十年以上前のコンパクトセダンを中古で手に入れると、ボディより先に鍵の傷みが目に入る。角の塗装が擦れ、ロックボタンの印字が薄くなった個体は珍しくない。ベルタでカバーを買うとき、まず確かめるのは型式になる。KSP92は1.0L・2WDの型式で、ワンプッシュでエンジンをかけるスマートエントリー&スタートシステムは1.3LのGグレード(SCP92/NCP96)に与えられた装備だからだ。KSP92の手元にあるのは送信機を内蔵した2ボタンのリモコンキーが基本で、カバーもその形に合わせて選ぶことになる。
ベルタ KSP92 のキーケース早見表
カバー選びは、鍵の形を先に決めてから製品を絞る順になる。型式ごとの装備差と、在庫を確認できた製品を並べておく。
型式で変わる鍵のタイプ
トヨタ自動車75年史に記載された型式は、SCP92(1300・2WD)、KSP92(1000・2WD)、NCP96(1300・4WD)の3つ。搭載エンジンは1.0Lが1KR-FE、1.3LのFFが2SZ-FE、1.3Lの4WDが2NZ-FEになる。
| 型式 | 排気量・駆動 | エンジン | スマートエントリー&スタートシステム |
|---|---|---|---|
| KSP92 | 1.0L・2WD | 1KR-FE | 設定なし(グレードはX系のみ) |
| SCP92 | 1.3L・2WD | 2SZ-FE | Gグレードに設定 |
| NCP96 | 1.3L・4WD | 2NZ-FE | Gグレードに設定 |
スマートエントリーはGグレードの装備で、Gは1.3Lにしか設定がない。DBA-KSP92のグレード一覧は1.0 X、1.0 X Sパッケージ、1.0 X ビジネスAパッケージ、1.0 X ビジネスBパッケージの4本立てで、いずれも996ccのCVT・FF。つまりKSP92を名乗る個体に、メーカー装着のスマートキーは載っていない。ここを取り違えると、届いた製品のボタン穴と鍵のボタン位置がまったく合わないという結果になる。
年式で変わるグレード構成
2005年11月のデビュー時、KSP92には1.0 Xに加えて1.0 X Sパッケージが用意されていた。2008年8月と2009年8月のモデルでは、1.0 Xとビジネスパッケージ(A/B)を中心とした構成に変わる。年式によって選べるグレードは動くものの、KSP92の枠内にGが現れることはない。前期でも後期でも、KSP92なら鍵はリモコンキーのままだと考えてよい。年式より先に型式を見る、という順番を押さえておくと迷わずに済む。
在庫を確認できた2ボタン用TPUカバー
現時点で在庫を確認できたのは、トヨタの2ボタンキーに合わせて成形されたTPUカバーの3色展開になる。素材・重量・付属品は共通で、違うのは色だけだ。
| 色 | 素材 | 参考価格 | 重量 | 付属品 |
|---|---|---|---|---|
| ブラック | TPU | 798円 | 約25g | カラビナフック |
| ホワイト | TPU | 798円 | 約25g | カラビナフック |
| パープル | TPU | 798円 | 約25g | カラビナフック |
商品説明が挙げる対応車種は、200系ハイエース、ヴィッツ、ウィッシュ、ラクティス、カローラアクシオ、アルファード、60系および70系のノア/ヴォクシー、RAV4、iQ、そしてベルタ。同じ時期のトヨタ車が共有する2ボタンキーに向けた製品で、縁はシルバー仕上げになっている。内装が黒基調の個体なら、鍵だけが浮かないブラックが収まりやすい。
トヨタ対応 TPUキーケース 2ボタン用(ブラック)
白系のボディや明るい内装に合わせるなら、同じ型でホワイトを選べる。家族で2本の鍵を使い分けている場合、色を変えておくと取り違えが減る。
トヨタ対応 TPUキーケース 2ボタン用(ホワイト)
KSP92の鍵が2ボタンのリモコンキーになる理由
スマートエントリーは1.3LのGグレードに載る
ベルタは2005年11月28日に発売され、2012年6月まで販売された。上級のGグレードには、キーを携帯したままドアの施錠・解錠とトランクの解錠ができ、ワンプッシュでエンジンを始動できるスマートエントリー&スタートシステムが与えられている。ただしGの設定は1.3Lだけで、1.0LのKSP92には用意されていない。KSP92の側に並ぶのはX、X Sパッケージ、ビジネスA/Bパッケージという構成で、いずれもX系の枝分かれになる。
同じ車名でも、1.0Lと1.3Lで鍵の世界がはっきり分かれるのがベルタの特徴になる。中古車情報サイトで見かける「スマートキー付き」の個体は、型式欄がSCP92かNCP96になっているはずだ。車検証の型式欄を見れば、自分がどちら側にいるのかが一目で分かる。
ワイヤレスドアロックリモートコントロールの鍵
X系に付くのはワイヤレスドアロックリモートコントロール、つまり金属のキー板と送信機が一体になったリモコンキーになる。施錠と解錠のボタンが2つ並ぶ形状で、カバー側が「2ボタン」と表記するのはこのタイプを指す。エンジンの始動はキーをシリンダーへ差して回す方式のままで、スマートキーのようにポケットへ入れたままでは始動しない。
この構造の差は、カバーに求める条件にも直結する。スマートキー用のカバーは全体を包み込む設計が主流だが、リモコンキー用は金属のキー板を露出させたまま樹脂ヘッドだけを覆う形になる。毎日シリンダーへ差し込む鍵なので、キー板の付け根に厚みが出る製品は動作の邪魔になりやすい。
中古車では鍵が入れ替わっていることがある
登録から十数年が経った個体は、前オーナーが合鍵を追加していたり、社外のリモコンへ載せ替えていたりする。ビジネス系のパッケージのように装備を絞った仕様では、ワイヤレスドアロックリモートコントロールの有無そのものが変わる。送信機を持たない金属のキーだけが手元にある個体なら、2ボタン用のカバーは端から合わない。グレード名から逆算した推測だけで注文すると、こうした差で外すことになる。
やることは単純で、手元の鍵を表と裏から撮り、ボタンの数と外形を製品画像に重ねて確かめてから買う。カタログ上の装備表よりも、いま自分のポケットに入っている鍵のほうが正しい。
TPUカバーを選ぶ前に見る4点
ボタンの数と並び
同じトヨタ車でも、世代によってボタンの数と位置は変わる。2ボタン用のカバーは2つのボタンに合わせて穴やくぼみを成形しているため、3ボタンの鍵へ被せると押せないボタンが出る。数える対象は表面のゴムボタンで、キー板を出すためのスライドスイッチはボタン数に含めない。
外形のシルエットも合わせて見ておく。ボタンの数が同じでも、キーヘッドの角の丸みや厚みが違えば、はめ込んだときに浮きが出る。製品画像を保存して手元の鍵と並べ、輪郭を目で追うところまでやると失敗が減る。
メカニカルキーの抜き差し
リモコンキーは金属のキー板と一体になっている。カバーで包むと、キー板の根元やヒンジの部分が隠れる設計のものがある。ドアや、イグニッションのシリンダーへ差す動作が日常的に発生する型式なので、付け根まで覆う製品は使い勝手を落とす。購入前に、キー板の付け根がどう処理されているかを画像で確かめておく。
キー板を差して回すとき、指はカバーの縁を握ることになる。縁が薄く角張った製品は、回すたびに指の腹へ食い込む。手袋をはめる冬場はこの差が大きく出るので、厚みと角の処理は製品写真とレビューの両方から読み取っておきたい。
素材ごとの持ち味
TPUは樹脂のなかでは弾力があり、落下の衝撃をある程度受け止める。厚みが出にくく、ポケットのなかでかさばらないのが持ち味になる。シリコンは柔らかく着脱しやすい反面、ポケットの糸くずやほこりを拾いやすい。革は手に馴染む質感と経年での色の深まりが魅力だが、汗や雨のシミが出る。毎日ポケットへ入れて持ち歩く使い方なら、樹脂系のほうが扱いやすい。
TPUにも弱点はある。紫外線と熱で少しずつ硬くなり、硬化すると爪の部分が欠けやすくなる。ダッシュボードの上に鍵を置きっぱなしにする習慣があるなら、劣化は早く進むと考えておく。
重さとキーホルダーの付け方
今回のTPUカバーは約25gで、カラビナフックが付属する。鍵をベルトループやバッグへ引っ掛ける使い方なら、このフックが生きる。ただし金属のリングやフックを増やすほど、シリンダーへ差したときに鍵が重くなる。垂れ下がった重量はシリンダー内部の摩耗につながるので、ぶら下げる金属は最小限にとどめる。
装着の手順と最初の点検
鍵の汚れを落としてからはめる
長く使われた鍵は、ボタンの隙間に皮脂とほこりが固まっている。そのままカバーで密閉すると汚れが内側に残り、樹脂の表面を曇らせる。乾いた布で拭き、隙間は綿棒でさらってからはめる。水気を使ったなら、完全に乾かしてから装着する。皮脂が残ったままだと、カバーの内側と鍵の表面が張り付き、次に外すときへ塗装を持っていくことがある。
全機能を1回ずつ試す
カバーを付けたら、施錠と解錠のボタンをそれぞれ押し、車のドアが反応するかを見る。次にキー板をシリンダーへ差して回し、当たりが出ていないかを確かめる。ボタンが硬くて押し込めない、キー板が斜めに入る、といった症状が出たなら、その製品はこの鍵に合っていない。返品や交換の可否は届いた直後にしか判断できないので、装着当日にひととおり試しておく。
車から数メートル離れた位置でも電波が届くかも見ておきたい。樹脂のカバーが電波を遮ることはまずないが、ボタンが押し込まれたまま固定されていると、送信し続けて電池が数日で尽きる。指を離したときにボタンが元の高さへ戻るか、その場で触って確かめる。
数か月おきに外して点検する
TPUは時間とともに硬くなる。硬化したカバーは爪が欠けやすく、割れた破片がボタンの下へ入り込むことがある。数か月に一度は外し、鍵の側に傷や変形が出ていないかを見る。カバーの内側に湿気がたまっていれば、乾かしてから戻す。
車種名の羅列は適合保証ではない
キーケースの商品ページには、対応車種として数十の車名が並ぶことがある。ところが、そこに書かれた車名は検索用のキーワードであり、サイズの互換性を保証するものではない、と出品者自身が但し書きを添えている製品も実在する。ベルタの型式(90系/KSP92/SCP92/NCP96)まで細かく書き込みながら、説明文では汎用品だと明記しているキーホルダーがその一例になる。
見るべきは、車名や型式が書かれているかどうかではない。鍵の実物と製品画像の形が一致するかどうかで決める。型式の記載は検索でたどり着くための目印にすぎず、成形の型が合っているかとは別の話になる。
同じ理屈はキーホルダーやリングのような小物にも当てはまる。金属パーツの穴が鍵の輪に通らなければ、車名がいくつ並んでいても使えない。車種欄は検索のための道しるべ、説明文と画像が実際の仕様、と切り分けて読む習慣をつけておく。
よくある質問
KSP92にスマートキーは付いていますか
メーカー装着の状態では付いていない。スマートエントリー&スタートシステムはGグレードの装備で、Gは1.3Lにしか設定がなく、1.0LのKSP92には用意されていない。KSP92のグレードはX、X Sパッケージ、ビジネスA/Bパッケージで構成される。手元の鍵にエンジン始動用のキー板があり、ボタンが2つ並んでいれば、それがワイヤレスドアロックリモートコントロールのリモコンキーになる。
1.3LのG(SCP92・NCP96)でも同じカバーを使えますか
Gはスマートエントリー&スタートシステムを積むため、鍵の外形とボタンの配置が1.0Lのリモコンキーとは変わる。2ボタン用として売られているカバーが、そのままスマートキーへ合うとは限らない。SCP92やNCP96に乗っているなら、手元のスマートキーを撮影し、製品画像と外形を照合してから選ぶ。
TPUとシリコンではどちらが長持ちしますか
TPUは硬めで型崩れしにくく、角の保護に強い。シリコンは柔らかく着脱しやすいが、伸びて緩くなることがある。屋外で日光に当たる時間が長い鍵では、どちらの素材も劣化する。透明や半透明の製品は黄ばみが出るため、見た目を保ちたいなら定期的な交換を前提にする。千円を切る価格帯であれば、数年ごとに新品へ替えるほうが、劣化した一枚を使い続けるより鍵を守れる。
カバーを付けたままロックボタンを押せますか
2ボタン用として成形された製品なら、ボタンの位置に穴かくぼみが用意されている。押し心地はカバーの厚みで変わり、厚い製品では指の力が要る。装着した直後に施錠と解錠を数回試し、反応が鈍いようなら薄手の製品へ替える。
電池交換のたびにカバーを外す必要がありますか
リモコンキーの電池はキー本体を開けて交換するため、覆っているカバーはいったん外すことになる。着脱を繰り返すと爪の部分が疲労するので、外すときはボタン側から力をかけず、縁を少しずつ起こして力を分散させる。電池の型番は個体と年式で変わるので、注文する前に鍵を開けて実物を見ておく。
鍵の樹脂が割れている場合はどうしますか
カバーは表面の傷や擦れを防ぐ道具であり、割れたキーヘッドを構造的に直すものではない。樹脂が割れて内部の基板や電池が見えているなら、先に鍵本体の修理か交換を検討する。イモビライザーを備える鍵は登録の作業が伴うため、この判断はディーラーや鍵の専門店に任せるほうが早い。割れを抱えたままカバーで締め付けると、内部の接点がずれて反応しなくなることがある。
まとめ:鍵の実物を見てから注文する
KSP92は1.0L・2WDのベルタで、グレードはX系のみ。スマートエントリー&スタートシステムは1.3LのGグレードの装備なので、KSP92の手元にあるのは2ボタンのリモコンキーになる。カバーはこの2ボタン形状に合わせた製品を選び、注文の前に鍵を撮影して製品画像と外形を照合する。車名の羅列ではなく、ボタンの数と外形の一致が適合を決める。今回のTPUカバーは3色とも素材・重量・付属品が共通なので、色は好みで選んで差し支えない。
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