街灯のない林道や、夜の砂利敷きの駐車場でランクル70を動かすと、手元も足元も思ったより見えない。ここでLED化を考えるとき、同じ「ランクル70」でも2023年11月からの現行モデルと2014年に期間限定で売られたモデルでは、手を入れられる場所そのものが入れ替わる。前まわりが工場出荷時点でLEDの車と、ハロゲンのH4が付いている車では、買う物が重ならない。自分の車がどちらなのかを決めるのが最初の作業になる。
型式で入れ替わる、LED化できる場所
| 型式 | 年式 | 前まわりの光源 | LED化の中心 |
|---|---|---|---|
| GDJ76W | 2023年11月〜 | 純正LED | 室内灯 |
| GRJ76K | 2014年8月〜2015年6月 | ハロゲン | ヘッドライト(H4) |
| GRJ79K | 2014年8月〜2015年6月 | 実車で確認 | 実車で確認 |
トヨタ公式の主要諸元表(2023年11月)によると、現行のGDJ76Wはヘッドランプ・クリアランスランプ・フロントフォグランプ・ハイマウントストップランプがいずれも標準でLEDになっている。つまりGDJ76Wでは、前まわりにハロゲン置換用のLEDバルブを入れる余地が最初から無い。手を入れられるのは室内灯側になる。
一方、2014年に再発売されたGRJ76Kは、LED・HID専門ブランドの車種別情報によると純正ヘッドライトがハロゲンのH4(Hi/Lo一体型)で、ここがLED化の本命になる。ダブルキャブピックアップのGRJ79Kについては、部位別のバルブ規格を確認できた資料がGRJ76Kのものだけなので、ここでは同一とみなさずに進める。
型式と初度登録年月は車検証の該当欄に記載がある。
「ランクル70」と呼ばれている2台
ランドクルーザー70シリーズは、悪路向けのヘビーデューティ仕様として1984年に国内販売を開始し、2004年にいったん国内販売を終了している。2014年の期間限定発売時のトヨタのニュースリリースでは、誕生30周年を機に2014年8月25日から再発売し、2015年6月30日生産分で受注を終了したと説明されている。このときのボディタイプは4ドアバンとダブルキャブピックアップの2種類、エンジンはV6・4.0Lの1GR-FE(最高出力170kW/231PS、最大トルク360N・m/36.7kgf・m)で5速マニュアル、価格はバンが3,600,000円、ピックアップが3,500,000円だった。
現行モデルは2023年11月29日発売で、車両型式は3DA-GDJ76W-RKTNY、グレードはAXの1本のみ、メーカー希望小売価格は4,800,000円(消費税込み・2023年11月現在)。エンジンは1GD-FTV(直列4気筒・総排気量2.754L・軽油)で最高出力150kW(204PS)、最大トルク500N・m(51kgf・m)、パートタイム4WDの5名乗車となる。灯火まわりの世代差は、この10年近い断絶がそのまま出ていると考えてよい。
現行GDJ76Wで純正LEDになっている箇所
主要装備一覧に載っているのは、Bi-Beam LEDヘッドランプ(マニュアルレベリング機能付)、LEDクリアランスランプ(デイタイムランニングランプ)、バンパー埋込式LEDフロントフォグランプ、LEDハイマウントストップランプの4つ。ヘッドランプは円形で、1灯の光源でロービームとハイビームを切り替える方式になっている。フロントグリルと一体の形状にしてヘッドランプを保護する狙いがあり、フォグランプもバンパーに埋め込まれている。
後方については、バンパー埋込式リヤコンビネーションランプ(テール&ストップランプ+ターンランプ+バックアップランプ)として1つにまとめられているが、この項目に光源の記載がない。ライセンスプレートランプも同様で、LEDかバルブかは諸元表からは読み取れない。ここは実車で現物を見るしかない部分で、「ランクル70用」と書かれたH4のLEDヘッドライトバルブは2014年再販モデル向けであり、GDJ76Wには付く場所がない。
GDJ76Wで実際に選ぶのは室内灯
主要装備一覧の内装側には、ルームランプがフロント・センター・リヤの3か所と記載されている。市販の室内用LEDが3点セットで売られているのは、この3か所構成に合わせたもの。室内は長さ1,760mm、幅1,440mm、高さ1,240mm(社内測定値)あるので、前後に散らばった3か所を同時に替えると荷室側の見え方が変わる。
白色系と電球色のどちらを選ぶか
判断は用途で分かれる。白色系(6500K前後)は荷室や足元の視認性が上がり、暗がりで小物や荷物の色を見分ける場面で効く。電球色(3000K前後)は内装になじみ、夜間に目が慣れやすい。前席は白色系、荷室は電球色といった使い分けもできるが、セット品は同一色でまとまっていることが多いので、まずはどちらの性格で車内をまとめるかを決めておく。
GDJ76W向けの3点セット
視認性を優先するなら白色系の189発タイプ。Amazon実売価格は確認時点で1,980円だった。
GDJ76W専用 LEDルームランプ 3点セット(189発・車検対応表記)
内装の色合いを崩したくない、あるいは夜の車中で目が疲れにくいほうがよいなら電球色(3000K)を選ぶ。同じく確認時点で2,040円。価格も在庫も動くので、注文前にその時点の表示を見てほしい。
GDJ76W専用 電球色LEDルームランプ 3点セット(3000K・ポン付け表記)
2014年再販モデルはH4ヘッドライトが本命
2014年再販モデルの外装は、フロントグリルやフードの形状を変えたうえで、ウインカーと一体の異形ヘッドランプを採用している。現行の丸型とは形が違う。GRJ76Kの純正はハロゲンのH4でHi/Lo一体型なので、ここをH4対応のLEDに替えるのが最も効く。
作業自体は重くない。専門ブランドの取付レポートでは、ボンネットを開けてヘッドライト裏のゴムカバーを外し、ピンを外して台座を取り外し、バルブを抜いて交換品を装着する流れで、所要10分、難易度は5段階で最も易しい区分とされている。ただし交換後の光軸調整は省けない。すれ違い用前照灯の灯光の色は白色と定められているので、色温度を上げて青みが乗る方向の製品は選ばないほうが無難だ。
GRJ76K対応 H4 Hi/Lo LEDヘッドライトバルブ 左右2個セット
確認時点のAmazon実売価格は8,480円。年式・型式が合っていても実車のバルブが違う例はあるので、注文前にヘッドライト裏を一度開けて形状を見ておく。
GRJ76Kのヘッドライト以外の規格早見
LED専門店の車種別対応一覧では、GRJ76Kの部位別規格は次のとおり。
| 部位 | バルブ規格 |
|---|---|
| ポジションランプ | T10ウェッジシングル |
| ウインカー(フロント・リア) | S25s[BA15s]シングル口金球ピン角180°/アンバー |
| バックランプ | S25s[BA15s]シングル口金球ピン角180° |
| テール&ストップランプ | S25d[BAY15d]ダブル口金球(段違いピン/ピン角180°) |
| ライセンスランプ | G18[BA15s]シングル口金球ピン角180° |
| ルームランプ | T10×31フェストン(フロント・リアの2か所) |
同じ一覧での取扱件数は、ポジション7件、ウインカー2件、バックランプ2件、テール&ストップ3件、ライセンス1件、ルームランプ2件の計17件で、ヘッドランプ区分は0件。ヘッドライト用は車種別の棚ではなくH4規格の汎用棚から選ぶことになる、と考えておくと探し方を間違えない。
手を付ける順番としては、配線加工も部品追加も要らないポジション・バックランプ・ライセンス・室内灯から入り、ウインカーは後述の高速点滅対策とセットで検討するのが現実的だ。室内灯は2か所構成なので、GDJ76Wの3点セットとは中身が違う。
GRJ76K対応 LEDルームランプ 2点セット(96発)
確認時点で1,620円。
車検で効く基準と、効かない箇所
前まわりの色は決まっている
自動車技術総合機構の審査事務規程では、すれ違い用前照灯の灯光の色は白色であることと定められている。あわせて、灯器が損傷しレンズ面が著しく汚損していないこと、レンズ取付部に緩みやがたがないこと、配光が右側通行用でないことも要件に入る。前部霧灯は白色または淡黄色で、同時に点灯する全てが同一であることとされ、取付要件として同時に3個以上点灯しないことも定められている。前部霧灯はそもそも装備が義務ではなく、備えることができる灯火という位置づけになる。
室内灯は明るさの上限規定の外にある
国土交通省の保安基準の細目を定める告示では、第140条第12項が灯火の光度を300cd以下と定めているが、その対象から前照灯・前部霧灯・番号灯・制動灯・後退灯・方向指示器・室内照明灯などが除かれている。室内照明灯はこの上限規定の対象外で、「ルームランプは300cdを超えると通らない」という説明は当たらない。同条第3項でも、後方を照射する白色の灯火の原則禁止に対して室内照明灯は例外として挙げられている。
代わりに効いてくるのが第140条第10項で、灯火の直射光または反射光が、その自動車および他の自動車の運転操作を妨げないことと定められている。室内灯を明るくするときに気にすべきはこちらで、走行中にフロントガラスへ映り込む配置になっていないかを見ておく。
買ってから気づきやすい点
ウインカーをLEDに替えると消費電力が下がり、高速点滅が起きる。回避にはハイフラ防止リレーかハイフラ防止抵抗器が別途要るので、バルブ代だけで見積もると足りなくなる。
適合表の読み方にも余地がある。年式・車両型式・タイプが一致していても、特別仕様車などの条件で実車のバルブ形状が違う場合がある。買う前に現車に付いている物を抜いて形を見るのが確実だ。
2014年再販のバンでは、リヤのテールランプのうちボディ側のランプが純正状態で点灯しない。専門ブランドの取付レポートでは穴開け加工と配線で点灯化できるとされているが、バルブを差し替えるだけの作業とは別物と考えたほうがよい。加工を伴う部位は、バルブ選びより先に作業を誰がやるかを決める。
よくある質問
現行のランクル70はヘッドライトをLEDに交換できるか
GDJ76Wのヘッドランプは主要装備一覧で標準のLEDと記載されている。バルブを差し替える構造ではないので、H4などの置換用LEDを買っても装着先がない。
2014年再販モデルのヘッドライトのバルブ規格は何か
GRJ76KはハロゲンのH4でHi/Lo一体型。専門ブランドの車種別情報にもとづく値で、GRJ79Kについては同じ資料で確認できていない。
ルームランプは明るくしすぎると車検に通らないのか
光度300cdの上限規定に室内照明灯は含まれない。効いてくるのは、灯火の直射光や反射光が運転操作を妨げないという別条項のほうになる。
フォグランプを白と黄色で左右違う色にしてよいか
前部霧灯は同時に点灯する全てが同一であることと定められているため、左右で色を変える組み合わせは要件から外れる。
ウインカーをLEDにしたら点滅が速くなったがどうすればよいか
LED化で消費電力が下がったことによる高速点滅で、ハイフラ防止リレーか抵抗器を追加すると戻る。バルブを買う段階で一緒に手配しておくと二度手間にならない。
まとめ
最初にやることは、ボンネットを開けてヘッドライト裏のバルブ形状を見ることと、室内灯が何か所あるかを数えること。前まわりにハロゲンのバルブが入っていれば2014年再販モデル系で、H4対応のLEDが主役になる。バルブが見当たらず室内灯が3か所なら現行のGDJ76Wで、選ぶ対象は室内灯の3点セットに絞られる。型式と初度登録年月の裏取りは、そのあと車検証で済ませればよい。
車検に関わる部位を触るなら、色の基準を先に見てから製品を選ぶ順序を崩さないこと。室内側は色の好みで決めてよく、荷室の見やすさを取るか内装の色合いを取るかの二択になる。
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