夏の昼間にEクラス クーペ(C207)を屋外に停めておくと、戻ったときにはダッシュボードとハンドルが熱を持っている。フロントサンシェードには、メルセデス・ベンツ純正品のほかに、商品名に C207 と年式を書いた社外品がある。選択を分けるのは、商品名と商品説明の適合表記が自車の型式と年式に合うかどうかと、毎回の出し入れのしやすさだ。
C207 クーペ向けと書かれた3点の早見表
比べるのは、販売中の3点(純正品・傘型・折りたたみ式)だ。適合表記は商品名に書かれた字をそのまま載せている。
| 商品 | 形式 | 商品名の適合表記(出品者の記載) | ミラー周りの切れ目 | 収納の記載 |
|---|---|---|---|---|
| メルセデス・ベンツ純正 | 記載が無い | Eクラス クーペ/カブリオレ (A207 / C207) | 記載が無い | 収納袋付き |
| MegaDefend 傘型 | 傘型(10本骨) | Eクラス 4代目 C207 クーペ 2009~2016 | 上部中央に切れ目 | 収納バッグ・ドアのサイドポケットやグローブボックス |
| CENYANFF 折りたたみ式 | 折りたたみ式 | Eクラス CLK C207 クーペ/カブリオレ 2010-2017用 | 記載が無い | ドアポケットやトランク |
3点とも書き方が違うので、どれを選ぶ場合も、商品名と商品説明の適合表記を車検証の型式・初度登録年と照らすことが前提だ。2009年式の C207 は CENYANFF の折りたたみ式の年式表記(2010-2017)に入らず、2017年式は MegaDefend の傘型の年式表記(2009年-2016年)に入らない。
この照合のうえで、開くだけで使える形がよければ MegaDefend の傘型、薄くたたんでトランクにしまいたいなら CENYANFF の折りたたみ式、メーカー純正のアクセサリーを選びたいなら純正品、という分け方がわかりやすい。CENYANFF の折りたたみ式は車種の書き方に CLK と C207 が混ざり、純正品は適合車種欄の型式の組み合わせに食い違いがある。購入前に出品者・販売元へ確かめる点は、各商品の節で述べる。
適合表記を読む前に押さえる C207 クーペの型式と年式
クーペはC207、カブリオレはA207
Eクラスのクーペは型式 C207、カブリオレは A207 と呼ばれ、先代の CLKクラス(クーペ C209・カブリオレ A209)の後継にあたる。C207 クーペは2009年のジュネーブモーターショーで初公開され、カブリオレ A207 は2010年の北米国際オートショーで公開された。
Wikipedia 英語版の Eクラス(W212)の項目では、C207/A207 は Cクラス W204 の車台をベースにしており、クーペとカブリオレはドイツのブレーメン工場で並んで生産されたとある。ベースになった Cクラス W204 の例は
にまとめている。
日本での販売時期の目安
日本では2009年7月29日に、2ドアの「E350クーペ」と「E550クーペ」が発売された。乗車定員は4名で、Car Watch は「14年ぶりに復活した」Eクラスのクーペとして報じている。発売時の諸元は全長が E350クーペ 4705mm・E550クーペ 4715mm、全幅 1785mm、全高 1395mm だが、これは車体の寸法で、フロントガラスやサンシェードの寸法を示す値ではない。サイドウインドーはピラーレス(前後の窓の間に柱が無い)で、前後とも全開できる。
後継の新型Eクラス クーペは、2017年5月に日本導入が始まった(Precious.jp の記載)。2009年7月から2017年5月までが、日本での C207 クーペの販売期間の目安で、商品名の年式表記を自車と照らすときの手がかりになる。
C207 クーペ用サンシェードの選び方
型式と年式の表記を確かめる
最初に見るのは、商品名や商品説明に型式(C207)・クーペの別・年式が書かれているか、そしてそれが車検証の型式・初度登録年と合うかだ。純正品はクーペとカブリオレの両方を挙げ(型式の組み合わせの書き方に食い違いあり)、MegaDefend の傘型は C207 クーペ 2009年-2016年、CENYANFF の折りたたみ式は C207 クーペ/カブリオレ 2010-2017 と、3点で書き方が違う。
形式と収納場所で選ぶ
形式は、毎回の出し入れの手間と、使わないときに車内のどこへしまうかで選ぶ。MegaDefend の傘型は開くだけで使え、閉じて収納バッグに入れるとドアのサイドポケットやグローブボックスに入るとしている。CENYANFF の折りたたみ式は薄くたためてドアポケットやトランクに収まるとしている。純正品は収納袋付きでコンパクトになるとしているが、形式の記載は無い。
ミラーとドライブレコーダー周りの切れ目
ルームミラーやドライブレコーダーの周りの切れ目の有無も比べたい。MegaDefend の傘型は上部中央の切れ目でバックミラーやドライブレコーダーと干渉しないと説明しているが、純正品と CENYANFF の折りたたみ式は、商品名と商品説明の箇条書きのどちらにも開口の記載が無い。ドライブレコーダーを付けているなら、ここを見ておく。
紫外線カット率の数字の見方
JAF の紫外線のユーザーテスト(2018年4月)では、フロントガラスの紫外線の測定値はオープンカー以外すべて1桁以下と低かった一方、前席のクリアガラスやリアガラスでは1,000μW/㎠を超えた。JAF は、自分の車のガラスを確かめて、それに合わせた日焼け対策をすることが大切としている。
フロントガラス自体の測定値がもともと低い以上、フロント用の紫外線カット率の数字は選ぶ決め手にしにくい。フロント用は、直射日光でダッシュボードやハンドルが熱くなるのを抑える道具として比べるのがよい。
メルセデス・ベンツ純正フロントサンシェード
商品名は「【メルセデス・ベンツ アクセサリー】純正 フロントサンシェード Eクラス クーペ/カブリオレ (A207 / C207)」で、販売ページの出品者の表示は「メルセデス・ベンツ日本」だ。販売ページの商品説明では、メルセデス・ベンツ純正アクセサリーで、フロント・ウインドーに簡単に取り付けられ、「ジャストフィットは純正品ならでは」としている。収納袋付きで、袋に入れるとコンパクトになり収納時に場所をとらないとも書かれている。写真の取付車両は実際と異なる場合がある、という断り書きもある。
一方で、形式(傘型か折りたたみ式か)と寸法、ルームミラー周りの切れ目の有無は、商品名と商品説明の箇条書きのどちらにも記載が無い。
確かめたいのは型式の書き方だ。商品説明の適合車種欄は「Eクラス クーペ A207/Eクラス カブリオレ C207」と書かれており、Wikipedia 英語版の記載(クーペ=C207・カブリオレ=A207)とは型式の組み合わせが逆になっている。商品説明自体も「必ず適合車種をご確認下さい」としているので、購入前に車検証の型式と販売元の適合案内を照らして確かめる。
メルセデス・ベンツ純正 フロントサンシェード Eクラス クーペ/カブリオレ(A207/C207)
MegaDefend の傘型サンシェード(C207 クーペ表記)
商品名は「メルセデスベンツEクラス 4代目 C207 クーペ 2009~2016」向けの傘型パラソル式で、10本骨・バックミラー開き口・折り畳み式・収納ポーチ付きと書かれている。販売ページの商品説明では、開くだけで使える傘型で、貼り付けの手間が無いとしている。上部中央に切れ目があり、閉じると収納バッグに入れられるという。
適用車種の表記は「Eクラス 4代目 C207 クーペ 2009年-2016年」(出品者の記載)で、カブリオレ A207 は商品名と商品説明の箇条書きのどちらにも記載が無い。記載の年式(2009年-2016年)の外の車や、カブリオレで使いたい場合は、購入前に出品者に確かめる。
仕様の表記にも食い違いがある。商品名では「10層断熱素材」、商品説明では「11層のナノ高分子断熱材」で「外側はチタンシルバーコーティング」と書かれ、層の数がそろわない。紫外線カット率も、商品説明の見出しは「99.9%UVカット」、本文は「99.99%」で一致していない。数字で選ぶより、形式と型式・年式の表記で選ぶ商品だ。
MegaDefend 傘型サンシェード Eクラス C207 クーペ用(2009〜2016表記)
CENYANFF の折りたたみ式サンシェード(C207 クーペ/カブリオレ表記)
商品名は「メルセデス・ベンツ Eクラス CLK C207 クーペ/カブリオレ 2010-2017用」の車用フロントガラス用日よけで、「折りたたみ式サンバイザー」「大きいサイズ」「光を通さない」と書かれている。販売ページの商品説明では、薄型で折りたたみ可能、使うときは素早く広げられ、ドアポケットやトランクに収納してもほとんど場所を取らないとしている。接着剤を使わない「吸着式またはクリップ式固定」で、フロントガラスやカーフィルムを傷つけないとも書かれている。UVA/UVB を効果的に遮断するとあるが、カット率の数値は無い。
確かめる点は多い。車種の書き方は CLK と C207 が混ざっており、Wikipedia 英語版では C207/A207 は CLKクラス(C209・A209)の後継の別の型式だ。年式の表記は2010年からで、日本で2009年7月に発売された初期の車は記載の年式に入らない。商品説明の箇条書きには車種と寸法の記載が無く、固定方法も「吸着式またはクリップ式」とどちらか決まっていない。「大きいサイズ」の具体的な寸法も、商品名と商品説明の箇条書きのどちらにも記載が無い。購入前に出品者へ自車の型式・年式で確かめる。
CENYANFF 折りたたみ式フロントサンシェード Eクラス C207 クーペ/カブリオレ用(2010-2017表記)
サンシェードの効果と限界
ダッシュボードの温度はどれだけ下がるか
JAF のユーザーテスト(2012年8月22日・23日、外気温35℃、正午から4時間、駐車条件の異なるミニバン5台)では、ダッシュボードの最高温度が対策なし(黒)79℃・対策なし(白)74℃だったのに対し、サンシェード装着車は52℃だった。車内の最高温度は、対策なし(黒)57℃・対策なし(白)52℃・サンシェード装着車50℃。ミニバンでの測定で、C207 や紹介した商品で測った値ではない。
車内が安全な温度になるわけではない
同じテストで JAF は、サンシェード対策をしても車内温度の抑制効果は低く、人や動物が耐えられない温度になり、車内温度の上昇を防ぐことはできないと結論づけている。JAF のクルマ何でも質問箱でも、フロントガラスの全面をサンシェードで覆った場合、直射日光を遮る効果は高いものの15時の時点で約50℃に達し、温度抑制効果はあまり望めないとしている。サンシェードを付けても、子どもやペットを車内に残してよいことにはならない。
JAF は、炎天下の車内のダッシュボードに置いた物の被害として、スマートフォンの高温警告、使い捨てライターのひび割れ、クレヨンが溶けたことなどを挙げ、可燃物を車内に置かないよう呼びかけている。
走り出す前に外す・前席の窓の決まり
フロントサンシェードは駐車中に使う物だ。前面ガラスをふさいだまま走らず、走り出す前に必ず外して、収納袋やドアポケットなどにしまう。
JAF Mate の交通ルールの解説では、運転席や助手席の窓にサンシェードやカーテンを付けたまま走行すると、視界を妨げるので違反になるとしている(道路交通法第55条第2項は、運転者の視野やハンドルなどの操作を妨げる積載を禁じる)。後部座席の窓へのサンシェードは禁止されていないが、後方確認の妨げになるので、同乗者がいなければ運転中は外すのが望ましいとしている。
走行中の日差し対策で前席の窓にフィルムを足すときは、透過率の決まりがかかる。国土交通省は、前面ガラスと運転席・助手席の側面ガラスに、可視光線の透過率が70%未満となる着色フィルム等を貼ることを禁止している。JAF も、すでに色の付いた窓ガラスに貼ると、フィルム単体が70%以上でも全体で70%を下回ることがあるとして注意を促している。
よくある質問
純正と社外品はどちらがよい?
純正品はメルセデス・ベンツ純正アクセサリーで出品者表示もメルセデス・ベンツ日本だが、形式と寸法は書かれておらず、適合車種欄の型式の書き方に食い違いがある。社外の2点は商品名に C207 と年式を書いているが出品者の記載で、年式の範囲が商品ごとに違う。どちらを選ぶ場合も、自車の型式と年式で適合を確かめることが前提で、そのうえで形式と収納で決めればよい。
カブリオレ A207 にも使える?
MegaDefend の傘型は、適用車種の表記が「Eクラス 4代目 C207 クーペ 2009年-2016年」で、カブリオレ A207 は商品名と商品説明の箇条書きのどちらにも記載が無い。純正品は商品名で「Eクラス クーペ/カブリオレ (A207 / C207)」と両方を挙げるが、適合車種欄の型式の組み合わせに食い違いがある。CENYANFF の折りたたみ式は商品名に「C207 クーペ/カブリオレ 2010-2017用」とある。どれも購入前に販売元・出品者へ確かめたい。カブリオレ向けは
で扱っている。
走行中も付けたままでよい?
よくない。運転席や助手席の窓にサンシェードを付けたまま走ると、JAF Mate の解説では視界を妨げる違反になる。フロントサンシェードは走り出す前に外す(前席の窓の決まりの節を参照)。
サンシェードがあれば車内は安全な温度になる?
ならない。JAF のテストでは、ダッシュボードの温度は大きく下がったが、車内温度は人や動物が耐えられない温度のままだった(効果と限界の節を参照)。
まとめ
まず形式と収納場所で候補を1つに絞る。開くだけで使える形がよければ傘型、薄くたたんでしまいたいなら折りたたみ式、純正アクセサリーにこだわるなら純正品だ。絞ったら、商品名と商品説明の型式・年式の表記を車検証と照らし、純正品は販売元の適合案内で、CENYANFF の折りたたみ式は出品者へ自車の型式・年式で確かめ、MegaDefend の傘型は記載の年式の外の車やカブリオレなら出品者に確かめてから決める。MegaDefend の傘型は C207 クーペ 2009年-2016年、CENYANFF の折りたたみ式は C207 クーペ/カブリオレ 2010-2017 の表記で、純正品は適合車種欄の型式の書き方に食い違いがある。
使うのは駐車中だけで、走り出す前に外す。サンシェードはダッシュボードの熱を抑える道具で、車内を安全な温度にするものではない。
ほかの世代・車種のサンシェードは次の記事にまとめている。
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