インサイト ZE4 のタイヤ交換は、カーゴリッドを開けて取り出す専用ジャッキを、交換するタイヤにもっとも近いジャッキポイントにかけ、ジャッキの溝にはめてから上げるのが基本だ。ジャッキポイントの位置は取扱説明書の図でしか示されていないので、作業の前に手元の取扱説明書で確かめておく。夏タイヤとスタッドレスの履き替えでも、パンクへの備えでも、流れは下の順に押さえれば足りる。
ジャッキのかけ方と締め付けトルクを先に確認
- ジャッキ: 車載の専用ジャッキを使う。ホンダの取扱説明書(インサイト 2019年版・2022年版)の手順では、カーゴリッドを開けて、ジャッキ・ジャッキハンドルバー・ジャッキハンドルを取り出す。ジャッキはこの車に搭載されている専用のものだ。
- かける位置: 交換するタイヤにもっとも近いジャッキポイントにかけ、ジャッキの溝にはまったことを確かめてから上げる。位置の確かめ方は後の節で触れる。
- 締め付けトルク: インサイトの取扱説明書(2019年版・2022年版)の「タイヤのローテーション」に載る値は 108N・m(11kgf・m) だ。
- スペアタイヤ: ホンダの取扱説明書(インサイト 2022年版)の「パンクしたとき」には、スペアタイヤの装備は無いと書かれている。タイヤに小さな穴があるだけなら、タイヤパンク応急修理キットで応急修理して最寄りの販売店まで走れる。損傷が激しい場合はけん引が必要で、キットが使えない場合はパンクの節にまとめた。
対象の車と根拠にした取扱説明書
中古車販売のガリバーの新車カタログでは、3代目インサイトの型式は6AA-ZE4(駆動方式はFF)で、カタログ上のモデルの期間は2018年12月〜2022年12月。2020年5月からのEXも型式は6AA-ZE4だ。車検証の型式欄が6AA-ZE4なら、ここで扱う車にあたる。
根拠はホンダの取扱説明書のWEB版で、インサイトには2019年版と2022年版がある。どちらの「ジャッキの取り扱い」も同じ手順を載せていて、停める場所と準備、カーゴリッドからジャッキを出す、対角の輪止め、もっとも近いジャッキポイント、溝にはめる、タイヤが地面から離れるまで上げる、の順で進む。
タイヤサイズと指定空気圧
ホイールの大きさ別の値
ホンダの取扱説明書(インサイト 2019年版・2022年版)の車両仕様一覧に載る値は次のとおり。
| ホイール | タイヤサイズ | リムサイズ | 指定空気圧(前輪) | 指定空気圧(後輪) |
|---|---|---|---|---|
| 16インチ装備車 | 215/55R16 93V | 16×7J | 240kPa(2.4kgf/cm²) | 230kPa(2.3kgf/cm²) |
| 17インチ装備車 | 215/50R17 91V | 17×7J | 220kPa(2.2kgf/cm²) | 220kPa(2.2kgf/cm²) |
| 18インチ装備車(2022年版の欄) | 235/40R18 91W | 18×8J | 210kPa(2.1kgf/cm²) | 210kPa(2.1kgf/cm²) |
16インチ装備車は前輪と後輪で指定空気圧が違うので、入れるときに取り違えない。2022年版の車両仕様一覧には18インチ装備車の欄もあるが、どの装備の車が18インチかは同じページに書かれていない。
グレードとホイールの大きさ
中古車販売のガリバーの新車カタログでは、2018年12月〜2019年9月のLXが215/55R16 93V、同じ期間のEXとEX・ブラックスタイルが215/50R17 91V、2020年5月〜2022年12月のEXが215/50R17 91Vとなっている。
空気圧のラベルと4輪そろえる決まり
指定空気圧は、運転席横の車体に貼ってあるラベルにも記載されている(取扱説明書「タイヤの点検」)。作業の前に、表の値とラベルの値を見比べておくとよい。
ホンダの取扱説明書(インサイト 2019年版)の「タイヤとホイールの交換」では、タイヤは4輪とも同一指定サイズ・同一種類・同一銘柄で摩耗差のないものを使い、ホイールは仕様が純正ホイールと同一のものか確認する、とされている。4本すべてを同時に交換することを勧めていて、難しい場合は前輪または後輪の左右をそろえて交換する。サイズと種類が適切でないタイヤは、重大な傷害や死亡に至る事故につながるおそれがあるとも書かれている。
作業の前に用意するもの
- 専用ジャッキ・ジャッキハンドルバー・ジャッキハンドル(カーゴリッドを開けて取り出す)
- 車載工具: ホンダの取扱説明書(インサイト 2019年版)の「工具、発炎筒」では、工具はトランクルーム内に収納されている。工具の種類は図で示されていて、個々の工具の名前は本文の文字には書かれていない。
- トルクレンチ: JAFのタイヤ交換の案内では、締め付けトルクを指定できるトルクレンチがあると便利としている。
- 輪止めにする石など
ナットを回す工具が車載工具に入っているかは、取扱説明書の文字では確かめられないので、図と実物を作業の前に見ておく。
ジャッキについて、取扱説明書は「この車に搭載されているジャッキ」を使うよう書いていて、ほかのジャッキでは支えられる重量(呼荷重)が不足したり、形状が合わないことがあると注意している。市販のフロアジャッキなどを使う場合のかけ方や位置は、取扱説明書には書かれていない。迷うなら専用ジャッキで作業するのが取扱説明書どおりだ。
ジャッキポイントの確かめ方とジャッキのかけ方
作業の前の準備
ホンダの取扱説明書(インサイト 2019年版・2022年版)の手順は次の順で進む。
- 地面が固く、滑らない、水平なところに車を停める
- シフトポジションをPにする
- パーキングブレーキをかける
- パワーモードをOFFモードにする(ジャッキを使うときはパワーシステムを起動したままにしない)
続けて、交換するタイヤの対角線上にあるタイヤの前後に、石などで輪止めをする。JAFのタイヤ交換の案内では、ホイールキャップがあれば外し、ジャッキをかける前にホイールナットを少しだけ緩めておく。
ジャッキポイントは図で確かめる
インサイトの取扱説明書(WEB版の2019年版・2022年版)は、ジャッキポイントの位置を図で示していて、本文の文字では位置を書いていない(図に説明文も無い)。作業の前に、手元の取扱説明書の「ジャッキの取り扱い」の図で、交換するタイヤにもっとも近いジャッキポイントを確かめる。図で場所を見てから車の横で実物を探すと、置き間違いを防ぎやすい。
ジャッキの溝にはめて上げる
- 交換するタイヤにもっとも近いジャッキポイントの下にジャッキを置く
- ジャッキの上部がジャッキポイントに接触するまで、ジャッキを回して上げる
- ジャッキの溝にジャッキポイントがはまったことを確認する
- ジャッキハンドルとジャッキハンドルバーを使って、タイヤが地面から離れるまで車体を上げる
同じ取扱説明書の警告では、車がジャッキだけで支えられているときは車の下に入らない。車がジャッキから外れて、車の下にいる人が重大な傷害を負うおそれがある。あわせて、地面が固い平らなところ以外では使用しない、ジャッキポイント以外にかけない、人や荷物を乗せたままにしない、ジャッキ使用中に車内に入らない、ジャッキの上や下にものを入れない、という注意もある。
タイヤを付け替えて規定のトルクで締める
JAFのタイヤ交換の案内に沿うと、付け替えは次の流れになる。
- ホイールナットを外し、タイヤを付け替える
- ナットを2〜3回に分けて仮締めする
- 車体を下ろしてジャッキを外す
- 仮締めと同じように本締めをして、規定のトルクで締める
インサイトの規定トルクは、先に挙げた取扱説明書(2019年版・2022年版)の108N・mだ。JAFは、無理に締め付けるとボルトが破損する場合があるとも書いているので、力任せに締め込まない。
回転指示マークがあるタイヤは、ホンダの取扱説明書(インサイト 2019年版・2022年版)の「タイヤのローテーション」にあるとおり、回転指示マークが前へ向くように取り付ける。
交換したあとに確かめること
- 空気圧: タイヤ温度が低いときに測る(高温のタイヤは測定値が高めに出る)。指定値と違えば、空気を入れるか抜いて合わせる(取扱説明書「タイヤの点検」)。
- 本締め: JAFの案内では、トルクレンチが無いときは、できるだけ早くガソリンスタンドや修理工場で規定のトルクで本締めしてもらう。
- 溝の減り: ホンダの取扱説明書(インサイト 2019年版)の「タイヤの点検」では、ウェアインジケーターはタイヤの接地面にあり、ほかの部分より溝が1.6mm浅い。接地面がウェアインジケーターと同じ高さまで減ったら交換する。接地面と側面の突起・膨らみ、側面の裂け目・亀裂も点検する。
履き替えで外したタイヤも、しまう前に溝と側面を見ておくと、次のシーズンの準備が早い。
パンクしたときは応急修理キットで対応する
ホンダの取扱説明書(インサイト 2022年版)の「パンクしたとき」では、タイヤに小さな穴があるだけなら、損傷を一時的に補修するタイヤパンク応急修理キットで応急修理して、最寄りの販売店まで走れる。損傷が激しい場合はけん引が必要だ。2019年版の同じページも、カーゴリッドを開けてタイヤパンク応急修理キットを取り出す手順を載せている。
次の場合はキットが使えない(取扱説明書)。
- 応急修理剤の有効期限が切れている
- 2本以上がパンクしている
- 約4mm以上の切り傷や刺し傷によるパンク
- 路面に接する部分以外の損傷
- ほとんど空気が抜けた状態で走った
- タイヤがホイールから外れている
- ホイールが破損している(2022年版)
使えるときも、刺さったクギなどは抜かない。修理剤と空気を入れたら、10分または5km走ってから安全な所に停めて空気圧を測る。点検走行中は高速道路で80km/h以下を守り、エアコンプレッサーは15分以上使わない。2019年版では、10分以内に指定空気圧にならないとき、または空気圧が130kPa未満のときは、応急修理剤では修理できないとしている。
冬タイヤ・チェーン・ローテーション
ホンダの取扱説明書(インサイト 2019年版)の「冬期のタイヤ」では、スノータイヤは4輪とも同じ種類・指定サイズのものを選び、4輪すべてに装着する。タイヤチェーンは前輪に装着し、タイヤサイズに適合したチェーンを使って、装着したときは30km/h以下で走る。サイズが合わないチェーンや不適切な装着は、ブレーキライン・サスペンション・ボディー・ホイールを傷めるおそれがある。
ローテーションは、取扱説明書(2019年版・2022年版)の「タイヤのローテーション」で、5,000km走行したときに行うとされている。入れ替えの組み合わせは図で示されているので、図を見ながら入れ替える。
よくある質問
フロアジャッキは使える?
ホンダの取扱説明書(インサイト 2019年版・2022年版)は、この車に搭載されているジャッキを使うよう書いている。市販のフロアジャッキなどを使う場合のかけ方や位置は取扱説明書には書かれていないので、取扱説明書どおりに作業するなら専用ジャッキを使う。
スペアタイヤは積んでいる?
ホンダの取扱説明書(インサイト 2022年版)の「パンクしたとき」では、スペアタイヤの装備は無いとされている。備えはタイヤパンク応急修理キットで、タイヤに小さな穴があるだけなら応急修理して最寄りの販売店まで走れ、損傷が激しい場合はけん引が必要。キットが使えない場合はパンクの節にまとめた。
ナットの締め付けトルクは?
インサイトの取扱説明書(2019年版・2022年版)の「タイヤのローテーション」に載る値は108N・m(11kgf・m)だ。トルクレンチで締めていないときは、早めに店で規定のトルクの本締めを受ける。
チェーンは前輪と後輪のどちら?
ホンダの取扱説明書(インサイト 2019年版)の「冬期のタイヤ」では前輪だ。タイヤサイズに適合したチェーンを使い、装着中は30km/h以下で走る。
まとめ
まず、交換するタイヤにもっとも近いジャッキポイントを1つに決め、手元の取扱説明書の「ジャッキの取り扱い」の図でその位置を確かめてから、専用ジャッキの溝にはめて上げる。ナットはインサイトの取扱説明書(2019年版・2022年版)の 108N・m で締める。空気圧はホイールの大きさで違い、16インチ装備車は前後で値が違う(値は上の表のとおり)。ホンダの取扱説明書(インサイト 2022年版)ではスペアタイヤの装備は無いので、応急修理キットの場所も履き替えのついでに見ておきたい。
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