられること、中棒が360度回転することも記載がある。今回の3点では、型式と年式の両方を明記している点でいちばん照合しやすい。 断熱やUVカットの説明はメーカー表記で、測定値の記載は確認できなかった。
カーキャンパージャパン 傘型フロントサンシェード(クリッパーリオ DR17W 用・ミラー切れ込み加工済み)
ruiya のパラソル型(吸盤不要)
適合を「日産 NV100クリッパー 3代目 DR17V型(2015.3〜現行)/日産 NV100クリッパーリオ 3代目 DR17W型(2015.3〜現行)」と表記している。形状はパラソルで、固定は吸盤不要。本体を広げて下部をフロントガラスに押し当て、サンバイザーを下げて挟む方式だ。ワイヤタイプで折り畳めること、収納袋が付くことも記載がある。覆う対象は前面ガラスのみ。構造については同じページ内に「超耐久6層構造」と「高品質4層構造」の両方の表記が併存しており、層数の表記はページ内で一致していない。層数に業界共通の試験規格は確認できないので、多いほど遮熱性能が高いという読み方はしない。
ruiya パラソル型フロントサンシェード 吸盤不要・折り畳み式(DR17V/DR17W 専用表記)
RAIDOU のフロント用(サイズ選択式の汎用品)
タイトルに車種名と型式を掲げているが、同じタイトルの末尾に「汎用品」とあり、説明文にも「※専用設計ではなく汎用品です」「※サイズは選択式です、必ずフロントガラスのサイズをご確認下さい」と明記されている。サイズは大が横145cm×縦80cm、小が横140cm×縦70cmの2種類から選ぶ。収納袋が付く。「遮光率99%」はメーカー表記で、測定値の出所は確認できなかった。買うなら先に自分のフロントガラスを実測し、どちらに寄せるかを決めてからにする。 なお同一の文面・同一価格の商品ページが同じ出品者から複数のASINで出ており、どれを選んでも説明の中身は同じだった。
RAIDOU フロントサンシェード サイズ選択式(大145×80cm/小140×70cm・汎用品)
サンシェードで車内温度はどこまで変わるか
期待値は先に正しく置いておきたい。JAFのユーザーテスト「真夏の車内温度」は2012年8月22日・23日、埼玉県戸田市の駐車場で、晴れ・気温35度、正午から4時間、駐車条件の異なるミニバン5台を各車室温25℃に揃えてから測定したものだ。車内最高温度/車内平均温度/ダッシュボード最高温度の順に、対策なし(黒)が57℃/51℃/79℃、対策なし(白)が52℃/47℃/74℃、サンシェード装着が50℃/45℃/52℃、窓開け(3cm)が45℃/42℃/75℃、エアコン作動が27℃/26℃/61℃だった。
JAF自身の結論は「サンシェード対策や窓開け対策をしていても温度抑制効果は低く、人や動物が耐えられない温度となり、車内温度の上昇を防ぐことはできない」というもの。サンシェードは車内を冷やす道具ではなく、ダッシュボードなど直射の当たる面が焼けるのを抑える道具だと考えたほうがいい。 テスト車両はミニバン5台で軽キャブワゴンの実測ではないため、同じ数値が DR17W でそのまま再現するとは言えない。
付けたまま走れない窓がある
道路運送車両の保安基準 第29条第3項は、前面ガラスと側面ガラスについて、運転者の視野を妨げないものとして可視光線の透過率等が告示で定める基準に適合することを求めている。細目告示 第195条第3項第2号はその基準を「運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲に係る部分における可視光線の透過率が70%以上のものであること」と定める。フロントガラスと運転席・助手席のドアガラスを覆う遮光サンシェードは駐停車中の使用に限り、走り出す前に必ず取り外す。
同条第4項は、この70%基準から除かれる部分を「運転者席より後方の部分」と定めており、運転者席より後方の座席等の側面ガラスがこれに含まれる。スライドドアより後ろに窓のあるクリッパー リオでは、後方部分がこの適用外にあたる。ただし後方側面ガラスやバックドアガラスにシェードを付けたまま走ることが、道路交通法の積載方法や後写鏡の視認性まで含めて適法かどうかは、この条文だけでは決まらない。
使い方別に、前だけで足りるか後ろも要るか
買い物や送迎で一日に何度も停めるなら、フロント用1枚で十分だ。着脱の速さがそのまま使い続けられるかどうかを決めるので、傘型やパラソル型のように広げて置くだけで留まるものを選ぶ。
後席に子どもを乗せる、荷室で仮眠するといった使い方では後ろの範囲が効いてくる。ここでの判断材料は、自分の車の後ろ側の窓が濃色のプライバシーガラスかどうかを目で見て確かめることだ。日産の公式諸元表にプライバシーガラスや断熱ガラスの記載はあるが、それは現行 DR18W の装備一覧であって、DR17W の各年式に同じ表記が付くとは言えない。2015年の発表資料にはフルフラットモードで車内での仮眠も可能と書かれており、荷室で寝る使い方はメーカー自身が想定している。
車体を作っている側の車種や、同じ世代のバンの記事もあわせて見ておくと絞りやすい。
買う前に踏む5つの手順
- 車検証の型式欄を見る。DR17W で、接頭記号は ABA- か 3BA- のどちらか。
- 商品ページの適合表記に DR17W の4桁英数字が入っているかを確かめる。「DR17系」や車名だけの表記では確認したことにならない。
- 説明文まで読み、車種別の裁断なのかサイズ選択式の汎用品なのかを見分ける。汎用品ならフロントガラスの横幅と縦の長さを実測してからサイズを選ぶ。
- ルームミラーの根元をよける切り欠きや、ドライブレコーダー・カメラ類との干渉を確認する。
- たたんだときの形と、車内のどこに置くかを先に決めておく。
手順2と3を分けているのは、型式が一致していてもサイズは自分で選ぶ商品があるからだ。 どちらか一方だけでは足りない。
よくある質問
エブリイワゴン用と書かれたサンシェードは DR17W に使えますか
クリッパー リオがスズキからのOEM供給車であることは日産が公表しており、環境仕様書にも製造業者としてスズキの名がある。ただしそこから、フロントガラスが同一部品だと結論することはできない。適合表記に DR17W が入っているかで判断してほしい。
バンの DR17V 用と書かれた製品は DR17W に使えますか
DR17V としか書かれていない製品を DR17W の適合として扱わない。両方を併記する製品が多いのは事実だが、それはその製品が両方を適合として掲載しているという話までで、ガラスの共通性を確認したことにはならない。
現行の DR18W 用と書かれた製品は DR17W に使えますか
同じ扱いになる。日産の書面では現行が DR18W なので、DR18W だけを掲げた製品は DR17W の話ではない。逆に「2015.3〜現行」という表記は書かれた時点の言い方なので、DR17W が含まれていれば型式の一致として読んでよい。
先代の DR64W 用は使えますか
DR17W とは別の世代なので、適合表記に DR17W が無い製品は候補から外す。
サンシェードを付けたまま走ってもいいですか
フロントガラスと運転席・助手席のドアガラスに付けたまま走ることはできない。可視光線透過率70%以上の基準を満たさなくなるためで、フロント用は駐停車中の道具だと割り切る。
まとめ
まずフロントガラスの前に立ち、ルームミラーの位置と、横幅・縦の長さを実際に測っておく。汎用品を選ぶならこの実測値がそのままサイズ選択の根拠になり、車種別を選ぶ場合でも切り欠きの位置を確かめる役に立つ。そのうえで車検証の型式欄を見て、DR17W の4桁英数字を控える。
あとは4点だけ守れば迷わない。商品ページの適合表記を型式の4桁英数字で照合する。タイトルだけでなく説明文まで読み、車種別の裁断かサイズ選択式かを見分ける。温度についてはJAFが上昇を防ぐことはできないと結論している以上、過度に期待しない。そして前面ガラスのシェードは走る前に外す。カーキャンパージャパンの傘型は型式と年式を明記していて照合しやすく、ruiya のパラソル型は吸盤の手入れが要らず、RAIDOU は実測してサイズを選ぶ前提の汎用品——3点の違いはこの並びで十分に分かれる。
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