ラウム NCZ20 のタイヤ交換で守ることは2つだ。ジャッキは取扱書で指定された位置に当て、ナットは対角の順に締めてから取扱書の規定トルクで本締めする。ジャッキポイントは車体側面の下にある印と切り欠きを目で見て探し、取扱書の図と合う所にだけ当てればよい。
ジャッキは取扱書の指定位置、ナットは取扱書の規定トルク
トヨタの公式サイトのよくある質問では、ジャッキは取扱書で指定された箇所に当てて車体を持ち上げ、ナットは対角の順序で2〜3回に分けて締め、仕上げに取扱書記載の締め付けトルクで締めるよう案内している。トヨタ車全般に向けた案内で、そのページにはジャッキポイントの具体的な位置もトルクの数値も書かれていない。
ラウム NCZ20 に絞って調べても、前後のジャッキポイントの正確な位置を図や数値で示した出典と、ホイールナットの締め付けトルクの数値は見つからなかった。トヨタの公式案内、タイヤとホイールの寸法情報、ラウム NCZ20 の整備記事、タイヤ交換店の作業記録のどれにも数値は無く、作業記録や整備記事も「規定トルク」「指定のトルク」と書くだけだ。
だから位置は取扱書の図で確かめ、車体側面下部の印と切り欠きを自分の目で見てから当てる。トルクの数値も車に備え付けの取扱書で確かめる。取扱書でジャッキの位置や規定トルクを確かめられないときは、自分で作業せず販売店や整備工場・タイヤ店に任せ、本締めまでしてもらう。
ラウム NCZ20 の年式とタイヤ・ホイールの規格
ラウム NCZ20 は2代目ラウムの型式で、2003年5月のフルモデルチェンジで登場し、2011年9月末に生産を終え、10月に販売を終えた。エンジンは1NZ-FE型(1,497cc・直列4気筒DOHC)、変速機は電子制御4速AT。中古車カタログの諸元では、2011年1月発売の DBA-NCZ20 ベースグレードは駆動方式2WD・車両重量1,150kg だ。同じ2代目でも型式が NCZ25 の車には、以下のサイズや規格をそのまま当てはめないでほしい。
標準のタイヤサイズ
タイヤ・ホイールの寸法情報サイトの掲載では、ラウム NCZ20 の標準の装着タイヤは前後とも 175/65R14 82S(ホイールは14×5.5J・インセット39)。中古車カタログの諸元でも、DBA-NCZ20 ベースグレードは前後 175/65R14 82S になっている。
Sパッケージの15インチ
ラウム NCZ20 にはもう1つの装着タイヤ 185/55R15 81V(ホイール15×5.5J・インセット39)がある。百科事典サイトの記載では、2WD車のSパッケージは15インチのタイヤとアルミホイールが標準で、新車装着タイヤは 185/55R15 81V、15インチ装着車は専用のチューニングサスペンションだ。寸法情報サイトでは、NCZ20 の 185/55R15 はオプション扱いになっている。
グレードで装着サイズが違うので、交換用のタイヤを用意する前に、いま付いているタイヤで自分の車のサイズを確かめる。
ホイールの PCD とねじ
寸法情報サイトの掲載では、ラウム NCZ20 のホイールは PCD 4×100(4穴)、ねじ M12×1.5、センターボア 54.1mm。同サイトにナットの締め付けトルクの値は載っていない。
ラウム NCZ20 のジャッキポイントの探し方
位置の正本は取扱書の図で、実車ではその図と同じ場所に印と切り欠きがあるかを目で確かめる。
印と切り欠きを目で確かめる
車の情報サイト CARPRIME の解説では、ジャッキポイント(ジャッキアップポイント)は一般に車体側面の下部、前輪と後輪の間にあり、逆三角形もしくは矢印のマークが目印になる。マークの奥のプレスラインに切り欠きがあり、ジャッキはその切り欠きに合わせてセットする。
これはラウムに限らない一般的な解説で、ラウム NCZ20 の整備記事もジャッキをかけた位置は書いていない。取扱書の図と、車体の印・切り欠きの両方が合う所にだけジャッキを当てる。
車載のパンタグラフジャッキで上げるとき
ラウム NCZ20 の整備を紹介する個人サイトの記事では、車載のパンタグラフジャッキで車体を上げてタイヤを外し、外したタイヤを車体の下に置いている。CARPRIME の解説では、強度の無い場所にジャッキを入れると車体やプレスラインが変形するおそれがあり、ジャッキが不安定だと倒れる危険もある。ジャッキだけで車体を支えないための備えは、後の「作業中の安全のための注意」で挙げる。
用意する道具と作業場所
ブリヂストンのタイヤ交換の解説では、自分でタイヤを交換するのに要る道具はジャッキ、L型(または十字)レンチ、トルクレンチ、輪止め、軍手。これに加えて、ジャッキだけで車体を支えないためのリジッドラック(ジャッキスタンド)があると事故を防ぎやすい(乗りものニュースの記事・CARPRIME の解説)。
作業場所は、トヨタの案内では地盤が硬く平らで安全な場所、ブリヂストンの解説では平坦で舗装された場所で、砂利や土の上は避ける。こうした場所が確保できないなら、自分でやらずに専門店へ頼む。
付ける前にタイヤを確かめる
ブリヂストンの解説では、回転方向や内外の向きが指定されたタイヤは、側面の刻印(ROTATION、OUTSIDE/INSIDE)に従って付ける。あわせて亀裂・ヒビ・偏摩耗・残り溝の深さ・経年劣化を確かめ、残り溝が1.6mmに達してスリップサインが出たタイヤは使えない。しまっておいたスタッドレスタイヤを出すときは、付ける前にここを見ておく。
タイヤ交換の手順
ジャッキアップ前の準備
- シフトをPレンジに入れ、パーキングブレーキをかける。
- 外すタイヤと対角の位置にあるタイヤに輪止めをかける。
- ホイールキャップがあれば先に外し、ジャッキアップの前にホイールナットを少しだけ緩めておく。
外し方
- 取扱書で指定されたジャッキポイントにジャッキを正しく当て、タイヤが路面から少し浮く程度まで上げる。
- ナットを外してタイヤを外す。ブリヂストンの解説では、一番上のナットは最後まで残して外すと、タイヤが手前に倒れにくい。
付け方と仮締め
- ホイールを付ける前に異物を噛み込まないか確かめ、ナットとホイールの接触面・ねじ部の汚れを拭き取る。
- タイヤを付け、ナットを手で仮締めする。トヨタの案内では、手で仮締めして引っかかる場合は販売店で点検を受ける。
- ナットがガタつかなくなるまで、対角線の順に2〜3回に分けて均等に締める。乗りものニュースの記事では、地面に近い位置のナットから対角線の順に締めるとしている。
下ろしてから本締め
- 車体を下ろしてジャッキを外してから、取扱書記載の規定トルクでトルクレンチを使って本締めし、輪止めを外す。
- 空気圧が指定値かを確かめ、低速で試運転する。
ブリヂストンの解説では、手で締めると締め付け不足や締め過ぎになり、走行中の脱輪につながるおそれがあるため、本締めには必ずトルクレンチを使う。
ナットの締め方と増し締め
規定トルクは取扱書で確かめる
トヨタの案内では、取り付けにはその車両専用のナットやボルトを使い、接触面とねじ部の汚れを拭き取る。変形・亀裂・錆があれば販売店で点検を受ける。トルクの数値は取扱書で確かめ、トルクレンチが無いなら、JAF の解説のとおり早めにガソリンスタンドや整備工場で本締めを頼む。
2段階で締める
タイヤメーカーのコンチネンタルの解説では、締め付け値は車種ごとに異なるのでオーナーズマニュアルなどで規定値を確かめ、トルクレンチを最初は規定値の半分に設定して締め、その後に規定値まで締め直す。ナットが4本のホイールは対角線の順に締める。
同じ解説では、ねじ部や接触面にゴミ・砂・錆があると、正しく締まっていなくても締まったように感じる「偽のトルク」が生じることがあり、締めすぎるとねじ山やホイールスタッドを傷め、ブレーキ部品やハブの歪みにつながるおそれもある。JAF の解説では、無理に締め付けるとボルトが破損する場合がある。ラウム NCZ20 の整備記事も、締めすぎるとアルミホイールが割れるおそれ、締め不足はタイヤが外れるおそれがあると注意している。
50〜100kmで増し締め
交換後は走行してからナットを増し締めする。コンチネンタルの解説は交換後50〜100kmを目安、ブリヂストンの解説は約100km走行後にトルクレンチで増し締めとしている。ナットが緩むと、最悪の場合は走行中にホイールが外れることもある(コンチネンタルの解説)ので、増し締めは省かない。
作業中の安全のための注意
CARPRIME の解説では、国民生活センターに寄せられた事例として、タイヤ交換中にジャッキが倒れて車と地面の間に身体を挟まれた例、車の下で作業中にジャッキが倒れて頭を打撲した例が挙げられ、死亡事例もあるとしている。作業中は次のことを守る。
- ジャッキだけで支えた車の下に入らない。入るならジャッキスタンドで固定する。
- 外したタイヤや交換用のタイヤを車体の下に置く。乗りものニュースの記事はジャッキスタンドを用意できないときの方法として挙げ、ラウム NCZ20 の整備記事も、ジャッキが外れたときに車体が地面まで落ちるのと手を挟むのをこれで防いでいる。
- なるべく水平な場所に停め、ジャッキポイントを確かめてからジャッキを入れる。
- その車に積まれている純正のジャッキを使い、別の車のジャッキは使わない。
- ジャッキを伸ばしきらない。高く上げるほど不安定になる。
- 走行直後はホイールやブレーキ周辺が熱いので、やけどに注意する。レンチは足で踏んで使わない(トヨタの案内)。
交換後に普段と違う音などの異常を感じたら、トヨタの案内のとおり、すぐにトヨタ販売店へ相談する。
自分でやるか、店に任せるか
判断の基準は次の4つだ。1つでも欠けるなら、店に任せる方を選ぶ。
- 平坦で舗装された作業場所を確保できるか
- 本締め用のトルクレンチがあるか(無ければ本締めをガソリンスタンドや整備工場に頼む)
- ジャッキだけで支えないためのジャッキスタンドがあるか
- 取扱書でジャッキの位置と規定トルクを確かめられるか
乗りものニュースの記事では、交換が年に2回程度なら、自分で作業して節約するより、ディーラー・整備工場・カー用品店に任せた方が費用面と安全面でおすすめとしている。タイヤ交換店の作業記録(2021年12月)では、ラウム NCZ20 の持ち込みタイヤ(14インチ)の交換を受け、ホイールに傷がつかないようプロテクターを付けて作業し、ホイールバランスを取ったうえで、トルクレンチで規定トルクのナット締め付けを行っている。交換、バランス調整、エアバルブ、廃タイヤ処分までの作業で、作業時間は30分だった。
工具や応急用タイヤが無いときや作業に自信が無いときは、JAF の解説のとおり、無理をせず JAF に連絡する。パンクで応急用(テンパー)タイヤに替えた場合も、JAF の解説では応急用タイヤはあくまで一時的な使用で、パンクしたタイヤは早めに修理するか、修理できなければ交換する。
外したタイヤは、乗りものニュースの記事のとおり、ホイールを付けたまま平積みにし、日光や雨を避けて保管する。
ほかのトヨタ車のタイヤ交換の手順も参考になる。
よくある質問
ラウム NCZ20 のナットの締め付けトルクは?
確かめた出典には数値が載っていなかった。車に備え付けの取扱書で確かめ、取扱書で確かめられないときは、自分で作業せず販売店や整備工場・タイヤ店に任せて本締めまでしてもらう。
ラウム NCZ20 のタイヤサイズは?
ラウム NCZ20 の標準の装着タイヤは前後とも 175/65R14 82S(寸法情報サイト・中古車カタログ)。2WD車のSパッケージは 185/55R15 81V が新車装着タイヤ(百科事典サイト。寸法情報サイトではオプション扱い)。グレードで違うので、いま付いているタイヤで確かめる。
車載ジャッキだけで作業してよい?
ジャッキだけで車体を支えない方が安全だ。乗りものニュースの記事では、リジッドラック(ジャッキスタンド)を使い、用意できない場合は交換用のタイヤを車体の下に置く方法を挙げている。ラウム NCZ20 の整備記事も、車載のパンタグラフジャッキで車体を上げたうえで、外したタイヤを車体の下に置いている。車載ジャッキだけで支えた車の下には入らず、入るならジャッキスタンドで固定する。
増し締めはいつ?
コンチネンタルの解説は交換後50〜100km、ブリヂストンの解説は約100km走行後が目安だ。トルクレンチで締め直す。
まとめ
最初にやるのは、いま付いているタイヤのサイズ(標準は 175/65R14 82S、2WD車のSパッケージは 185/55R15 81V)と、車体側面の下の印と切り欠きを実車で見ておくことだ。そのうえで取扱書を開き、ジャッキの指定位置と規定トルクを確かめる。
- ジャッキは取扱書の指定位置で、印と切り欠きが合う所にだけ当てる
- ジャッキだけで車体を支えず、ジャッキスタンドを使うか、用意できなければタイヤを車体の下に置く。ジャッキだけで支えた車の下には入らない
- 対角の順に締め、車を下ろしてから規定トルクで本締めする
- 50〜100kmを目安に増し締めする
- 取扱書でジャッキの位置や規定トルクを確かめられないなら、自分で作業せず店に任せる。トルクレンチが無いなら、早めに本締めをガソリンスタンドや整備工場に頼む
ラウム NCZ20 のほかの記事もあわせてどうぞ。

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