ランクル70 GRJ76K ドラレコ取り付け 配線と電源3択

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2014年に期間を区切って再販された70系のバンは、ナビもドライブレコーダーも後から付ける前提の車だ。現代の乗用車向けに書かれた取り付け解説をそのまま持ち込むと、ACC電源の場所も配線の隠し方も噛み合わない。GRJ76Kの場合、電源の取り出し先はエンジンルームの純正アクセサリコネクタ、助手席足元のヒューズボックス、シガレットライターに分かれ、駐車監視を使うかどうかで選び方が変わる。

目次

電源の取り出し先は3か所ある

ここで扱うのは、2014年8月から2015年6月受注分までのGRJ76K(バン)。取り出し先を比べる軸は、作業の手軽さ、配線の隠しやすさ、容量の裏付け、作業する場所の4つになる。

  • エンジンルームの純正アクセサリコネクタ:常時電源・ACC電源・アースが1か所でそろい、使ってよい容量がメーカー資料で決まっている。室内へ引き込む手間はかかる。
  • 助手席足元のヒューズボックス:室内で作業が完結し、配線を内張りの中に隠しやすい。
  • シガレットライター:差すだけで済むが、配線が室内に露出しやすい。使えるのはエンジンスイッチがACCまたはONのときだけ。

分かれ目は駐車監視だ。使うならエンジン停止中も生きている常時電源が要り、使わないならACC電源だけで完結する。

再販70系のバンという前提

トヨタの2014年8月25日のニュースリリースでは、70シリーズは誕生30周年を記念して同日に日本国内で期間限定発売され、2015年6月30日生産分で受注を終了したと発表されている。ボディタイプは4ドアバンと、国内初設定のダブルキャブピックアップの2種類。ランドクルーザー70の取扱説明書(2014年8月版)の車両仕様表では、型式GRJ76Kが車両形状バン、GRJ79Kがトラックと記載されている。エンジンはどちらも1GR-FE(4.0Lガソリン)、駆動方式は4WD。

電装まわりの前提として押さえておきたいのは、取扱説明書に構成の記載があるSRSエアバッグがフロント(運転席・助手席)だけで、全284ページを通してカーテンシールドエアバッグの記載がない点。ただし装備はグレードや個体で変わりうるし、ダッシュボード周辺には別の警告がある。Aピラーを開ける前に、自分の車の装備を実物と取扱説明書で確認する

取り付け位置は電源より先に決める

国土交通省が定める保安基準の細目告示(窓ガラス)では、窓ガラスへの装着が認められるものとしてドライブレコーダーの前方用カメラまたは運転者用カメラが明記されている。貼り付けてよいのは、運転者が前方を視認する際に車室内後写鏡(ルームミラー)により遮へいされる前面ガラスの範囲、または試験領域Iとその水平方向の拡大領域以外の範囲。加えて、前面ガラスの上縁で車両中心面と平行な面上のガラス開口部の実長の20%以内の範囲、または前面ガラスの下縁でガラス開口部から150mm以内の範囲に貼り付けた場合は、この限りでないとされている。同告示の第4項でも、上縁20%以内の範囲は「運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲」から除かれる範囲の第1号として挙げられている。

ダッシュボード上への設置は選択肢から外す。取扱説明書は、ダッシュボードやハンドルのパッド部分などには何も取り付けたり置いたりしないと明記している。位置が決まらないと必要な配線長も決まらないので、電源探しより先にここを固める。

純正アクセサリコネクタは容量が決まっている

取扱説明書によると、エンジンルームには「アクセサリコネクタ」があり、各種電装品の電源として使うよう案内されている。端子は4つで、常時通電端子(プラス)、エンジンスイッチON時通電端子(プラス)、エンジンスイッチACC時通電端子(プラス)、アース端子(マイナス)。後付け電装品の電源をメーカーが正式に用意している構成で、常時電源とACC電源とアースが1か所でそろう。

容量も同書で決まっている。消費電力の合計は240W以下(DC12Vで最大電流20A以下)。各端子とアース端子の間の最大電流は、常時通電端子がDC12Vで11A(132W)、エンジンスイッチON時通電端子が6A(72W)、エンジンスイッチACC時通電端子が6A(72W)。コネクタ側のヒューズ容量は常時通電端子が20A、ON時通電端子が10A、ACC時通電端子が10A。ドラレコ1台をこの枠のどこに収めるかは、機器の定格を見て決める

警告もそのまま守る。ヒューズやアクセサリコネクタを改造しない。規定容量以外のヒューズやヒューズ以外のものを使わない。通電端子に水などがかからないよう常時フタを閉めておく。通電端子に接続した電線が隣接する端子に接触しないようにする。電装品を取り付けるときは通電端子を緩みなく締め付ける。守らないと車の故障や火災、けがのおそれがあると書かれている。

アースを別に探さなくて済むのも、この方法を選ぶ理由になる。ボディアースは塗装の上からでは導通せず、本来なら車体に留まっているボルトの共締めを使うか、接触面の塗装を落として面で当てる必要がある。

助手席足元のヒューズボックスから取る

室内で完結させたいならこちら。取扱説明書によると、この車のヒューズボックスは3か所ある。エンジンルームのバッテリー後方(ツメを押しながらカバーを持ち上げて開ける)、エンジンルームのアクセサリコネクタ、そして助手席足元(カバーを取りはずして開ける)。手順はエンジンスイッチをLOCKにしてから開ける順序になっている。

ACCという名前のヒューズが室内にある

助手席足元にはNo.18「ACC」7.5A(受け持つ主な装置はドアミラー、時計、パワーアンテナ、オーディオ、アクセサリーソケット)と、No.19「CIG」15A(シガレットライター)がある。ほかにNo.5 RADIO 15A、No.6 ECU-B 10A、No.7 DOME NO.1 10A、No.9 METER 10A、No.23 OBD2 7.5A、No.27 PANEL 10A、そしてNo.4とNo.8が予備ヒューズ(10Aと20A)。ACC連動の電源を室内側で確保できるのが、この車で室内配線を選びやすい理由になる

名前ではなく検電テスターで確かめる

一覧に載っているのは受け持つ主な装置の名称であって、通電のタイミングを定義したものではない。エンジンスイッチはLOCK(OFF)、ACC、ON、STARTの4位置で、取扱説明書はACCを「シガレットライターなどの電装品が使用できます」、ONを「すべての電装品が使用できます」と説明している。LOCKにした状態から始めて検電テスターを当て、LOCKで消えてACCで来るならACC電源、LOCKでも来ているなら常時電源。名前から推測せず自分の車で確かめる。

ヒューズから分岐する部品(ヒューズ電源)は、ヒューズの形状ごとに種類が分かれている。取扱説明書に載っているのは名称とアンペア数までなので、買う前にボックスを開けて形状とアンペアを目視で確認する。差し込みには向きがあり、電源が来ている側から分岐するよう向きを合わせる。使うヒューズは規定容量のトヨタ純正品か同等品で、ヒューズボックスごと改造しない。交換しても再び切れるならトヨタ販売店で点検を受ける。

配線ルートの通し方

フロントカメラから電源まで

本体はフロントガラス上部。そこから天井の内張りの縁に沿わせて助手席側へ寄せ、ウェザーストリップ(ドア開口部のゴム)を一度はずして内側へ落とし込み、Aピラーの内張りの隙間を通してダッシュボード脇からグローブボックス裏へ下ろす。内張りはがしで少しずつ浮かせ、配線を押し込んでから戻す。余った配線は束ねて内張りの中に収め、ペダルやステアリング、シートレールなど動く部分の近くには垂らさない。固定は結束バンドで、外れたときに足元へ落ちてこない位置に留める。

取扱説明書は、トヨタ販売店に相談せずにハンドル・インストルメントパネル・ダッシュボード周辺の修理や取りはずし、改造を行わないよう警告している。CDプレーヤーや無線機などの電化製品の取り付けも同じ扱い。SRSエアバッグが正常に作動しなくなったり誤ってふくらむなどして、重大な傷害や死亡につながるおそれがあるためだ。内張りを外す範囲は、ダッシュボード本体に手をかけずに済むところまでにとどめる

リアカメラを足す場合

天井の内張りの縁に沿って車両後方へ送り、バックドアへ渡る部分は開閉で曲がるので、車体とドアをつなぐゴムのグロメット(蛇腹)の中を通して余長を残す。余長が足りないと、開閉のたびに引っ張られて断線する。荷室側は内張りやトリムの縁に沿わせて固定し、荷物が当たる位置には出さない。スライド式リヤガラスのように、取扱説明書でグレードやオプションにより装備の有無があると注記された装備もあるので、ルートは自車の実物を見てから決める。

駐車監視を使うなら常時電源をどう扱うか

取扱説明書のアクセサリコネクタの項には、バッテリーあがりを防ぐための注意として、エンジンを停止した状態でアクセサリコネクタを長時間使用しないと書かれている。エンジン停止中も電気を使い続ける駐車監視は、メーカーが想定した範囲の外に出る使い方になる。

現実的な対策は機器側の設定だ。設定電圧を下回ったら録画を止めるカットオフ電圧と、監視の時間上限を必ず入れる。それでも結果はバッテリーの状態と乗り方で変わる。バッテリーが弱っている車、短距離しか乗らない車、数週間動かさない車では、駐車監視を切る判断も選択肢に入れる。使わないと決めれば常時電源そのものが不要になり、ACC電源だけで配線が済む。

作業の順序と準備するもの

用意するのは検電テスター、内張りはがし、結束バンド、そしてヒューズから分岐するなら形状とアンペアを確認してから買ったヒューズ電源。順序は次のとおり。

  1. 本体の取り付け位置を仮決めする
  2. 運転席から見た視界と法令上の範囲を確認して位置を確定する
  3. 電源の取り出し先を決めて確保する
  4. 配線を仮通しする(まだ本固定しない)
  5. エンジンスイッチを入れて通電と録画を確認する
  6. 内張りを戻して本固定する
  7. 実際に走って録画とファイルを確認する

通電確認は本固定より前に済ませる。ここを飛ばすと、電源が来ていなかったときに内張りを全部外し直すことになる。作業前にエンジンスイッチをLOCKにしておくのも共通の前提だ。アースの落とし先も先に決めておく。電源側だけつないでアースが甘い配線は、動いたり動かなかったりする症状の原因になる。

起きがちな取り違え

一番多いのは、別の型式の情報をそのまま持ち込むことだ。ここで根拠にしている取扱説明書は2014年8月版で、車両仕様表に載っている型式はGRJ76K(バン)とGRJ79K(トラック)の2つだけ。2023年に再び販売された70系は型式が異なる別の車で、この取扱説明書の対象外にあたる。ヒューズの配置や名称、アクセサリコネクタの有無や容量が同じである保証はない。別型式向けに書かれた配線手順をGRJ76Kへ当てはめないし、逆にここの内容を他の型式へ持ち出さない。

残りは3つ。規定容量やアクセサリコネクタの上限を超える使い方をすること、形状を確認せずにヒューズ電源を買うこと、ダッシュボード周辺を安易に外すこと。どれも取扱説明書の値と実車の目視で避けられる。配線や内張りの脱着に自信がないとき、ダッシュボード周辺やエアバッグに近い場所を触る必要が出てきたときは、トヨタ販売店や電装系の専門店に依頼する。取り付け位置と電源の取り出し先だけ自分で決めておけば、依頼しても意図どおりの仕上がりになりやすい。

よくある質問

ACC電源はどのヒューズから取れるのか

助手席足元のヒューズボックスにあるNo.18「ACC」7.5Aが候補になる。受け持つ主な装置としてドアミラー、時計、パワーアンテナ、オーディオ、アクセサリーソケットが挙がっている。ただし一覧は装置名であって通電のタイミングの定義ではないので、実際の通電は検電テスターで確かめてから使う。

アクセサリコネクタとヒューズ電源のどちらを使うべきか

常時電源とアースを同時に必要とする駐車監視をするならアクセサリコネクタ。ACC電源だけで足りて、配線を室内で隠したいなら助手席足元のヒューズボックス。容量の裏付けを重く見る場合もコネクタ側で、合計240W以下(DC12Vで20A以下)という上限が取扱説明書に書かれている。

ルームミラーの裏に付ければ車検は問題ないのか

細目告示は、ルームミラーにより遮へいされる前面ガラスの範囲などを装着が認められる範囲として定めている。その範囲に収めるのが前提で、最終的な判断は検査を受ける現場のものになる。位置を決めたら運転席から実際に前を見て、視界に入り込んでいないか確認する。

駐車監視でバッテリーは上がらないのか

上がらないとは言えない。取扱説明書はエンジン停止状態での長時間使用を戒めている。カットオフ電圧と時間上限を設定しても、バッテリーの状態や使用環境によって結果は変わる。

シガーソケットから取るだけでは駄目なのか

配線を隠さなくてよければ手軽な方法になる。シガレットライターが使えるのはエンジンスイッチがACCまたはONのときで、駐車監視には向かない。取扱説明書にはトヨタ純正品以外の電気製品を電源ソケットに挿し込まないという警告もあり、ソケットが変形してシガレットライターが押し込まれたまま出てこなくなるおそれがあるためとされている。

まとめ

最初にやるのは実車の確認だ。助手席足元のカバーを取りはずしてヒューズの形状とアンペアを見て、エンジンルームでアクセサリコネクタの位置を押さえ、フロントガラスのどこへ本体を貼るかを仮決めする。ここまで済めば、買う部品も必要な配線長も決まる。そのうえで手元の資料を見返す。取扱説明書が定める上限は合計240W以下(DC12Vで20A以下)、常時11A、ON時6A、ACC時6Aで、これが電源選びの土台になる。位置は細目告示の範囲に収める。参照している資料が2014年8月版のGRJ76K向けかどうかも、作業を始める前にもう一度確かめておく。

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この記事を書いた人

車種別パーツ適合情報サイト「パーツ選び.com」の編集部。タイヤサイズ・エンジンオイル量・ワイパー適合・フィルター型番など、2,400本以上の記事と全80車種対応の早見表を公開中。適合値はメーカー公式の諸元・取扱説明書や部品メーカーの公式適合表で確認したものを優先し、確認できない数値は載せない方針で運営しています。

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