ルーミー M900A/M910A でどのLEDバルブを買うかは、型式ではなく現車の仕様で決まる。ハロゲンヘッドランプ装着車か純正LED仕様車か、2020年9月のマイナーチェンジより前か後か、この2点で交換できる灯火とバルブ規格が変わってくる。灯火ごとの規格そのものはヘッドライトがH4、ナンバー灯とルームランプがT10というように決まっているが、その一覧をそのまま自分の車に当てはめられるとは限らない。作業計画は、ボンネットを開けてヘッドライト裏のバルブ形状を見るところから始める。
LED化できる灯火の範囲は仕様で変わる
ハロゲンヘッドランプ装着車なら、ヘッドライトからウインカー、室内灯まで一通りが交換対象になる。ヘッドライトのバルブ規格はH4で、ロービームとハイビームが1本にまとまった形式のため、ハイビーム専用のバルブは設定がない。左右のH4を1本ずつ、計2本入れ替えれば前照灯のLED化は終わる。
一方、純正LED仕様車ではヘッドライト・フォグ・ポジション・テール・ストップがいずれも純正LEDで、バルブを差し替えるタイプの交換ができない。この仕様の車で手を入れられるのは、ウインカー、バックランプ、ナンバー灯、室内側の灯火に限られる。
同じM900A/M910Aでこれだけ範囲が変わるので、適合表にも車両に装着されているバルブの形状を必ず確認するよう注記が入っている。型式だけで買うバルブは決められない。後述するように、後期のハロゲン仕様車でもポジションだけは純正LEDになるという分かれ方もある。
灯火ごとのバルブ規格一覧
現車の仕様を確かめたうえで、買う前に照らし合わせる一覧が以下になる。
| 灯火 | バルブ規格 | 交換できる仕様 |
|---|---|---|
| ヘッドライト(ロー・ハイ兼用) | H4 | ハロゲン仕様車のみ |
| フォグランプ | 前期 H16 / 後期 L1B | ハロゲン仕様車のみ |
| ポジション(車幅灯) | T10 | 前期のハロゲン仕様車のみ |
| ウインカー(前後) | T20 ピンチ部違い・アンバー | 仕様によらず交換可 |
| バックランプ | T16 | 仕様によらず交換可 |
| ナンバー灯 | T10 | 仕様によらず交換可 |
| ルームランプ(フロント・ミドル・リア) | T10 | 仕様によらず交換可 |
| ストップランプ | S25シングル | ハロゲン仕様車のみ |
ヘッドライトとフォグ(年式で分かれる灯火)
買い間違いが最も起きやすいのがフォグランプだ。2016年11月からの前期はH16、2020年9月のマイナーチェンジ以降の後期はL1Bと、規格そのものが入れ替わる。台座の形状が違うので、前期用を後期に付けようとしても物理的に入らない。ヘッドライトのH4は年式による変更がない。
ウインカー・バックランプ・ナンバー灯(外装で共通の灯火)
この3つはハロゲン仕様車と純正LED仕様車のどちらの適合表にも同じ規格が並ぶ。ウインカーは前後ともT20のピンチ部違いで、灯光の色はアンバー。バックランプはT16で、LED専門店の対応商品は1セット2個入り、つまり左右2灯分をまとめて替える構成になっている。ナンバー灯はT10。
室内側の灯火
ルームランプはフロント・ミドル・リアの3か所にあり、いずれもT10でそろう。室内は1種類のバルブをまとめて用意すれば足りる。ナンバー灯も同じT10なので、購入時にまとめやすい組み合わせだ。
なお参照した適合表にはいずれも、年式・車両型式・タイプが一致していても特別仕様車等の条件で記載と異なる場合がある、という趣旨の注記がある。購入前に現車のバルブを1本抜いて実物を見ておくのが確実だ。
手を付ける順序と電装作業の基本
いきなりヘッドライトから始めるとつまずきやすい。難易度の低い灯火から段階を踏む。第1段階は差し替えで完了する室内のルームランプとナンバー灯。第2段階は取り外しの手間が加わるバックランプとポジション。第3段階が固定金具と防水ラバーを外すヘッドライトとフォグ。最後が配線に抵抗を足すウインカーで、ここだけは他と作業の質が違う。前の段階で手応えをつかんでから次へ進めばいい。
どの灯火でも共通する準備がある。作業前にライトスイッチを切り、エンジンを止めてキーを抜く。点灯直後のハロゲンバルブは高温なので冷めるまで待つ。ハロゲンバルブのガラス面は素手で触らない。付いた油分が寿命を縮める。取り外したソケットやコネクタは無理にこじらず、抜ける向きを確かめてから力をかける。外した純正バルブは、不具合が出たときに戻せるよう捨てずに保管しておく。
最初の一歩はルームランプ・ナンバー灯・バックランプ
室内のルームランプはフロント・ミドル・リアの3か所すべてがT10なので、同じバルブを順に差し替えていけばいい。工具はレンズを外すための内張り剥がし程度で足りる。ナンバー灯もT10で、リアゲート下側のソケットを回して抜き、バルブを入れ替える。
バックランプはT16で、テールランプ側のソケットにアクセスして左右2灯を替える。ここまでは配線に手を入れないので、失敗しても純正バルブを戻せば元の状態に帰る。点灯確認まで済ませてから次の灯火に進む。
ポジションランプは前期のハロゲン仕様車だけの作業
前期のハロゲン仕様車のポジション(車幅灯)はT10で、ヘッドライト裏の黒いソケットを反時計回りに回して外し、バルブを引き抜いてLEDバルブに差し替えれば終わる。工具を使わずに済む部類の作業だ。
2020年9月以降の後期は、ハロゲンヘッドランプ装着車でもポジションが純正LEDとして記載されている。この年式ならポジションのバルブを買う必要はないし、そもそも差し替える対象がない。前期・後期の判別がつかないまま先にバルブを買ってしまうと、使い道のない在庫を抱えることになる。
ヘッドライト(H4)の交換手順
ボンネットを開けてヘッドライト裏側から作業する。M900Aの実車レポートによれば、この車はエンジンルーム側のスペースに余裕があり、交換自体は数分で終わる部類とされている。手順は次の順序になる。
- バルブ後端のコネクタを、上下左右にゆっくり動かしながら抜く
- 防水ラバーのツマミを上下交互に引いて外す
- バルブを固定しているバルブスプリング(金具)を押し込みながら下側へずらして外す
- 純正バルブを抜き、LEDバルブに入れ替えて逆の順序で戻す
買う前に確認しておく点が1つある。純正のH4バルブは台座の下部に切り欠きがあり、切り欠きのない丸型のH4バルブは装着できない。規格がH4で合っていても台座形状が違えば入らないので、製品側の台座の形を見てから注文する。防水ラバーを元どおり戻せるかどうかも、LEDバルブの全長と放熱方式次第で変わってくる。
フォグは年式を取り違えると装着できない
フォグランプのLED化で確認すべきは年式だ。前期のハロゲンフォグはH16、後期はL1B。台座形状そのものが違うため、M900Aという型式だけを頼りに選ぶと合わないものを買ってしまう。前期用として売られている製品を後期の車に付けることはできないし、その逆も同じだ。
車検証の初度登録年月で前期か後期かを判別し、それから現車のバルブを見て裏を取る。適合表の注記が求めているのはこの手順で、フォグはとりわけ効いてくる灯火になる。
ウインカーはバルブ交換だけでは終わらない
ウインカーは前後ともT20のピンチ部違いで、LEDバルブ自体はすぐ手に入る。ただし差し替えただけでは高速点滅、いわゆるハイフラの状態になる。LED専門店の商品説明にも、本製品のみを取り付けて点灯させるとハイフラッシャー状態になるため、別途LED専用のハイフラッシャー防止抵抗ユニット(8Ω)が必要という趣旨の注記が入っている。
仕組みとしては、電球からLEDに替えたことで消費電力が大きく下がり、車両側が球切れと判断して点滅を速める。純正のウインカー球の消費電力は21W程度で、LEDに替えるとその数分の一まで落ちる。かつてはICウインカーリレーへの交換が一般的だったが、ウインカーリレーを持たず電子制御で作動音を出す近年の車では、抵抗の追加が実質的な対策になっている。放置してよい症状でもない。保安基準第41条は方向指示器について、橙色であり点滅回数が毎分60回以上120回以下であることと定めており、ハイフラはこの上限を超えた状態だからだ。
作業は、純正ウインカーバルブの配線にスプライス端子で抵抗を並列接続し、プラス・マイナスの各線につなぐ。抵抗に極性はないので接続方向の制限はない。難所は配線ではなく抵抗の固定位置にある。この部品は電気を熱に変換して消費させるものなので、樹脂製のヘッドライト裏に固定すると溶損や出火のおそれがある。車体の鉄板部分に固定し、ヘッドライトを戻したときに干渉しない位置を選ぶ。養生テープは熱で溶けるので使えない。穴あけ加工をしない方法としては、抵抗をグラスウールで覆ってからアルミテープで鉄板に圧着し、複数層に巻いて固定強度を確保するやり方が紹介されている。
車検で見られる基準を数値で押さえる
LED化そのものが禁じられているわけではないが、灯火に課される要件は純正と同じように適用される。バルブを選ぶ前に、何が見られるのかを数値で把握しておく。
色と点滅回数の決まり
道路運送車両の保安基準では灯光の色が灯火ごとに定められている。車幅灯(第34条)、番号灯(第36条)、後退灯(第40条)はいずれも白色。方向指示器(第41条)は橙色。尾灯(第37条)と制動灯(第39条)は赤色。前照灯は第32条で白色とされている(平成17年12月31日以前に製作された自動車は淡黄色も可)。青みの強い製品や色付きの製品を選ぶと、明るさとは無関係にここで外れる。
ロービーム計測に一本化された前照灯の審査
前照灯の基準適合性審査は、2024年8月1日以降、1998年9月1日以降に製作された自動車について全車ロービーム計測のみで行われる(二輪車、側車付二輪車、大型特殊自動車およびトレーラを除く)。ロービームで不適合となった場合にハイビームで計測し直す過渡期の取り扱いは廃止された。2016年11月以降に製作されたルーミー M900A/M910A はこの対象に含まれる。国土交通省が示した取り扱い変更と車検の光度基準の解説によれば、ロービームの光度の基準値はヘッドライト1灯につき6,400cd以上。色は原則として白色のみで、目安として4,000〜6,000Kが白色の範囲とされる。あわせて、明暗の境目であるカットオフラインとエルボー点の位置で配光が見られる。
バルブを選ぶときに見る条件
不適合になる車の多くは、レンズ面の劣化、内部リフレクタの劣化、相性の悪いバルブへの交換などで光度が不足した状態や配光が崩れた状態にある、とされている。つまりヘッドライトのLED化で問題になりやすいのは明るさの数値そのものより、純正のリフレクターに対して発光部の位置が合わず狙った配光が出なくなることだ。見る条件は4つに整理できる。
- 台座の形状が純正と同じ切り欠き付きのH4であること
- ヘッドライト裏の限られた空間に収まる全長・放熱方式であること(防水ラバーを戻せるかを含む)
- 灯光の色が白色で、目安として4,000〜6,000Kの範囲に収まること
- 純正リフレクターでカットオフラインが出る配光であること
明るさを示す数値の大小だけで選ぶと、配光が崩れて検査に通らない状態になりうる。車検対応と表記された製品であっても、光度と配光は取り付けた車両の状態で決まる以上、合否は実際に測ってみるまで確定しない。
よくある質問
自分のルーミーがハロゲン仕様かLED仕様かを見分けるには
ボンネットを開け、ヘッドライト裏に丸いゴム製の防水ラバーとバルブのコネクタが見えればハロゲン仕様車だ。純正LED仕様車には差し替えるバルブがなく、フォグも含めて交換の対象にならない。外から点灯色を眺めるより、裏側にバルブが刺さっているかどうかを見るほうが早い。適合表の注記どおり、最終的な判断は現車の形状で行う。
丸いH4バルブが装着できないのはなぜか
純正バルブの台座の下部に切り欠きがあり、その形に合わせてヘッドライト側の受けができているためだ。切り欠きのない丸型の台座は、規格がH4であっても受け側に収まらない。製品写真で台座の形を確認してから買う。
ウインカーだけ抵抗が要るのはなぜか
LEDは消費電力が小さく、車両側が球切れと判断して点滅を速めるからだ。点滅回数が毎分120回を超えれば保安基準に適合しない状態になる。抵抗を並列に入れて消費電力を戻すのが対策で、他の灯火にはこの工程がない。抵抗内蔵をうたう製品もあるが、車両側での動作は取り付けてみないと分からない。電装品を増やすと消費電力も変わるので、バッテリーの状態も併せて見ておきたい。
ヘッドライトをLEDに替えて車検に通るか
製品側で保証できるものではない、というのが答えになる。審査はロービームの光度と配光、そして色で行われ、その結果はレンズやリフレクタの状態を含む車両側の条件で変わる。台座形状・寸法・色温度・配光の4条件を満たす製品を選んだうえで、不安があればテスター屋で実測してもらう。純正バルブを保管しておけば、通らなかったときに戻せる。
まとめ
まず車検証で型式と初度登録年月を確認し、次にボンネットを開けてヘッドライト裏を見る。この2つで、ハロゲン仕様か純正LED仕様か、前期か後期かが決まり、買うべきバルブがほぼ確定する。フォグのH16とL1B、ポジションの有無は、この判別を飛ばすと確実に外す箇所だ。
作業は室内灯とナンバー灯から始め、バックランプ、ポジション、ヘッドライトとフォグ、最後にウインカーという順に進める。適合表に記載があっても、特別仕様車やメーカーオプションで構成が違うことがあるので、最後は現物を1本抜いて形を確かめてから注文する。この一手間が、返品と再注文の往復をなくす。

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