GU 型クロストレックの夏タイヤと冬タイヤを自分で履き替えようと助手席の下の収納を開けてみて、ジャッキをどこにかけるか、そもそもジャッキ本体があるのかで手が止まることがある。ジャッキをかける位置は自分の型に合う取扱説明書の図で確かめるのが基本で、ジャッキ本体は公式のアクセサリーのページでは用品の扱いなので、作業の前に用意しておく。あとは、どのジャッキを使うか、ナットをどの順でどこまで締めるかで、作業の手間と仕上がりが分かれる。
ジャッキの位置とジャッキ本体の有無を先に押さえる
SUBARU の公式のアクセサリーのページ(2026年9月現在)では、ジャッキ本体は用品の「ジャッキキット」として案内されている。同じページの注記は「ジャッキハンドルは車両標準装備です。」で、車両標準装備と書かれているのはジャッキハンドルだけだ。用品を付けていない車なら、ジャッキは自分で用意することになる。
ジャッキをかける位置は、取扱説明書の図で確かめる。SUBARU の公式サイトの取扱説明書の一覧には、GU 型クロストレックの取扱説明書が型ごとに 5 件載っている。
| 取扱説明書の型 | 発売 | 対象 |
|---|---|---|
| GU Type A | 2023年1月 | e-BOXER 搭載車 |
| GU Type B | 2024年10月 | e-BOXER 搭載車 |
| GU Type B | 2024年12月 | e-BOXER 搭載車ストロングハイブリッド |
| GU Type C | 2025年8月 | e-BOXER 搭載車 |
| GU Type C | 2025年8月 | e-BOXER 搭載車ストロングハイブリッド |
同じ一覧の入口の注意書きでは、車に積まれているオーナーズガイドは「取扱説明書の抜粋版となります。」とされている。手元のオーナーズガイドで図が見つからないときは、公式サイトで自分の型の取扱説明書を開く。
タイヤ取付の専門店がクロストレックを持ち上げた作業例(前はメンバー、後ろはサイドシルの切れ込み)もある。ただし、型式の記載が無く、リアは「FF車」として説明された例で、メーカーの図の代わりにはならない。詳しくはジャッキポイントの節で触れる。
車に積まれている物と、自分で用意する物
用品のジャッキキットの中身と収納場所
用品のジャッキキットの中身は、ジャッキ、ジャッキラベル、ジャッキバンドのセットで、助手席の下に、車両標準装備のジャッキハンドルと一緒に収納する。
SUBARU の公式サイトの用品の説明書の一覧では、ジャッキキットの品番は B3118FN220 で、取付説明書も用意されている。この品番が載っているのを確かめたのは、GU Type C(2025年8月発売)の e-BOXER 搭載車と、e-BOXER 搭載車ストロングハイブリッドの一覧だ。Type A・Type B の車で用品を頼むときは、販売店で自分の型に合う品番を確かめる。
ホイールナットレンチは収納を開けて確かめる
公式のアクセサリーのページで車両標準装備と書かれているのはジャッキハンドルだけで、ホイールナットレンチが標準で積まれているかどうかは書かれていない。作業の前に助手席の下の収納を開けて、自分の車に何が入っているかを見ておく。レンチが見当たらなければ、ジャッキと一緒にクロスレンチを用意する。
あると作業が楽になる道具
自分でタイヤを替えるのに最低限いるのは、ジャッキとクロスレンチの 2 つだ。これに次の物を足すと作業がはかどる。
- 手袋
- トルクレンチ(ナットを規定のトルクで締める)
- 輪止め(持ち上げた後の車を安定させる)
ジャッキは用品のジャッキキットか油圧ジャッキで用意する
用品のジャッキキットは助手席の下に収まり、車両標準装備のジャッキハンドルと組み合わせて使う。車に積んでおけるので、出先でパンクしたときにも手元にある。油圧ジャッキは、折りたたみのパンタグラフジャッキより作業の効率がずっと高い。
選び方は単純で、出先の備えを兼ねるならジャッキキット、家で 4 本を履き替えるなら油圧ジャッキを選ぶ。季節ごとの履き替えを毎回自分でやるなら、両方をそろえておく手もある。どちらのジャッキでも、かける位置は取扱説明書のジャッキアップポイントに合わせる。
ジャッキポイントの位置と、かけ方の注意
ジャッキアップポイントの位置は、自分の車の型(Type A・B・C、e-BOXER かストロングハイブリッドか)に合う取扱説明書で確かめる。メーカーの図が正で、専門店の作業例やほかの車の情報はその代わりにならない。 そのうえで、実際にクロストレックを持ち上げた例として、タイヤ取付の専門店(タイヤ取付どっとこむ 埼玉朝霞店)のブログ(2023年12月5日)を挙げておく。
フロントで持ち上げる位置(専門店の作業例)
このブログは、SUBARU クロストレックのフロントを 1 点で持ち上げる位置を「メンバーのH型のところ」としている。前側を一度に持ち上げる、店の作業のやり方だ。
リアで持ち上げる位置(専門店の作業例)
リアは 1 輪ずつ持ち上げるとし、位置をサイドシルの切れ込み部分としている。ただし、記事はこのリアの位置を「FF車」として説明していて、AWD(4WD)車との違いには触れていない。ブログには対象車の型式の記載も無い。
SUBARU の公式サイトのグレード紹介(2026年10月に確認)では、現行のグレードの Premium S:HEV と Premium S:HEV EX は、どちらもパワーユニットが e-BOXER(ストロングハイブリッド)で、駆動方式は AWD だ。ブログ自身も、車種・年式・サスペンションの種類・駆動方式によってジャッキアップ方法や締め付けトルクが異なる場合があるとし、内容は参考程度で、詳しくは自動車メーカーのディーラーに問い合わせるよう勧めている。店の作業例を自分の車のジャッキポイントとして決めつけず、取扱説明書の図と見比べてから使う。
車載ジャッキを当てる切り欠きとずれの注意
自動車メディアのくるまのニュースの記事(整備士への取材)では、国産車ではサイドシル下の切り欠きにジャッキを当てると説明し、ジャッキの位置がずれるとジャッキアップポイントをつぶすおそれがあるとしている。ジャッキの受けの溝を切り欠きにまっすぐ合わせてから持ち上げる。
履き替えるタイヤとホイールのサイズ(グレード別)
グレード別の純正タイヤとホイール
2026年10月に確かめた時点で、SUBARU の公式サイトの現行のグレード紹介に載っているのはストロングハイブリッドの Premium S:HEV と Premium S:HEV EX だ。2.0L エンジン車(e-BOXER)の Touring・Limited・Limited Black・Limited Style Edition は「生産終了モデル」のページに載っている。それぞれのページにある純正のタイヤとホイールは次のとおり。
| グレード | パワーユニット | 純正タイヤ | 純正ホイール | 載っているページ |
|---|---|---|---|---|
| Touring | 2.0L エンジン車(e-BOXER) | 225/60R17 オールシーズン | 17 インチ アルミ(ダークメタリック塗装) | 生産終了モデル |
| Limited | 2.0L エンジン車(e-BOXER) | 225/55R18 オールシーズン | 18 インチ アルミ(ダークメタリック塗装+切削光輝) | 生産終了モデル |
| Limited Black・Limited Style Edition | 2.0L エンジン車(e-BOXER) | 225/55R18 オールシーズン | 18 インチ アルミ(ダークメタリック塗装) | 生産終了モデル |
| Premium S:HEV・Premium S:HEV EX | e-BOXER(ストロングハイブリッド) | 225/55R18 オールシーズン | 18 インチ アルミ(ダークメタリック塗装+切削光輝) | 現行のグレード紹介 |
冬タイヤを買うときは、Touring は 225/60R17、Limited・Limited Black・Limited Style Edition・Premium S:HEV・Premium S:HEV EX は 225/55R18 が純正のサイズになる。
冬用に勧められている純正ホイール
SUBARU の公式のアクセサリーのページでは、純正の「アルミホイールセット 18インチ ブラック」(18×7.0J・PCD114.3・ブラック塗装・センターキャップとエアバルブ付き)が、スタッドレスタイヤ用としても勧められている。このページに載っている純正と STI のアルミホイールは、どれも PCD114.3 だ(アルミホイールセット 18インチ ブラックと STI アルミホイールは 18×7.0J、STI パフォーマンスホイールは 18×7.5J)。
サイズの一覧とタイヤ・ホイールの選び方は、次の記事にまとめてある。
タイヤ交換の手順
- 平らで硬い路面の、周りに危険の無い場所で作業する。ギヤを P に入れ、パーキングブレーキをかける。輪止めがあれば使う。
- 車を持ち上げる前に、交換するタイヤのナットをすべて緩めておく。
- 取扱説明書で確かめたジャッキアップポイントにジャッキをずれないように合わせ、タイヤを外せるところまで持ち上げる。
- 車が安定しているのを確かめてからナットを外し、タイヤを替える。
- 付けるタイヤのナットは本締めせず、仮締めの状態で車を下ろす。
- 車を下ろしてから、星を描くような順でトルクレンチを使って本締めする(締め方は次の節)。
ジャッキで持ち上げている間は、車の下に体を入れない。 ジャッキはタイヤを替えるために車を一時的に持ち上げる道具で、車を支え続けるための道具ではない。
ナットの締め付けと増し締め
規定トルクの確かめ方
ホイールナットの規定の締め付けトルクは車種ごとに違い、取扱説明書に載っている。クロストレックのメーカーの規定値はここでは確かめていないので、締める前に自分の車の取扱説明書で値を確かめ、その値をトルクレンチに設定する。
参考として、タイヤ取付の専門店(タイヤ取付どっとこむ 埼玉朝霞店)のブログは、クロストレックをトルクレンチで締め付け、この店が参考車種の締め付けに使っているトルクを 120N・m としている。同じ記事は、車種・年式などで締め付けトルクが異なる場合があるとも書いていて、120N・m はメーカーの規定値として示された値ではない。
ナットが 5〜10 個あるホイールは、星を描くような順で締めていく。トルクレンチをまず規定値の半分程度に設定して一回りし、その後で規定値まで締め直す。純正のロックナットセットの構成から数えると、クロストレックの 1 輪あたりのナットは 5 個になる(構成はロックナットの節)。
締めすぎと締め不足で起きること
ナットを締めすぎると、ネジ山がつぶれたりホイールスタッドが伸びたりして重大な問題につながることがあり、ブレーキ部品やハブが歪むおそれもある。クロスレンチだけで締めると締めすぎになりやすく、締めすぎたナットは後で外しにくくなる。逆に、締め不足はガタつきや脱輪の原因になる。仕上げの締め付けをトルクレンチで行えば、どちらも避けやすい。
増し締めの時期
タイヤメーカーのコンチネンタルタイヤの解説では、タイヤ交換の後 50〜100km を目途に走った車にホイールナットの増し締めをしている。自動車メディアのくるまのニュースの記事(整備士への取材)では、交換後に軽く 5〜10 分走ってからトルクレンチでナットを点検し直すよう勧めている。金属は熱で膨らみ冷えると縮むので、ナットが緩むことがある。
履き替えた後は、軽く走ったあとと 50〜100km 走ったあとの 2 回、トルクレンチで確かめておくのが手堅い。
純正のロックナットを付けている車の注意
純正用品のホイールロックセットとホイールロックナットセット(ブラック)はマックガード社製で、SUBARU の公式のアクセサリーのページは「専用キー以外では取り外すことが困難」と説明している。STI セキュリティホイールナットセットのロックナットも、セットの専用工具(小型の花型キー)で外す。これらを付けている車は、タイヤ交換の前にキーや専用工具の置き場所を確かめておく。
同じページでは、ホイールロックナットセット(ブラック)は 1 台分としてラグナット 16 個とロックナット 4 個の構成で、STI セキュリティホイールナットセットもラグナット 16 個とロックナット 4 個の構成だ。合わせて 1 台 20 個で、4 輪で割ると 1 輪あたり 5 個になる。
出先でパンクしたとき
SUBARU の公式サイトのグレード紹介では、Premium S:HEV と Premium S:HEV EX の価格の注釈に「※価格はタイヤパンク修理キットを含む価格です。」とある。
一方、スペアタイヤ(応急用タイヤ)が積まれているかどうかは、公式サイトのグレード紹介にも生産終了モデルのページにも書かれていない。2.0L エンジン車(e-BOXER)のグレードのページには、パンク修理キットについての注釈も無い。自分の車の装備は、取扱説明書と荷室の床下で確かめておく。
よくある質問
クロストレックにジャッキは積まれている?
SUBARU の公式のアクセサリーのページ(2026年9月現在)では、ジャッキ本体は用品のジャッキキットとして案内され、車両標準装備と書かれているのはジャッキハンドルだけだ。自分の車にジャッキキットが付いているかは、助手席の下の収納を開けて確かめる。
ホイールナットの締め付けトルクは?
メーカーの規定値は、自分の車の取扱説明書で確かめる。専門店のブログにある 120N・m は、その店が参考車種の締め付けに使っている値で、メーカーの規定値として示された値ではない。
冬タイヤに純正のスプリングチェーンは付けられる?
SUBARU の公式のアクセサリーのページでは、純正のスプリングチェーン(タイヤチェーン)は 225/55R18 用で、注記に「冬用タイヤ等、標準装備タイヤ以外には装着できない場合があります。」とある。冬タイヤに履き替えた後にこのチェーンを使うつもりなら、取り付けられるかを販売店で確かめる。17 インチ(225/60R17)用の純正チェーンは、このページでは確かめていない。
増し締めはいつすればいい?
くるまのニュースの記事(整備士への取材)は交換後に軽く 5〜10 分走ってからの点検を、コンチネンタルタイヤの解説は 50〜100km を目途に走った後の増し締めを挙げている。どちらもトルクレンチで確かめる。
まとめ:作業の前に実車で確かめること
最初にやるのは、実車の助手席の下の収納を開けて、ジャッキハンドルのほかに何が入っているか、ロックナットのキーや専用工具があるかを見ることだ。いま履いているタイヤのサイズもそのとき確かめる。次に、自分の型の取扱説明書を開いて、ジャッキアップポイントの図と締め付けトルクの値を確かめる。
- ジャッキポイントは取扱説明書の図で確かめる(専門店の作業例はその代わりにならない)
- ジャッキ本体は、公式のアクセサリーのページでは用品の扱いなので、先に用意する
- ナットは仮締めのまま車を下ろし、星を描く順に規定トルクで締め、走った後に増し締めする
同じ車の整備では、オイル交換の時期と量も確かめておきたい。

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