型式がS500Pだから合うはずだと適合欄の型式だけを見て注文し、届いてから足元に収まらないと分かる。ハイゼットトラックのフロアマットで起きやすいのがこの買い直しだ。この車は同じ型式のまま、5MT車とCVT/AT車でフロアの形が分かれている。だから最初に確定させるのは型式ではなく、自分の車のトランスミッションのほうになる。
先に決めるのはトランスミッション、次にキャビン仕様
選ぶ順番は、①5MTかCVT/ATか ②ジャンボか標準キャビンか ③素材と形状、の3段階だ。型式のS500PとS510Pは駆動方式の違いなので、足元のマット選びでは分けて考える必要がない。
キャビンは1列だけなので、足元のマットは運転席と助手席の2枚で全席分になる。商品説明の「フロントのみ」「1列目」「2P」はどれも不足を意味しない。価格の物差しは純正の¥9,020に置くと分かりやすく、社外品はこれより下の帯に分布する。
| 製品 | 素材 | 形状 | 適合欄のTM表記 | 価格 |
|---|---|---|---|---|
| ゴムフロアマット | ラバー | 平型 | 記載なし | ¥2,980 |
| ナイロン チェック柄 | ナイロン | 平型 | 記載なし | ¥4,580 |
| 3Dカーマット | TPO・エラストマー | 立体 | AT専用 | ¥5,500 |
| HELIOS 3Dマット | TPO | 立体 | AT車 | ¥7,770 |
社外品の価格はいずれもAmazonの実売価格で、確認した時点の値だ。日によって動くものとして見てほしい。
CVT車用とMT車用でフロアの形が違う
ダイハツの純正アクセサリーの案内には、CVT車用とMT車用では車両のフロア形状が異なる、と明記されている。純正のフロアマット(縁高)自体もCVT車用とMT車用に分かれて設定されている。この区別はグレードの上下ではなく、変速機の違いそのものに紐づく。
しかも現行のグレードは、ジャンボ エクストラ、ジャンボ スタンダード、エクストラ、ハイルーフ、スタンダード“農用スペシャル”、スタンダードの6種類すべてでCVTと5MTの両方が選べる(スタンダード“農用スペシャル”のみ4WD専用)。つまりどのグレードに乗っていても、足元の形は2通りに分かれうる。
ダイハツの2021年12月の発表によると、この改良でFR用CVTが軽商用車として初めて採用された。それ以前のオートマチック車は4速ATだった。
「AT車専用」という表記をどう読み替えるか
同じ区別を指しているのに、メーカーと販売店で使う語が揃っていない。公式が「CVT車用/MT車用」と書くのに対し、社外品の販売ページは「AT車専用」と書くことが多い。2021年12月より前が4ATだったため、社外品側は当時からの語をそのまま使い続けている。
実務上の読み替えは単純だ。MT車に乗っているなら「AT車専用」と書かれた品は避け、MT車用と明記された品を選ぶ。CVT車・AT車なら「AT車専用」表記の品が対象になる。
年式の表記では判断しない
販売ページの適合表記では、年式と型式を並べる書き方が一般的だ。ただしその年式が正確とは限らない。実際に「H25/9以降」と書かれた出品があるが、10代目の発売は2014年9月(H26.9)で、1年前を指してしまっている。年式は補助情報として見るにとどめ、型式とトランスミッションで照合する。
先代を探して辿り着いた人はこちらを見てほしい。
S500PとS510P、そして適合表に並ぶ他社の車名
10代目は9代目から15年8か月ぶりのフルモデルチェンジとして2014年9月に登場した。型式は駆動方式で分かれ、2WDがS500P、4WDがS510Pになる。分岐するのは駆動方式であって運転席まわりのフロア形状ではないので、足元のマットではどちらでも同じ品を見ればいい。
適合表にトヨタ ピクシストラック(S500U/S510U)やスバル サンバートラック(S500J/S510J)が併記されているのは、OEM供給の兄弟車だからだ。車名が3社並んでいても誤記ではなく、型式末尾のP・U・Jがブランドの違いを表している。逆に兄弟車名しか書かれていない商品でも、型式が一致していれば候補として見てよい。
なお2026年3月の発表によると直近の一部改良は予防安全機能とランプ類の内容で、足元の形状変更は発表されていない。
ジャンボには標準キャビン用が使えるのか
ジャンボはエクストラに対して室内高で+90mm、室内長で+270mmキャビンを拡大した仕様で、広げた分はシート背面側にあたる。ペダルまわりが標準キャビンと違うという記載はメーカーの説明に見当たらず、社外マットの適合表記も「ハイゼットトラック/ジャンボ」と併記される品が多い。
ただし足元の形が完全に同じだとメーカーが明言しているわけではない。ジャンボに乗っているなら、適合欄にジャンボの記載がある品を選ぶ。これが確実で、値段の差より優先していい判断だ。
素材・形状・固定、この3つで絞る
素材
ラバー・ゴム系とTPO(エラストマー)系は水や泥をはじき、外して水で流せる。長靴や作業靴で乗り降りする使い方ならこちらだ。ナイロンなどのカーペット系は足触りと内装の見え方に振ったタイプで、乾いた土ぼこりが中心の使い方に向く。カーペット系でも「洗える」と明記された品なら手入れの負担は下がる。
形状
立体(3D・トレー型)は縁が立ち上がった皿状で、こぼれた水や泥をマットの内側で受け止める。平型は薄くて軽く、出し入れと収納が楽で価格も抑えやすい。汚れの量が多いなら立体、頻繁に外して洗うなら平型、という分け方でほぼ足りる。
固定と枚数と出品形態
価格や見た目より先に見るのが、ズレ止めの構造だ。車両側の固定フックに掛かる穴やリングがあるか、専用固定フックが付属するか、裏面に滑り止め加工があるかを確認する。枚数は2枚組かどうかを商品説明で確かめる(1枚だけの出品もある)。出品タイトルに並行輸入品・ノーブランド品とある場合は、保証や返品条件が国内正規流通と異なることがあるので、返品可否を先に見ておくと買い直しの損を避けられる。
S500P/S510Pに使える4製品を比べる
ラバー平型・¥2,980 — 費用を抑えて汚れを流したい人向け
ラバーの平型で、フロント2枚のセット。水で流して戻す運用がしやすく、4製品では最も出費が軽い。適合欄にトランスミッションの記載が無いので、MT車で買うなら注文前に出品者へMT車適合の可否を問い合わせておくのが確実だ。
ハイゼットトラック S500P/S510P 対応 ゴムフロアマット フロントのみ ラバータイプ
ナイロンチェック柄・¥4,580 — 内装の見え方を変えたい人向け
洗えると明記されたナイロン製で、ジャンボが適合に併記されている。運転席まわりの見た目を変えたい場合の選択肢になる。乾燥に時間がかかるので、洗うのは晴れた日に回したい。この品も適合欄に変速機の記載が無いため、MT車は事前確認が要る。
ハイゼットトラック/ジャンボ S500P/S510P フロアマット ナイロンチェック柄 グレー 洗えるタイプ
立体3Dカーマット・¥5,500 — 泥の持ち込みが多いCVT/AT車向け
TPO(エラストマー)の立体形状で、運転席・助手席の2枚組。縁が立ち上がる分、フロア本体まで汚れが届きにくい。ただしAT専用と明記されているので、5MT車に乗っている人は対象外になる。並行輸入品の表記があるため、返品条件は注文前に見ておく。
ハイゼットトラック S500系 AT専用 1列目 3Dカーマット 運転席・助手席セット
HELIOS 3Dマット・¥7,770 — ジャンボのCVT/AT車で立体を選ぶなら
TPO素材のトレー型で、ジャンボが適合に併記されている。純正の¥9,020に迫る価格帯だが、立体形状とジャンボ対応の両方を満たす候補だ。こちらもAT車と明記された品なので、5MT車では選べない。
HELIOS ハイゼットトラック S500P/S510P AT車用 3Dフロアマット TPO素材 防水トレータイプ
純正と社外、どちらを選ぶか
純正の「フロアマット(縁高)」は材質が樹脂(TPS)で、価格は¥9,020(消費税抜き¥8,200=本体価格¥7,300+標準取付費¥900)。適用欄は全車で、CVT車用とMT車用が分かれている。同じ純正用品にはポリプロピレン製のカーペットマットもある。
社外品はこれより安い帯に分布し、素材と立体形状の選択肢が広い。代わりに適合表記の精度が出品者ごとにばらつく。迷う手間を減らしたいなら純正、用途に合わせて素材と形状を選びたいなら社外、という分かれ方だ。
MT車用として専用設計された社外品には、本体2ピースに加えて運転席用の専用固定フック1個と固定用カーペット1枚が付く構成の例がある。この製品には、純正オプションのマットを装着している場合は固定用フックを外して付属の専用固定フックを使う、という注記が添えられている。社外品への交換は、マットだけでなく固定フックごと入れ替える作業になると考えておきたい。
足元のマットと荷台マットは別物
軽トラックで起きやすい取り違えがこれだ。純正用品には足元用のフロアマット(縁高)とは別に、荷台用として「荷台ゴムマット(5㎜)」(適用はジャンボを除く全車)と「荷台マット(5㎜)(ジャンボ用)」(適用はジャンボ)が用意されている。商品名に「荷台」と付いていないかを見れば取り違えは防げる。
荷台側の保護や積載の工夫を探していたなら、こちらが近い。
買う前の確認と、重ね敷きが危ない理由
注文前にたどる順番
車検証で型式がS500PかS510Pかを見て、世代の取り違えが無いことを確かめる。次に自分の車のトランスミッションがMTかCVT/ATかを確定させる。ジャンボかどうかを確認したら、商品ページの適合欄で型式・トランスミッション・キャビン仕様の3つが自分の車と合っているかを照合する。この3つが揃って初めて注文していい。
重ね敷きをしない
装着時は、すでに敷いてあるマットを外してから新しいマットを敷き、車両側の固定フックか付属の専用固定フックへ確実に掛ける。ダイハツは純正用品のマット類に、複数のマット類を重ねて使用しないこと、ズレ防止フックで固定して使うこと、という注意書きを付けている。
国土交通省も同趣旨の注意喚起を出している。フロアマットを固定せずに重ね敷きするなど不適切に使うと、アクセルペダルがマットに引っかかり急加速につながる不具合が発生することがある、という内容だ。使用上の注意として、マットを固定して使う、重ね敷きをしない、運転前に正しく固定されているか確認する、の3点が挙げられている。
さらに、マットとアクセルペダルが干渉して加速した場合にブレーキ操作を繰り返すと、ブレーキ倍力装置の機能が大幅に低下し、ブレーキに大きな踏力が必要になるとも書かれている。ズレは不快さの問題では終わらず、止まる力にまで届く。
よくある質問
MT車に「AT車専用」と書かれたマットは使えるのか
使わないほうがいい。公式が示す区別はCVT車用とMT車用で、販売ページの「AT車専用」はCVT車・AT車側を指す表記だ。MT車ならMT車用と明記された品を選ぶ。
2021年12月より前のAT車と、それ以降のCVT車で同じマットが使えるのか
同じかどうかはメーカーの公表資料では確認できていない。区分として示されているのはCVT車用とMT車用までで、4AT車とCVT車の形状が一致するとは明記されていない。商品の適合欄に自分の年式と変速機が入っているかで判断してほしい。
ピクシストラックやサンバートラックと書かれた商品でも大丈夫か
問題ない。OEM供給の兄弟車で、型式末尾がU(トヨタ)、J(スバル)と分かれているだけだ。S500P/S510Pが併記されているか、対応する兄弟車型式が載っていれば候補になる。
純正マットの上に重ねて敷いてもよいのか
だめだ。メーカーと国土交通省の双方が重ね敷きを否定している。新しいマットを敷くときは、先に純正マットを外す。
泥や砂で汚れたときはどう手入れすればよいか
ラバー・ゴム系とTPO系は車から外して泥を落とし、水で流してから完全に乾かして戻す。濡れたまま戻すと下のフロアに水分が残る。カーペット系は「洗える」と明記された品なら同じ手順でいいが、乾燥に時間がかかる。どの素材でも、戻すときに固定フックへ掛け直したかを必ず確認する。
まとめ
候補を1つに絞ってから、メーカーと商品の適合情報で最終確認する。この順番で動けば買い直しは起きにくい。絞り込みで効くのは次の3点だ。
- 分岐するのは型式ではなくトランスミッション。5MTかCVT/ATかを先に確定させる
- 適合欄の語は公式の「CVT車用/MT車用」と販売ページの「AT車専用」でずれる。自分の変速機に対応する表記かを読み替えて確認する
- ズレ止めの構造と重ね敷き禁止は安全に直結する。価格や見た目より先に見る
同じ車の内装まわりを続けて整えるなら、こちらも合わせて読んでほしい。
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