SL R232 のサンシェードは、覆いたいのが前面ガラスかドアの窓か、そして屋根を閉じて停める駐車中だけに使うのかで、選ぶ物も使い方も変わる。前面ガラスなら傘型か折り畳み式、ドアの窓なら磁石で付ける横用が候補になる。商品名に SLクラスの R232 を挙げた前用2点・横用2点を、販売ページの記載の範囲で比べたので、自分が前と横のどちらを覆いたいかを先に決めてから読み進めてほしい。
SL R232 は前を形式で、横を磁石の付け先で選ぶ
答えから書くと、前面ガラスは傘型か折り畳み式、ドアの窓は磁石で付ける横用の組み合わせになる。比べるのは次の4点だ。
| 位置 | 形式 | 取り付け | 商品名の車種の書き方 | 販売ページで目に付く記載 |
|---|---|---|---|---|
| 前 | 折り畳み式 | サンバイザーに挟む | ベンツSLクラス AMG SL R232(2021年-)に適用 | 「車種専用設計」と「全車種対応可能」が並ぶ |
| 前 | 傘型(10本骨) | 傘のように開く | SLクラス R232型 令和4年10月~現行 対応 | UVカット率99%以上は生地測定値と注記 |
| 横 | 磁石式 | 窓枠に磁石で付ける | ベンツSLクラス AMG SL R232(2021年-)と互換性のある・対応 | 付けたまま窓の開閉ができる |
| 横 | 網戸タイプ | 窓の上部金属フレームに磁石で付ける | ベンツSLクラス AMG SL R232(2021年-)に適用 | 「ほぼ全ての車種に対応する汎用設計」 |
折り畳み式と網戸タイプは、商品説明に全車種対応・汎用設計の記載も並ぶ。横用2点は、SL R232 の窓まわりに磁石が付くかがどの出典でも確かめられていないので、買う前に実車で確かめる(詳しくは横用の節)。
もう1つ、サンシェードはダッシュボードやハンドルに当たる直射日光を減らす道具で、車内の気温を人やペットが耐えられる所まで下げる物ではない。JAF のユーザーテストの結論も、サンシェード対策をしても車内温度の上昇は防げない、というものだった。
サンシェード選びにかかわる SL R232 の作り
新型SLの国内発売を伝えた自動車ニュースの記事によると、メルセデス・ベンツ日本は2022年10月24日に、ラグジュアリー2+2シーターロードスターの新型メルセデスAMG SL(R232)を日本市場で発表し、同日から全国の正規販売店で発売した。傘型の商品名にある「令和4年10月~現行」は、この国内発売の時期にあたる。ほかの3点は商品名に「2021年-」と書いており、年式の書き方は商品ごとに違う。
選び方にかかわるのは次の3つだ。
- 屋根:同じ記事によると、SL R232 は先代の金属製バリオルーフに代えて電動ソフトトップを採用し、開閉は約15秒、車速60km/hまでなら走行中でも開閉できる。英語版の百科事典も、折り畳み式の金属の屋根から電動の布張りの屋根に替えたと記している。屋根を開けて停めれば、ガラスの内側を覆っても頭上の日差しは入る。磁石を幌に付けることもできない。
- ボディ:2ドアの2+2ロードスターで、SL として2+2の座席を標準に戻した世代だ。ドアは左右2枚なので、ドアの窓は運転席と助手席の窓にあたる。横用をドアの窓に付けるなら、走る前に外す前提で選ぶ。
- 画面:12.3インチのコックピットディスプレイと、ダッシュボード中央の11.9インチの縦型メディアディスプレイの2画面を標準装備する。前面ガラスの内側でサンシェードを広げるときは、この画面に当てない配慮が要る。
サンシェードで変わること、変わらないこと
車内の気温とダッシュボードの温度
JAF のユーザーテスト(2012年8月、晴れ・気温35度、ミニバン5台、正午から4時間の計測)の値を示す。SL R232 で測った値ではないので、対策ごとの傾向を読む材料として見てほしい。
| 対策 | 車内の最高温度 | ダッシュボードの最高温度 |
|---|---|---|
| 対策なし(黒い車) | 57℃ | 79℃ |
| 対策なし(白い車) | 52℃ | 74℃ |
| サンシェード装着 | 50℃ | 52℃ |
| 窓開け(3cm) | 45℃ | 75℃ |
| エアコン作動 | 27℃ | 61℃ |
差が大きく出たのはダッシュボードで、対策なしの黒い車の79℃に対し、サンシェード装着は52℃だった。一方、車内の最高温度はサンシェード装着でも50℃に達した。JAF はこの試験の結論を「サンシェード対策や窓開け対策をしていても温度抑制効果は低く、人や動物が耐えられない温度となり、車内温度の上昇を防ぐことはできない。」とまとめている。JAF の質問箱の回答でも、フロントガラスの全面をサンシェードで覆うと直射日光を遮る効果は高いものの、15時の時点で約50℃に達し、温度抑制効果はあまり望めないと説明している。
つまりサンシェードの役目は、ダッシュボードやハンドル、シートに当たる直射日光を減らし、内装の熱さや日焼けを抑えることにある。子どもやペットを車内に残してよい温度にする道具ではない。
前のガラスと横のガラスの紫外線
JAF の車内の紫外線の試験(2018年4月。こちらも SL R232 で測った値ではない)では、フロントガラスはオープンカー以外すべて数値が1桁以下と低かった。フィルムを挟んだ合わせガラスが紫外線も遮るためだ。一方、クリアガラスの車の前席やリアガラスは1,000μW/㎠を超え、UVカットガラスは275μW/㎠以下、スーパーUVカットガラスはすべて1μW/㎠以下だった。運転席に貼ったUVラベルは、オープンカーで3分30秒、クリアガラスで16分30秒で赤く変わった。
JAF は「自分の車のガラスを確認し、それに合わせた日焼け対策をすることが大切である。」と結んでいる。横のガラスはガラスの種類で差が大きいので、横用を足すかどうかは自分の車の窓ガラスに合わせて決めればよい。
前用と横用の選び方
前用は形式と取り付け方で選ぶ
前用は次の4つで比べる。
- 形式:傘のように開閉する傘型か、折り畳んでサンバイザーに挟む形か
- 車種の書き方:商品名に SL R232 の名や国内発売の時期が書かれているか、商品説明に汎用の記載が混ざっていないか
- 収納:収納袋や収納ケースが付くか
- UVカットの数値:数値を書くなら、生地の測定値などの測り方の注記があるか
迷ったら、車種の書き方を一番に見る。前面ガラスを覆う物は大きさが合わないと隙間が出るので、商品名と商品説明の記載がそろっている物ほど選びやすい。
横用は磁石の付け先と窓の開閉で選ぶ
横用は次の4つで比べる。
- 取り付け方:磁石を窓枠に付けるか、窓の上部金属フレームに付けるか
- 窓の開閉:付けたまま窓の開閉ができると書かれているか
- 用途:日除け・目隠し用か、虫よけの網戸を兼ねるか
- 車種の書き方:商品名と商品説明で、車種専用か汎用かの記載がそろっているか
SL R232 は電動ソフトトップの車で、磁石を幌に付けることはできない。自分の車のドアの窓の上側や窓枠に磁石の付く金属部分があるかを、買う前に家にある磁石などで確かめる。磁石の付く金属が無ければ、磁石式の横用は付けられない。
前用2点の比較:折り畳み式と傘型
折り畳み式(サンバイザーに挟む)
商品名は「サンシェード に適用 ベンツSLクラス AMG SL R232(2021年-) 車 フロント 断熱 UVカット 車種専用設計 折り畳み式 収納袋付き」。販売ページの商品説明では、サンバイザーに挟むだけで装着でき、使わない時は折り畳んで付属の収納袋に入れて保管できる。車種ごとの専用設計で隙間なくフィットし、装着後に倒れる心配がないとも書かれている。
ただし同じ商品説明の中に、「車種専用設計で隙間なし」と「全車種対応可能」「多くの車種に対応するデザイン」「適合車種については詳細なサイズガイドを確認ください」が並ぶ。車種専用か汎用かは販売ページの記載だけでは決められないので、この折り畳み式は、販売ページのサイズの案内と自分の車の前面ガラスを照らしてから買う。
ベンツSL R232用 フロントサンシェード 折り畳み式(サンバイザーに挟む・収納袋付き)
傘型(10本骨)
商品名は「サンシェード 車 フロント に適合 メルセデス・ベンツ SLクラス R232型 令和4年10月~現行 対応 車用サンシェード 傘型 10本強化骨」。販売ページの商品説明では、傘のように開閉でき、10本骨構造でフロントガラスに沿って広げやすい。UVカット・遮光・遮熱の生地を使い、ダッシュボードやハンドル、シートへの直射日光を軽減して内装の色あせ対策に役立つ、使用後は閉じて付属の収納ケースに入れ、ドアポケットやシートポケット、トランクに保管しやすい、と書かれている。
商品説明には「UVカット率99%以上は生地測定値です。使用環境や設置条件により異なる場合があります。」という注記がある。比べる4点のうち、UVカット率の数値を商品説明に書いているのはこの傘型だけで、ほかの3点は商品名と商品説明にUVカットとは書くが、率の数値は無い。
SLクラス R232型対応 傘型フロントサンシェード 10本骨(収納ケース付き)
前用の2点から選ぶなら、商品名に R232型と国内発売の時期が書かれた傘型を先に検討し、サンバイザーに挟む形が好みなら折り畳み式をサイズの案内と照らして選ぶ。
横用2点の比較:磁石式と網戸タイプ
磁石式(窓枠に付ける)
商品名は「車用サンシェード と互換性のある ベンツSLクラス AMG SL R232(2021年-) 対応 サンシェード 車 サイド 通気性 UVカット 磁石式 遮光断熱 プライバシー保護」。販売ページの商品説明では、磁石が車の窓枠に吸着し、工具や接着剤は不要、磁石がずれないので取り付けたままでも窓の開閉ができる、と書かれている。素材はポリエステルで、使わない時は丸めて折り畳み、付属の収納バッグに入れてドアポケットやセンターコンソールに収まる。外からの視線を遮り、車中泊やキャンプにも使えるとしている。
この磁石式は、窓枠に磁石の付く金属があることが取り付けの前提になる。SL R232 の窓まわりに磁石が付くかは、どの出典でも確かめられていないので、買う前に自分の車で確かめる。
SL R232対応 磁石式サイドサンシェード(収納バッグ付き)
網戸タイプ(窓の上部金属フレームに付ける)
商品名は「車 網戸 に適用 ベンツSLクラス AMG SL R232(2021年-) 車用マグネット式サイドサンシェード 蚊防止網 サンシェード 窓ネット 日除け断熱サイドカーテン」。販売ページの商品説明では、内蔵マグネットで車窓の上部金属フレームに取り付け、誰でも素早く着脱でき落下しにくい、虫の侵入を防ぐ、強い日差しを遮り紫外線から車内を守る、と書かれている。
一方で商品説明は「ほぼ全ての車種に対応する汎用設計」「サイズが合えばコンパクトミニバンにも使用可能」とも書いており、商品名の車種の書き方と食い違う。この網戸タイプは、窓の上側に磁石の付く金属があることと、サイズが合うことを、買う前に確かめる。
SL R232に適用 マグネット式サイドサンシェード 網戸タイプ
駐車中の日除けと目隠しが目当てなら、付けたまま窓の開閉ができると書く磁石式を選ぶ。窓を開けて虫を防ぎたい場面が多いなら網戸タイプを選ぶ。どちらも、窓まわりに磁石が付くかを確かめてからにする。
横用を付けたまま走らない:窓の決まり
JAF Mate の交通ルールの解説では、運転席や助手席の窓にサンシェードやカーテンを取り付けることは運転者の視野を妨げることになるとし、道路交通法第55条第2項の違反として、違反点数1点の対象になると説明している。同じ解説は、保安基準第29条第3項に基づき、前面ガラスと運転席・助手席の窓ガラスは可視光線の透過率が70%以上であることが必要としている。
国土交通省の不正改造の案内でも、前面ガラスと運転席・助手席の側面ガラスに、可視光線の透過率70%未満の着色フィルム等を貼り付けることを禁止している。JAF の質問箱の回答も、フロントガラスと運転席・助手席の窓ガラスには、検査標章など指定された物以外(可視光線透過率が70%以上になる物は除く)を貼り付けることは禁止されていると説明している。
横用のサンシェードは駐車中・停車中の日除けや目隠しに使い、運転席・助手席の窓に付けたまま走らない。出発前に外して収納袋に戻す。
SL R232 で使うときの注意
- 屋外に停めるときは、ソフトトップを閉じてから前用・横用を付ける。サンシェードはガラスの内側で日差しを遮る道具なので、屋根を開けたままでは頭上からの日差しを遮れない。JAF の紫外線の試験でも、運転席のUVラベルが最も早く赤く変わったのはオープンカーだった。
- 傘型を前面ガラスの内側で広げるときや、折り畳み式を広げてサンバイザーに挟むときは、骨や縁が縦型メディアディスプレイの画面やルームミラーに当たらないよう、ゆっくり広げる。
- JAF の質問箱の試験では、炎天下の車内でスマートフォンが「高温注意」の表示になって一部の機能以外使えなくなり、使い捨てライターは2〜3時間でひびが入ってガスが漏れた。サンシェードを付けていても、スマートフォンやライター、スプレー缶を車内に置いたままにしない。
- 子どもや高齢者、ペットを暑い車内に残さない。
よくある質問
サンシェードで車内の暑さは防げる?
防げない。JAF のミニバンの試験で差が出たのはダッシュボードの温度で、車内の気温はサンシェード装着でも人や動物が耐えられない温度のままだった。抑えられるのは、内装に当たる直射日光のほうだ。
横用のサンシェードを付けたまま走ってよい?
運転席・助手席の窓には付けたまま走らない。視野を妨げる違反になり得る(窓の決まりの節)。SL R232 は2ドアなので、ドアの窓はこの2席の窓にあたり、横用は出発前に外す。
屋根を開けたまま使える?
ガラスの内側に付ける物なので、屋根を開けていると頭上からの日差しは遮れない。停めるときはソフトトップを閉じてから付ける。
冬にも使い道はある?
折り畳み式の販売ページの商品説明は、夏は日除け、冬は車内の暖かさを保つ、車中泊や長時間の駐車時のプライバシー保護にも役立つと書く。ただし出品者の記載で、効果の数値は示されていない。冬は目隠しとしての使い道を主に考えるとよい。
まとめ
買う前にまず、実車で2つを確かめる。前面ガラスの大きさを販売ページのサイズの案内と照らすことと、ドアの窓の上側や窓枠に磁石の付く金属があるかを家の磁石で見ることだ。そのうえで車検証の初度登録年月を見て、商品名の年式の書き方(「2021年-」「令和4年10月~現行」)と照らす。
- 前用は形式で選ぶ。商品名に R232型と国内発売の時期が書かれた傘型か、サンバイザーに挟む折り畳み式(商品説明に全車種対応の記載も並ぶ)か。
- 横用は磁石の付け先と使う場面で選ぶ。SL R232 の窓まわりに磁石が付くかは確かめられていない。駐車中・停車中に使い、運転席・助手席の窓に付けたまま走らない。
同じメルセデス・ベンツのオープンカーのサンシェードは、次の記事で比べている。
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