1.2L ターボに6速 iMT を組み合わせた C-HR の NGX10 に、前後カメラのドラレコを付ける。本体を貼る場所は比較的すぐ決まるが、作業の手間を大きく分けるのは、電源をどこから取るかと、リアカメラの配線をどこまで隠して通すかだ。位置・電源・配線の順に決めていけば、どこまで自分でやり、どこから店に頼むかも見えてくる。
NGX10 のドラレコ取り付けの全体像
| 決めること | やり方 |
|---|---|
| 本体の位置 | フロントガラス上部20%以内(国土交通省の目安)で、ルームミラー付近の運転支援のカメラ部を避ける |
| 配線 | 基本的に天井の内張りとピラーの内張りの中を通して足元へ下ろす(内張りを外す前の注意は配線の節) |
| 電源 | シガーソケット・ヒューズ電源・オプションカプラー用ハーネスの3通りから選ぶ |
前カメラをシガーソケットから取るだけなら手軽に付けられるが、配線を見せずに ACC 電源から取りたいなら、ヒューズ電源かハーネスになる。ハーネスは年式と型式で合う・合わないが分かれるので、まず自分の NGX10 がどの時期の車かを確かめておく。
NGX10 はどの C-HR か
トヨタの中古車カタログでは、2019年(令和元年)10月発売の S-T を次のように載せている。
| 項目 | S-T の記載 |
|---|---|
| 型式 | 3BA-NGX10 |
| 駆動方式 | FF |
| 変速機 | iMT(6速マニュアル) |
| エンジン | 8NR-FTS |
| 全長×全幅×全高 | 4385×1795×1550mm |
トヨタは2019年10月18日のマイナーチェンジで、1.2L ターボ車(FF)に、変速・発進操作をアシストする6速 iMT を追加した。6速 iMT は 2WD のみの設定で、同じ改良でディスプレイオーディオ(DA)と車載通信機 DCM が全車に標準装備された。
2020年8月の一部改良を伝えた記事では、2020年8月4日発売の一部改良で Toyota Safety Sense に緊急時操舵支援機能が加わり、ロードサインアシストとバックガイドモニターが全車標準装備になったと報じられている。自動車ニュースサイトの報道では、国内向けの C-HR は2023年7月下旬で生産を終えたとされ、NGX10 は2019年10月の追加から約4年の型式になる。
同じ NGX10 でも登録時期で改良の前後が分かれるので、ハーネスなどの部品は車検証の初度登録年月と型式で合わせる。
フロントカメラを貼る位置
上部20%以内で、ワイパーの拭く範囲越しに
国土交通省の案内では、ドライブレコーダーは運転者の視界を妨げないよう保安基準で定められた位置に付けるよう呼びかけ、位置の目安として「フロントガラス上部から20%以内の範囲」を示している。カー用品店の解説も上端から20%以内に貼る必要があるとし、ルームミラーと同じ高さを目安に仮留めして位置を決める手順を紹介している。
カメラはワイパーの拭く範囲越しに前を向く位置にする。ワイパーが届かない所に付けると、ガラスの水滴で映像が歪んだり、被写体が正しく映らなかったりすることがある。
運転支援のカメラ部と車検ステッカーを避ける
トヨタの発売時の発表では、2016年12月発売の C-HR は衝突回避支援パッケージ Toyota Safety Sense P を全グレードに標準装備した。発売前のプロトタイプを扱った写真記事は、その単眼カメラがフロントウィンドウ上部に付くと説明している。ただ、どちらも NGX10 が加わる前の記事で、NGX10 の前方カメラの正確な位置までは分からない。実車のルームミラー付近にあるカメラ部の位置を自分の目で確かめ、ドラレコ本体と配線がその前や周りにかからない位置を選ぶ。カー用品店の解説は、運転支援システムのカメラやセンサーが付いた車では、電波干渉で互いの機能が損なわれないか確認する必要があるとも書いている。
車検ステッカーがカメラに近すぎると、影になって映り込むことがある(どうしても干渉する場合は陸運局などで再発行してもらい、問題のない場所へ貼り直すこともできるとカー用品店は書いている)。ルームミラーの裏側あたりに黒いドット模様がある車では、両面テープの粘着力が落ちるおそれがあるので避ける。貼る前にはガラスを脱脂しておく。
仮留めして運転席から確かめる
本体はいきなり貼らず、テープで仮留めし、エンジンをかけて画面で撮影範囲を確かめながら位置を決める。確認は助手席ではなく運転席に座り、いつもの運転姿勢で視界を遮らないかを見る。
電源の取り方を3通りから選ぶ
| 電源の取り方 | 作業の中身 | 確かめること |
|---|---|---|
| シガーソケット | 付属のシガープラグをさすだけ。配線を隠す手間は残る | 垂れたケーブルの固定 |
| ヒューズ電源 | ヒューズボックスから ACC 電源を取る。配線を目立たなくできる | テスターで ACC の通るヒューズを探す |
| オプションカプラー用ハーネス | 純正カプラーに差し込む方式。出品者は配線の切断や加工が要らないと書いている | 車種・年式・型式の適合 |
前カメラだけを手早く付けるならシガーソケット、配線を見せずに付けたいなら、年式・型式が合うことを確かめたうえでハーネスを選ぶのがよい。ヒューズ電源は検電テスターを扱える人向けだ。
ACC 電源と常時電源
ACC 電源は、キーまたは始動ボタンを ACC(アクセサリー)の位置にしたときに通電する電源で、エンジンを切ると切れる。常時電源は、エンジンを切っても常に通電している電源だ。駐車監視を使うなら両方が要る(後の節で触れる)。
ヒューズ電源で取る手順
- 検電テスターで ACC 電源が通っているヒューズを探す
- そのヒューズを抜き、代わりにヒューズ電源を差し込む
- ギボシ端子などで確実に接続し、絶縁テープで保護する
ACC の回路の位置はグレード・仕様・年式で変わることがあるので、車両の取扱説明書で確かめる。オートバックスの解説では、間違ったヒューズから電源を取ると、車の電気系統に異常をきたす可能性があるとし、電源は失敗すると車両の不具合を起こすこともあると注意している。
C-HR 用の電源取り出しハーネス2つを比べる
適合表記「R1.11〜」と NGX10 の発売月
販売ページの商品名では、ここで扱うブルパーツと Jekylls Factory の2商品は、どちらも適合表記が「R1.11〜」(令和元年11月〜)になっている。一方、トヨタの中古車カタログでは NGX10 の S-T は2019年(令和元年)10月発売。2019年10月に登録された NGX10 は表記の境目にあたるので、買う前に車検証の初度登録年月と型式を出品者に伝えて確かめる。
| 項目 | ブルパーツ | Jekylls Factory |
|---|---|---|
| 商品名の適合表記 | トヨタ C-HR用 NGX10 ZYX11 NGX50 R1.11~ | C-HR NGX10 NGX50 ZYX11 R1.11~ |
| 方式 | 純正カプラーに差し込む | 分岐タイプ・カプラーオン・ギボシ端子付き |
| 線について書かれていること | 商品全体で最大6種類。C-HR の適合の欄の対応配線は ACC / GND / BATT 10A | 線ごとの名称ラベルと色の一覧 |
ブルパーツ:C-HR の欄に対応配線が書かれている
販売ページの商品説明(出品者の記載)では、適合を「C-HR(R1.11〜):NGX10/ZYX11/NGX50(対応配線:ACC / GND / BATT 10A)」としている。純正カプラーに差し込むだけで取り付けられ配線の切断や加工が要らないこと、GND、BATT(10A/30A)、ACC、ROOM−、TAIL など最大6種類の電源を取り出せること、配線にラベルと絶縁スリーブが付くことも書かれている。用途にはドライブレコーダー、ETC、レーダー探知機、LED 照明などが挙がる。
ただ、商品全体では最大6種類と書く一方で、C-HR の適合の欄は ACC・GND・BATT 10A の3つだけを挙げている。C-HR で TAIL や ROOM− が使えるかは商品説明から読み取れないので、ドラレコ用には ACC・GND・BATT 10A を使う前提で考え、ほかの線を使う予定があれば出品者に確かめる。
ブルパーツ 電源取り出しハーネス トヨタ C-HR用(NGX10 ZYX11 NGX50 R1.11~)
Jekylls Factory:線の名前と色のラベルが書かれている
販売ページの商品説明(出品者の記載)では、分岐タイプでカプラーオンで電源を取り出せ、純正配線を傷つけずに分岐でき、ギボシ端子付きで配線加工の手間が要らないとしている。各線には名称ラベルが付き、色は【黒】GND(アース)、【黄】BATT10A(常時電源 10A)、【黄】BATT30A(常時電源 30A)、【橙】TAIL(スモールランプ連動)、【青】ROOM(-)(ルームランプ連動)、【赤】ACC(アクセサリー電源)。用途には ETC・レーダー探知機・ドライブレコーダー・フットライト・USB 充電器・LED イルミ製品が挙がる。あわせて「車種だけでなく、適合する画像の年式や型式も必ず確認してください。」と注意している。
商品名には「IG2」、商品説明には「6種類の電源」として IG(イグニッション電源)を含む7つの名前が並ぶが、色ごとの名称ラベルの一覧には IG が無い。記載が食い違っているので、IG 線を使う前提にせず、届いた現物のラベルで確かめる。
差し込む先のオプションカプラーの場所も、この商品説明は「トヨタ車の助手席側足元やグローボックス内」とトヨタ車一般の書き方で案内している。C-HR NGX10 での正確な場所は商品名と商品説明のどちらにも書かれていないので、取扱説明書や販売店で確かめる。
Jekylls Factory 電源取り出しハーネス C-HR NGX10 NGX50 ZYX11 R1.11~ 分岐タイプ
ドラレコに使う線を C-HR の適合の欄で確かめてから買いたいならブルパーツ、線の色とラベルを見ながら配線したいなら Jekylls Factory を選ぶとよい。価格は変わるので、商品リンクの先で確かめてほしい。
フロントの配線を隠して通す
天井とピラーの内張りの中を通す
配線は基本的に天井の内張りとピラーの内張りの中を通して隠し、足元まで下ろす。内張りに無理に押し込むとコードを傷めるので注意し、内張りを外すときは内装はがしの道具を使うと傷をつけずに作業できる。ピラーの内張りの中に通さない場合は、ピラーの表面を配線留めで固定し、余った配線は結束バンドでまとめる。
ピラーの内張りを外す前に、車両の取扱説明書で内装やエアバッグについての注意を確かめる。不安があれば、配線を目立たないように処理できる専門店に任せる。
ユピテルの取り付け解説では、シガープラグで給電する前後2カメラの例として、シガープラグコードとリアカメラケーブルの2本を天井とフロントガラスの境目に埋め込み、ドア横から下ろしてシガーソケットまで持っていく方法を紹介している。配線の方法は車種により異なり、車両電源に直結するコードのドラレコは専門店に相談するよう案内している。
アース・養生・固定
直結配線やハーネスで電源を取るときのアースは、車体の金属部分に接続し、ボルトなどに共締めするのが一般的だ。配線がボディの鋼板や突起部に干渉しそうな所は、配線チューブやスポンジで養生する。シガーソケットから取る場合も、垂れ下がったケーブルは視界を妨げるおそれがあるので、配線留めなどで固定してまとめる。
用意する道具
シガーソケット給電で付けるだけなら、専用の工具は要らないとされる。あると作業が楽なのは、養生テープか両面テープ、ガラス用クリーナー、布(ウエス)、配線留め、結束バンド。ヒューズ電源で取るなら検電テスターを、内張りを外すなら内装はがしの道具を加える。
リアカメラの位置とケーブルの通し方
リアカメラは、貼り付け面がリアガラスの電熱線と重ならないように付ける。市販の両面テープで仮付けし、エンジンをかけた状態で前カメラ側の画面に映るリアの映像を見ながら、位置とレンズの向きを調整して決める。
ケーブルについては、防水ゴム(ウェザーストリップ)の間に埋め込みながら下まで持ってくる例がユピテルの解説で紹介されている。配線の方法は車種により異なる。
オートバックスの解説では、リアカメラの配線を開閉式のリアゲートのガラスまで通すときは雨水の浸入を防ぐ防水の処理が要り、長い配線がゲートの開閉で揺れないこと、後席のシートバックを倒しても干渉しないことにも配慮が要るとしている。リアゲートのガラスまで通す配線は、店に頼むのが勧められる作業として挙げられている。荷室まわりの使い方は次の記事にある。
駐車監視を使うときの電源とバッテリー
オートバックスの解説では、駐車監視機能は多くの機種で「オプション」扱いとされ、使うには常時電源と ACC 電源の両方から給電できるドライブレコーダーと、それに対応した直結配線コードが要る。バッテリー上がりのリスクがあるため、電圧監視機能付きの直結配線コードを使うなど専門的な知識と注意が必要で、DIY 初心者には難しいので店に頼むことを勧めている。
常時電源はイグニッションをオンにしなくても通電しているので、バッテリーの負担が大きくなる。常時電源につなぐなら、バッテリーの状態の管理を万全にする。NGX10 のバッテリーの型番と交換は次の記事で扱っている。
車中泊など、エンジンを切った車内で長く過ごす使い方をするなら、電源の使い方もあわせて考えておきたい。
自分で付けるか店に頼むかの分かれ目
オートバックスの解説では、電源をシガーソケットではなくアクセサリー電源から取りたい場合、前後2カメラ型の場合、リアカメラの配線をリアゲートのガラスまで通して防水処理も要る場合を、店に頼むのが勧められる難しさとしている。専門店に頼む利点には、ヒューズ切れ・バッテリー上がり・不要な警告灯の点灯を防げること、視界を妨げずカーナビや ETC のセンサーと干渉しない位置に付けられること、配線を目立たないように処理できることが挙がり、店に頼んだ場合の作業時間の目安は「30分前後〜1時間半」とされる。自分で付ければ工賃はかからないが、時間と労力、車や機器を傷めるリスクがある。
ユピテルの解説では、シガープラグで給電する前後2カメラの取り付けの作業時間を「約20分」とし、1人でもできるが2人で取り付けるよう勧めている。車種や配線の隠し方で時間は変わる。
前カメラをシガーソケットから取るところまでは自分で、ハーネスや ACC から取る配線とリアゲートまでの配線は店に、という分け方が無理のない線引きだ。
よくある質問
2019年10月登録の NGX10 にも C-HR 用ハーネスは合うか
ここで扱う2商品は、どちらも商品名の適合表記が「R1.11〜」で、2019年10月に登録された NGX10 は境目にあたる。合うとは言い切れないので、車検証の初度登録年月と型式を出品者に伝えて確かめてから買う。
事故のとき映像を消さないためにどうするか
ドラレコは電源が入っている間は映像を記録し続けるので、衝撃を受けたときの映像が上書きされるおそれがある。国土交通省は、安全な場所へ移動してから記録停止のスイッチを押し、電源を切るよう案内している。
SD カードはどのくらい気にすればよいか
SD カードには寿命があり、記録されない時間が生じることがある。定期的に映像を確認して、録れているかを見ておく。
フロントカメラをルームミラーの裏に付けてよいか
ルームミラー付近にある運転支援のカメラ部の位置を実車で確かめ、本体と配線がその前や周りにかからない所を選ぶ。黒いドット模様の上も避ける。
タイヤなど、NGX10 のほかの部品選びは次の記事にある。
まとめ
まず電源の取り方を1つに絞り、ハーネスを使うなら2商品のどちらかに決めてから、出品者の適合表記と車検証の初度登録年月・型式を照らして最終確認する。そのうえで、次を押さえておく。
- 位置: フロントガラス上部20%以内(国土交通省の目安)で、ルームミラー付近のカメラ部を避ける
- 電源: シガーソケット・ヒューズ電源・ハーネスから選ぶ。ここで扱うハーネス2商品は適合表記が「R1.11〜」で、2019年10月登録の NGX10 は境目にあたる
- 配線: 基本的に天井とピラーの内張りの中を通す(ピラーの内張りを外す前に、取扱説明書で内装やエアバッグについての注意を確かめる)。擦れそうな所は養生し、垂れたケーブルは固定する
- 駐車監視: 常時電源につなぐとバッテリーの負担が大きい。電圧監視機能付きの直結配線コードを使うなど専門的な知識と注意が要り、DIY 初心者には店に頼むことが勧められている
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