AMG GT 4ドアクーペ X290 用のサンシェードを探すと、商品名に「メルセデスAMG GTクーペ GT 4ドアクーペ 2016–2026 に適合する」と書かれた物が見つかる。ところがこの表記は2ドアの AMG GT クーペとまとめた出品者の記載で、X290 のフロントガラスにどのサイズが合うかまでは書かれていない。名前の「適合」を頼りに買うより、先に実車のフロントガラスを測り、室内に置くか外側にかぶせるかで型を決めるほうが選び間違いが少ない。
X290 のサンシェードは「測ってから」「置く場所で」選ぶ
比べるのは、商品名に AMG GT 4ドアクーペの名が入った販売中の4商品。取り付け方で、室内側で傘のように開く傘型、広げてフロントガラスに当てる折りたたみ式、外側にかぶせるカバー式の3つに分かれる。
| 商品 | 型 | 置く場所 | 向く使い方 |
|---|---|---|---|
| Tarmxev 傘型フロントシェード(XL・L) | 傘型 | 室内側 | 夏の駐車中に、ルームミラーまわりの形も気にしたい |
| KCBDBJ グラフェン製サンシェード(L) | 折りたたみ式 | 室内側 | 薄く折りたたんで車内に置いておきたい |
| Zjztwf マグネット式フロントガラスカバー | カバー式 | 外側 | 冬の霜や雪の付着も減らしたい |
ただし販売ページの商品名と商品説明の箇条書きを見ると、4商品とも、X290 のフロントガラスにどのサイズが合うかは書かれていない。型を決めたら、実車を測ってサイズを照らす(測り方は選び方の節)。
対象の車:メルセデスAMG GT 4ドアクーペ(X290)
メルセデスAMG GT 4ドアクーペは、2019年2月14日に日本で発表され、同日に受注が始まった。発表時のグレードは「メルセデスAMG GT43 4MATIC+」「メルセデスAMG GT53 4MATIC+」「メルセデスAMG GT63 S 4MATIC+」と、特別仕様車の「メルセデスAMG GT63 S 4MATIC+エディション1」。
英語版 Wikipedia の記載では、初代のモデルコードが X290 で、ボディ形式は5ドアのリフトバック(後ろのゲートごと開く形)。初代のモデルイヤーは2019〜2026とされ、2代目(モデルコード C590)は2026年に生産開始の予定とされている。
ボディは全長×全幅×全高が5054×1953×1447mm(AMG GT63 S 4MATIC+の場合)、ホイールベースが2951mm。発表会の記事には全高1455mmの値も載っている(どのグレードの値かは記事から判別できない)。全長5m・全幅1.95mを超える大柄な車だが、日本の発表時の記事と英語版 Wikipedia には、フロントガラスの縦横の寸法の記載が無い。商品名の「2016」も、2019年2月に日本で発表された4ドアクーペの年式とは合わない。
X290 向けサンシェードの選び方
取り付け方で選ぶ
傘型(Tarmxev の XL と L)は、室内側で傘のように開いてフロントガラスに当てる。折りたたみ式(KCBDBJ のグラフェン製)は、広げるとフロントガラスに密着するとされるが、広げ方の詳しい記載は無い。カバー式(Zjztwf)はフロントガラスの外側にかぶせ、マグネット・ドア固定フラップ・伸縮式ミラーストラップで固定する。夏の日差しだけなら車内で出し入れできる室内用、冬まで1枚で使いたいなら外側のカバー、と考えると決めやすい。
サイズは実車を測って選ぶ
車名入りの商品でも、サイズは実車で確かめる。フロントガラスの横幅と高さを測り、販売ページのサイズ表記と照らす。 Tarmxev の傘型は、販売ページの商品説明に「ご購入前に、フロントガラスの寸法を測ってください」と書かれている。
ルームミラーまわりと中棒の形
室内側で使う型は、ルームミラーまわりの逃げと、ダッシュボードや画面に当たらないかを見る。4商品のうち、ルームミラー部の切り込み(マジックテープ付き)と、360度曲がる柔らかい TPE 素材の中棒を書いているのは Tarmxev の2商品(XL と L)だけ。KCBDBJ の商品名と商品説明の箇条書きには、ルームミラーまわりの形の記載が無い。
収納のしやすさ
販売ページの商品説明では、Tarmxev はレザー製の収納ケース付きでドアポケットやグローブボックスに収まり、KCBDBJ は収納時の厚さ約2cmでドアポケットやコンソールボックスの隙間に収まり、Zjztwf は使用後にコンパクトに折りたたんで車内に収納できる、とされる。
冬にも使うか
4商品のうち、霜・雪・雨・落ち葉・鳥のフン・樹液の付着の軽減にも使えると書いているのは、外側にかぶせる Zjztwf のカバーだけ(商品名にも「凍結・積雪対策用」とある)。冬の朝の霜取りの手間も減らしたいなら、ここで候補が絞れる。
Tarmxev の傘型フロントシェード(XL と L)
販売ページの商品説明では、傘のように開くだけで設置でき、電磁メッキ鉄製の10本骨を使い、中棒は360度自由に曲がる柔らかい TPE 素材で、ダッシュボードや大型センターディスプレイに干渉しにくいとされる。表面は高密度のチタンシルバーコーティング(「HUPF50+」と記載)で、ルームミラー部にマジックテープ付きの切り込みがあり、レザー製の収納ケースが付く。
サイズは XL が140×80cm、L が125×65cm の2展開。どちらが X290 に合うかは、商品名と商品説明の箇条書きのどちらにも書かれていないので、測ったフロントガラスの横幅と高さを2つのサイズに照らして決める。
Tarmxev 傘型フロントシェード AMG GT 4ドアクーペ表記 XLサイズ
Tarmxev 傘型フロントシェード AMG GT 4ドアクーペ表記 Lサイズ
KCBDBJ のグラフェン製サンシェード(L)
販売ページの商品説明では、グラフェンコーティングを使い、炎天下でも化学臭が出ない無臭の素材とうたう。数秒で設置と折りたたみができ、収納時の厚さは約2cm。形状記憶でヨレやシワを抑えるとし、色はステルスブラックのデザインと書かれている。
気をつけたいのはサイズで、商品名に「L」とあるだけで、縦横の寸法(cm)は商品名と商品説明の箇条書きのどちらにも記載が無い。広げ方(傘型かどうか)も書かれていない。買う前に販売ページで寸法を確かめ、実車のフロントガラスと照らしたい。
KCBDBJ グラフェン製サンシェード AMG GT 4ドアクーペ表記 L
Zjztwf のマグネット式フロントガラスカバー
フロントガラスの外側にかぶせるマグネット式。販売ページの商品説明では、強化マグネット・ドア固定フラップ・伸縮式ミラーストラップを組み合わせた多点固定で風でもズレにくく、工具不要で取り付けられるとされる。シルバーの反射コーティングで日差しを反射し、防水性・耐候性にも配慮した設計とうたう。
一方で、X290 のどの部分にマグネットが付くか、カバーの縦横の寸法は、商品名と商品説明の箇条書きのどちらにも記載が無い。塗装面を「傷付けにくい設計」とあるのも出品者の記載なので、初めは実車で付く位置を確かめながら使う。外すときは乗り込む前に、マグネット・ドア固定フラップ・ミラーストラップの固定をすべて外してから、折りたたんで車内にしまう。
Zjztwf マグネット式フロントガラスカバー AMG GT 4ドアクーペ表記
4商品の比較表と用途別の選び方
| 商品 | サイズの記載 | 固定・設置 | 収納 | 霜・雪への記載 |
|---|---|---|---|---|
| Tarmxev XL | 140×80cm | 傘のように開く | レザー製の収納ケース | 記載が無い |
| Tarmxev L | 125×65cm | 傘のように開く | レザー製の収納ケース | 記載が無い |
| KCBDBJ L | 「L」のみ(cmの記載が無い) | 折りたたみ式(広げ方の記載が無い) | 収納時の厚さ約2cm | 記載が無い |
| Zjztwf | 記載が無い | マグネット・ドア固定フラップ・ミラーストラップ | 折りたたんで車内に収納 | 付着の軽減にも使えると記載 |
表の中身は販売ページの商品説明の記載で、4商品とも商品名に「並行輸入品」と書かれている。価格は変動するので、商品リンクの先で確かめたい。
- 夏の駐車中が中心で、ルームミラーまわりの形と中棒の柔らかさを重視するなら Tarmxev の傘型。XL か L かは測って決める。
- 収納時の薄さを重視するなら KCBDBJ。寸法の記載が無いので、販売ページで確かめてから選ぶ。
- 冬の霜や雪の付着も減らしたいなら Zjztwf のカバー。マグネットが付く位置と寸法の記載は無い。
サンシェードの効果と限界
ダッシュボードは下がるが、車内の温度は下がりにくい
JAF のユーザーテスト(2012年8月、晴れ・外気温35度、正午から4時間、ミニバン5台、測定前の室温を25℃にそろえた)の結果は次のとおり。
| 条件 | 車内の最高値 | 車内の平均値 | ダッシュボードの最高値 |
|---|---|---|---|
| 黒い車体・対策なし | 57℃ | 51℃ | 79℃ |
| 白い車体・対策なし | 52℃ | 47℃ | 74℃ |
| 車内に日よけを設置 | 50℃ | 45℃ | 52℃ |
| 窓を3cm開放 | 45℃ | 42℃ | 75℃ |
| エアコン作動 | 27℃ | 26℃ | 61℃ |
日よけを設置した車は、対策なしの黒い車よりダッシュボードの最高値が27℃低かったが、車内の最高値の差は7℃にとどまり、JAF は「サンシェード対策や窓開け対策をしていても温度抑制効果は低く」とまとめている。2012年のミニバンでの日よけの一般的なテストの値で、X290 や4商品の値ではない。
JAF の「クルマ何でも質問箱」によると、8月の晴天・外気温35℃で12時から16時までの解説でも、フロントガラス全面をサンシェードで覆った車は直射日光を遮る効果は高いが15時時点で約50℃に達し、「温度抑制効果はあまり望めない」とされる。エアコンを作動し続けた車は4時間にわたり適温が保たれたが、エンジン停止後5分で車内温度は約5℃上がった。サンシェードは、ダッシュボードまわりの温度や日差しを抑える道具と考えたい。
ダッシュボードに物を置かない
同じ JAF の解説では、炎天下のダッシュボード上に置いたスマートフォンは液晶に「高温注意」と表示されて一部の機能を除いて使えなくなり、使い捨てライターは2〜3時間で外装が割れてガスが漏れ出した。可燃性の高い危険物は車内に放置しないよう呼びかけている。
子どもやペットは残さない
サンシェードを付けても、車内は人や動物が耐えられない温度になりうる。サンシェードの有無にかかわらず、子ども・高齢者・ペットを炎天下の車内に残さない。 乗る前は窓やドアを開けて換気し、熱くなったハンドルでのやけどに気をつける。
紫外線はフロントより横の窓で差が出る
JAF の紫外線のテスト(2018年4月)では、フロントガラスの紫外線強度はオープンカー以外すべて1桁以下と低かった。フィルムを挟んだ合わせガラスが義務化され、そのフィルムにも紫外線カット機能があるためとされる。前席や後ろのガラスは UV カットの有無で差が出て、クリアガラスは1,000μW/㎠を超え、UV カットガラスは275μW/㎠以下だった。同じ車種でも年式やグレードで装着されるガラスが違う場合があるとされるので、自分の X290 の横の窓のガラスの種類は、取扱説明書や販売店で確かめたい。
走行中に付けてよい窓・いけない窓
JAF Mate の解説によると、運転席や助手席の窓ガラスにサンシェードを取り付けて走ると、ドライバーの視界を妨げるので道路交通法第55条2項(運転者の視野を妨げるような積載をして運転してはならない)に違反し、反則金と違反点数1点が科される。後部座席の窓ガラスにサンシェードやカーフィルムを取り付けることは禁止されていない。
JAF の「クルマ何でも質問箱」によると(2022年8月時点)、フロントガラスと運転席・助手席の窓ガラスには、検査標章など指定された物以外を貼ることが禁止されている(貼った状態で可視光線透過率が70%以上になる物は除く)。後部座席の側面窓やリアウインドウにはこの規制は適用されないが、視界を妨げない物を選ぶよう勧めている。
走行中も日差しを遮りたいときに使えるのは後部座席の窓だけ。比べた4商品はどれもフロントガラスに使う物なので、駐車中だけ使い、走行前に外す。 外側にかぶせる Zjztwf も、フロントガラスを覆ったまま走ると運転者の視野を妨げる。
よくある質問
XL と L のどちらを選べばよい?
Tarmxev の傘型の XL と L のどちらが X290 に合うかは、商品名と商品説明の箇条書きのどちらにも書かれていない。フロントガラスの横幅と高さを測り、販売ページのサイズ表記と照らして決める(各サイズの寸法は Tarmxev の節)。
走行中も付けたままでよい?
よくない。比べた4商品はどれもフロントガラスに使う物で、駐車中だけ使って走行前に外す。運転席・助手席の窓に付けて走ると違反になり、走行中も付けてよいのは後部座席の窓だけ。
サンシェードがあれば子どもやペットを車内に残しても大丈夫?
大丈夫ではない。JAF のテストでも、日よけを付けた車の車内温度の下がり幅は小さかった。サンシェードの有無にかかわらず、子ども・高齢者・ペットを炎天下の車内に残さない。
外側のカバーと室内用はどちらがよい?
夏の日差しが中心なら、車内で出し入れできる室内用(Tarmxev か KCBDBJ)が扱いやすい。冬の霜や雪の付着も減らしたいなら、4商品のうちそれを商品説明に書いている Zjztwf の外側のカバーになる。ただし Zjztwf は、X290 のどこにマグネットが付くかと寸法の記載が無く、乗る前に固定をすべて外す手間がある。
まとめ
まずは用途で候補を1つに絞る。夏の日差し対策が中心なら Tarmxev の傘型(XL か L)か KCBDBJ、冬の霜や雪の付着も減らしたいなら Zjztwf のカバー。そのうえで、販売ページのサイズ表記と、実車で測ったフロントガラスの横幅・高さを照らして最終確認する。サンシェードはダッシュボードまわりの温度や日差しを抑える道具で、付けても車内は高温になりうる。人やペットを残さず、走行前には外す。
ほかの車のサンシェード選びも参考にしたい。
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