ライズのマフラー選びで最初につまずくのは、同じライズでも2021年11月を境に中身が入れ替わっている点だ。社外マフラーの適合は1.0Lターボを積むA200A(2WD)とA210A(4WD)に集中していて、改良後の1.2Lガソリン車とハイブリッド車は各社の適合情報に見当たらない。年式を見ずに品番だけで注文すると、届いてから付けられないことになる。まず自分がどちら側の車に乗っているかを確定させるところから始めたい。
型式と駆動方式で、進める道は3通りに分かれる
車検証の型式欄と駆動方式が分かれば、選択肢はほぼ決まる。
| 車検証の型式・駆動方式 | 年式の目安 | 本体マフラーの設定 | 現実的な進め方 |
|---|---|---|---|
| A200A(2WD・1.0Lターボ) | 2019年11月〜2021年11月 | フジツボ・柿本改・ブリッツにあり | 純正マフラーの切断が要る製品がある |
| A210A(4WD・1.0Lターボ) | 2019年11月〜 | 同じ3社にあり | 年式の上限指定がなく選びやすい |
| 1.2Lガソリン2WD・e-SMART ハイブリッド | 2021年11月〜 | 各社の適合情報で確認できず | マフラーカッターで見た目を変える |
本体マフラーの交換とマフラーカッターは、目的も費用も別物として扱ったほうが早い。本体交換は排気音と見た目と重量が変わり、騒音の基準と認証表示が関わってくる。費用はメーカー希望小売価格で8万円台から13万円台、これに取り付け工賃が乗る。マフラーカッターは見た目だけが変わって音は変わらず、費用は数千円で、気にするのは脱落防止と地上高・張り出し量になる。音を変えたいのか、見た目だけ整えたいのか。ここを先に決めると迷う時間が半分になる。
具体的な製品としては、2WD向けがフジツボのRIVID、4WD向けがブリッツのNUR-SPEC CUSTOM EDITION VS、そして見た目だけを変えるならユアーズのライズ専用マフラーカッターという並びになる。
2021年11月の一部改良で、適合の線引きが変わった
発売時のライズは全車が1.0Lターボだった
トヨタの2019年11月5日の発売時ニュースリリースによると、ライズは全車が1.0Lターボ(エンジン型式1KR-VET)とD-CVTの組み合わせで、駆動方式は2WD(FF)と4WDの2本立てだった。グレードはX、X“S”、G、Zの4つで、Zが17インチタイヤ、G・X“S”・Xが16インチタイヤ。ボディサイズは全長3,995mm・全幅1,695mmで、5ナンバー枠に収まっている。グレードごとのタイヤサイズの違いは
にまとめてある。
改良で2WDのエンジンが1.2Lに置き換わった
トヨタの2021年11月1日のニュースリリースによると、この一部改良でガソリン2WD車のエンジンが1.0Lターボから新開発の1.2L(WA-VE)へ変更された。1.0Lターボは4WD専用の設定となり、同時に発電専用の1.2Lエンジン(WA-VEX)で発電してモーターだけで走るシリーズハイブリッド「e-SMART ハイブリッド」の2WD車が加わっている。改良後の価格帯は1,707,000円から2,328,000円(消費税込み)。
この入れ替わりが、そのままマフラーの適合表に映っている。フジツボ・柿本改・ブリッツの3社がライズ用として公開している適合は、いずれも1.0Lターボを積むA200AとA210A向けだけで、改良後の1.2Lガソリン車とe-SMART ハイブリッド車に対応する設定は見当たらない。柿本改の車種別製品情報でも、GTbox 06&Sのライズ用は2WD向けの品番T443171(車輌形式5BA-A200A、2019年11月〜2021年11月)と4WD向けの品番T443172(車輌形式5BA・3BA-A210A、2019年11月〜)の2つで、どちらも1.0Lターボ用と明記されている。希望小売価格はT443171が132,000円(税抜本体価格120,000円)、T443172が138,600円(税抜本体価格126,000円)。
なお適合表ではダイハツ ロッキーの同型式が並記されることが多い。兄弟車としての成り立ちは
で触れている。
車検証のどこを見るか
見るのは「型式」欄と「初度登録年月」の2つ。型式欄が5BA-A200Aなら2WDの1.0Lターボ、5BA-A210Aまたは3BA-A210Aなら4WDの1.0Lターボにあたる。年式の指定は駆動方式で非対称で、フジツボのRIVIDも柿本改のT443171も2WD向けは2021年11月までと上限が切られている一方、4WD向けは2019年11月〜として上限が示されていない。型式が合っていても登録年月が範囲外なら対象外になるので、両方をそろえて確認する。
選ぶときに通す6つの判断軸
価格や見た目から入ると候補が絞れない。次の順に潰していくと、残るのは1つか2つになる。
- 車検証の型式と駆動方式。A200Aか、A210Aか、それ以外か。ここで候補がほぼ決まる。
- 初度登録年月が適合年式に入っているか。2WD向けは年式の上限があるため、ここで外れる車がある。
- 性能等確認済表示(事前認証)があるか。フジツボはJQRの認証番号を、柿本改はJQR認証を、ブリッツは「新制度適合」を、それぞれ製品情報に載せている。
- 音量が純正比でどれだけ増えるか。各社が公表しているのは自社の測定値で、測定条件がそろっていないため、社をまたいだ数値の大小で優劣を決めることはできない。
- 取り付けに加工が要るか。ライズの2WD向けには純正マフラーの切断を前提にした製品がある。
- テール形状・本数と地上高。エアロパーツを付けている車は干渉の確認が別途要る。ブリッツの2WD向けの適合備考には「各種エアロ未確認」との記載があり、4WD向けにはこの記載がない。
外装を含めた組み合わせを考えているなら、
も併せて見ておくといい。
1.0Lターボ車向けの本体マフラー2製品
駆動方式で選ぶ側が決まるので、この2つは比べて選ぶものではなく、自分の車がどちらに該当するかで自動的に決まる。表の価格のうちAmazon実売価格は2026年8月29日時点の確認値で、変動する。
| 項目 | フジツボ RIVID(2WD) | ブリッツ NUR-SPEC CUSTOM EDITION VS(4WD) |
|---|---|---|
| 対応型式 | 5BA-A200A(2WD車専用) | A210A(4WD専用) |
| 品番 | 850-71601 | 63564 |
| 対応年式 | 2019年11月〜2021年11月 | 2019年11月〜 |
| パイプ径 | Φ50.8 | φ50 |
| テール | φ90.0 ラウンドストレート(BG仕上げ) | φ108 OVAL-2.5R 4本出し |
| 重量 | 4.4kg | 適合情報に記載なし |
| 地上高 | 208mm | 180mm |
| 音量 | アイドリング60dB/3000rpm 72dB/5000rpm 84dB | 純正75dBに対して83dB |
| 認証 | JQR 10201021 1KRt | 新制度適合 |
| 加工 | 純正マフラーの切断が必要 | 適合備考に加工の記載なし |
| メーカー希望小売価格 | 88,000円(本体価格80,000円) | 適合情報に記載なし |
| Amazon実売価格 | 65,155円 | 128,000円 |
2WD(A200A)向け:フジツボ RIVID
フジツボの製品ページに記載された適合情報では、RIVID(品番850-71601)は車輌型式5BA-A200A・エンジン型式1KR-VETのライズ2WD(2019年11月〜2021年11月)と、同じ骨格のロッキー2WD(5BA-A200S)に適合する。備考は「2WD車専用」。テールはφ90.0のラウンドストレートで、地上高208mmはこの手の社外マフラーとしては余裕がある部類だ。
引っかかるとすれば取り付けで、適合備考に「純正マフラー切断が必要」と明記されている。純正を外して差し替えるだけの交換ではなく、切ってから組む前提の製品なので、切断作業ができる施工先を先に押さえてから買うことになる。純正へ戻すことも前提にはできない。SPORTY STYLEのリヤロアスカートには対応するとされている。
排気音はアイドリング60dB、3000rpmで72dB、5000rpmで84dB、4000〜6000rpmで92dBという数値が公表されている。同社の測定では最高出力が81.4kW(110.7ps)/5430rpmから82.4kW(112.1ps)/5440rpmへ、最大トルクが168.6N・m/2330rpmから178.4N・m/2410rpmへ変化したとされる。
フジツボ RIVID ライズ 2WD(A200A)用マフラー 品番850-71601
4WD(A210A)向け:ブリッツ NUR-SPEC CUSTOM EDITION VS
ブリッツが公開しているライズ用マフラーの適合情報では、NUR SPEC CUSTOM EDITION VS(品番63564)はA210A向けで、メインパイプ径φ50、テールパイプ径φ108のOVAL-2.5Rを4本出しにする構成。分割数3、地上高180mm、音量は純正75dBに対して83dBとされている。備考は「4WD専用、新制度適合、テールは同径のオプション品と交換可能」。同じ寸法・音量でVSR(品番63564V)も設定される。
4本出しのテールは見た目の変化が最も大きい部分で、そこを後から同径のオプション品に交換できるのがこの製品の組み立て方だ。加工についての記載が備考にないため、2WD向けのような切断作業は想定されていない。ただし装着可否の最終判断は現車を見る施工先の仕事なので、注文前に販売店へ確認を入れておきたい。
ブリッツ NUR-SPEC CUSTOM EDITION VS ライズ 4WD(A210A)用マフラー 品番63564
本体交換が難しいならマフラーカッター
音は変わらない、変わるのは見た目だけ
マフラーカッターの基準を整理した解説記事によると、カッターは純正マフラーの出口に差し込んで固定する装飾部品で、見た目以外に排気音や音量、排出ガスへの影響はない。装着したこと自体が音量や排出ガスを理由に問題になることはない、という位置づけの部品だ。
2021年11月の改良後の1.2Lガソリン車とe-SMART ハイブリッド車にとっては、ここが主な選択肢になる。本体マフラーの設定が各社の適合情報で確認できない以上、見た目を変える手段として現実的なのはカッターのほうだ。数千円で済むので、本体交換との差は費用の桁が2つ違う。
気にする点は2つある。1つは脱落防止で、取り付けが緩いと走行中に外れる恐れがあるため、ホースバンドや脱落防止の金具で固定を確保する。もう1つは地上高で、装着後も地上から9cm以上を残す必要がある。加えて平成29年1月1日以降に生産された車では、排気管がフロアラインから10mm以上はみ出していると通らないとされる。先端に丸みが付いていて2.5mm以上の曲率半径がある場合は問題ないとされるが、ライズは2019年11月発売なのでこの区分に入る。リヤバンパー下端からの張り出し量と先端形状は見ておきたい。
外観をまとめて変えるつもりなら
も参考になる。
チタン調とメッキ、どちらを選ぶか
ユアーズがライズ専用として出しているマフラーカッターには、チタン調とメッキの2つの仕上げがある。ユアーズの公式直販サイトの商品情報では、落下防止機構つきのメッキ仕様が商品コードy21-1846、5,180円(税込)、1個入りで案内されている。どちらも落下防止機構とステンレス素材という基本は同じで、違うのは見え方だ。
チタン調は焼けた金属の色味で、バンパー下の陰に沈んで主張が控えめになる。メッキは白く光るので、リヤ周りにメッキパーツが入っている車なら流れがそろう。純正の落ち着いた見た目を崩したくないならチタン調、輪郭をはっきり出したいならメッキ、という分け方でいい。
なお対応する口径や寸法は商品ごとに違い、ライズの純正テールパイプの外径も本記事では確認できていない。注文前に自分の車のテールパイプの外径を実測して、商品側の対応範囲と突き合わせてほしい。
ユアーズ ライズ専用マフラーカッター チタン調 落下防止付 ステンレス
ユアーズ ライズ専用マフラーカッター メッキ 落下防止付 ステンレス
取り付けと車検まわりで、買う前に決めておくこと
2WD向けは切断が前提になっている
ライズの2WD向けで引っかかるのは、シリーズを変えても切断から逃げられない点だ。同じフジツボのA-Sの製品ページでも、ライズ2WD(5BA-A200A、2019年11月〜2021年11月)向けのA-S(品番360-71602)には「純正マフラー切断が必要」「2WD車専用」とある。テールはφ110×70のスラント仕上げ、パイプ径φ50.8-60.5、重量5.5kg、認証番号JQR10201031 1KRt、メーカー希望小売価格103,400円(本体価格94,000円)。排気騒音はアイドリング62dB、3,000rpmで75dB、近接排気騒音は4,500rpmで84dBとされる。
つまり2WD車は「マフラー本体の代金+切断を含む取り付け作業」で予算を組むことになる。工賃は施工先と作業内容で変わるため、本体を注文する前に見積もりを取っておくほうが順序として安全だ。費用全体の組み立ては
も見ておくといい。
買う前の確認手順
マフラーの認証制度を運営するJASMAの解説によると、平成22年4月1日以降に生産された車両は、使用過程の車でも「加速走行騒音を有効に防止するものであること」という基準が交換用マフラーに適用される。これを満たしていることの確認方法の1つが「性能等確認済表示」で、登録性能等確認機関が確認した後付マフラーに行う表示を指す。ライズは全車がこの区分に入る。
手順にすると4段階になる。
- 車検証で型式・初度登録年月・駆動方式を読む。
- マフラーメーカーの適合情報で、その型式・年式に対応する品番を特定する。
- その品番に性能等確認済表示があることを確認する。
- 取り付けに加工が要るかを適合備考で確認し、要るなら施工先を先に決める。
騒音の基準についてもう1点。2018年の制度改正を伝えた報道によると、同年11月30日に公布・施行された改正で、新車時の近接排気騒音が一定の値を超える四輪車については、マフラー交換後の近接排気騒音を「車検証等に記載された新車時の値に5dBを加えた値以下」とする相対値規制が導入された。基準になる数値は車ごとに違うので、自分の車が対象かどうかも含めて車検証の記載で確認する。認証表示があることと検査に通ることは別で、合否は実際の測定値と検査を行う事業者の判断による。車高を触っている車は
も併せて確認しておきたい。
よくある質問
ハイブリッド車や1.2Lガソリン車にも社外マフラーは付く?
フジツボ・柿本改・ブリッツの適合情報を見た範囲では、e-SMART ハイブリッド車と2021年11月改良後の1.2Lガソリン2WD車に対応する設定は見当たらなかった。ここまでが確認できた事実で、「付かない」と断定できるわけではない。装着を考えているなら、メーカーの問い合わせ窓口か販売店に型式を伝えて聞くのが早い。
ロッキー用のマフラーはライズに使える?
フジツボのRIVIDはライズ2WD(A200A)とロッキー2WD(A200S)を同じ品番でカバーし、柿本改のGTbox 06&SもA200A/A200S、A210A/A210Sを併記している。この併記がある品番については共通と考えていい。ただし常に共通というわけではないので、年式・仕様まで含めて適合表の記載どおりに確認する。
マフラーカッターだけでも車検は大丈夫?
カッターは音や排出ガスに影響しない装飾部品なので、装着自体が音量を理由に問題になることはない。見られるのは固定の確かさと寸法のほうで、脱落防止の処置と、地上から9cm以上の地上高、フロアラインからの張り出しが判断の対象になる。取り付け後に手で揺すってみて動くようなら締め直したい。
社外マフラーにするとどれくらい音が大きくなる?
ブリッツの4WD向けは純正75dBに対して83dB、フジツボのRIVIDはアイドリング60dB・3000rpmで72dBという数値が公表されている。いずれも各社の自社測定値で測定条件がそろっていないため、この数字だけで社をまたいだ静かさの順位は付けられない。目安として見て、実際の音は装着車の動画や試聴で確かめるのが確かだ。
まとめ
最初にやることは、車の後ろに回って今付いているマフラーを自分の目で見ることだ。テールの形と出口の本数、純正のまま残っているか、以前の所有者が触った跡がないか。そのうえで車検証を開いて、型式欄と初度登録年月を照らし合わせる。
型式が5BA-A200Aで2021年11月までの登録なら、フジツボのRIVIDが候補になる。ただし純正マフラーの切断が前提なので、施工先の確保が先だ。
フジツボ RIVID ライズ 2WD(A200A)用マフラー 品番850-71601
型式がA210Aの4WDなら、ブリッツのNUR-SPEC CUSTOM EDITION VSが選べる。年式の上限指定がないぶん、2019年11月以降のどの個体でも土俵に乗る。
ブリッツ NUR-SPEC CUSTOM EDITION VS ライズ 4WD(A210A)用マフラー 品番63564
2021年11月の改良後に登録した1.2Lガソリン車とe-SMART ハイブリッド車は、本体マフラーの設定を各社の適合情報で確認できない。見た目を変えるならマフラーカッターに進む。テールパイプの外径を実測してから注文すれば、届いて入らないという失敗は避けられる。
ユアーズ ライズ専用マフラーカッター チタン調 落下防止付 ステンレス
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