AGH30W のバルブは、年式で答えがほぼ正反対になる。2015年1月から2017年12月までの前期は自分で交換できる外装のバルブが4か所あり、2018年1月以降の後期は外装ランプが全てLEDでバルブという部品自体が用意されていない。だから型番を調べる前に、まず自分の車がどちら側かを決める。ここが決まれば、あとは部位ごとに形状と定格を合わせるだけになる。
AGH30W のバルブ型番 早見表
AGH30W は30系ヴェルファイアの2.5Lガソリン・FF(前輪駆動)の型式で、灯火の構成は AGH35W や GGH30W と同じ括りで扱われている。部位別の値は次のとおり。
| 部位 | 前期(2015年1月〜2017年12月) | 後期(2018年1月〜) |
|---|---|---|
| ヘッドランプ(ロー/ハイ) | LED・バルブ設定なし | LED・バルブ設定なし |
| フロントフォグランプ | H16/12V19W(LEDフォグ装着車を除く) | LED・バルブ設定なし |
| フロント方向指示灯・非常点滅灯 | T20ピンチ部違い/12V21W・アンバー | LED・バルブ設定なし |
| リヤ方向指示灯・非常点滅灯 | T20ピンチ部違い/12V21W・アンバー | LED・バルブ設定なし |
| 後退灯(バックランプ) | T16/12V16W(18W) | LED・バルブ設定なし |
| 室内灯 フロント | T10/12V8W(LEDの設定あり) | T10/12V5W(LEDの設定あり) |
| 室内灯 ミドル | T10/12V5W | T10/12V5W(LEDの設定あり) |
| 室内灯 ラゲッジ | T10/12V5W | T10/12V5W |
前期で自分の手が届くのはフォグ・前後の方向指示灯・後退灯の4か所と室内灯、後期は室内灯だけ、というのが全体像になる。サイド方向指示灯は前期からLEDで、バルブの設定がない。
前期か後期かを先に確定させる
30系ヴェルファイアは2015年1月26日に発売され、2017年12月25日発表・2018年1月8日発売のマイナーチェンジでヘッドランプとリヤコンビネーションランプを含む意匠が変わった。バルブの適合表もこの時期で区分が割れていて、前期がH27.1〜H29.12、後期がH30.1〜R5.6として別々に載っている。
判断の材料は車検証の初度登録年月で足りる。2018年より前の登録なら前期、2018年以降なら後期と当たりを付け、境目の2017年末から2018年初めに登録された車だけは実車のソケットを見て決める。初度登録は生産より後になるので、境目付近では年式だけで断定しない。
前期で自分で交換できる4か所
トヨタの公式取扱説明書(2015年1月〜2016年6月生産分)が「ご自身で交換できます」として挙げているのは、フロントフォグランプ(LEDフロントフォグランプ非装着車)、フロント方向指示灯・非常点滅灯、リヤ方向指示灯・非常点滅灯、後退灯の4か所だけだ。ヘッドランプやコーナリングランプ、車幅灯、制動灯・尾灯、番号灯などは販売店で交換する側に置かれている。
フロントフォグランプ:H16/19W
取扱説明書の仕様一覧には「フロントフォグランプ(バルブタイプ:H16)19W」とあり、適合表のフォグの欄も「LED or H16/12V19W」となっている。この H16 はハロゲンのフォグを備えた仕様の値で、LEDフロントフォグランプを備えた車には当てはまらない。
フロント/リヤ方向指示灯:T20ピンチ部違い/12V21W
前後とも形状は T20ピンチ部違い、定格は 12V21W のアンバー(オレンジ色)。ワット数は取扱説明書の仕様一覧、形状は適合表の記載による。前後で同じ球を使うので、まとめて買っても無駄にならない。
後退灯:T16/12V16W
形状は T16、定格は 12V16W。適合表では「T16/12V16W(18W)」と併記されていて、16WがECE規格、18Wが旧JIS規格での表示電力にあたる。適合表の注記によれば製造時期で表示が違うだけで、球の特性が変わるわけではない。
後期は外装のバルブが存在しない
後期の取扱説明書(2018年1月以降の生産分)では、外装ランプの扱いがまとめて変わる。ヘッドランプからフロントフォグ、コーナリング、方向指示灯・非常点滅灯、車幅灯・デイライト、薄暮灯、制動灯・尾灯、後退灯、リヤフォグ、ハイマウントストップランプ、番号灯まで「数個のLEDで構成されています」として、点灯しないときは販売店で交換するよう案内している。自分で交換する手順そのものが載っていない。
裏付けは2つある。仕様一覧の電球の表から外装の行が消えて室内灯だけになっていること、そして適合表の後期分(H30.1〜R5.6)がヘッドライトからウインカー・バック・ライセンスまで全ての欄がLEDで、型番を持っていないこと。後期でT20ピンチ部違いやT16を買っても、挿す場所がない。
ヘッドライトには前期・後期とも型番がない
「ヴェルファイアのヘッドライトバルブは何番か」は前期の車でも答えが同じで、型番そのものが存在しない。30系は前期からロー・ハイともLEDで、取扱説明書でも自分で交換できる電球には含まれず販売店交換の側にある。適合表も前期・後期どちらもロービーム・ハイビームの欄がLEDのままだ。
紛らわしいのは20系の値で、適合表では20系(H20.5〜H23.10)のロービームがHID(D4S・42V35W)、ハイビームが9005(HB3)、フォグが9006(HB4)、H23.11〜H26.12のフォグがH11となっている。この並びは構成の違う別世代のもので、AGH30W には当てはまらない。20系の値を探しているなら次の記事が対応する。
室内灯の型番とワット数
前期・後期とも共通で残っている唯一のDIY領域が室内灯になる。取扱説明書の仕様一覧では、マップランプ8W、リヤパーソナルランプ(セカンドシート/サードシート)5W、ドアカーテシランプ5W、ラゲージランプ(後期表記はラゲージルームランプ)5W、バニティランプ8W と、前期・後期で同じ値が並ぶ。
一方の適合表はランプ名ではなくフロント・ミドル・リヤの3区分で、前期がフロント「T10 or LED/12V8W」、ミドル「T10(サイド)/12V5W」、リヤ「T10(ラゲッジ)/12V5W」。後期はフロントとミドルが「LED or T10/12V5W」、リヤが「T10(ラゲッジ)/12V5W」で、後期でもラゲッジ側にはT10のバルブが残っている。区分の切り方が取扱説明書と違うので、個別のランプの形状までは表からは決まらない。同じT10でも8Wと5Wに分かれるので、部位ごとに外して現物を見てから注文する。作業の流れは同型のアルファードの記事が参考になる。
注文する前に確認したい3点
型番だけを見て買うと外すのは、だいたい次の3か所に集まる。
- T20ピンチ部違いは一般的なT20と別物。口金の切り欠き(ピンチ部)の形状が違い、適合表でも別の形状名として扱われている。商品説明にT20とだけ書かれたものではなく、ピンチ部違いに対応すると明記された製品を選ぶ。
- 前期でもLEDフロントフォグランプを備えた車には H16 が付かない。装備の有無はグレードやオプションで変わるため、前期という理由だけで H16 を注文しない。
- 小糸製作所が公開している適合表自体が、年式・型式・タイプ・グレードが一致していても特別仕様車等の条件で記載と異なる場合があるとし、購入前に実車に装着されている電球の形状・定格と一致していることを確認するよう求めている。適合表は当たりを付ける資料であって、最終確認は現物になる。
LEDに替えるときの判断基準
純正のハロゲンからLEDに替えるなら、突き合わせる項目は5つに整理できる。形状(T20ピンチ部違い・T16・T10・H16)、定格(12V21W・12V16W・12V8W・12V5W・19W)、発光色、保安基準に適合する製品かどうか、そして純正からの置き換えで生じる条件だ。
発光色は純正に合わせる。取扱説明書は仕様一覧の注記で「アンバーバルブはオレンジ色の電球です」と説明していて、方向指示灯はアンバー、後退灯は白色で光る灯火として設計されている。道路運送車両の保安基準も、後退灯を第40条、方向指示器を第41条で「灯光の色、明るさ等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない」と定めていて、具体的な数値は告示の側にある。色を変える方向の製品は選択肢から外すのが前提になる。
置き換えで生じる条件は2つ。方向指示灯は消費電力が下がることで点滅が速くなる現象(ハイフラ)が起きやすく、抵抗やキャンセラーを内蔵した製品かどうかが選ぶ基準になる。後退灯用のLEDには極性を持つものがあり、その場合は差し込む向きによって点灯しない。無極性と明記された製品なら向きを気にせず済む。
前期4か所の交換手順と難易度
取扱説明書は「電球交換の難易度は電球によって異なります」と書き添え、4か所についても部品が破損するおそれがあるとして販売店での交換をすすめている。手を出す前に、どれが重いかを把握しておきたい。
フロントフォグランプ(手間が最も大きい)
交換する側と反対方向へハンドルを回してタイヤの向きを変え、手が入る隙間を作るところから始まる。クリップをマイナスドライバーで90度回して引き抜き、もう一種類のクリップは中央部を引き出してから抜く。コネクターが見える位置までフェンダーライナーをめくり、ツメを押してコネクターを外して電球を回して取り外す。新しい電球は取り付け部とツメ(3か所)が合うように約45度傾けながら挿し込んで右に回して固定し、コネクターを戻したらいったん点灯させて取り付け部から光がもれていないことを目視する。最後にフェンダーライナーを戻し、クリップは溝を縦にして挿してから中央部を押す。内張り外しの経験がないなら、ここは販売店に回してよい。
フロント方向指示灯(4か所で最も軽い)
ボンネットを開けてソケットを回して取り外し、電球を抜いて新しい電球を付け、ソケットを回して戻すだけ。工具も内張り外しもいらない。
リヤ方向指示灯と後退灯
リヤ方向指示灯はバックドアを開けてスクリュー2本を外し、ランプ本体を外してコネクターを外してからソケットを回す。戻すときはランプが元の位置にあることを確認してからスクリューで固定する。後退灯はバックドアを開けてカバーを外すところから始まり、取扱説明書は傷を防ぐためマイナスドライバーなどの先端に布を巻くよう案内している。
作業中の注意も取扱説明書に並んでいる。ランプを消灯し高温のうちは触らないこと、電球のガラス部を素手でふれないこと(やむを得ず持つときは乾いた清潔な布を介する)、電球と固定部品を確実に取り付けること、取り付ける前にワット数を確認すること。取り付けが不十分だと発熱や発火、ヘッドランプ内部への浸水による故障やレンズ内の曇りにつながるとされている。
よくある質問
ヘッドライトのバルブだけ社外品に替えられる?
AGH30W のヘッドランプは前期・後期ともLEDで、交換できるバルブが入っていない。適合表にもロービーム・ハイビームの型番が設定されていないので、球だけを差し替える形の交換は成り立たない。D4S や HB3 といった型番は20系の値で、30系には当てはまらない。
前期用に買ったバルブを後期のヴェルファイアに使える?
使えない。後期は外装ランプが全てLEDで、ソケットにバルブを挿す構造そのものがない。逆に前期の車に「後期は不要らしい」と判断してバルブを買わずにいると、球切れのまま走ることになる。先に年式を確定させるのが買い物の前提になる。
AGH35W や GGH30W でも同じ型番でいい?
取扱説明書の車両仕様表には30系として AGH30W(2.5L・FF)、AGH35W(2.5L・4WD)、GGH30W(3.5L・FF)、GGH35W(3.5L・4WD)が並記され、適合表も AYH/GGH/AGH3#系 として一本化されている。灯火の構成はこの括りで共通に扱われているが、実際に付いている球の形状と定格は購入前に現車で確認する。
室内灯のLED化はどこから手を付けるのがいい?
作業の軽さで選ぶなら、開けやすいラゲッジ側から試すと勝手が分かる。T10の8Wと5Wが混在するので、外した球の刻印を見てから同じ定格で揃える。世代別の一覧は次の記事にまとめてある。
まとめ
やることは2つに集約できる。まず車検証で型式と初度登録年月を確認して前期か後期かを決め、次に注文の前に実車のソケットから球を外して形状と定格を見る。この順番なら型番違いを買う余地がほとんど残らない。
到達点は単純で、前期は外装4か所(フォグ H16/前後の方向指示灯 T20ピンチ部違い/後退灯 T16)と室内灯のT10、後期は室内灯のT10だけ。前期でもLEDフォグを備えた車には H16 が付かないところだけ、最後まで気をつけておきたい。

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