BMW Z4 E89のホイールPCD・オフセット|前後別の純正値

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BMW Z4 E89(2009〜2017年)のホイールは、穴数とPCDだけなら答えは1つだが、リム幅とインセットはフロント用かリア用かで答えが分かれる。さらに17・18・19インチのどの組を基準にするか、スペーサーを入れるかどうかで、確かめる値が増える。まず取り付けの規格を押さえ、自分が前後どちらの、何インチのホイールを探しているかを決めてから読み進めてほしい。

目次

E89 のホイール取り付け規格と前後のインセット

海外のホイール適合データベース(koleso)では、E89 は前期(2009〜2013年)・後期(2013〜2017年)とも次の値で、販売地域に日本も含めている。海外のタイヤ・ホイールサイズのデータベース(Tire Wheel Guide・cararac)にも同じPCDとハブ径が載る。

項目 E89 の値 載っている出典
穴数・PCD 5穴・120mm koleso・Tire Wheel Guide・cararac
ハブ径(センターボア) 72.6mm koleso・Tire Wheel Guide・cararac
留め方・ねじ ボルト留め・M12×1.5 koleso・Tire Wheel Guide
純正インセット 前29mm・後40mm koleso・cararac・Tire Wheel Guide

純正の組は、フロントが8J・ET29、リアが8.5J(19インチは9J)・ET40で、前後でリム幅もインセットも違う。ホイールやタイヤを買うときはフロント用とリア用を分け、それぞれの値で確かめる。前後とも同じインセットのホイールを4本付けると、前後の少なくとも片方は純正のインセットから外れる。

17・18・19インチの純正サイズとグレードの違い

海外のデータベース(koleso・cararac)と、Tire Wheel Guide の米国向け・欧州向けの行に載る前後の組は次のとおり。

インチ フロント リア
17 8J×17 ET29・225/45ZR17 8.5J×17 ET40・255/40ZR17
18 8J×18 ET29・225/40ZR18 8.5J×18 ET40・255/35ZR18
19 8J×19 ET29・225/35ZR19 9J×19 ET40・255/30ZR19

グレードで違う工場装着の印

海外のホイール適合データベース(koleso)で工場装着(OEM)の印が付く行は、グレードで違う。sDrive35i は17インチと18インチの前後の組の両方、sDrive35is は18インチの前後の組に印がある。sDrive18i・sDrive20i・sDrive23i・sDrive28i・sDrive30i は、フロントの8J×17 ET29+225/45ZR17 の1行だけに印があり、リアの工場装着の行は無い。19インチの組には、どのグレードでも工場装着の印が無い。

koleso は工場装着の行に、オフセットの幅としてフロント27〜31mm・リア38〜42mmも併記している。この幅をメーカーが示したものかどうかは、この出典からは分からない。範囲内なら付くという目安には使わないほうがいい。

日本で売られたグレード

Car Watch の発売時の記事では、日本での発売は2009年5月16日で、発売時は sDrive23i(直列6気筒2.5リッター・6速AT・右ハンドルのみ)と sDrive35i(直列6気筒3.0リッターツインターボ・7速DCT・左右のハンドルを選べる)の2グレードだった。Car Watch の記事にタイヤ・ホイールのサイズの記述は無い。Tire Wheel Guide には、日本向けの sDrive23i が型式「ABA-LM25」、sDrive35i が「ABA-LM30」の名で載る。日本仕様のグレードごとの標準のホイールサイズは、日本向けの出典にサイズの記述が無く、決められない。

PCD・インセット・リム幅の表記の読み方

PCD と穴数

PCD(Pitch Circle Diameter)は、ボルト穴の中心を結んでできる円の直径をmmで表したもの。5穴なら、隣り合うボルト穴の中心間の距離に約1.701を掛けると近似値が出る。

インセット(オフセット)

インセットは、リム幅の中心線からホイールの取り付け面(ハブに接する面)までの距離をmmで表したもの。2008年7月に JATMA(日本自動車タイヤ協会)が呼び方を「オフセット」から「インセット」に統一した。プラスの値ほど内側寄り、マイナスの値(アウトセット)では外側寄りにホイールが付く。海外の表記の「ET」はこの値を指すので、ET29 はインセット29mm と読む。

リム幅とリム径の表記

リム幅はインチで表し、0.5インチ刻みで設定される。「8J」は幅8インチで J 形のフランジのリムという意味で、J は幅の単位ではなくリムの外縁の形を表す記号だ。「×17」のインチ数はホイールの直径で、純正より大きい直径に替えることを「インチアップ」と呼ぶ。

インセットやリム幅を変えるときの考え方

マイナス側にずらすと外へ出る

インセットが純正値よりマイナス側になるほどホイールがフェンダーからはみ出す可能性があり、プラス側になるほどサスペンションやタイヤハウスの内側にタイヤやホイールが干渉するおそれがある。E89 なら、フロントは ET29、リアは ET40 からどちらへ何mm動くかを前後別に数える。

前後の組をそろえるとき

4本を同じインセットにすると、前29mm・後40mmの組から少なくとも片方が外れる。外れる向きが内側か外側かで、確かめる所(内側の干渉か、外へのはみ出しか)が変わるので、前後それぞれで向きを先に把握しておく。

リム幅を変えるなら、組み合わせるタイヤサイズに合うかをタイヤメーカーの適合表で確かめる。リム幅が広すぎるとタイヤのサイドウォールが引っ張られて変形し、狭すぎるとタイヤが膨らんでしまう。

日本のはみ出しの決まり

国土交通省は、タイヤ・ホイールの車体外へのはみ出しを不正改造の例に挙げている(回転部分が歩行者の衣服などを巻き込むおそれがあるため。保安基準第18条「回転部分が突出する等他の交通の安全を妨げるおそれのあるものでないこと」)。2017年6月22日施行の改正で、ハンドルを直進にしたときのタイヤ中心から前方30度・後方50度の範囲で10mm未満のはみ出しが認められるようになったが、対象はタイヤ(ゴムの部分)だけで、ホイールやリムのはみ出しは認められない。

ホイールメーカーのウェッズは適合検索の注意で、そのサイズはノーマル車両の静止状態でのすき間を基準に作られ、左右のフェンダーのばらつきで誤差が出ることがあり、保安基準・車検・点検への適合を保証するものではないとしている。適合表やデータベースの値は目安にとどめ、タイヤを組む前に現車で合わせて確かめる。

先代 E85 と次の代 G29 のホイールとの違い

海外のタイヤ・ホイールサイズのデータベース(cararac)の値を並べると次のとおり。

代 穴数・PCD ハブ径 載っている組のインセット
E85/E86(2002〜2008年) 5穴・120mm 72.6mm 前46〜47mm・後50mm
E89(2009〜2017年) 5穴・120mm 72.6mm 前29mm・後40mm
G29(2018年〜) 5穴・112mm 66.6mm —

先代 E85/E86 はボルト穴とハブ径が同じでも、載っている組のインセットは E89 と違う。G29 は PCD もハブ径も E89 と違う。先代や次の代のホイールを流用するなら、ボルト穴が合うかだけでなく、E89 の値と照らしてインセットとハブ径を確かめる。

ハブ径72.6mm とハブリング

ハブ径(センターボア)はホイール中心の穴の直径。ホイール側の穴が車体側のハブより小さいとそのホイールは付かず、大きすぎると芯が出ずにハンドルの振動につながる。社外ホイールは、車によってハブの大きさが違うため穴径を大きめに作ることが多く、そのすき間はハブリングで埋める。ハブリングを入れると、荷重をハブの中心で支えられる。

イエローハットの解説では、社外ホイールで主流のハブ径は73mmとされる。E89 のハブ径72.6mm(海外のデータベースの値)より大きいので、そうしたホイールではハブとのすき間をハブリングで埋めて芯を出す。

ハブリングのサイズは、車両側のハブ径と、付けるホイール側のハブ径の両方の数値を確かめて決める。ずれたり外れたりしにくいツバ付きを選び、純正ホイールに戻すときは外し忘れに注意する。付けたまま純正ホイールを付けると正しく取り付けられず、脱輪やハブボルトの折損につながる。

ボルトのねじ・座面・長さと締付トルク

E89 はホイールをボルトで留める。ボルトを別に用意するときは、車両の取付穴数・PCD・ハブ径・標準のボルトのサイズに合うものを選ぶ。工具をかける頭の二面幅は、純正と同じ寸法でなくてもよい。

座面の形を合わせる

ホイールを留める部品の座面には「テーパー座(60°)」「球面座」「平面座」の3種類があり、ホイール側の穴の形と一致していないと正しく締結できない。米国の BMW 用品店 BimmerWorld は、M12×1.5・60度テーパー座・17mm六角の延長ボルトの適合の一覧に E89 Z4 の sDrive28i・sDrive30i・sDrive35i・sDrive35is を挙げている(この一覧に sDrive18i・sDrive20i・sDrive23i の行は無い)。社外ホイールに替えるときは、使うボルトの座面がそのホイールの座面と合うかを確かめる。

スペーサーを入れたときのボルトの長さ

米国の BMW 用品店の解説では、スペーサーを入れるときは、ふつうスペーサーの厚みの分だけ長いボルトが要る(例: 15mmのスペーサーなら15mm長いボルト)。さらに、ホイールを安全に留めるにはボルトがハブに10mm以上ねじ込まれていることが欠かせず、長さの合わないボルトでスペーサーを使うとハブのねじに十分掛からず危険だと注意している。ボルト締めの E89 でスペーサーを入れるなら、厚みに合う長さのボルトを別に用意する。

互換のロングボルトの例が次の品だ。

BMW互換 ホイールボルト M12 P1.5 60度テーパー 首下50mm 10本セット

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商品名は M12 P1.5・60度テーパー・首下50mm・17HEX・ブラック・10本セットの「BMW互換品」で、対応の並びに「Z4 E85 E86 E89」を含む。販売ページの商品説明では、対応に「1シリーズ E82 E87 E88 3シリーズ E90 E91 E92 E93 E46」「X1 E84 Z4 E85 E86 E89 等」を挙げ、「ホイール用 ロングボルト 10本セット」とし、輸入品のため微細な小キズ・わずかなたわみ・汚れ・型抜きのバリが付いている場合があるとしている。BMW の純正品ではなく互換品だ。

ただし、E89 の純正ボルトの首下の長さは確かめられた出典が無く、首下50mmが何mmのスペーサーに合うかは決められない。上の目安(厚みの分だけ長く・ハブに10mm以上ねじ込む)に照らし、使うスペーサーの厚みと、ホイールの座面・ボルト穴の厚みに合う長さかを、ホイールの販売店か取り付け店で確かめてから使う。10本セットは5穴の車で2輪分なので、4輪分なら2セット要る。

締付トルク

海外のホイール適合データベース(koleso)は、E89 のホイールの締付トルクを115N·mとしている(前期・後期とも)。作業の前に、取扱説明書や作業を頼む店でも確かめておきたい。ホイールの付け外しの流れは

にまとめてある。

スペーサーでホイールを外へ出すとき

厚みの分だけ外へ出る

スペーサーはハブとホイールの間に挟む部品なので、厚みの分だけハブからホイールまでの距離が長くなり、ホイールは外側へ寄る。向きはインセットを純正値よりマイナス側にしたときと同じで、フェンダーからのはみ出しに近づく(はみ出しの決まりは前の節のとおり)。15mm以上の厚みになるワイドトレッドスペーサーは、ハブからホイールまでの距離が長くなりがちで、ハブリングを組み合わせている製品もある。

5mm・10mm・15mm の鍛造スペーサーを比べる

3商品とも、商品名に「アルミ鍛造」「5/120」「72.6」「フロント リア共通」「2枚セット」が入り、対応の車種の並びに「Z4 E89」が入る(出品者の記載)。違いは厚みと、販売ページの商品説明に書かれた仕様だ。

商品 厚み 販売ページの商品説明(出品者の記載)
鍛造ワイドスペーサー 5mm 5mm ボルト穴5H・M14、PCD 120、ハブリング径72.6mm、アルミ鍛造(AL6061T6)、アルマイト加工
AUTOPA 鍛造ワイドスペーサー 10mm 10mm 同じ品名と車種の並びを載せる。ボルト穴の径・アルミの材質の規格・表面処理・「72.6」がどの部分の寸法か(ハブリングの径か)は記載が無い
AUTOPA 鍛造ワイドスペーサー 15mm 15mm 同じ品名と車種の並びを載せる。ボルト穴の径・アルミの材質の規格・表面処理・「72.6」がどの部分の寸法か(ハブリングの径か)は記載が無い

材質の規格・表面処理・ボルト穴・ハブリング径を商品説明に書いているのは5mmの商品だけなので、候補の筆頭はこれにする。はみ出しに近づく向きの部品なので、厚みは要る分だけにとどめるのが筋だ。10mm・15mm は記載の無い項目が多い分、購入前に販売元へ聞くことが増える。

BMW用 鍛造ワイドスペーサー 5mm 5/120 72.6 2枚セット

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5mmの商品説明は、対応に「F12 F13 F06 E63 E64 Z4 E89 E85 E86 Z3 等」を挙げ、入荷時期で細かな仕様が予告なく変わる場合があること、輸入品のため微細な小キズ・わずかなたわみ・汚れ・型抜きのバリが付いている場合があること、新品・未使用品であることも書いている。商品名と商品説明のどちらにも、BMW の純正品とする記載は無い。

AUTOPA BMW車用 鍛造ワイドスペーサー 10mm 5/120 72.6 2枚セット

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AUTOPA BMW車用 鍛造ワイドスペーサー 15mm 5/120 72.6 2枚セット

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買う前に確かめる所

  • 5mmの商品説明はボルト穴を「M14」としている。E89 のボルトのねじは海外のホイール適合データベースで M12×1.5 とされるので、穴の表記の意味と、M12 のボルトを通して使うことを前提にした品かを、購入前に販売元に確かめる。
  • 3商品とも、商品名と商品説明の箇条書きのどちらにも、ボルトが付くかどうかと、使うボルトの長さの記載は無い(出品者の記載の範囲)。厚みの分だけ長いボルトを別に用意する前提で考える。
  • 10mm と 15mm の商品は、ハブに掛かる段(ハブセンターの作り)があるかどうかも書かれていない。
  • どの厚みでも、入れた後のはみ出しと、前後で違う純正のインセットに対してどこまで外へ出るかを確かめる。

社外ホイールやスペーサーを買う前の確認の順

  1. 穴数とPCD(E89は5穴・120mm)が同じか。
  2. ホイール側のハブ径が72.6mm以上か。大きければ合うハブリングがあるか。
  3. フロント用・リア用それぞれのリム幅とインセットが、純正(前8J・ET29、後8.5J〈19インチは9J〉・ET40)からどれだけ変わり、内側の干渉や外へのはみ出しが起きないか。スペーサーを入れるなら、その厚みの分も外へ出る。
  4. ボルトのねじ(M12×1.5)・座面の形・長さが、ホイールとスペーサーの有無に合うか。
  5. ブレーキの部品とのすき間。
  6. タイヤとホイールが車体からはみ出さないか。
  7. 取り付けの後、締め付けた部品に緩みがないか。

国土交通省は、適切なタイヤやホイールを使わないと、車体やブレーキ構造などと干渉したり、車体から突出して歩行者などに危害を及ぼしたりするおそれがあり大変危険だと注意している。適合表の値は車検適合の保証ではないので、最後は現車で合わせる。付け外しのたびに、ハブとの接触面の錆をワイヤーブラシなどで落として防錆する。錆が残ったまま付けるとハブの座面に対して傾いて付き、走行中の振動やハンドルのぶれの元になる。

よくある質問

先代 E85 のホイールはそのまま付く?

そのまま付くとは言えない。海外のデータベース(cararac)では、先代 E85/E86 は5穴・PCD 120mm・ハブ径72.6mm で E89 と同じだが、載っている組のインセットはフロント46〜47mm・リア50mmで、E89 の組(前29mm・後40mm)とは違う。E89 の値と照らしてインセットとハブ径を確かめる。

社外ホイールにハブリングは要る?

ホイール側のハブ径が E89 のハブ径72.6mm(海外のデータベースの値)より大きければ、すき間をハブリングで埋める。イエローハットの解説では社外ホイールで主流のハブ径は73mmとされる。サイズは車両側とホイール側の両方の数値で決める。

スペーサーを入れたらボルトは?

米国の BMW 用品店の解説では、厚みの分だけ長いボルトが要り、ハブに10mm以上ねじ込まれていることが欠かせないとされる。紹介した5mm・10mm・15mmの鍛造スペーサーは3商品とも、商品名と商品説明の箇条書きにボルトが付くかどうかと長さの記載が無いので、合う長さのボルトを別に用意する。

タイヤのはみ出しはどこまで許される?

2017年6月22日施行の改正で、ハンドルを直進にしたときのタイヤ中心から前方30度・後方50度の範囲で、タイヤ(ゴムの部分)の10mm未満のはみ出しが認められる。ホイールやリムのはみ出しは認められない。特定のサイズやスペーサーの組み合わせが収まるかは、現車で確かめるしかない。

まとめ

まず車検証で型式と初度登録年月を確かめ、2009〜2017年の E89 に当たるかを見る。海外のデータベースの値では、E89 は5穴・PCD 120mm・ハブ径72.6mm・M12×1.5 のボルト締めで、純正の組はフロント8J・ET29、リア8.5J(19インチは9J)・ET40と前後で違う。ホイールもスペーサーもフロント用とリア用を分け、穴数とPCD→ハブ径→リム幅とインセット→ボルト→ブレーキとのすき間→はみ出し→緩みの順に確かめる。

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この記事を書いた人

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