ベルタ KSP92の荷室収納 床下と後席を先に確認

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ベルタのトランクにはマットの下に収納トレイがある——そう思って荷物の置き場所を決めると、1.0LのKSP92では当てが外れる。取扱書に載っている床下トレイの図版は4WD車のものだけで、FFのKSP92でマットをめくった先にあるのはスペアタイヤと工具袋だ。荷室容量として広まっている475Lという数字も、Gグレード限定の公表値である。まず前提を合わせてから、積み方を組み立てていく。

目次

KSP92の荷室を使い切る3つの順番

KSP92のトランクを片づける順番は決まっている。1つ目、マットの下を収納として計画に入れない。ここは非常用装備の置き場所で、床下トレイはKSP92の装備ではない。2つ目、買い物袋や小物はトランクに放り込まず、車内の収納へ割り当てる。トランクに残す物が減れば、それだけ大きな荷物のために床が空く。3つ目、残った重い荷物はトランク前方に均等に置く。これは取扱書が指定している置き方で、走行中に荷物が動かない状態をつくるための指示だ。後席を倒して長い物を積めるかどうかは、年式とグレードで前提が変わるので、判定の仕方は記事の中ほどで示す。

KSP92がベルタのどの仕様なのかを先に決める

KSP92は1.0LのFF

ベルタは2005年11月28日に発売され、2012年6月まで販売されたコンパクトな4ドアセダン。型式は3つに分かれ、KSP92が1.0L(1KR-FE・996cc)のFF、SCP92が1.3L(2SZ-FE)のFF、NCP96が1.3L(2NZ-FE)の4WD。乗車定員はいずれも5名。荷室まわりの装備は駆動方式とグレードで変わるので、自分の車がどれなのかをはっきりさせるところから始める。

KSP92にGグレードはない

KSP92のグレードは、発売時がXとX Sパッケージ、2006年10月にビジネスAパッケージとビジネスBパッケージが加わり、2008年8月のマイナーチェンジ後はビジネスA/Bパッケージと1.0Xの3つ。発売から生産終了まで、1.0LのKSP92にGの設定は一度もない。Gが用意されたのは1.3LのSCP92と4WDのNCP96だけだ。この一点が、次に出てくる荷室容量の話に直結する。

車体と室内の公表寸法

トヨタが公開しているベルタの年式・グレード別の車両情報によると、KSP92は全長4300mm・全幅1690mm・全高1460mm、ホイールベース2550mm。室内は室内長1965mm・室内幅1390mm・室内高1200mmで、この室内寸法はベルタの全型式・全年式で共通。車両重量990kg、タイヤサイズは165/70R14。荷室は室内の後ろにある独立したトランクなので、室内寸法から荷室の広さを直接読み取ることはできない。

475Lという数字の但し書き

公表値は475L(Gグレード)だけ

ベルタの発売時にトヨタが出した発表資料では、荷室について「475L(Gグレード)の大容量ラゲージルーム」と書かれている。ベルタの容量値として公表されているのはこの1点だけで、しかも但し書きのとおりGグレードの数字だ。前の節のとおりGは1.3LのSCP92と4WDのNCP96にしかない。475LはKSP92の荷室容量ではない。KSP92の容量値は、発表資料にも年式・グレード別の車両情報にも記載がない。ベルタの荷室を語る数字として475Lを見かけたら、どのグレードの値なのかを先に見る。

なお発売時の資料でトヨタが使った比較表現は「クラストップレベル」で、同排気量クラスでの比較という注記が付いた2005年時点のもの。いまの他車と比べた話ではない。

荷室の寸法はカタログにない

トヨタ公式の車両情報には、ベルタの荷室に関する数値が1つも載っていない。荷室長も荷室幅も荷室高も、トランク開口部の幅や高さも、最大積載量も、項目そのものが存在しない。寸法欄にあるのは全長・全幅・全高・ホイールベース・トレッドと室内寸法だけで、取扱書にも荷室の寸法は書かれていない。つまりKSP92の荷室サイズには、グレード限定の容量値を除いてメーカー公表のカタログ値がない。

自分の車を測る3か所

公表値がない以上、判断材料は自分の車の実測値になる。測る場所を3つに絞ると迷わない。1つ目はトランク開口部の、いちばん狭い位置の幅と、上端から荷室床面までの高さ。大きな荷物が入るかどうかはここで決まる。2つ目は荷室床面の前後の奥行きと、左右のいちばん狭い位置の幅。奥に行くほど狭くなったりタイヤハウスで削られたりするので、狭い側を測る。3つ目はトランクリッドを閉めたときに荷物が当たらない高さ。この3つをメモして持ち歩けば、店頭で荷物の3辺と突き合わせて判断できる。数値は同じ型式でも個体の状態で変わりうるので、他人の実測値ではなく自分の車で測る。

マットの下に何があるかを確かめる

床下トレイは4WD車の装備

ベルタの取扱書(2010年7月版)には「ラゲージアンダートレイ」という項目があり、トランクのマットの下に荷物を収納できるトレイがあると書かれている。ただしこのページに載っている図版は「4WD車」のラベルが付いたもの1つだけで、2WD車の図版は掲載されていない。同じ取扱書でも、駆動方式で共通の装備であるアクセサリーソケットの項目には2WD車と4WD車の図版が並べて載る。この誌面の書き分けから、床下トレイは4WD車の装備と読める。FFのKSP92に床下収納がある前提で、荷物の置き場所を計画しない

2WDのマットの下はスペアタイヤと工具

取扱書の「工具、スペアタイヤ、ジャッキの格納場所」には2WD車と4WD車の両方の図版がある。2WD車の図に示されているのは、上からラゲージマット、スペアタイヤカバー、ジャッキハンドル、工具袋、スペアタイヤ。工具袋の中身はホイールナットレンチとけん引フックだ。KSP92でラゲージマットをめくった先は収納スペースではなく、パンクしたときに使う非常用装備の置き場所である。ここに物を入れるなら、スペアタイヤと工具の取り出しを妨げないことが前提になる。

ジャッキは助手席シート下

ジャッキだけはトランクではなく助手席シート下に格納されている。取り出すには、助手席の前後位置をいちばん前にして、ノブを内側につまんで手前に引きカバーをはずし、ジャッキのA部をゆるめる。助手席の足元まわりに物を詰め込むと、いざというときにこの手順が踏めない。トランクを整理する日は、助手席足元も同じ目で見ておく。

後席を倒して長い物を積めるかを判定する

公式表の「一体式」と「分割式」

トヨタが公開している年式・グレード別の車両情報には「分割可倒式リアシート」という装備欄があり、ベルタでは年式とグレードで記載が分かれている。KSP92は2008年8月以降のモデル(2008年8月〜2009年8月のX、2009年8月〜2011年8月のX、2011年8月〜2012年6月のX)がいずれも「一体式」。2008年8月より前のX、X Sパッケージ、ビジネスA/Bパッケージはこの欄が空欄だ。一方でGグレードは、NCP96もSCP92もすべて「分割式」と記載されている。KSP92で「分割式」と書かれた年式・グレードは1件もない。後席に人を乗せたまま片側だけ倒して長い物を積む使い方は、当てにしないほうがいい。

空欄の年式は実車で確かめる

2008年8月より前のKSP92は欄が空欄で、装備がないのかデータが未掲載なのかは、この表からは判別できない。倒せないと決めつける根拠にもならないので、実車の後席背面を見て、固定ノブとベルトガイドがあるかどうかを確認する。中古で買った直後なら、荷物を積む予定を立てる前に一度見ておく。

倒す前にやる2つの準備

取扱書の前倒しの手順は、分割可倒シートを装着した車に向けて書かれている。順番は、シートベルトをベルトガイドからはずす、ヘッドレストをいちばん下にする、倒したい方の背もたれの固定ノブを引いて前に倒す、の3段階。最初の2つを飛ばすとベルトが挟まったりヘッドレストが前席に当たったりする。操作は平坦な場所でパーキングブレーキをかけ、シフトレバーをPに入れてから行い、走行中は操作しない。前席にあたって倒しにくいときは、フロントシートを前方に動かすか、リヤシートのヘッドレストをはずす。

戻すときは赤ラベルを見る

背もたれを起こしたら、うしろに押さえつけて軽くゆさぶり、確実に固定されたことを確かめる。ロックされていないときは赤ラベルが見えるので、赤ラベルが見えていない状態が正しい。そのあとシートベルトをベルトガイドに通し、ベルトがリヤシートに引っ掛かっていないか、ねじれていないかを見る。倒した背もたれの上に人を乗せて走ることはしない。倒したあとの床面がどんな形になるかは取扱書に記述がないので、平らになるかどうかも実車で見る。

散らからない積み方をトランクの中で決める

トランク前方に均等に置く

取扱書は荷物の置き方を明示している。「荷物はトランクに安定した状態(例えば、トランク前方に均等に)で置いてください」。トランク前方は後席の背もたれ側で、車の重心に近い位置だ。重い物ほど前方の左右に振り分けて置くのが基本形になる。奥に押し込んで手前を空けておけば、後から積む買い物袋の置き場所も自然に決まる。荷室の整理は見た目の話ではなく、走行中に荷物が動かない状態をつくるための作業である。

後席や助手席に積み上げない

取扱書は、助手席や後席に荷物を積み重ねないよう警告している。急ブレーキや旋回で荷物が飛び出し、乗員にあたったり荷物に気をとられたりして事故につながるおそれがあるためだ。燃料が入った容器やスプレー缶などを積まないことも、同じ警告に含まれる。トランクに入りきらないときは、車内に積み上げるのではなく荷物のほうを減らす。

夜の積みおろしは明かりを用意する

取扱書の室内装備品の章に並ぶ項目は、サンバイザー、フロントパーソナルランプ、ルームランプ、コンビニフック、カップホルダー、ボトルホルダー、収納ボックス、収納ポケット、カードホルダー、コートフック、アクセサリーソケット、ラゲージアンダートレイ、時計、フロアマット。この一覧にトランク内の照明にあたる項目はない。暗い駐車場での積みおろしは、車両側の明かりを当てにしない前提で考える。

トランク満載の日にダイヤルを回す

1KR-FE搭載車の目安値

ハロゲンヘッドランプ装着車には光軸上下調整ダイヤルがある。人や荷物を積んで車両前面が上を向き、ヘッドランプの照らす範囲がいつもより上向きになったときに、ダイヤルをまわして光軸を下向きにする。取扱書の目安表はエンジンで数値が分かれており、KSP92が積む1KR-FEエンジン搭載車は、運転席のみ乗車時が0、運転席と助手席に乗車時が0、5名乗車時が2、5名乗車時でかつトランク満載時が2.5、運転席のみ乗車時でかつトランク満載時が4。荷物の量だけでなく、乗車人数との組み合わせで数値が決まる。ダイヤルはヘッドランプが点灯しているときに使用できる。

降ろしたら0に戻す

1.3Lの2SZ-FE搭載車は、5名乗車時でかつトランク満載時の値だけが2で、ここがKSP92と違う。ベルタという車名でまとめられた情報を型式で見分けずに使うと、数値がずれる箇所だ。通常は0(光軸がいちばん上向きの位置)で使い、人や荷物を降ろしたあとは必ず0に戻す。車検などで光軸調整をするときも、0にしてから行う。

トランクに入れなくていい小物を車内に割り当てる

買い物袋はコンビニフックへ

助手席に、買い物袋などを吊り下げておけるコンビニフックがある。フックを手前に引き出して使い、使わないときは格納する。取扱書には「重たいものや大きなものをフックに掛けないでください。(最大荷重約4kg)」と明記されており、超えるとフックが折れたり走行中にはずれたりするおそれがあるとされている。約4kgに収まる袋はここへ移すと、トランクの床で袋が転がらずに済む。

小物はフタのある場所へ

取扱書の収納ボックスは3か所。レバーを引いて開けるグローブボックス、フタを引いて開ける運転席側ロアボックス、レバーを引いて開けるコンソールボックス。いずれも「収納ボックスのフタを開けたまま走行しないでください」という警告が付き、理由は急ブレーキをかけたときなどに荷物が飛び出すためとされている。転がると困る小物は、トランクではなくフタのあるこの3か所に割り当てる。飲み物はフロントドアのボトルホルダーとコンソールボックス後部のカップホルダーが定位置で、ペットボトルや安定性の悪いものはボトルホルダー側に置く。

自分の車に付いていない装備がある

助手席のシートバックポケット、運転席側後席のアシストグリップにあるコートフック、車内のトランクオープナーには、グレードなどにより装着の有無が異なることを示す印が付いている。センターコンソール部の収納ポケットの図版は4WD車のものだ。装備表を眺めるより、実車の運転席に座って一つずつ確かめたほうが早い。コートフックが付いている場合も、ハンガーを使わず服を直接かけ、重いものやとがったものはかけない。

トランクを開け閉めするときに守ること

3通りの開け方

スマートキーが付いていない車は、キーを挿し込み右にまわすとトランクが開く。車内のトランクオープナーを引く方法もあるが、これはグレードなどで装着の有無が異なる。スマートキー装着車は、キーを携帯した状態でトランクオープンスイッチを押すと解錠できる。検知エリアはトランクオープンスイッチから周囲約70cm以内で、急な操作では解錠されない場合があると案内されている。

中からは開けられない

取扱書は、トランク内に絶対に人を乗せないこと、子どもをトランクの中で遊ばせないこと、開閉操作をさせないことを警告し、その理由として「トランクは中から開けることができません」と明記している。走行中はトランクを閉じ、走行前に完全に閉まっていることを確認する。半開状態で使わず、全開で静止していることを確かめてから荷物を入れる。とくに傾斜地では急に開いたり閉じたりするおそれがある。閉めるときは必ず外からトランクリッド上面を軽く押す。トランクリッドにトヨタ純正品以外のアクセサリー用品を取り付けない。重量が増すと、開いたあとに落ちるおそれがあるためだ。開ける前にリッド上の雪や氷を取り除くことと、強風時の開閉に注意することも書かれている。

スマートキーをトランクに置かない

スマートキー装着車には、すべてのドアが施錠された状態でトランク内にキーを置いたままトランクを閉めると、警報が鳴る機能がある。このときトランクは施錠されない。警報が鳴ったらトランクオープンスイッチを押してトランクを開け、キーを取り出す。ただしキーの場所や、金属製のかばんの中といった状況によっては鳴らないことがある。閉じ込めたままにするとトランクを開けられる状態が続き、車両盗難などのおそれがある。荷物を持って開け閉めするときに起こりやすいので、警報音が鳴ったら必ずトランクの中を見る。

よくある質問

ベルタKSP92の荷室容量は475Lですか

違う。475Lはトヨタが「Gグレード」と但し書きを付けて公表した数字で、Gは1.3LのSCP92と4WDのNCP96にしか設定がない。KSP92そのものの容量値は公表されていない。

KSP92の後席は6対4で分割して倒せますか

トヨタ公式の装備欄でKSP92が分割式と記載された年式・グレードは1件もない。2008年8月以降は一体式、それより前は空欄で判別できない。片側だけ倒す使い方を前提にした荷物の積み方は組まないほうがいい。

トランクの床下に収納スペースはありますか

床下トレイの図版は4WD車のものだけが取扱書に載っている。FFのKSP92でマットの下にあるのは、スペアタイヤカバー、ジャッキハンドル、工具袋、スペアタイヤだ。

ゴルフバッグは何個積めますか

トヨタの発表資料にも車両情報にも取扱書にも、ベルタの積載数の記載がない。開口部と床面を測った数値を持ち歩き、バッグの3辺と突き合わせて判断する。

トランクを満載にしたとき他に必要な操作はありますか

ヘッドランプの光軸上下調整ダイヤルをまわす。1KR-FEのKSP92は5名乗車でかつ満載なら2.5、運転席のみで満載なら4が目安で、降ろしたら0に戻す。

まとめ

KSP92の荷室は、公表値が少ないぶん前提を取り違えやすい。475LはGグレードの数字でKSP92のものではなく、マットの下にあるのはトレイではなくスペアタイヤと工具、後席は一体式で左右別々に倒す前提が成り立たない。この3つを外しておけば、あとは積み方の問題になる。重い荷物はトランク前方に均等に、小物と買い物袋は車内の収納とコンビニフックへ、満載で夜に走る日はヘッドランプのダイヤルをまわして降ろしたら0に戻す。自分の車の型式とグレードがはっきりしないときは、車検証で型式と初度登録年月を確認するところから始める。開口部と床面を測った数値をメモしておけば、次に大きな荷物を買う日に迷わない。

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この記事を書いた人

車種別パーツ適合情報サイト「パーツ選び.com」の編集部。タイヤサイズ・エンジンオイル量・ワイパー適合・フィルター型番など、2,400本以上の記事と全80車種対応の早見表を公開中。適合値はメーカー公式の諸元・取扱説明書や部品メーカーの公式適合表で確認したものを優先し、確認できない数値は載せない方針で運営しています。

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