60系ハリアー(2013〜2020年)のバッテリーは、型式がZSU・ASU・AVUのどれかで答えが変わる。バッテリーメーカーのGSユアサの車種別適合表によると、新車搭載の型番はZSU60W・ZSU65WがQ-55、ASU60W・ASU65WがS-95、ハイブリッドのAVU65WがS55D23Rだ。ガソリンの4型式(ZSU60W・ZSU65W・ASU60W・ASU65W)は、同じサイズ・同じ端子位置のアイドリングストップ車用で性能ランクが新車搭載以上の物から選び、ハイブリッドのAVU65Wは販売店に相談する、と道が分かれる。まず自分の車がどの型式かを確かめるところから始めよう。
60系の新車搭載の型番は型式で3通り
GSユアサの車種別適合表で、ハリアーの(U60)の行に並ぶのは次の5型式だ。
| 型式 | 排気量・エンジン | 区分 | 新車搭載の型番(寒冷地仕様も同じ) |
|---|---|---|---|
| DBA-ZSU60W | 2000cc・3ZR-FAE | アイドリングストップ車 | Q-55 |
| DBA-ZSU65W | 2000cc・3ZR-FAE | 4WD・アイドリングストップ車 | Q-55 |
| DBA-ASU60W | 2000cc・8AR-FTS | アイドリングストップ車 | S-95 |
| DBA-ASU65W | 2000cc・8AR-FTS | 4WD・アイドリングストップ車 | S-95 |
| DAA-AVU65W | 2500cc・2AR-FXE | ハイブリッド車 | S55D23R |
ZSU60W・ZSU65WはQ-55、ASU60W・ASU65WはS-95、AVU65WはS55D23Rと押さえておけばよい。なお、ASU60W・ASU65Wは、適合表に販売開始2019年7月の行だけが載っている。
ただし、GSユアサの適合表は掲載データを参考用としていて、車名・排気量・型式・エンジン型式・年式が同じでも、マイナーチェンジや特殊仕様・オプション仕様で搭載バッテリーが異なる場合があるとして、実際に搭載されている型式を確かめるよう求めている。トヨタの公式FAQでも、バッテリーを買う前に、実際に車両に搭載されているバッテリー型式を必ず確かめるよう案内している。表は入り口と考え、最後は自分の車で確かめたい。
自分のハリアーの型式と、今のバッテリーの型番を確かめる
順番は「型式」→「今付いているバッテリーの型番」だ。
まず車検証の型式の欄を見て、DBA-ZSU60Wのように、ZSU・ASU・AVUのどれが入っているかを確かめる。GSユアサの表では、販売開始2020年6月の行から80系の型式(AXUH80・AXUH85・MXUA80・MXUA85)に変わるので、これらの型式なら60系の表は当てはまらない。
次に、今付いているバッテリーの本体の表示を見る。トヨタ販売会社のモビリコマガジンの解説(ハリアー全般)では、ボンネットを開けてバッテリーの上部を見ることでも型式を確かめられるとしている。これはガソリン車の確かめ方で、ハイブリッド車の補機バッテリーは置き場所が違う。トヨタの公式FAQ(補機バッテリーの搭載位置)では、ハリアーハイブリッドの2017年6月〜2020年6月の補機バッテリーの位置はラゲージルーム(助手席側)だ。同じFAQに、2017年6月より前の記載は無い。
Q-55・S-95の読み方
GSユアサの型式の解説では、アイドリングストップ車用バッテリーの型式の先頭の記号はサイズの区分で、通常車用のD23にあたるのがQ、D26にあたるのがSだ。数字は性能ランクで、JIS型式の説明ではバッテリーの総合性能(始動性能・容量)を表し、数値が大きいほど性能がよい。端子位置の記号が無ければLタイプになる。
| 型番 | サイズの区分 | 性能ランク | 端子位置 |
|---|---|---|---|
| Q-55 | Q(D23相当) | 55 | Lタイプ |
| S-95 | S(D26相当) | 95 | Lタイプ |
60系のガソリンの4型式(ZSU60W・ZSU65W・ASU60W・ASU65W)は、適合表でどれもアイドリングストップ車として載っている。だからQ-55とS-95という、アイドリングストップ車用の型番が付いている。
ガソリン車で替えてよい型番の範囲
トヨタの公式FAQでは、JIS規格のバッテリーのうちハイブリッド車以外は、新車時に搭載されている補機バッテリーの「バッテリーサイズ(外形寸法)」と「端子位置」が同じであれば、容量(性能ランク)を上げることは可能としている。逆に、性能ランクが新車時より下回ると、オルタネータとの容量が合わず、放充電のバランスが悪くなることがあると注意している。
もう1つ外せないのが、アイドリングストップ車用を選ぶことだ。GSユアサの型式の解説では、アイドリングストップ車に通常車用バッテリーを積むと、アイドリングストップシステムが正常に作動しなくなったり、燃費性能の悪化やバッテリーの短寿命につながる場合があり、製品補償の対象外になる。パナソニックの交換方法の案内も、アイドリングストップ車とハイブリッド車には専用バッテリーが搭載されていて、一般的なバッテリーは適合しないとしている。
ZSU60W・ZSU65W(Q-55)の場合
アイドリングストップ車用で、サイズ区分が同じQ(D23相当)、端子位置が同じLタイプ(型式の末尾にRが付かない)、性能ランクの数字が55以上の物を選ぶ。Q-85・Q-90・Q-100・Q-105は、サイズと端子位置がQ-55と同じで、性能ランクが上の型式にあたる。
ASU60W・ASU65W(S-95)の場合
アイドリングストップ車用で、サイズ区分が同じS(D26相当)、端子位置が同じLタイプ(型式の末尾にRが付かない)、性能ランクの数字が95以上の物を選ぶ。この記事で紹介する商品はZSU60W向けと書かれた物で、ASU60W・ASU65W向けの商品は扱わない。
ハイブリッドのAVU65Wは販売店に相談する
AVU65Wの新車搭載はS55D23Rだが、トヨタの公式FAQは、JIS規格の補機バッテリーを積むハイブリッド車について、車種専用のバッテリーであり、同じ規格・同じ型式であっても、市販されているバッテリーには交換できないとしている。AVU65Wの補機バッテリーは市販品に自分で替えず、トヨタの販売店に相談する。2017年6月〜2020年6月の車の置き場所は、前の節のとおりラゲージルーム(助手席側)だ。
パナソニックの交換方法の案内は、アイドリングストップ車・ハイブリッド車のバッテリー交換は販売店に相談し、車両の整備マニュアルに従って自己責任で行うよう案内している。ガソリンの4型式もアイドリングストップ車なので、自分で作業するのに迷いがあるなら販売店に任せるのも手だ。
この記事で紹介する商品はZSU60W向けと書かれた物で、AVU65Wには使わない。
ZSU60W向けと書かれた交換用バッテリー4商品
ここで並べる4商品とも、商品名と商品説明の箇条書きに挙がる型式はZSU60Wだけで、ZSU65W・ASU60W・ASU65W・AVU65Wの記載は無い。ZSU65W(4WD)はGSユアサの適合表ではZSU60Wと同じQ-55だが、商品側に記載が無いので、ZSU65Wで買うときは購入前に出品者へ確かめる。
| 商品 | 商品説明に書かれた型式・年式 | 出品者の記載の注意 |
|---|---|---|
| MAXTORM GOLD-ISS Q-105(D23L) | ZSU60W・2013(H25).11- | 「標準地・寒冷地 適合参考」 |
| N-Q105/A4 | DBA-ZSU60W・2013/12~2020/6 | 仕様差で適合品番が異なる場合がある |
| MAX-Q-105 | DBA-ZSU60W・2013/12~2020/6 | 仕様差で適合品番が異なる場合がある |
| GSPEK Wシリーズ W-Q90/PL | DBA-ZSU60W・平成25年12月-令和2年6月 | 「標準地仕様車」と記載 |
ZSU60Wの人は、寒冷地で乗るかどうかと、出品者の注意書きを見比べて選ぶとよい。価格は変わるので、リンクの先で確かめてほしい。
MAXTORM GOLD-ISS Q-105(D23L)
販売ページの商品説明では、対応の記載は「【年式型式】2013(H25).11-/ZSU60W」「【仕様】2000cc/ISS 標準地・寒冷地 適合参考」だ。「適合参考」と書かれているので、買う前に今付いている型番と照らしたい。寒冷地で乗るZSU60Wなら、商品説明に寒冷地と書かれている点を手がかりにできる。
MAXTORM GOLD-ISS Q-105(D23L)(ハリアー ZSU60W 2013年11月〜・ISS 適合参考)
N-Q105/A4
販売ページの商品説明では、車種 トヨタ ハリアー・年式 2013/12~2020/6・車両型式 DBA-ZSU60Wが対応の記載だ。新車装着時バッテリー「Q-55」の互換品とし、互換バッテリータイプとしてQ-55 / Q-85 / Q-90 / Q-100 / Q-105を挙げている。N-Q105/A4の商品説明は、商品名記載の年式や型式が同一でも、仕様差により適合品番が異なる場合があるとし、適合確認の問い合わせを受け付けている。
バッテリー N-Q105/A4(ハリアー DBA-ZSU60W 2013/12〜2020/6)
MAX-Q-105
販売ページの商品説明では、車種 トヨタ ハリアー・年式 2013/12~2020/6・車両型式 DBA-ZSU60Wが対応の記載だ。新車装着時バッテリー「Q-55」の互換品とし、互換バッテリータイプとしてQ-85 / Q-90 / Q-95 / Q-100 / Q-105 / 85D23L / 90D23L / 95D23L / 100D23L / 105D23Lを挙げている。MAX-Q-105の商品説明も、商品名記載の年式や型式が同一でも、仕様差により適合品番が異なる場合があるとし、適合確認の問い合わせを受け付けている。互換の一覧には通常車用の型式(85D23Lなど)も並ぶが、この記載から、アイドリングストップ車のZSU60Wに通常車用を積んでよいとは読まない。
バッテリー MAX-Q-105(ハリアー DBA-ZSU60W 2013/12〜2020/6)
GSPEK Wシリーズ W-Q90/PL
販売ページの商品説明では、車種名 トヨタ 対応 ハリアー・年式 平成25年12月-令和2年6月・型式 DBA-ZSU60W・仕様 アイドリングストップ車/標準地仕様車が対応の記載だ。W-Q90/PLの商品名と商品説明は「標準地仕様車」と書き、寒冷地仕様車についての記載は商品名と商品説明の箇条書きのどちらにも無い。商品説明は、車種によっては装着されているバッテリーの品番が異なる場合があり、購入前に必ず確認するよう注意している。寒冷地仕様車なら、この商品は出品者に確かめてから選びたい。
GSPEK Wシリーズ W-Q90/PL(ハリアー ZSU60W 標準地仕様車)
交換の前に用意する物と、記憶の消去への備え
用意する物は、パナソニックの案内では保護メガネ・ゴム手袋・10mmのスパナ(車両によりサイズが異なる場合がある)・絶縁用の物(軍手や養生テープなど)。モビリコマガジンの解説(ハリアー全般)は、10mmあるいは12mmのスパナと軍手を挙げている。スパナは10mmと12mmの両方を手元に置いておくと迷わない。
作業の前には、次の順で整える。
- 走行直後なら、バッテリーを30分以上休ませ、化学反応が落ち着いてから始める(GSユアサ)
- エンジンを止め、キーを抜き、電装品をすべて切ってドアを閉め、5分ほど待つ(GSユアサ)
- バッテリーを扱う前に、車体の金属に触れて静電気を逃がす(パナソニック)
交換の間は、一時的に電力の供給が止まる。GSユアサは、ラジオ・時計・カーナビなどの電装品とコンピューターのメモリーバックアップが要るかどうかを、事前に販売店や車両の取扱説明書で確かめるよう案内している。メモリー機能のある電子機器を積んだ車では、バッテリーを外すと記憶が消える場合がある。パナソニックの案内では、バックアップ電源を使うと記憶を守れて、つなぎ方はシガーソケットにつなぐ方法と、搭載バッテリーの端子につなぐ方法の2通りだ。詳しくはバックアップ電源の取扱説明書で確かめる。
GSユアサは、バッテリーの取り扱いを誤ると、引火・爆発、火災、失明、やけどのおそれがあるとしている。保護メガネとゴム手袋は必ず着けて作業する。
バッテリー交換の手順
古いバッテリーを外す
- 車体にアースされているマイナス端子のケーブルを先に外す
- 次にプラス端子のケーブルを外す
- 取付金具を外し、バッテリーを取り出す
マイナスから外すのはショートを防ぐためだ(モビリコマガジン)。スパナや金具をプラス端子とマイナス端子に同時に触れさせない。端子が汚れていれば、ワイヤーブラシやサンドペーパーで清掃する(パナソニック)。
新しいバッテリーを付ける
- 取付台の小石や砂などを取り除き、新しいバッテリーを置く(異物があると電槽が破損したり、固定できない場合がある=GSユアサ)
- 取付金具でがたつかないように固定する
- プラス端子にケーブルを付ける
- 最後にマイナス端子にケーブルを付ける
GSユアサの交換方法の案内では、端子位置(Rタイプ・Lタイプ)は外したバッテリーと同じ物を取り付ける。誤った極性は電子部品の破損などの原因になる。パナソニックの案内では、端子の腐食を防ぐために錆止めグリースを塗ることが勧められている。車両に端子カバーがあれば元どおりに付け、工具の置き忘れにも気をつける。
締め付けの目安
取付金具とケーブル端子を締め付けすぎると、バッテリーや端子の変形・破損の原因になる(パナソニック)。GSユアサの案内では、ケーブルターミナルを左右に動かしても動かない程度が、ちょうど良い締め付け具合だ。
交換した後に確かめること
パナソニックの案内では、車種によっては、パワーウィンドウやバックガイドモニターなどの初期化や、特殊工具による車載コンピューターの初期化が必要になる場合がある。GSユアサは、アイドリングストップ車は交換後にアイドリングストップ機能が作動しない場合があり、専用のスキャンツールで車両側コンピューター等のリセット作業が必要になる場合があるとしている。
60系ハリアーで初期化が要る装備の一覧は、ここでは確かめられていない。要る項目は、車両の取扱説明書か販売店で確かめる。パナソニックも、車種ごとの作業方法は車両を購入した販売店に問い合わせるよう案内している。
外した古いバッテリーの処分
GSユアサの案内では、使用済みの自動車用バッテリーは鉛や希硫酸を含むため、一般の家庭ごみとしては処分できない。購入店に引き取りを相談するか、自治体の取り決めに沿って処分する。
外したバッテリーには電気エネルギーとバッテリー液が残っている。パナソニックの案内では、やむを得ず保管するときは、ショートを防ぐために端子キャップなどを付け、横に倒したり不安定な場所に置いたりしない。
よくある質問
Q-55より数字の大きいQ-85やQ-105を付けてもよいか
ZSU60W・ZSU65Wなら、アイドリングストップ車用で、サイズ区分Q・Lタイプのまま性能ランクを上げるのは、トヨタの公式FAQの「サイズと端子位置が同じなら容量を上げることは可能」という考え方に沿う。Q-85・Q-90・Q-100・Q-105はこの条件にあたる型式だ。ASU60W・ASU65WはSサイズなので、上の「ASU60W・ASU65W(S-95)の場合」を見てほしい。
通常車用のバッテリー(85D23Lなど)を付けてもよいか
ZSU60W・ZSU65W・ASU60W・ASU65Wはアイドリングストップ車なので、通常車用は選ばない。GSユアサは、アイドリングストップ車に通常車用を積むとシステムが正常に作動しなくなる場合があり、製品補償の対象外になるとしている。
4WDのZSU65Wにも同じ商品を使えるか
GSユアサの適合表ではZSU65WもQ-55だが、紹介した4商品は商品名と商品説明の箇条書きにZSU65Wの記載が無い。ZSU65Wで買うときは、購入前に出品者へ確かめる。
ハイブリッドの補機バッテリーを自分で替えてもよいか
AVU65Wは、自分で市販品に替えない。トヨタの公式FAQは、JIS規格の補機バッテリーを積むハイブリッド車は車種専用で、同じ規格・同じ型式でも市販品には交換できないとしている。交換はトヨタの販売店に相談する。
外すと時計やナビの設定は消えるか
消える場合がある。パナソニックの案内では、メモリー機能のある電子機器を積んだ車はバックアップ電源で記憶を守れる。要るかどうかは、事前に取扱説明書か販売店で確かめる。
まとめ
最初にやることは、車検証で型式と初度登録年月を確認することだ。そのうえで次の順に進めればよい。
- GSユアサの適合表では、新車搭載の型番はZSU60W・ZSU65WがQ-55、ASU60W・ASU65WがS-95、AVU65WがS55D23R
- ZSU60W・ZSU65Wは、アイドリングストップ車用でQ・Lタイプ・性能ランク55以上から選ぶ
- ASU60W・ASU65Wは、アイドリングストップ車用でS・Lタイプ・性能ランク95以上から選ぶ
- AVU65Wの補機バッテリーは市販品に替えず、トヨタの販売店に相談する
- 買う前に、実際に搭載されているバッテリーの型式を確かめる(トヨタの公式FAQの案内)
- 紹介した4商品は、商品名と商品説明の箇条書きに挙がる型式がZSU60Wだけ。ZSU65Wは購入前に出品者へ確かめる
60系のほかの手入れや部品選びは、次の記事にまとめている。
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