アコードのタイヤを自分で替えるとき、ジャッキが車に積まれているかどうかは型式で変わる。2020年2月〜2023年1月に売られていた CV3 の取扱説明書(2022年の版)は車載のジャッキを使う前提で手順を書いているが、後継のアコードの取扱説明書(2024年の版)はジャッキが標準で搭載されていないとしている。車検証の型式が CV3 なら、以下の手順とホイールナットの締め付けトルク 108N・m(取扱説明書 2022年の版の値)を手がかりに作業を組み立てればよい。ただし2022年より前に登録された CV3 は、車に備え付けの取扱説明書で同じ記載かを確かめる。
CV3 のジャッキの場所・当て方・締め付けトルク
CV3(2020年2月〜2023年1月)の取扱説明書(2022年の版)に沿うと、最初に知りたい答えは次のとおりだ。
| 項目 | CV3 の取扱説明書(2022年の版)の記載 |
|---|---|
| ジャッキ | 車に搭載。カーゴリッドを開けて取り出す |
| ジャッキを置く所 | 交換するタイヤにもっとも近いジャッキポイントの下 |
| ジャッキポイントの位置 | 取扱説明書の図で示されている |
| 当て方 | ジャッキの溝にジャッキポイントがはまったことを確かめる |
| ホイールナットの締め付けトルク | 108N・m(11kgf・m) |
| スペアタイヤ | 装備なし(タイヤパンク応急修理キットで対処) |
ナットは最後に 108N・m で締める。ジャッキポイントの場所は、取扱説明書の図で確かめる。2022年より前に登録された CV3 は、表の記載が備え付けの取扱説明書と同じかを確かめる。
対象にする CV3 の範囲と純正タイヤ
ホンダの製品アーカイブでは、CV3 にあたるアコードを「2020年2月発表 2023年1月終了モデル」としており、グレードは EX(e:HEV・FF)。中古車販売のガリバーの型式情報でも、型式 CV3 の販売期間は2020年2月〜2023年1月だ。
手順と数値は、ホンダの取扱説明書(2022年の版)による。取扱説明書の頁には型式の表示が無く、2022年に販売されていたアコードが CV3 だったことから CV3 の記載として扱っている。2022年より前に登録された CV3 は、車に備え付けの取扱説明書で同じ記載かを確かめてほしい。
| CV3 の車両仕様一覧の項目 | 値 |
|---|---|
| タイヤサイズ | 235/45R18 94W |
| リムサイズ | 18×8J |
| 指定空気圧(前輪) | 235kPa(2.4kgf/cm2) |
| 指定空気圧(後輪) | 220kPa(2.2kgf/cm2) |
ホンダの製品アーカイブの主要装備は、18インチのノイズリデューシングアルミホイールとなっている。
後継のアコードとはジャッキの記載が違う
後継のアコードの取扱説明書(2024年の版)は「この車には、ジャッキが標準で搭載されていません」としており、ジャッキやジャッキハンドルバーは別売りの扱いだ。CV3 の取扱説明書(2022年の版)は搭載されているとしているので、ウェブで取扱説明書を開くときは版の年を見て、記載を取り違えないようにする。
作業前にそろえる物と車載工具の場所
CV3 の取扱説明書(2022年の版)は「この車に搭載されているジャッキをお使いください」としている。ジャッキ・ジャッキハンドルバー・ジャッキハンドルは、カーゴリッドを開けて取り出す。工具はトランク内に収納されていて、どんな工具があるかは取扱説明書の図で確かめられる。ナットを回すレンチも、作業前に手元にあるかを見ておく。
手持ちの別のジャッキを使う場合は注意がいる。取扱説明書は、他のジャッキでは支えられる重量(呼荷重)が不足したり、形状が合わないことがあると書いている。使うなら呼荷重と、ジャッキポイントにはまる形かを先に確かめる。迷うなら車載のジャッキを使うのが確実だ。
もう1つ用意したいのがトルクレンチだ。締め付けトルクは車ごとに違うので、108N・m に合わせて締められる物を選ぶ。タイヤメーカーのコンチネンタルの解説では、まず規定トルクの半分の値で各ナットを締め、その後で規定値に合わせ直して締める進め方が紹介されている。
ジャッキポイントの探し方と当て方
CV3 の取扱説明書は、ジャッキポイントの位置を図で示しており、本文に位置の言葉での説明は無い。作業の前に図を開き、実車で該当する場所を目で確かめてからジャッキを置く。
当て方の手順は次のとおり。
- 交換するタイヤにもっとも近いジャッキポイントの下にジャッキを置く
- ジャッキの上部がジャッキポイントに接触するまで回す
- ジャッキの溝にジャッキポイントがはまったことを確かめる
ジャッキポイント以外にはかけない。乗りものニュースの記事では、ジャッキポイント以外にかけると車体の重さで車を傷めるおそれがあると説明している。なお、フロアジャッキを当てる車体中央の位置や、リジッドラック(ウマ)をかける位置は CV3 について確かめられていないので、ここでは扱わない。
タイヤ交換の手順
停車と輪留め
取扱説明書の準備の手順は次のとおりだ。
- 地面が固く、滑らない、水平なところに車を停める
- パーキングブレーキをかける
- シフトポジションを P にする
- パワーモードを OFF モードにする
- カーゴリッドを開けてジャッキ、ジャッキハンドルバー、ジャッキハンドルを取り出す
- 交換するタイヤの対角線上にあるタイヤの前後に、石などで輪留めをする
自動車メーカーのタイヤ交換の案内では、走行直後はホイールやブレーキまわりが高温になっているので、やけどに注意するよう書いている。
ナットを緩めてからジャッキアップ
タイヤが地面に着いているうちに、ホイールナットをレンチで少しだけ緩めておく。レンチを足で踏んで使わないことも、自動車メーカーのタイヤ交換の案内が挙げる注意だ。
緩めたらジャッキをジャッキポイントに当て、溝にはまったことを確かめる。そのうえでジャッキハンドルとジャッキハンドルバーを使い、タイヤが地面から離れるまで車体を上げる。
取り付けと仮締め
ナットを外してタイヤを交換する。取り付けるときはナットを手で入れてから、タイヤががたつかなくなるまで対角線の順に2〜3回に分けて仮締めする。手で入れたときに引っ掛かりがあれば、無理に締めずに販売店で点検を受ける。
車体を下ろして本締め
車体を下ろしてジャッキを外してから、同じ対角線の順で本締めする。最後はトルクレンチで 108N・m に合わせて締める。無理に締め付けるとボルトを傷めることがあるので、規定値を超えて締め込まない。
ジャッキで上げている間にしてはいけないこと
取扱説明書の警告は、車がジャッキだけで支えられているときは、車の下に入らないこと。車がジャッキから外れて、車の下にいる人が重大な傷害を負うおそれがある。あわせて、次の6項目を必ず守るよう書いている。
- パワーシステムを起動したままにしない
- 地面が固い平らなところ以外では使用しない
- ジャッキポイント以外にかけない
- 人や荷物を乗せたままにしない
- ジャッキ使用中に車内に入らない
- ジャッキの上や下にものを入れたりしない
乗りものニュースの記事では、外したタイヤ・ホイールを車体の下に置いておくと、ジャッキが外れて車が落ちたときの備えになるとしている。挟まれる危険を減らす手として取り入れておきたい。
交換した後の点検:増し締め・空気圧・ローテーション
増し締め
タイヤメーカーのコンチネンタルの解説では、交換後に 50〜100km を目安に走ってからホイールナットを点検し、必要なら規定のトルクで締め直すとしている。これはタイヤメーカーの一般的な目安で、ホンダの取扱説明書の指定ではない。
空気圧
空気圧はタイヤ温度が低いときに、すべてのタイヤを測る。CV3 の指定空気圧は前の表の値で、運転席横の車体に貼ってあるラベルにも記載されている。
ローテーションと交換時期
取扱説明書は、特定のタイヤが摩耗するのを防ぐため、5,000km 走行したときにローテーションをするよう書いている。入れ替えの順は取扱説明書の図で示されている。回転方向が指定されたタイヤは、タイヤ回転指示マークが前方を向くように取り付ける。
交換時期の目安はウェアインジケーターだ。接地面にあり、ほかの部分より溝が 1.6mm 浅い。接地面が摩耗してウェアインジケーターと同じ高さになったら交換する。摩耗が激しいタイヤや空気圧が適正でないタイヤは使わない。
冬タイヤへ履き替えるときの決まり
CV3 の取扱説明書は、4輪とも同一指定サイズ・同一種類・同一銘柄で摩耗差のないタイヤを使うよう書いている。異なるタイヤを使うと、運転に関わるシステムが正常に機能しなくなったり、動力伝達装置に悪影響を与えたりする。4本同時の交換を勧め、できないときは前輪または後輪の左右を一緒に交換する。ホイールは、仕様が純正ホイールと同一のものかを確かめる。
雪道や凍結路では、スノータイヤを同じ種類・指定サイズで4輪すべてに装着する。CV3 の取扱説明書(2022年の版)は「タイヤチェーンは使用できません」としている。ボディやサスペンション、ブレーキ配管などを破損するおそれがあるためだ。
冬用のホイールに付け替えるときは、ナットにも気を配る。自動車メーカーのタイヤ交換の案内では、使っているホイール専用のホイールナットを使い、ナットとホイールの接触面とねじ部の汚れを拭き取るよう書いている。つぶれ・亀裂・錆などがあれば、販売店で点検を受ける。
パンクしたとき:スペアタイヤが無い CV3 の対処
CV3(2020年2月〜2023年1月)にはスペアタイヤの装備が無い。ホンダの製品アーカイブも「応急パンク修理キットを装備しておりますので、スペアタイヤは装備しておりません」としている。パンクしたときは、カーゴリッドから取り出すタイヤパンク応急修理キットで小さな穴を一時的に補修し、販売店まで走る。キットでの補修は販売店まで走るための一時的なもので、タイヤの損傷が激しい場合はけん引が必要になる。
修理キットが使えない場合
取扱説明書は、次の場合はキットが使えないとしている。この場合は Honda 販売店またはロードサービスに連絡する。
- 応急修理剤の有効期限が切れているとき
- タイヤが2本以上パンクしているとき
- 約4mm以上の切り傷や刺し傷によるパンクのとき
- 路面接地部以外が損傷を受けパンクしたとき
- ほとんど空気が抜けた状態で走行したとき
- タイヤがホイールから外れているとき
- ホイールが破損しているとき
修理キットを使うときの注意
- タイヤに刺さったクギなどは抜かない(抜くと応急修理ができなくなる場合がある)
- 15分以上エアコンプレッサーを使わない
- 10分以内に指定空気圧にならないときは応急修理できない
- 点検走行の後に空気圧が 130kPa 未満なら、応急修理剤では修理できない
- 高速道路では 80km/h 以下を守る
- 外気温が氷点下のときは、使用前に約5分間暖める
よくある質問
CV3 にジャッキは付いていますか
CV3(2020年2月〜2023年1月)の取扱説明書(2022年の版)は、車に搭載されたジャッキを使うよう書いており、カーゴリッドを開けて取り出す。2022年より前に登録された CV3 は、車に備え付けの取扱説明書で同じ記載かを確かめる。後継のアコードの取扱説明書(2024年の版)は標準で搭載されていないとしているので、版を取り違えないようにする。
ホイールナットの締め付けトルクはいくつですか
CV3 の取扱説明書(2022年の版)では 108N・m(11kgf・m)。2022年より前に登録された CV3 は、備え付けの取扱説明書でも同じ値かを見ておく。
タイヤチェーンは使えますか
CV3 の取扱説明書(2022年の版)は「タイヤチェーンは使用できません」としている(2022年より前に登録された CV3 は、備え付けの取扱説明書で同じ記載かを確かめる)。雪道や凍結路では、スノータイヤを4輪とも同じ種類・指定サイズで、4輪すべてに履く。
増し締めはいつ行いますか
タイヤメーカーのコンチネンタルの解説では、交換後 50〜100km を目安に走ってから点検し、必要なら締め直すとしている。ホンダの取扱説明書の指定ではない。
スペアタイヤは付いていますか
CV3(2020年2月〜2023年1月)にはスペアタイヤの装備が無く、パンクにはタイヤパンク応急修理キットで対処する。使えない場合の条件は「パンクしたとき」の節にまとめた。
まとめ:まず実車の現物を見てから作業に入る
最初にやることは、実車を見ることだ。タイヤの側面のサイズ表記が純正の 235/45R18 94W か、カーゴリッドの下にジャッキとジャッキハンドルがそろっているかを確かめる。そのうえで車検証の型式が CV3 かを見て、備え付けの取扱説明書でジャッキポイントの図を開く。
作業の要点は3つ。ジャッキポイントは取扱説明書の図で確かめてジャッキの溝にはめる、ナットは車体を下ろしてから 108N・m で締める、走ったあとに増し締めの点検をする。108N・m は取扱説明書(2022年の版)の値で、2022年より前に登録された CV3 は備え付けの取扱説明書で同じ記載かを確かめる。タイヤ交換のついでに、CV3 のほかの整備もあわせて見直しておくとよい。

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