エアコンフィルター選びでつまずきやすいのは、B43W という型式にこだわりすぎて「自分の車用」が見つからない、あるいは型式が違うから別品番だろうと判断してしまう場面だ。2019年3月以降のデイズは、B43W から B48W まで駆動方式もターボの有無も関係なく同じエアコンフィルターを使う。純正品番は AY684-NS031 系で、部品が入っているのはグローブボックスの中。迷いどころは適合ではなく、活性炭を入れるか抗菌加工を取るかという性能の選び分けにある。
デイズ B43W のエアコンフィルターは1種類に決まる
まず結論の材料を先に置く。デンソーの適合品番検索では、2019年3月以降のデイズは「B43・46/全車」という1行にまとまっていて、そこに純正品番が3つ併記されている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | デイズ B43W/B46W(2019年3月〜) |
| 純正品番 | AY684-NS031(標準)/AY685-NS031(DOP)/AY686-NS031(DOP) |
| デンソー品番 | DCC8005(適合品番 014535-4000) |
| パシフィック工業品番 | PC-114B/PC-114S/EB-114 |
| 取り付け位置 | グローブボックス内 |
| 交換の目安 | 1年または12,000km走行ごと(日産の公式FAQ) |
| 交換難易度 | A:簡単(デンソーの分類) |
型式ごとに品番が枝分かれしないので、B43W に乗っているなら「デイズ 2019年3月以降用」と書かれたものを選べばいい。 ここから先は、その中でどれを取るかという話になる。
B43W という型式が指すもの
B43W は2WDのターボなし
日産が公開しているデイズの環境仕様書によると、5BA-B43W は2WDでエンジン BR06、4AA-B45W は2WDで BR06-SM21 インタークーラーターボ、5BA-B46W は4WDで BR06、4AA-B48W は4WDで BR06-SM21 インタークーラーターボと対応が決まっている。変速機はいずれも CVT。つまり B43W は、2WDでターボなしのグレードに与えられた型式だ。
エアコンフィルターは6型式で共通
パシフィック工業の適合検索では、デイズとデイズハイウェイスターの2019年3月以降の6型式(5BA-B43W/5AA-B44W/4AA-B45W/5BA-B46W/5AA-B47W/4AA-B48W)が、どれもエアコンフィルター欄で PC-114B・PC-114S・EB-114 の同じ3品番を指している。2WDか4WDか、NAかターボか、マイルドハイブリッド仕様かどうかで品番は分かれない。
紛らわしいのは、同じ表の中に年式で割れている欄があることだ。19.3〜26.7 と 26.7〜 に分かれるのはエアクリーナー(AY120-NS070 と AY120-NS077)の話で、エアコンフィルター欄はどちらの年式でも同じ3品番のまま。年式で品番が割れるかどうかは部品ごとに違う、と覚えておくといい。
適合が同じなら、何で選び分けるか
サイズも適合も動かないので、判断の軸は性能と価格のつり合いに絞られる。メーカーがグレードを分けている軸をそのまま使うのが早い。
活性炭が入っているか
においを取るかどうかがここで決まる。活性炭なしの集塵タイプは価格が下がる代わりに脱臭を担わない。排気ガスやタバコのにおいが気になるなら活性炭入りを選ぶ。
抗菌・抗ウイルス加工があるか
日産が案内している純正クリーンフィルターの説明では、上位の「クリーンフィルタープレミアム」に抗ウイルス加工剤とビタミンC放出の2機能が足されている。パシフィック工業の製品情報では、活性炭タイプ(Cタイプ)を「活性炭による強力脱臭のみならず、抗菌・防カビ・抗アレルゲン搭載の最上級フィルター」、SEKマーク認証つきのSタイプを「シリーズ最高品質」と位置づけ、EBシリーズは銀イオンと亜鉛イオンによる抗菌・脱臭と2種類のゼオライトによる脱臭を掲げている。いずれもメーカー自身のシリーズ内での序列で、感染予防や花粉症の症状が軽くなることを保証するものではない。
PM2.5クラスを狙う帯電層があるか
純正の標準側は極細繊維帯電不織布で花粉・ホコリと PM2.5 の捕集を担う構成になっている。ただし日産自身が、PM2.5・PM1.0 のすべてを捕獲できるものではないと注記している。捕集をうたう表示は「そこを狙った層が入っている」という意味で読むのが妥当。
交換頻度とのつり合い
1年ごとに替える前提なら、1回あたりの価格が効いてくる。高いものを2年使うより、手頃なものを1年で替えるほうが目詰まりの面では理にかなう。
B43W に使えるエアコンフィルター4点
| 製品 | 品番の裏づけ | 寄せている方向 |
|---|---|---|
| フェスコ MT-3D-809 | フェスコの適用表にデイズ B43W の行がある | 活性炭入・PM2.5対応・抗菌。4点で掲載価格が最も低い |
| INEX 014535-4000 | 商品名の番号がデンソー適合表の適合品番と同じ表記 | 活性炭入 |
| MAHLE LAK1862P | 商品名の AY686-NS031 が純正品番(DOP)のひとつと同じ表記 | 抗菌・抗ウイルス |
| PMC EB-114 | パシフィック工業の適合検索が 5BA-B43W の行に載せる品番 | 銀イオンによる脱臭。4点で掲載価格が最も高い |
価格を抑えつつ活性炭も入れたいなら
フェスコの製品情報と適用表では、MT-3D シリーズの適用表にニッサン デイズ B43W(エンジン BR06・2019.3〜)の行が載っている。商品ページ上は「高性能特殊構造濾紙使用 活性炭入 PM2.5対応 抗菌 除塵」として掲載されていて、今回の4点の中では掲載価格が最も低い。1年ごとの交換を回していくなら、この位置づけが一番回しやすい。
フェスコ 高性能カーエアコンフィルター MT-3D-809 デイズ B43W 用 活性炭入・PM2.5対応
デンソーの品番表記で確かめたいなら
INEX の製品は「活性炭入 014535-4000 B43W B46W デイズ H31.3-」という商品名で掲載されている。この 014535-4000 は、デンソーの適合表がデイズ B43・46 に対して示している適合品番と同じ表記だ。番号を突き合わせて確認したい人には照合しやすい。
INEX エアコンフィルター 活性炭入 014535-4000 デイズ B43W/B46W 用
抗菌・抗ウイルスを取りたいなら
MAHLE の製品は商品名に LAK1862P と AY686-NS031 が並んでいて、この AY686-NS031 はデンソーの適合表がデイズ B43・46 の純正品番(DOP)として挙げているもののひとつと同じ表記になる。商品名には三菱側の型式も多数並ぶが、こちらのメーカー適合表で確認できているのは日産デイズ側の範囲までで、純正と同等品だと言い切れるところまでは裏づけがない。
MAHLE マーレ LAK1862P 抗菌・抗ウイルス デイズ/ルークス用エアコンフィルター
脱臭を最優先するなら
PMC の EB-114 は、パシフィック工業自身の適合検索が 5BA-B43W の行に載せている品番と一致する。銀イオン強力脱臭タイプとして掲載されていて、4点の中では掲載価格が最も高い。メーカーの適合検索で自分の型式の行に載っている番号が、そのまま商品名になっている点が確認のしやすさにつながる。
PMC クリーンフィルター EB-114 銀イオン強力脱臭タイプ デイズ B43W 用
なお掲載価格は変動するので、購入時点の表示を見て判断してほしい。
交換手順は6ステップ
デンソーがデイズ B43・46 向けに公開している手順は次のとおり。
準備から取り外しまで
- 車両に傷がつかないよう、所定の位置に保護テープを貼る
- グローブボックスを開け、ストッパーピン(左右2箇所)をストッパーからはずし、両側を押しながら手前に倒して下へ倒す
- フィルターカバーのツメ(左右2箇所)をはずし、カバーを車両後方側に引き抜く
- 古いフィルターを引き出す
ステップ3ではグローブボックスのフックが破損するおそれがあるので、無理な力を加えない。 ここが唯一、力任せにすると部品を壊す場面だ。
取り付けから復元まで
- 新しいフィルターを差し込む
- フィルターカバーを復元する。このとき新しいフィルターがフィルターカバーのガイドより上になるように戻す
デンソーの適合表では、デイズ B43・46 の交換難易度は「A:簡単(道具を使わないもの。道具を使うが簡単なもの)」に分類されている。取り付け位置についても、グローブボックス内にあり簡単に交換できると記載がある。
取り付け向きは矢印を下に
ここだけは独立して念を押しておきたい。デンソーの手順のステップ5には「『AIR FLOW』マーク矢印が下方向を向くようにしてください」「フィルターが前後左右に傾いていないことを確認してください」という指示がある。フェスコも製品の注意書きで、印字されている矢印の方向に合わせて取り付けること、逆に取り付けた場合はフィルター機能低下の原因となることを明記している。
新品を袋から出したら、まず矢印を探して下向きに合わせる。 差し込んだあとに傾いていないかを目で確かめれば、この工程で失敗する要素はほぼなくなる。
交換時期をどう決めるか
日産の公式FAQでは、点検と交換の目安は1年または12,000km走行ごとと書かれている。これは日産車全体に向けた案内で、デイズ専用に定められた周期ではない。取扱説明書に固有の指定があるかどうかは、手元の1冊で確認してほしい。
同じFAQには、一見汚れていないように見えても拡大すると微細なゴミが吸着していて、集塵性能や脱臭性能は時間の経過とともに低下するという補足がある。デンソーの説明でも、運転距離に比例してチリやホコリによる目詰まりが起き、通風性能が低下していくとされ、1年という数字は1日あたりの利用距離から算出した交換推奨想定期間だという注記が付く。見た目の黒さで判断しない、というのがメーカー側の共通した言い分だ。
風量が落ちた、送風にすると前と違うにおいがする、といった変化があれば目安より早く替えていい。
ルークスや先代デイズとの関係
姉妹車と先代で扱いが分かれる。フェスコの MT-3D 適用表は、デイズ B43W/B46W とデイズハイウェイスター B44W/B45W/B47W/B48W(いずれも2019.3〜)に加えて、ルークスとルークスハイウェイスターの B44A/B45A/B47A/B48A(2020.3〜)も同じ表に載せている。デイズと日産ルークスは同じフィルターを共有する関係にある。
一方、先代デイズ(B21W・2013年6月〜2019年3月)は別系統だ。デンソーの適合表では B21 系が別行に分かれ、パシフィック工業の表では B21W が PC-305B・PC-305S・EB-305 と、B43W 以降の PC-114 系とは異なる品番になっている。先代用の品番は B43W には使えない。 切り分けは車検証の型式を見るだけで済む。頭に 5BA- や 4AA- が付いた B4x W なら現行世代だ。
品番表記の落とし穴
通販の商品名に並ぶ純正品番や他社品番は出品者の記載であって、それ自体がメーカーの適合表による裏づけになるわけではない。実例もある。フェスコが自社ページに載せている「他社参考品番」のうち2つは、デンソー自身の適合検索(DCC8005/014535-4000)およびパシフィック工業自身の適合検索(PC-114B・PC-114S・EB-114)の記載と一致しない。メーカー同士の参考品番でも食い違いは起こる。
番号を突き合わせるときは、その番号を出しているメーカー自身の適合表で確認する。 これが一番確実な手順になる。
もうひとつ。純正の3品番については、デンソーの適合表が AY684-NS031 を「標準」、残る2つを「DOP」と区別しているだけで、どれが日産の言うクリーンフィルターでどれがプレミアムに当たるかまでは書かれていない。日産のクリーンフィルター紹介ページ側にも品番の記載がない。品番とグレード名を1対1で結びつけて説明することは、公開資料の範囲ではできない。
よくある質問
ハイウェイスターやターボでも同じフィルターでいいですか
同じでいい。パシフィック工業の適合検索では、デイズとデイズハイウェイスターの6型式(B43W/B44W/B45W/B46W/B47W/B48W)がすべて同じ3品番を指している。駆動方式やターボの有無で分かれない。
交換に工具は必要ですか
基本的に不要。デンソーは交換難易度を「A:簡単」に分類していて、グローブボックスを倒してカバーのツメをはずす作業だけで完結する。傷防止の保護テープを用意しておくと安心して進められる。
純正品番で買うといくらぐらいですか
純正品番そのものの価格は資料上で確認できていない。参考になる数字として、デンソーの適合表ではデイズ B43・46 向け DCC8005 のメーカー希望小売価格が3,630円(税込)と記載されている。これは希望小売価格であって通販の実売価格ではない。
見た目が汚れていなければ交換しなくていいですか
見た目では判断しないほうがいい。日産の公式FAQは、一見汚れていなくても微細なゴミが吸着していて集塵性能や脱臭性能は時間とともに低下すると説明している。走った距離を基準に決めるのが実務的だ。
先代のデイズと同じものは使えますか
使えない。B21W は PC-305 系、B43W 以降は PC-114 系で品番が分かれている。中古車で世代がはっきりしないときは、車検証の型式欄を見れば区別できる。
まとめ
まず1点に絞ってから、メーカーの適合情報で最後に確かめる。この順番で進めればいい。においを取りたいなら活性炭入り、抗菌・抗ウイルスを取りたいなら上位グレード、1年ごとに替える前提なら価格を優先——決め手はこの3択のどれかになる。絞り込んだら、選んだ品番がデンソーかパシフィック工業の適合表でデイズ B43W の行に載っているかを見る。適合は B43W から B48W まで共通で、迷う余地がない。 選択は性能と価格のつり合いだけに集中させていい。
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