汎用のカスタムパーツは、まず付けたい場所の寸法と形に合うかで選ぶ。そのうえで取付方法、車検・保安基準、素材、電源の順に確かめれば、買ってから付かない・車検で困るという失敗はかなり減らせる。車種専用品と違って自分の車に合わせて作られていないぶん、合うかどうかを確かめるのは買う側の役目だ。
汎用カスタムパーツは「付ける場所の寸法」から選ぶ
選ぶ順は次の5つだ。
- 付ける場所の寸法と形
- 取付方法と、外したいときに外せるか
- 車検・保安基準に触れないか
- 素材と使う場所
- 電源が要るか、要るならどこから取るか
それぞれの見方は後の「汎用パーツを比べる5つの基準」で書く。もう1つ、最初に押さえておきたいのが責任の所在だ。国土交通省の案内では、部品を付けて手続きが不要な場合でも、付けた後も道路運送車両の保安基準に適合していることが必要で、その管理は使用者の責任とされている。売り場の表示より、自分の車の状態で判断してほしい。
汎用品と車種専用品の違い
汎用品は、多くの車に付けられるように作られた品だ。特定の車種に合わせて作られた車種専用品と違い、形や寸法が自分の車に合わせてあるわけではない。だから付ける場所の寸法・形と、商品の寸法・取付方法を自分で照らし合わせて選ぶ必要がある。
商品名に車種名がいくつも並んでいることがあるが、それは出品者の記載だ。自分の車に付くかは、車種名ではなく寸法と取付方法で確かめる。迷ったら、付けたい場所の寸法を控えてから商品を探すと選び直しが減る。
部位別に見る汎用カスタムパーツの種類
汎用パーツは付ける場所で内装・外装・電装に分けると、気をつける点が整理しやすい。
内装の汎用パーツ
主なジャンルは、座席にかぶせるシートカバー、アームレストやコンソールボックスのカバー・クッション、収納トレーや小物入れ、LEDルームランプなどの室内の照明だ。かぶせる品は座席や肘掛けの形との相性を、照明は取付方法(両面テープか差し替えか)と電源を確かめる。シートカバーはサイドエアバッグとの関係があるので、後の節も読んでから選んでほしい。荷室の収納グッズは次の記事にまとめている。
外装の汎用パーツ
ガーニッシュやメッキモールなどの貼り付け式の飾り、ステッカー、ボンネットやボディに貼るダミーダクト、ドアまわりのモール、泥よけ(マッドガード)、ボルトやナットのカバーが代表的だ。多くは両面テープで貼るか、既存の留め具で付ける。付ける場所の寸法に加えて、車検・保安基準に触れない位置かどうかを先に確かめる。
電装の汎用パーツ
ルームランプやナンバー灯のLEDバルブ、USB電源などの増設、ドライブレコーダーがこの部類に入る。バルブは自分の車のバルブ型番に合うものを選ぶ。電源が要る品は、シガーソケットから取るかヒューズボックスから取るかを先に決めておく。
汎用パーツを比べる5つの基準
1. 付ける場所の寸法と形
付けたい場所の縦・横・奥行きをメジャーで測り、商品説明の寸法と比べる。貼り付けるパーツは、貼る面が平らか曲面か、すき間や出っ張りはないかを見る。曲面に硬くて平らなパーツを貼ると浮きやすい。座席やアームレストにかぶせる品は、ヘッドレストの有無や一体型かといった座席の形、肘掛けの幅を確かめる。
2. 取付方法と外せるか
両面テープで貼る品(ガーニッシュ・モール・ダミーダクトなど)は工具が要らず手軽だが、剥がすとテープや跡が残ることがある。ベルトやゴム、面ファスナーでかぶせる品(シートカバー・アームレストカバーなど)は外しやすい。ネジやボルトで留める品(マッドガードなど)は固定が確実な反面、穴あけや既存の留め具の利用が要ることがある。将来外す可能性がある場所なら、かぶせる品か留め具で付ける品を選ぶ方がよい。
3. 車検・保安基準に触れないか
寸法や重量が変わる品、ガラス・ナンバー・灯火のまわりに付ける品は、次の2つの節で書く決まりに収まるかを買う前に確かめる。
4. 素材と使う場所
外装に付ける品は雨・日光・洗車にさらされる。屋外で使える素材か、色あせや剥がれにどう備えているかを商品説明で確かめる。内装品は汚れの落としやすさや通気性など、使い方に合う素材を選ぶ。
5. 電源が要るか
照明や電装品は、電源の取り方まで決めてから買う。ヒューズボックスから取る場合の手順は後の節で書く。
車検・保安基準で気をつける点
軽微な変更の範囲(寸法・重量)
国土交通省の案内では、1995年11月22日から、自動車部品を付けた場合のうち軽微な変更に当たるものは、構造等変更の諸手続きが不要とされている。その条件の1つが、部品を付けた後の寸法と車両重量が一定の範囲内にあることで、範囲は次のとおりだ。この取扱いは使用過程の自動車が対象になる。
| 区分 | 長さ | 幅 | 高さ | 車両重量 |
|---|---|---|---|---|
| 小型自動車・軽自動車 | ±3cm | ±2cm | ±4cm | ±50kg |
| 普通自動車・大型特殊自動車 | ±3cm | ±2cm | ±4cm | ±100kg |
国土交通省の案内では、登録済みの自動車で長さ・幅・高さ・乗車定員・最大積載量・車体の形状などに変化をもたらす改造をしたときは、使用の本拠の位置を管轄する運輸支局等に自動車を提示して、構造等変更検査を受けなければならないとしている。出っ張る外装パーツを付けたら、付けた後の寸法を測っておくとよい。
指定部品の扱い
国土交通省の案内では、国が指定する部品(指定部品)を溶接またはリベット以外の方法で付けた場合も、軽微な変更に当たる。例として、アクセサリー的部品ではルーフラック・キャリア、エアスポイラ・エアダム、グリルガード、オーディオ類・ナビゲーション、アンテナなど、機能的部品ではショックアブソーバ、マフラー・排気管、タイヤ・ホイール、けん引用トレーラ・ヒッチ、エアバッグなどが挙がっている(全一覧は同案内で確かめられる)。ただし、手続きが不要でも保安基準への適合が要る点は、指定部品でも同じだ。
外装パーツの注意
WEB CARTOP の記事では、車の最低地上高は90mm以上と定められているが、灯火類の付いていないエアロパーツはこの規定に含まれず、バンパーに後付けするリップスポイラーは90mm以下でも問題ないと説明している。一方で、社外のバンパーやサイドステップは原則として認められるものの、全幅・全長の変化には制約があるとしている。
WEB CARTOP の同じ記事は、棒と輪が表に出るタイプのボンネットピンは突起物とみなされる可能性があり、公道では危険なのでフラットなタイプを勧めている。外装の汎用パーツは、外へ鋭く出っ張る形かどうかにも気を配りたい。
ガラスまわりとナンバーまわりの注意
フロントガラス・前席の窓
自動車情報誌ベストカーの解説では、フロントガラスに貼ってよいものは、検査標章、保険標章・共済標章、臨時検査合格標章、バックミラー、公共の電波を受けるために貼るアンテナ、運転者の視野を妨げる歪みがなく必要な視野範囲で可視光線透過率70%以上を確保できる透明なもの、国土交通大臣または地方運輸局長が指定したもの、整備命令標章、故障ステッカーなどに限られる。吸盤式の初心者マークなどをフロントガラスに付けるのも保安基準不適合になると同記事は述べている。
ベストカーの同じ解説では、運転席・助手席のサイドガラスに透明でないステッカー類を貼るのは基本的に保安基準違反で、車検に通らないとされている。窓に貼る汎用の飾りやサンシェードの類は、前席の窓とフロントガラスを避ける。
ドライブレコーダーなどの電子機器について、ベストカーの解説では、フロントガラスに貼ること自体は適法だが、位置は「ガラス開口部の実長の20%以内の範囲」か「車室内のルームミラーで隠れる前面ガラスの範囲」に限られ、検査標章と重なる場所やルームミラーに干渉する場所は避けるべきとしている。
ナンバーフレームとボルトカバー
国土交通省の令和3年3月9日の発表では、ナンバープレートの取付け角度や、付けるフレーム・ボルトカバーの大きさを定めた新基準は、令和3年10月1日以降に初めて登録等を受ける自動車に適用される(当初の4月1日から延長)。
同じ発表では、令和3年9月30日までに登録・検査・使用の届出があった車は、運行中に番号が判読できる見やすい角度でナンバープレートを取り付け、番号を被覆せず、脱落するおそれがなく、運行中に番号が判読できるフレームまたはボルトカバーであれば取り付けることができるとされている。自分の車の登録の時期は車検証で確かめ、新基準の対象なら新基準に合う品かを商品説明で確かめてから選ぶ。
シートカバーはサイドエアバッグの位置を確かめてから選ぶ
ホンダの取扱説明書(N-WGN)では、サイドエアバッグは運転席・助手席とも座席の背もたれの外側に入っていて「SIDE AIRBAG」と表示されており、シートカバーによってはサイドエアバッグが正常に機能できなくなるので、前席にシートカバーを付けるときは販売店に相談するよう注意している。これは1つの自動車メーカーの例で、サイドエアバッグの位置と注意書きは、自分の車の取扱説明書で確かめる。
汎用のシートカバーを選ぶ前に、取扱説明書で次の2点を見ておく。
- 座席のサイドエアバッグの有無と位置
- シートカバーについての注意書き
分からない点があれば、販売店や整備工場に相談してから選ぶ。
両面テープで貼るパーツの取り付けのコツ
両面テープで貼るパーツは、貼った後に位置を直しにくく、剥がすとテープや跡が残ることがある。まずマスキングテープなどで位置の目印を付けて仮置きし、見た目と位置を決めてから貼る。
貼る作業は、Motor Fan の解説では次の手順で進める。
- 貼る面の汚れだけでなく、油膜や油脂まで落とす(洗浄剤で汚れを落とすのが基本)
- テープの接着面に皮脂が付かないよう、テープの両端を持って貼る
- 貼った後は、接着面の空気を押し出すように指などで強く押さえて密着させる(接着の強さが増す)
ポリプロピレン(PP)など両面テープが貼り付きにくい素材には、塗って貼り付きやすくする接着促進剤(プライマー)が使える。Motor Fan の解説では、揮発性の高い溶剤を含むので使うときは十分に換気し、塗装面やメッキ面を侵すおそれもあるので目立たない所で試してから使うよう注意している。
電装パーツの電源をヒューズボックスから取る方法
始める前に、自分の車の取扱説明書でヒューズボックスの位置とヒューズの種類を確かめる。自動車情報誌ベストカーの解説では、ヒューズ電源は15Aのヒューズからコードを分岐させた部品で、電源を取りたい回路のヒューズの代わりに差し込む。流れは次のとおりだ。
- 平型・ミニ平型・低背などのうち、車に合う形のヒューズ電源を選ぶ
- ヒューズを抜いてエンジンをかけ、検電テスターで2つの金属端子を調べる。光った方が電源側(バッテリー側)
- 分岐したコードの側を電源側に向けて差す
- マイナスのコードは、ボルトやネジ山のある金属部分に確実に固定する
ベストカーの同じ解説では、ヒューズを元と異なるアンペア数のものに差し替えないよう強く注意しており、違う容量のヒューズは最悪の場合、発火の原因にもなるとしている。どの回路から取ればよいか分からなければ、販売店や整備工場に相談する。
よくある質問
汎用パーツを付けると車検に通らなくなる?
付けただけで通らなくなるとは限らないが、通ると言い切れるものでもない。国土交通省の案内では、使用過程の自動車で、部品を付けた場合のうち軽微な変更に当たるものは構造等変更の諸手続きが要らず、その条件の1つが、付けた後の寸法と車両重量が一定の範囲(上の表)内にあることだ。ただし手続きが不要でも、保安基準に適合している必要はある。ガラスやナンバーのまわりは別の決まりがあるので、該当する節で確かめてほしい。
ナンバーフレームやボルトカバーは付けてよい?
国土交通省の発表では、令和3年9月30日までに登録・検査・使用の届出があった車なら、番号を被覆せず、脱落するおそれがなく、運行中に番号が判読できるフレームやボルトカバーは取り付けることができる。令和3年10月1日以降に初めて登録等を受ける自動車は、大きさなどを定めた新基準の対象になる。
両面テープで付けたパーツは剥がせる?
剥がすとテープや跡が残ることがあり、貼り直しもしにくい。貼る前に仮置きで位置を決めておき、将来外す可能性がある場所なら、かぶせる品や留め具で付ける品を選ぶ方法もある。
シートカバーはサイドエアバッグ付きの座席にも使える?
そのまま使えるとは言い切れない。ホンダの取扱説明書(N-WGN)のように、シートカバーによってはサイドエアバッグが正常に機能できなくなるとして、販売店への相談を求めている例がある。自分の車の取扱説明書で位置と注意書きを確かめ、分からなければ販売店に相談する。
電装品の電源はシガーソケットとヒューズ電源のどちらで取る?
配線作業に慣れていなければ、差し込むだけのシガーソケットから取る方を選ぶ。ヒューズ電源を使うなら、ベストカーの解説が注意するとおり、元と異なるアンペア数のヒューズに差し替えないことが前提だ。
まとめ
まず車の前で、付けたい場所の寸法と形を測る。電装品なら、いま付いているバルブの型番やヒューズの形も現物で確かめる。そのうえで車検証と取扱説明書を手元に置き、登録の時期、サイドエアバッグの位置、ヒューズボックスの位置を確かめる。
選ぶ順は、寸法と形、取付方法と外せるか、車検・保安基準、素材と使う場所、電源の要否だ。国土交通省の案内のとおり、付けた後も保安基準に適合させておくのは使用者の責任なので、付けた後の寸法やガラス・ナンバーのまわりまで見ておきたい。

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