マツダ3(MAZDA3・BP系)のバッテリーは、ガソリンかディーゼルか、どの型式かで答えが変わる。GSユアサの適合表では、2019年5月〜2024年12月販売開始のマツダ3の新車搭載バッテリーが、車両型式と販売開始の時期によってQ-85・S-95・55D23Lの3種類に分かれている。先に車検証で型式・排気量などを確かめて適合表の行の見当を付け(同じ5AA-BPEPでも販売開始の時期で55D23LとQ-85に分かれるので、型式だけでは行が決まらないこともある)、今載っているバッテリーの表示と照らしてから、選び方と交換の手順へ進んでほしい。
マツダ3のバッテリー型番一覧(型式・販売開始の時期別)
GSユアサの適合表のマツダ3の行を、燃料・排気量と型式ごとに並べると次のとおりになる。表のマツダ3の行に2個使用の記号が付いた行は無く、どの行もバッテリーは1個積みだ。
| 燃料・排気量 | 車両型式(販売開始の時期) | 標準搭載品 |
|---|---|---|
| ガソリン1500cc・アイドリングストップ車 | 6BA-BP5P(2019年5月・2022年9月)、6BA-BP5R(2024年12月) | Q-85 |
| ガソリン2000cc・アイドリングストップ車 | 5BA-BPFP(2019年5月・2021年11月) | Q-85 |
| ディーゼル1800cc・アイドリングストップ車 | 3DA-BP8P(2019年5月)、3DA-BP8R(2023年6月) | S-95 |
| ガソリン2000cc・表でHVと付く型式 | 3AA-BPEP(2019年12月・2020年11月)、5AA-BPEP(2021年4月)、5AA-BPFJ3P(2022年9月)、5AA-BPFJ3R(2023年6月・2024年10月) | 55D23L |
| ガソリン2000cc・表でHVと付く型式 | 5AA-BPEP(2022年9月)、4WDの5AA-BPEK3R(2023年6月・2024年10月) | Q-85 |
表でHVと付く型式は販売開始の時期まで見る
気をつけたいのは、表でHVと付く2000ccの型式だ。同じ5AA-BPEPでも、2021年4月販売開始の行は55D23L、2022年9月販売開始の行はQ-85で、型番が違う。 型式だけで決めず、販売開始の時期まで見て行を選ぶ。
適合表どおりでない車もある
GSユアサの適合表は、マイナーチェンジや特殊仕様、オプションによって搭載バッテリーが異なる場合があるとして、実際に車に載っているバッテリーの型式を必ず確かめるよう案内している。表は目安として使い、次の方法で今のバッテリーと照らしてから買う。
自分の車の型番を確かめる方法
いちばん確かなのは、今載っているバッテリーそのものを見ることだ。GSユアサの案内では、バッテリーの型式は多くの場合、バッテリーの天面に表示されている。
適合表を引くときは、パナソニックの案内どおり車検証を手元に置き、型式・排気量などを確かめる。天面の表示と適合表の行が食い違ったときは、どちらかに決めつけず、買う前に販売店に確かめるのが早い。
なお、GSユアサの適合表のマツダ3の行は、全行で寒冷地仕様の品番が標準搭載品と同じだ。表の上では、寒冷地仕様かどうかで型番を分けて考えなくていい。
Q-85・S-95・55D23Lの読み方
アイドリングストップ車用バッテリーの型式(電池工業会規格)は、「外形区分+性能ランク+端子位置」の順に表す。Q-85なら外形区分Q・性能ランク85、S-95なら外形区分S・性能ランク95だ。外形区分QはJIS型式のD23、SはD26に相当する。
55D23LはJIS型式で、55が性能ランク(総合性能の目安で、数字が大きいほど性能が高い)、Dが短側面のサイズ記号(Dは幅173mm×箱高さ204mm)、23が長さの概算値(約23cm)、Lが端子位置を表す。
端子位置は、プラス側の短側面から見て+端子が左ならL、右ならRだ。アイドリングストップ車用の型式はRタイプだけ末尾にRを付け、Lタイプは何も表示しない。そのためQ-85とS-95はLタイプで、55D23Lも末尾がLのLタイプになる。
交換するバッテリーの選び方
パナソニックは、今載っているものと同じサイズ・同じ端子位置(極性)で、性能ランクが同等以上のものを選ぶよう案内している。GSユアサも新車搭載と同じサイズ・端子極性(Rタイプ・Lタイプ)・性能ランクを満たすものへの交換を求めていて、JAFの解説でも、もともと付いていたものと同じ型式を選ぶのが基本とされる。迷ったら、今と同じ型式か、サイズと端子位置が同じで性能ランクが上のものを選べばいい。
アイドリングストップ車は専用品から選ぶ
アイドリングストップ車には専用のバッテリーが要る。GSユアサによると、通常車用を載せるとシステムが正常に作動しなくなる・燃費が悪くなる・寿命が縮む恐れがあり、製品補償の対象外にもなる。JAFの解説でも、アイドリングストップ機能が働かない・寿命が短くなると説明されている。適合表でQ-85・S-95が標準搭載の車なら、アイドリングストップ車用の型式の中から選ぶ。
表でHVと付く型式は販売店に確かめる
パナソニックは、ハイブリッド車・アイドリングストップ車には専用のバッテリーが搭載されていて一般的なバッテリーは適合しないとし、販売店に相談のうえ、車両の整備マニュアルにしたがって自己責任で作業するよう案内している。GSユアサも、自分で交換する作業は自己責任としている。適合表でHVと付く型式で55D23Lが新車搭載の車は、交換品を販売店に確かめておくと確実だ。
6BA-BP5P・5BA-BPFP向けに出品されているバッテリー
ここで取り上げるのは、販売ページの記載でマツダ3の2つの型式向けとされている出品だ。どちらもパナソニック カオス N-Q105/A4で、着払い伝票が付く。価格は変わるので、リンク先で確かめてほしい。
6BA-BP5P(R1/5-)向けの出品
販売ページの商品説明では、この出品は車種名「マツダ 対応 MAZDA3 FASTBACK」、年式「R1/5-」、車両型式「6BA-BP5P」向けとして出品されている。商品名では標準地仕様車向けとされている。
パナソニック カオス N-Q105/A4(MAZDA3 ファストバック 6BA-BP5P 向けの出品・着払い伝票付き)
5BA-BPFP(R2/3-R4/9)向けの出品
販売ページの商品説明では、この出品は車種名「マツダ 対応 MAZDA3 FASTBACK」、年式「R2/3-R4/9」、車両型式「5BA-BPFP」向けとして出品されている。こちらも商品名では標準地仕様車向けとされている。
パナソニック カオス N-Q105/A4(MAZDA3 ファストバック 5BA-BPFP 向けの出品・着払い伝票付き)
Q-85との関係と買う前の確認
N-Q105/A4の型式部分Q105は、アイドリングストップ車用の型式の読み方では、外形区分Q(JISのD23相当)・性能ランク105で、Rの表示が無いのでLタイプにあたる。GSユアサの適合表で6BA-BP5P・5BA-BPFPの標準搭載品とされるQ-85と比べると、外形区分と端子位置が同じで、性能ランクは上になる。バッテリーメーカーの選び方の基準に照らすと、出品に書かれた型式・年式(6BA-BP5PのR1/5-、5BA-BPFPのR2/3-R4/9)に当たる車で、今Q-85が載っているなら候補になる。ディーゼル(3DA-BP8P・3DA-BP8R)や表でHVと付く型式は、この2つの出品の対象として書かれていない。
販売ページの商品説明には、2つの出品とも「車種によっては、装着されているバッテリーの品番が異なる場合があり、購入前には必ず内容を確認」するよう注意書きがある。買う前に、今載っているバッテリーの型式と、出品の車両型式・年式を照らすこと。古いバッテリーを付属の着払い伝票で送る仕組みは、後の「古いバッテリーの扱い」で触れる。
交換時期の目安と劣化のサイン
寿命の目安
GSユアサのよくある質問では、通常車用・アイドリングストップ車用とも2〜3年が目安とされる。JAFの解説では、一般的なガソリン車で2〜5年、アイドリングストップ車で2〜3年だ。どちらも車種や使い方で変わり、JAFは、乗る頻度が少ない・短距離走行が多いと劣化が早まりやすいとしている。
交換のサイン
JAFは交換のサインとして、始動時のセルモーターの音が弱々しい、信号待ちでエンジンが止まらなくなった(アイドリングストップしない)、本体の側面や底の膨らみ、を挙げる。GSユアサは、充電しても容量が回復せずすぐにチャージランプが点く場合は寿命が考えられるとし、2年以上使ったバッテリーが上がったら新しいものへの交換を勧めている。
ただし、アイドリングストップしないのは劣化のときだけとは限らない。GSユアサによると、バッテリーが放電気味のときや冬の気温が低い時期は、車両側の制御でアイドリングストップしなくなる場合がある。止まらなくなったことだけで交換と決めず、ほかのサインとあわせて判断する。
日ごろの点検
JAFの解説では、端子周辺の白い粉状の汚れや腐食は、接触不良で始動性が落ちる元になる。補水不要タイプは液の状態を見られないので、膨らみや端子の汚れなど外観で判断する。カー用品店やガソリンスタンドには無料点検の店舗もあり、電圧を測ってもらえる。短距離ばかりなら、週1回30分程度走って充電を補うのが望ましいとされる。オイル交換などで店に寄るついでに見てもらうと手間が少ない。
自分で交換する前の準備
走行直後に交換するときは、内部にガスがたまっているので、バッテリーを30分以上休ませてから作業を始める(GSユアサ)。保護メガネとゴム手袋を着け、作業の前に車体の金属に触れて静電気を逃がしておく。
工具はスパナと、軍手や養生テープなど絶縁できるものを用意する。パナソニックの手順の例ではスパナは10mmだが、車両によって大きさが異なるので、手持ちのスパナが端子のナットに合うかを先に確かめる。作業はエンジンを止め(パナソニックはキーを抜くよう案内している)、ライトなどのスイッチを切ってから始める。
メモリーのバックアップ
バッテリーを外すと、メモリー機能のある電子機器の記憶が消えることがある。パナソニックによると、シガーソケットか搭載バッテリーの端子に付けるバックアップ電源で保護できる。バックアップが要るかどうかは、GSユアサの案内どおり、事前に販売店や車両の取扱説明書で確かめておく。
バッテリー交換の手順(外す順番・付ける順番)
GSユアサとパナソニックの交換方法の案内をもとに、順番をまとめる。外すのはマイナスから、付けるのはプラスからだ。
古いバッテリーを外す
- マイナス端子(車体アース側)のケーブルを外す
- プラス端子のケーブルを外す
- 取り付け金具を外してバッテリーを降ろす
プラスを先に外すと、工具の端が車体に触れてショートする恐れがある。金属の工具で端子同士が触れると、火花による引火・爆発や火災の原因になる。
新しいバッテリーを付ける
- 取り付け台の小石や砂などの異物を掃除する(電槽の破損や固定不良を防ぐ)
- 新しいバッテリーを台に置き、取り付け金具でがたつかないよう固定する
- プラス端子にケーブルを付けてナットを締める
- マイナス端子にケーブルを付けてナットを締める
- 端子カバーがあれば元どおり付ける
- 始動する前に、端子と金具の緩みと、工具の置き忘れが無いかを確かめる
締め付けと端子の手入れ
端子の締め付けは、手で左右に動かしても動かない程度がちょうどいい。力任せに締めると端子が壊れ、締めすぎるとバッテリーや端子の変形・破損の原因になる。ケーブル端子が汚れたり腐食したりしていたら、ワイヤーブラシやサンドペーパーで清掃してからつなぐ。
交換後にアイドリングストップしないとき
GSユアサによると、アイドリングストップ車は交換直後はアイドリングストップしない場合がある。しばらく使っても作動しないときは販売店で点検を受ける。車両によっては、専用のスキャンツールでのリセットが要る。
学習機能付きのコンピューターは、交換で学習内容がリセットされることがあり、しばらく走ると再学習する。ただし一部のアイドリングストップ車はコンピューターの初期化作業が要るので、車両販売店に相談するようGSユアサは案内している。パナソニックも、車種によってはパワーウィンドウなどの初期化や、特殊工具を使った車載コンピューターの初期化が要るとしている。マツダ3でどの作業が要るかは、交換の前に販売店に確かめておくのが確実だ。
古いバッテリーの扱い
古いバッテリーには、電気エネルギーとバッテリー液(硫酸)が残っている。パナソニックの案内では、新しいバッテリーを買った販売店に相談する。やむを得ず保管するときは、端子キャップなどでショートを防ぎ、横倒しにしたり不安定な場所に置いたりしない。
先に挙げたN-Q105/A4の2つの出品は、販売ページの商品説明によると着払い伝票がセットになっている。不要な段ボールに古いバッテリーを縦に入れて隙間を新聞紙などで固定し、伝票を記入・貼付して佐川急便の営業所へ持ち込むか集荷を頼めば、処分は販売店が対応すると書かれている。
よくある質問
Q-85の代わりに性能ランクの高いものを選んでよい?
パナソニックやGSユアサの基準は、同じサイズ・同じ端子位置で性能ランクが同等以上のもの。適合表でQ-85が標準搭載の車なら、外形区分QのLタイプで性能ランクが85以上のアイドリングストップ車用を選ぶと、この基準に沿う。先に今のバッテリーの表示と照らしておく。
寒冷地仕様のマツダ3は型番が違う?
GSユアサの適合表のマツダ3の行は、全行で寒冷地仕様の品番が標準搭載品と同じだ。表の上では寒冷地仕様でも型番は変わらないが、今のバッテリーの表示とは照らしておく。
交換したのにアイドリングストップしないのは故障?
すぐに故障とは限らない。GSユアサによると、交換直後はアイドリングストップしない場合がある。しばらく使っても作動しないときは販売店で点検を受ける(詳しくは「交換後にアイドリングストップしないとき」)。
ディーゼル車(3DA-BP8P・3DA-BP8R)の型番は?
GSユアサの適合表では、1800ccディーゼルのアイドリングストップ車3DA-BP8P(2019年5月販売開始)と3DA-BP8R(2023年6月販売開始)の標準搭載品はS-95だ。紹介したN-Q105/A4の2つの出品は、6BA-BP5P・5BA-BPFP向けとして出ているもので、ディーゼルの型式は対象として書かれていない。
アイドリングストップ車に通常車用のバッテリーを付けてもよい?
付けない。GSユアサは、システムが正常に作動しなくなる恐れがあり、製品補償の対象外にもなるとしている(理由は「交換するバッテリーの選び方」)。アイドリングストップ車用の型式から選ぶ。
まとめ:車検証の型式から型番をたどる
最初にやることは、車検証で型式・排気量などを確かめ、今載っているバッテリーの天面の表示を見ることだ。そのうえでGSユアサの適合表の行(2019年5月〜2024年12月販売開始の行。型式と販売開始の時期でQ-85・S-95・55D23Lに分かれ、同じ5AA-BPEPでも販売開始の時期で型番が違う)と照らす。
- 交換品は、同じサイズ・同じ端子位置で、性能ランクが同等以上のものを選ぶ(バッテリーメーカーの基準)
- 適合表でQ-85・S-95が標準搭載の車は、アイドリングストップ車用から選ぶ
- 表でHVと付く型式で55D23Lが新車搭載の車は、交換品を販売店に確かめる
- 外すのはマイナスから、付けるのはプラスから
- 交換直後はアイドリングストップしない場合があり、続くときは販売店で点検を受ける
ほかの手入れや取り付けは、次の記事にまとめている。
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