ステップワゴンのマフラーは、同じ車名でも世代と型式で選べる製品が完全に分かれる。そのうえ、排気音を変えたいのか後ろ姿の見た目だけを変えたいのかで、買うものそのものが違ってくる。車検証の型式欄を見て自分がどちら側かを決めるところから始めれば、候補は一気に絞れる。
目的と型式で選択肢が分かれる
マフラーまわりの製品は大きく2種類ある。排気管を丸ごと替える本体マフラーと、テールエンドに被せるマフラーカッターだ。この記事で扱う2製品は、対象の型式も価格帯もまったく違う。
| 目的 | 選ぶもの | この記事で扱う製品の適合 |
|---|---|---|
| 排気音と後ろ姿の両方を変える | マフラー本体の交換 | 6AA-RP5/DBA-RP3/6BA-RP3(5代目スパーダ) |
| 後ろ姿だけを変える | マフラーカッター | RK1/RK2/RK5/RK6系(平成21年10月〜平成24年4月) |
交換用マフラーの適合は車名ではなく、型式・年式・駆動方式・エンジン型式の組み合わせで決まる。 同じステップワゴンでも型式が違えば装着できないし、同じ型式でもガソリンとハイブリッド、FFと4WDで別製品になることがある。購入前に車検証の型式欄と製品の適合表を突き合わせる作業は、どの製品を選ぶ場合でも避けて通れない。
販売ページの製品情報によると、現行の6代目(RP6/RP7/RP8)を含む各世代向けに、車検対応をうたう交換用マフラーが複数のメーカーから流通している。マフラーカッターにも世代別の適合品がある。ただし個々の製品の取り扱い状況は時期によって変動するので、自分の型式向けが今買えるかどうかはその都度見にいくことになる。
音を変えるのか、見た目だけを変えるのか
ここを先に決めておかないと、買ってから期待が外れる。中古車情報サイトのグーネットの解説では、マフラーカッターはマフラーの後端に装着する部品で、見た目以外に排気音や音量への影響はないとされる。音量や音質を変えたいなら、カッターではなく本体の交換になる。
逆に、後ろ姿の印象を変えたいだけなら本体まで手を出す必要はない。本体交換とカッターでは価格帯が大きく違うので、目的の切り分けがそのまま予算の判断にもなる。音は今のままでいいという人にとって、本体交換は過剰な投資だ。
なお、排気音が以前と変わった、走行中に金属音がするといった症状が交換前から出ているなら、製品選びより先に原因の切り分けをしたほうがいい。
車検に通るマフラーの見分け方
認証表示の5種類を確認する
マフラーメーカーの柿本改の法令解説では、新しい騒音規制に対応する車両に交換用マフラーを装着する場合、次の5種類のいずれかの表示が求められるとされている。
- 純正品表示
- 装置型式指定品表示(自マーク)
- 性能等確認済表示(登録性能等確認機関が確認した交換用マフラーに行う表示)
- Eマーク(ECE規則適合品表示)
- eマーク(EU指令適合品表示)
製品情報にこのいずれかの表示があるかどうかが、車検対応の実質的な判断材料になる。 「車検対応」という言葉だけが書かれていて、何を根拠にそう言っているかが示されていない製品は、こちらから確かめる手がかりがない。
年式で分かれる騒音の基準
規制値は生産年月日の区分ごとに違う。マフラーメーカーのHKSの解説では、2010年(平成22年)3月31日までに生産された車両について、交換用マフラーの基準として近接排気騒音96dB以内が挙げられている。業界団体の自主基準では、これより厳しい95dB(A)以下が用いられている。
2010年(平成22年)4月1日以降に生産された車両では、近接排気騒音に加えて加速走行騒音の規制値が設定されており、加速騒音レベルが82dB(A)以下であること、あるいはECE規則またはEU指令に適合していることが求められる。ステップワゴンでいえば4代目の後期以降・5代目・6代目はこの区分に入る年式が中心になるので、製品側がどの規制に対応した品かを見ておきたい。
さらに柿本改の解説では、2016年(平成28年)10月1日以降、使用過程時において新車時の騒音から悪化しないことを確認する相対値規制が施行されたとされている。ただし性能等が確認されたマフラーに交換したものについては相対値規制は適用されず、当面は従来の絶対値規制が引き続き適用されるという扱いになっている。
車体の下に残る寸法
HKSの解説では、最低地上高について、接地部以外の部分は安全な走行を確保できるよう9cmを有しなければならないとされている。マフラーは車体の下を通る部品なので、交換後の取り回しやテールの位置がこの条件に関わってくる。テール外径の大きい製品を選ぶときほど、ここは見ておく価値がある。
自分の車がどの世代に属するかを確かめる
ホンダの公式発表をもとに整理すると、世代と発売時期は次のとおり。
| 世代 | 発売時期 | 型式 | パワートレイン |
|---|---|---|---|
| 4代目(RK系) | 2009年10月9日発表・発売(スパーダは同年10月23日) | RK1/RK2/RK5/RK6 | ― |
| 5代目 | 2015年4月24日 | RP3/RP5 | 直噴1.5L VTEC TURBO |
| 6代目 | 2022年5月27日 | RP6/RP7/RP8 | 1.5L直噴VTEC TURBO/2モーターハイブリッド「e:HEV」 |
5代目のグレード構成は、ステップワゴンがB/G/G・EX、ステップワゴン スパーダがSPADA/SPADA・Cool Spirit。6代目はSTEP WGN AIR、STEP WGN SPADA、STEP WGN SPADA PREMIUM LINEで、駆動方式はFFと4WDがあり、4WDはガソリンモデルのみの設定になる。ガソリンとハイブリッドで製品が分かれる以上、世代が合っているだけでは足りない。
選ぶときの5つの基準
車検対応の裏付けがあるか
最初に見るのはここ。 認証表示があるか、近接排気騒音や加速走行騒音の適合が明記されているか。ここが曖昧な製品は、価格が安くても候補から外していい。
適合が一致するか
車検証の型式欄と、製品の適合型式・対応年式・対応グレード・エンジン型式・駆動方式を一つずつ突き合わせる。ステップワゴンは世代ごとに設定が分かれるため、ここを外すと取り付けられない。
音の大きさを数値で比べられるか
近接騒音値を公表している製品同士なら、音量の目安を比較できる。同じ製品でもハイブリッドとガソリンターボで公表値が異なる場合があるので、自分のパワートレイン側の数値を見る。数値の記載がない製品は、そもそも音の大小を他と比べようがない。
後ろ姿の見え方
テールの本数と外径、素材がステンレスかチタンか、そしてカラーで印象が変わる。外径が大きいほど、本数が多いほど存在感は増すが、その分はみ出しや地上高の条件に近づく。
予算の切り分け
本体交換とカッターでは価格帯が大きく離れている。音を変えたいなら本体、後ろ姿だけならカッターという目的の切り分けが、結果的に予算の判断も兼ねる。
RP3/RP5のスパーダに付く本体マフラー
ロッソモデロの製品情報では、DUALIST GT-Fourの適合はハイブリッド側が型式6AA-RP5・ハイブリッド全車・エンジンLFA-H4で対応年式は平成29年9月〜、ガソリンターボ側が型式DBA-RP3および6BA-RP3・1.5ターボFF全車・エンジンL15Bで対応年式は平成27年4月〜とされている。RP3向けはスパーダ専用とされ、取り付けの際に左側アンダーカバーの取り外しが必要との記載がある。これは5代目スパーダ向けの製品で、6代目のRP6/RP7/RP8や4代目のRK系は適合外。
同じ製品情報によれば、仕様はテール外径Φ80のチタンテール4本出し、メインパイプの材質はステンレスSUS304。公表されている近接騒音値はハイブリッド(RP5)が86dB、ガソリンターボ(RP3)が80dB(約4,000回転時)。テールカラーはブルー、チタニウムシルバー、チタニウムブラックから選べる。製品情報にはJQR認証取得の記載がある。
ハイブリッドとガソリンターボで公表値に差があるのは、注文前に知っておきたいところだ。音の感じ方は環境によって変わるとしても、少なくとも数値の比較はできる。Amazonの実売価格は確認時点で142,560円。価格は変動する。
ロッソモデロ DUALIST GT-Four ステップワゴン スパーダ RP3/RP5用 チタンテール4本出しマフラー
RK系前期向けのマフラーカッター
販売ページの製品情報によると、このマフラーカッターはステップワゴンRK1/RK2/RK5/RK6系の平成21年10月〜平成24年4月に適用される製品で、63mm口径のテールに合わせたステンレス鋼製。二重管構造のテールに被せるタイプで、他世代のステップワゴンやテール径の異なる車両には適合しない。 音は変わらない部品なので、狙いはあくまで後ろ姿になる。
取り付けは被せて固定するだけだが、緩いと脱落するおそれがある。グーネットの解説では、ホースバンドや脱落防止の金具を使って固定することが挙げられている。走行中に外れれば後続車を巻き込みかねないので、ここは省略しないほうがいい。
サイズ選びにも制約がある。同じ解説では、フロアラインから10mm以上はみ出すと車検に通らなくなるが、10mmはみ出す場合でもマフラー先端に丸みがついていて2.5mm以上の曲率半径があれば問題ないとされている。大きいサイズを選ぶほど、この条件に触れる可能性が出てくる。Amazonの実売価格は確認時点で3,500円。
ステップワゴン RK1/RK2/RK5/RK6系用 マフラーカッター 63mm口径 ステンレス鋼製
交換にともなう手続き
国土交通省の自動車検査登録総合ポータルサイトによると、マフラーは国が定める指定部品のうち機能的部品に含まれる。機能的部品にはマフラーやタイヤなど、アクセサリー的部品にはルーフラックやナビゲーションシステムなどが含まれる。指定部品を溶接またはリベット以外の取り付け方法により装着した場合は、諸手続きが不要とされている。
ただし無条件ではない。同じポータルサイトでは、構造等変更検査を受けなければならないのは、車両の長さ、幅、高さ、乗車定員、最大積載量、車体の形状、原動機の型式、燃料の種類、用途などに変更を生ずるような改造をしたときとされている。寸法・重量の軽微な変更の許容範囲は、普通自動車で長さ±3cm・幅±2cm・高さ±4cm・車両重量±100kg、小型自動車および軽自動車で長さ±3cm・幅±2cm・高さ±4cm・車両重量±50kg。
購入前の確認は、次の順序で進める。
- 車検証の型式欄で自分の型式を確認する
- 製品の適合表と型式・年式・グレード・エンジン型式・駆動方式を突き合わせる
- 認証表示の有無を製品情報で確認する
- 取り付け方法が溶接やリベットによるものではないことを確認する
- 取り付け後、車体の寸法や重量の変化が軽微な範囲に収まっているかを確認する
よくある質問
マフラーを社外品に替えると車検に通らなくなりますか
社外品だから通らない、という決まりではない。認証表示があり、自分の車の年式に対応する騒音の基準を満たす製品であれば、交換用マフラーとして装着できる。ただし可否は取り付け方や検査時の測定結果にも左右されるため、製品を選んだ時点で結果が確定するわけではない。
マフラーカッターを付けると排気音は変わりますか
変わらない。グーネットの解説でも、見た目以外に排気音や音量への影響はないとされている。音が目的なら本体側を選ぶことになる。
マフラー交換に構造変更の手続きは必要ですか
溶接やリベット以外の方法で装着した場合は諸手続きが不要とされている。一方で、寸法や重量の変化が許容範囲を超える改造は別に扱われるので、交換すれば常に不要とは言い切れない。
別の型式向けのマフラーでも加工すれば付きますか
適合は型式ごとに設定されており、世代をまたぐ流用は確認できていない。この記事の本体マフラーは5代目スパーダ向け、マフラーカッターはRK系前期向けで、それぞれ範囲外の型式への装着は想定されていない。加工前提で買うのは勧められない。
選び方のまとめ
車検証で型式と初度登録年月を確認する。ここが出発点になる。次に製品の適合表と照らし合わせ、認証表示があるかを見る。この2つを通った製品だけが候補として残る。
そのうえで、音まで変えたいなら本体交換、後ろ姿だけならカッターという分岐になる。5代目スパーダなら本体側の選択肢があり、RK系前期ならカッターという選び方ができる。
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