20系アルファードでよくあるのが、フォグランプのLEDを買ってから手元の車には差さらないと気づく失敗だ。原因ははっきりしていて、2011年11月を境にフォグだけ規格がHB4からH11へ変わっている。先に部位ごとの規格を押さえ、自分の個体が前期か後期かを確定させてから買えば、この買い直しは起きない。部位別の規格表と、外しやすい順に並べた作業手順をまとめる。
ANH20Wの部位別バルブ規格
まず自分の車のどこに何が付いているかを一覧で確認する。フォグ以外は前期・後期で共通だ。
| 部位 | 規格 |
|---|---|
| ロービーム(純正HID仕様車) | D4S |
| ハイビーム | HB3(9005) |
| フォグランプ(前期) | HB4(9006) |
| フォグランプ(後期) | H11 |
| ポジション(車幅灯) | T10 |
| ナンバー灯 | T10 |
| ウインカー(前後) | T20ピンチ部違い・アンバー |
| バックランプ | T16 |
| ルームランプ 1列目・2列目 | T10 |
| ルームランプ 3列目 | T8×28(フェストン) |
ヘッドライトまわり
ロービームは純正HID仕様車でD4S、ハイビームはHB3で、どちらも前期・後期を通じて同じ。複数の適合表が一致している。
外装と室内のランプ
ポジションとナンバー灯はどちらもT10、バックランプはT16、ウインカーは前後ともT20のピンチ部違いで形状も同じ。ルームランプだけは場所で分かれ、1列目と2列目がT10、3列目はT8×28のフェストン形状になる。
前期と後期で変わるのはフォグだけ
規格が世代で切り替わるのはフォグランプで、前期がHB4、後期がH11。H11はH8・H16と形状が共通の兼用品として売られていることがある。
ただし、確認できた適合表はいずれも純正HID仕様車を前提にした表記で、ページにもその旨が明記されている。ハロゲンヘッドライトのグレードでは規格が異なる可能性があり、そのロービームの規格は今回確認できていない。表の値は目安として使い、買う前に必ず現物のバルブを1本抜いて刻印を読む。
前期か後期かを確定させる
20系アルファードは2008年5月から2015年1月までの世代で、2011年9月27日にマイナーチェンジが発表され、ガソリン車は同年11月1日に発売された。バルブの適合表はこの時期に合わせ、前期を2008年5月から2011年10月、後期を2011年11月から2014年12月として区切っている。
手順としては、車検証の初度登録年月で当たりをつける。ただし初度登録は生産時期より後になることがあるので、これは絞り込みまで。最後はフォグのバルブを1本抜いて刻印を見るのが確実で、中古で買った個体なら前オーナーが手を入れている可能性もあるから、年式だけで判断しない。
同じ20系の姉妹車も規格の考え方は共通なので、突き合わせて確認したいときは併せて見ておくといい。
作業前にそろえるもの
必要な工具は内張りはがし(リムーバー)、細く小さいマイナスドライバー、手袋程度。ジャッキやリフトを使う部位はなく、フォグもハンドルを切るだけで手が届く。
作業に入る前の共通手順は3つ。ライトのスイッチをOFFにして球が冷めるのを待つ、電装品に触れる前にバッテリーのマイナスターミナルを外す、ソケットを戻すときは時計回りに回して固定する。点灯直後の純正球は熱いので、消してすぐ触らない。
外しやすい部位から始める交換手順
ポジション球
ボンネットを開けた状態で交換でき、バンパーもヘッドライトユニットも外さない。助手席側は空間が広い。運転席側は狭いが手は入り、やりにくければウォッシャー液のホースを外すと作業しやすくなる。ソケットはヘッドライト裏の一番奥にあるので、前から位置を見ながら手探りで探し、見つけたら少し回して引く。5分程度で終わる部位だ。
ナンバー灯
バックドア内張りの小窓から入る。差し込み口に内張りはがしを入れてカバーを開け、スポンジをめくるとソケットが見えるので、外してバルブを交換する。奥行きが狭く、長めのT10は入らないため、短いタイプを選ぶ。10分程度みておけばいい。
ルームランプ
1列目のマップランプは、レンズ手前側からリムーバーを差し込んで下側へ軽くこじる。手前が外れても奥側がユニットに引っかかっているので、レンズを斜めにして左右に振りながら引き抜く。2列目と3列目は、先端が平たく硬い工具をレンズ上部中央に差し込み、手前へ軽くこじる。基板タイプのLEDに替えるなら、ランプ内の反射板が干渉するので取り外す。
フォグランプ
バンパーを外さずに、タイヤハウス側から交換できる。交換する側と反対側にハンドルをいっぱいに切ってスペースを作り、フォグの下あたりでフェンダーライナーを止めているクリップ4個を外す。砂などを噛んで固いときは、細く小さいマイナスドライバーをクリップの可動部分に差し込み、浮かせるようにして外す。ライナーを大きくめくるとフォグの裏側が見えるので、コネクターのツメを押しながら外し、バルブを反時計回りに回して抜く。取り付けは逆の順。LED化後にコーナーセンサーが反応する場合は、別途の対策キットが必要になる。
なお、バックランプ(T16)は後期でデザインが変更された部位なので、前期の作業写真がそのまま当てはまらないことがある。
ウインカーをLEDにすると点滅が速くなる
ウインカーリレーは回路の消費電力を監視していて、LED化で消費電力が下がると、従来のハロゲン球が切れたと誤認識して点滅速度を上げる。運転者に異常を知らせる仕組みが、そのまま働いてしまう格好だ。方向指示器の点滅回数は毎分60回以上120回以下と決まっているので、速くなった状態は放置できない。
対処は3通りある。抵抗内蔵型のLEDバルブは内部の補助抵抗で消費電力をハロゲン並みに戻すもので、取り付けは簡単だが発熱対策が要る。別売りの抵抗器を外付けする方法は、取り付け位置と放熱を誤ると過熱や車両火災につながるため、専門家に任せるのが無難だ。LED対応リレーへの交換が最も確実とされる。どれを選ぶにしても車種適合の確認は必須で、自分でやるなら抵抗内蔵型、確実さを取るならリレー交換を勧める。
ヘッドライトは手を出す前に可否を決める
適合表では、ロービーム(D4S・純正HID仕様車)は純正HID交換用バルブのみが装着可で、LEDバルブは非対応と明記されている。ここは「やらない」を選択肢に入れる部位だ。ハイビーム(HB3)はLEDの標準モデルとハイスペックモデルが装着可、最上位のスーパーハイルーメンモデルは非対応と分かれている。
つまり、明るさの数値が大きいほど付けられるわけではない。ヘッドライトは配光が崩れれば車検の光軸で引っかかる部位なので、ルーメン値ではなく適合表の可否で選ぶ。
車検で外せない灯火の条件
色と点滅の決まりは保安基準で定まっていて、社外品に替えても変わらない。
- 車幅灯・番号灯・後退灯: 白色
- 方向指示器: 橙色、点滅は毎分60回以上120回以下
- 尾灯・制動灯: 赤色(制動灯は自動点滅する構造でないこと)
前照灯の色は、2006年1月1日以降に製作された車では白色に限られる。20系は全車がここに当たる。車検の前照灯審査でロービーム計測の対象になるのは1998年9月1日以降の製作車で、2024年8月1日以降はロービーム計測のみが実施される。ハイビームだけ明るくしても審査の足しにはならない。光度は1灯につき6400カンデラ以上、光軸はエルボー点の位置で判定され、レンズの黄ばみや曇りがあると光量が足りずに不合格になりやすい。
点かない・ちらつくときの確認
LEDには極性があり、不点灯の原因で最も多いのが極性の逆だ。まずバルブを180度回して、奥まで差し込み直す。それでも点かないなら、バルブの電極(針金)をハの字に軽く広げて車両側の電極に当たるようにする。広げすぎると電極がソケットに引っ掛かってハンダが取れるので加減する。車両側にサビが出ていれば取り除き、電極が変形していれば精密ドライバーなどで接触するよう整える。この手順はT10・T16・T20・S25に共通する。
差し込みを直しても駄目なら、規格違いを疑う番だ。テール・ストップ系は出典によってT20ダブルと表記するものとT10と表記するものがあり、単一の型番として断定できない。ソケットから抜いた現物と見比べる。
よくある質問
自分の車のフォグがHB4かH11か分からないときは
車検証の初度登録年月で2011年11月の前後に当たりをつけ、フォグのバルブを1本抜いて刻印を読む。中古車は交換履歴が分からないので、刻印まで見て確定させる。
ロービームをLEDに交換してもよいか
適合表ではD4Sのロービームに対してLEDバルブは非対応とされている。明るさを求めて置き換える部位ではなく、純正HID交換用バルブの範囲で考えるのが妥当だ。
ハイフラ対策はどれを選べばよいか
自分で作業を完結させたいなら抵抗内蔵型のLEDバルブ、確実さを優先するならLED対応リレーへの交換。外付けの抵抗器は放熱の扱いが難しいので、自分で付けるなら最後の選択肢にする。
ナンバー灯のバルブが奥まで入らないときは
バックドア側の奥行きが狭いことが原因で、規格がT10でも全長が長い製品は収まらない。短いタイプに買い替える。
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まとめ
着手する順番は、ポジションとルームランプ、次にナンバー灯とバックランプ、そのあとフォグとウインカー、ヘッドライトは最後に可否から考える、が扱いやすい。
買い物に出る前にやることは2つだけだ。車検証で初度登録年月を確認して前期か後期かの当たりをつけること、そしてフォグのバルブを1本抜いて刻印を読むこと。適合表はどれも純正HID仕様車を前提にしているので、現物を見る一手間が結局いちばん早い。

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