BMW M4 G82 タイヤ交換のジャッキポイントと140Nm

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M4 クーペ(G82)が出先でパンクしたときも、自宅でホイールを替えるときも、手が止まりやすいのはジャッキを当てる場所とボルトの締め具合だ。作業を自分でやってよいかは、車載ジャッキの使い道と、前後のタイヤサイズの組み合わせで分かれる。答えを先に言うと、ジャッキは交換するタイヤに最も近いジャッキポイントの四角いくぼみに差し込み、ホイールボルトは取扱説明書(米国英語版)の値の 140 Nm で十字の順に締める。

目次

ジャッキは交換するタイヤに近いくぼみへ、ボルトは140 Nm

BMW の取扱説明書(M4 クーペ・米国英語版)では、交換するタイヤに最も近いジャッキポイントの四角いくぼみにジャッキを差し込み、ホイールハウスの隣のジャッキポイントに入っていることを確かめてから上げる、としている。位置は取扱説明書の図で示されている。差し込みがずれていると、ジャッキが滑って車を傷めるおそれがある。

ホイールボルトの締付トルクは、同じ取扱説明書で 140 Nm(101 lb-ft)。車を下ろした後、十字の順で締める。海外のタイヤ・ホイール適合データベースにも同じ 140 Nm が載っている。

手順と数値の出典は、2021年6月版の BMW M4 クーペの取扱説明書(米国英語版)だ。日本仕様の車とは積まれている工具などの装備が違うことがあるので、自分の車の取扱説明書や販売店でも確かめてほしい。

作業の前に確かめること

G82 は BMW M4 の 2 代目(G82/G83)で、生産は 2020 年から。先代の F82/F83(生産は 2014 年から 2020 年 6 月まで)向けの情報と取り違えないようにしたい。

車載ジャッキの使いどころ

取扱説明書では、車載ジャッキはホイール交換のために車を短い時間持ち上げるための物で、夏タイヤから冬タイヤへの履き替えのような頻繁な使用向けには作られていない、としている。車載ジャッキは出先のパンクのような場面のために取っておき、毎シーズンの履き替えの道具にはしない、と考えておくのがよい。

取扱説明書には、パンク修理キットを使う場合は、空気圧が下がってもすぐにホイールを交換する必要はない、という趣旨の記載もある。

工具とロックボルトのアダプター

取扱説明書(米国英語版)には、ホイール交換用の工具はディーラーの用品として扱っている、という記載がある。日本仕様の G82 にジャッキやホイール交換用の工具が積まれているかは、ここで参照した資料では確かめていない。作業の前に荷室の車載工具を見て、無ければ販売店に問い合わせる。

ホイールボルトのうちロックボルトは特殊なコードを持ち、合うアダプターでだけ回せる。アダプターは車載工具か近くの収納に入っているので、工具と一緒にアダプターの有無も見ておく。

ジャッキポイントの位置と当て方

四角いくぼみに差し込む

ジャッキは、ホイールハウスの隣のジャッキポイントの四角いくぼみに差し込む。上げ始めたら、ジャッキの足がジャッキポイントの真下で垂直・直角に立っているかを確かめる。ジャッキを操作するときは手や指を挟むおそれがあるので、取扱説明書が示す手の位置を守り、作業の間はその位置を変えない。車載ジャッキは、その車を指定のジャッキポイントで持ち上げるための物で、ほかの車や荷物を持ち上げるのには使わない。

地面とジャッキの足

柔らかい地面・凸凹の地面・滑りやすい地面(雪・氷・タイルなど)では、車載ジャッキが滑ることがある。平らで固く滑らない地面で使う。ジャッキの下に台や支えを置かない(傾くおそれがある)。

純正のジャッキパッドについて

G82 用の交換ジャッキパッドを扱う海外の部品販売店の頁では、純正の樹脂製ジャッキパッドは整備やサーキットでのタイヤ交換で傷みやすい、としている。その頁が扱うのは、M2 G87・M3 G80/G81・M4 G82/G83(2021年〜)向けのアルミ製の交換品だ。サーキットでタイヤを替える機会が多い人ほど、差し込む前にくぼみの状態を目で見ておきたい。

持ち上げる前の安全の準備

止める場所と車の固定

固く滑らない地面で、通る車から安全な距離をとって止め、ハザードを点ける。パーキングブレーキをかけ、ギアに入れるかセレクターレバーを P にする。乗っている人は全員降ろし、ガードレールの後ろなど安全な場所で待ってもらう。必要なら三角表示板などを置く。

輪止めの位置

取扱説明書は、ホイール交換のときに車が転がらないよう、さらに固定することを勧めている。平らな所では、交換するタイヤの対角のタイヤの前と後ろに輪止めなどを置く。軽い下り坂では、前後両方の軸のタイヤの下に、転がる向きと逆に輪止め(必要なら石など)を置く。

上げている間にしないこと

車載ジャッキで上げた車の下には入らない。上げている間は走行できる状態(drive-ready)にしない。ジャッキで上げた車は、横から力がかかるとジャッキから落ちることがあるので、車を横に押したり引いたりせず、急に揺すらない。

タイヤ交換の手順

1. ボルトをゆるめてから上げる

車を上げる前の準備の最後に、ホイールボルトを半回転ゆるめておく。ロックボルトはアダプターを付けて回す。ジャッキはクランク(レバー)を時計回りに回して上げ、ジャッキの足が地面に確実に着き、交換するタイヤが地面から最大 3 cm 浮くところまでで止める。

2. ホイールを外して付ける

ホイールボルトを回して外し、ホイールを外す。ロックボルトを外したら、アダプターも外してしまう。新しいホイールを当て、少なくとも 2 本のボルトを十字(対角)の順で手で締まるところまでねじ込む。残りのボルトも手で締めてから、全部のボルトを十字の順で締め込む。ロックボルトはアダプターを差し(合わなければ回して合わせ)、ボルトをねじ込んで締める。

海外のタイヤ・ホイール適合データベースでは、G82/G83 の M4(2021〜2024年の M4 Competition、2024年〜の改良後の各トリム)は PCD 5×112・ハブ径 66.5 mm・ねじ M14×1.25 で、ホイールはボルトで留める方式とされている。ボルト留めの車では、ハブのボルト穴の 1 つにガイドボルトをねじ込んでおくと、ホイールを掛けて穴の位置を合わせやすい。ほかのボルトを手で締めてからガイドボルトを外し、その穴にもボルトを入れる。

車のメーカーの純正ではない軽合金ホイールを付けるときは、そのホイールに付いてくるボルトを使う必要があることがある。固着して外れないホイールは、ディーラーなどの整備工場で外してもらう、と取扱説明書にある。

3. 下ろして締める

ジャッキのクランクを反時計回りに回してジャッキを縮め、車を下ろす。ジャッキは外してしまう。

交換の後にやること

車を下ろしたら、ホイールボルトを十字の順で 140 Nm に締める。ロックボルトも同じ 140 Nm だ。そのうえで、校正したトルクレンチでホイールボルトの締まりを確かめる。

早めにタイヤの空気圧を確かめて直す。パンクの警告(Flat Tire Monitor)を初期化し、タイヤ空気圧モニター(Tire Pressure Monitor)をリセットし直すところまでで、交換の作業は終わりになる。

G82 のタイヤサイズと前後の入れ替え

グレードごとのタイヤサイズ

中古車販売のガリバーの車種カタログでは、2021年1月からのモデルに M4クーペ(FR・6MT)、M4クーペ コンペティション(FR・8AT)、同トラックパッケージがあり、2021年9月からのモデルに M4クーペ コンペティション M xDrive(4WD・8AT)と同トラックパッケージが加わる。6MT の M4クーペは 2023年6月〜2024年7月のモデルにも掲載がある。2025年11月〜のモデルのクーペは M4クーペ コンペティション M xDrive の掲載だ。同じカタログの日本仕様のタイヤサイズは次のとおり。

グレード(駆動・変速機) 前 後 掲載を確かめたモデル
M4クーペ(FR・6MT) 275/40R18 285/35R19 2021年1〜10月、2023年6月〜2024年7月
M4クーペ コンペティション(FR・8AT) 275/35R19 285/30R20 2021年1〜10月
M4クーペ コンペティション M xDrive(4WD・8AT)と同トラックパッケージ 275/35R19 285/30R20 2021年9月〜2022年1月(M4クーペ コンペティション M xDrive は 2025年11月〜2026年9月も同じ)

確かめたのは車種カタログの一部の期間の掲載だけだ。年式・グレード・オプションで違うことがあるので、替える前に今付いているタイヤの側面の表示で前後それぞれのサイズを確かめる。

前後の入れ替えはしない

取扱説明書は、前と後ろでタイヤサイズやリムサイズが違う車では、前後の軸の間でタイヤを入れ替えないように書いている。日本仕様の掲載で確かめたグレード(M4クーペ・コンペティション・コンペティション M xDrive・トラックパッケージ)は、どれも前後でタイヤサイズが違う。掲載で確かめたこれらのグレードでは、前後のローテーションは考えない。

組み付けと保管

タイヤの組み付けとホイールのバランス取りは、ディーラーなどの整備工場で行うように、と取扱説明書にある。同じ取扱説明書は、車のメーカーがその車種に勧めるホイールとタイヤを使うこと、タイヤサイズごとに推奨のタイヤ銘柄があること、スチールホイールを付けないこと、タイヤは同じメーカーの同じトレッドの物でそろえることも書いている。承認されたホイールとタイヤは、メーカーのサービス工場に問い合わせられる。

外したホイールとタイヤは、涼しく乾いた暗い場所で保管する。冬タイヤを付けているときは、冬タイヤの許容最高速度を超えない。

G82 対応と書かれたホイールガイドボルト

選ぶ基準はねじの径とピッチ

ガイドボルトは、ねじの径とピッチが車のボルト穴と同じ物を選ぶ。先の適合データベースでは、G82/G83 の M4(2021〜2024年の M4 Competition、2024年〜の改良後の各トリム)のねじは M14×1.25 なので、M14×1.25 と書かれた物が候補になる。買う前に自分の車のボルトの表記で確かめる。

INEX と RIDE の 2 商品

INEX のホイールガイドボルトは、商品名に「M14×1.25」「2本」「シルバー」「輸入車 タイヤ交換 セッティングボルト」「BMW M4 G82/G83対応」とある。販売ページの商品説明では、ホイールの位置合わせのときのタイヤの落下などを防ぐ物で、説明書は付かない、としている。

INEX ホイールガイドボルト M14×1.25 2本(BMW M4 G82/G83対応と記載)

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RIDE のホイールガイドボルトは、商品名に「M14×1.25」「2本」「シルバー」「輸入車 タイヤ交換」「BMW M4 G82/G83対応」とある。販売ページの商品説明では、こちらもホイールの位置合わせのときのタイヤの落下などを防ぐ物で、説明書は付かない、としている。

RIDE ホイールガイドボルト M14×1.25 2本(BMW M4 G82/G83対応と記載)

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2 商品は、商品名のねじの表記(M14×1.25)・本数(2本)・色(シルバー)・対応の記載(BMW M4 G82/G83対応)が同じで、販売ページの商品説明の箇条書きも同じ中身だ。違いは商品名のブランドの表記なので、価格や届く日をリンク先で比べて決めてよい。どちらも販売ページの商品説明に、記載のメーカーや車種でも適合サイズが違う場合があるので、買う前に現車のボルトのサイズを確かめるように、という注意がある(出品者の記載)。

よくある質問

冬タイヤへの履き替えに車載ジャッキを使ってよい?

使わない方がよい。取扱説明書は、車載ジャッキを短い時間の持ち上げ用とし、季節の履き替えのような頻繁な使用向けではないとしている。

前後のタイヤを入れ替えてもよい?

入れ替えない。日本仕様の掲載で確かめたグレード(M4クーペ・コンペティション・コンペティション M xDrive・トラックパッケージ)は前後でタイヤサイズが違い、取扱説明書はその場合の前後の入れ替えをしないよう書いている。

ホイールボルトの締付トルクは?

取扱説明書(米国英語版)の値は 140 Nm(101 lb-ft)。車を下ろしてから十字の順で締め、締め終えたらトルクレンチで確かめる。

ロックボルトのアダプターはどこにある?

車載工具か、その近くの収納に入っている。見当たらないときは、パンクする前に販売店に問い合わせておきたい。

ホイールが固着して外れないときは?

無理に外そうとせず、ディーラーなどの整備工場に任せる。ジャッキで上げた車に横から力をかけると、ジャッキから落ちることがある。

まとめ

作業の前に、まず車検証で型式と初度登録年月を確認する。そのうえで要点を振り返る。

  • ジャッキは交換するタイヤに最も近い、ホイールハウスの隣のジャッキポイントの四角いくぼみに差し込む
  • 上げるのは交換するタイヤが地面から最大 3 cm 浮くところまで。上げた車の下には入らない
  • ボルトは十字の順に 140 Nm で締め、交換の後にトルクレンチで確かめる
  • 空気圧を直し、パンクの警告の初期化とタイヤ空気圧モニターのリセットまで行う
  • 日本仕様の掲載で確かめたグレード(M4クーペ・コンペティション・コンペティション M xDrive・トラックパッケージ)は前後でタイヤサイズが違うので、前後の入れ替えはしない

同じ G82 のほかの整備も合わせて見ておくと、手を入れる順番を決めやすい。

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この記事を書いた人

車種別パーツ適合情報サイト「パーツ選び.com」の編集部。タイヤサイズ・エンジンオイル量・ワイパー適合・フィルター型番など、車種ごとの記事と、車種を横断した早見表を公開中。適合値はメーカー公式の諸元・取扱説明書や部品メーカーの公式適合表で確認したものを優先し、確認できない数値は載せない方針で運営しています。

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