季節の履き替えに合わせて自分でタイヤを外そうとして、荷室を探してもジャッキが見つからない。新型プレリュード(BF1)で最初につまずきやすいのがここだ。ホンダの取扱説明書では、BF1 にはジャッキが標準搭載されておらず、別売りの専用ジャッキを使うよう案内されている。ジャッキを用意できたら、交換するタイヤにもっとも近いジャッキポイントにかけて、取扱説明書の順に進めればよい。
ジャッキは専用品を用意し、交換するタイヤにいちばん近いジャッキポイントにかける
ホンダの取扱説明書は、ジャッキを「交換するタイヤにもっとも近いジャッキポイント」の下に置くよう書いており、その場所は図で示している。本文の字では、それ以上の位置の説明は無い。ジャッキポイントの正確な場所は、車載の取扱説明書の図で確かめてからかける。
作業の前にもう1つ頭に入れておきたいのが、取扱説明書の警告だ。ジャッキだけで車を支えている間は、車の下に入らない。車がジャッキから外れると、車の下にいる人が重大な傷害を負うおそれがある。
作業の前に押さえるタイヤとホイールの純正の仕様
新車カタログの掲載値では、プレリュードの型式は 6AA-BF1、発売は2025年9月、駆動方式はFF、車両重量は1460kg(ベースグレード)。ここでは、タイヤ回りで作業に関わる純正の値をまとめる。
タイヤサイズとリムサイズ
取扱説明書の仕様の表では、BF1 のタイヤサイズは 235/40R19 96W、リムサイズは 19×8 1/2J。新車カタログでも前後とも 235/40R19 と載っている。履き替え用のタイヤやホイールを用意するときは、この値と照らし合わせる。
ホンダの純正アクセサリーの案内では、プレリュード用の 19インチ アルミホイール MS-051 は「19×8 1/2J PCD120mm インセット60mm」と表記され、標準装備のアルミホイールを取り外して装着すると案内されている。この表記は MS-051 のもので、穴数・ハブ径・ナットの規格はこの案内には載っていない。純正アクセサリーのほかの品は
で扱っている。
指定空気圧は前輪と後輪で違う
取扱説明書の仕様の表では、BF1 の指定空気圧は前輪 240kPa(2.4kgf/cm2)、後輪 220kPa(2.2kgf/cm2)。前と後ろで値が違うので、交換したあとの空気圧合わせで取り違えないようにする。
ナットの規格と締め付けトルクの確かめ方
確かめた資料(取扱説明書の仕様の表・ジャッキのかけかたのページ、純正アクセサリーの案内)には、ホイールナットのねじの規格・座面の形・締め付けトルクの値が載っていなかった。締め付けトルクは車種ごとに違うので、車載の取扱説明書のタイヤに関するページか、Honda販売店で確かめてから締める。ほかの車や旧型プレリュードの値を当てはめないこと。
専用ジャッキとジャッキハンドルを用意する
取扱説明書が専用ジャッキを指定するのは、ほかのジャッキでは支えられる重さ(呼荷重)が足りなかったり、形が合わなかったりすることがあるからだ。詳しくは Honda販売店に相談するよう案内されている。手持ちのジャッキで間に合わせるより、販売店で BF1 用の専用ジャッキを相談して用意するのが確実だ。
取扱説明書の手順では、車体を上げるのにジャッキハンドルとジャッキハンドルバーを使い、どちらも別売りと書かれている。ジャッキだけを買ってハンドル類が無い、ということにならないよう一緒にそろえる。ジャッキハンドルバーは、ジャッキハンドルに奥まで差し込んで使う。
ジャッキの高さも見ておきたい。新車カタログの掲載値では、2026年8月からの「2027リミテッドエディション」の最低地上高は135mmで、ほかのグレードの値は確かめた資料に載っていなかった。床に置いて差し込むジャッキを使うときは、最も低くしたときの高さが車体の下に入るかを確かめる。
タイヤ交換に使う道具をそろえる
ホームセンターのコメリの解説では、タイヤ交換の道具として次のものが挙げられている。
- ジャッキとジャッキスタンド
- レンチ(クロスレンチ・トルクレンチ)
- 車止め(2個)
- 軍手や手袋
- クッションマット
- サビを落とす真ちゅうブラシ
- エアゲージやコンプレッサー
一般にはジャッキとしてパンタグラフジャッキやフロアジャッキが挙げられるが、BF1 では前の節のとおり、ジャッキは専用品を別に用意する。
ホイールロックナットを付けている車は、もう1つ用意が要る。ホンダの純正アクセサリーの案内では、プレリュード用のアルミホイール用ホイールロックナット(ブラック・キャップタイプ・4個セット・マックガード社製)があり、MS-051 または標準装備のアルミホイールに付けられる。このロックナットは Honda車専用のキーパターンで、専用工具を使わないと外せない。ロックナットを付けている車は、作業の前に専用工具が手元にあるかを確かめる。
作業前の準備: 停める場所と輪留め
ホンダの取扱説明書では、ジャッキをかける前に次の順で車を整える。
- 地面が固く、滑らず、水平な場所に車を停める
- シフトを P にする
- パーキングブレーキをかける
- パワーモードを OFF にする
- 交換するタイヤの対角線上にあるタイヤの前後に、石などで輪留めをする
停める場所は、砂利ではなくアスファルトやコンクリートなどの固い平らな所を選ぶ。輪留めには道具の節の車止め2個を使い、外すタイヤの対角線上にあるタイヤの前後に置く。右前を外すなら、左後ろのタイヤの前と後ろだ。
ジャッキポイントへのかけかたと持ち上げ方
持ち上げる前にナットを緩める
コメリの解説では、ナットはタイヤが地面に着いている状態でレンチを使い、手で回せる程度まで緩めておく。緩めるときも対角線の順に回し、一か所に力が集まらないようにする。ナットを緩めてから、タイヤが地面から浮くまで車体を上げる。
ジャッキポイントは取扱説明書の図で確かめる
ホンダの取扱説明書のジャッキのかけかたは次のとおり(番号は前の節の準備からの続き)。
- 交換するタイヤにもっとも近いジャッキポイントの下に、ジャッキ(別売り)を置く
- 取扱説明書の図で示された部分を矢印の方向に回し、ジャッキの上部をジャッキポイントに接するまで上げる。接したら、ジャッキの溝にジャッキポイントがはまっているかを確かめる
- ジャッキハンドルとジャッキハンドルバーを使い、タイヤが地面から離れるまで車体を上げる
手順 6 でジャッキを置く前に、図を開いて場所を確かめておく。
タイヤが浮いたら止める
コメリの解説では、車体はタイヤが地面から浮いたところで止めればよく、高く上げすぎる必要はない。ジャッキポイント以外で上げるとボディを曲げるおそれがある、とも書かれている。
タイヤの付け外しとナットの締め方
ナットを手で外して、タイヤを取り外す。コメリの解説では、ジャッキが外れたときに備えて、外したタイヤを車体の下(ジャッキの近く)に差し入れておく方法が紹介されている。ただし取扱説明書は、ジャッキそのものの上や下に物を入れないよう注意しているので、タイヤはジャッキに触れない位置に置く。ハブのボルトにサビがあれば、真ちゅうブラシで落としておく。
新しいタイヤは地面と垂直にしてナットの穴を合わせ、まず対角線の位置のナットを仮に締めて、タイヤが斜めになっていないかを確かめる。締めていく順は、ナットが5個以上なら星を描くような順、4個なら十字の対角線の順。穴数は確かめた純正アクセサリーの案内に載っていなかったので、自分の車のホイールで数えて順を決める。
タイヤメーカーのコンチネンタルの解説では、最後の締め付けにはトルクレンチを使い、車種ごとの規定トルクに合わせる。整備士は、まず規定トルクの半分の値で各ナットを締め、そのあとで規定値まで締め上げるという。ナットのねじ部やホイールとの間にゴミ・砂・サビがあると、トルクレンチの値が出ていても正しく締まっていない(偽のトルク)ことがあるので、締める前にねじ部をきれいにしておく。
レンチを足で踏んで締めると力がかかりすぎ、ボルトを壊すおそれがある。体重をかけて締めず、トルクレンチで規定トルクに合わせる。
交換したあとの空気圧と増し締め
タイヤを付け終えたら、空気圧を付けた位置の値に合わせる。BF1 は指定空気圧が前輪と後輪で違うので、前後の位置を入れ替えたときも、付けた位置の値に整える。
コンチネンタルの解説では、タイヤ交換後は 50〜100km ほど走ったところでナットを点検し、必要なら規定トルクで締め直す(増し締め)。締め付けが適切でなかったり走り始めの変化があったりすると、まれにナットが緩み、最悪の場合は走行中にホイールが外れるおそれがある。自分で点検しにくいときは、整備工場やタイヤ販売店の多くが増し締めの点検を行っている。
締めすぎも禁物だ。ネジ山がつぶれたりホイールのボルトが伸びたりするおそれがあり、ブレーキのローターやハブが歪むこともある。増し締めも力任せにせず、トルクレンチで規定トルクに合わせる。
ジャッキを使うときにしてはいけないこと
ホンダの取扱説明書がジャッキを使うときの注意として挙げていることを並べる。
- パワーシステムを起動したままにしない
- 固く平らな場所以外では使わない
- ジャッキポイント以外にはかけない
- 人や荷物を乗せたままにしない
- ジャッキを使っている間は車内に入らない
- ジャッキの上や下に物を入れない
これに加えて、最初の節の警告のとおり、ジャッキだけで支えている車の下には入らない。
よくある質問
プレリュード BF1 にジャッキは積まれている?
積まれていない。取扱説明書は、BF1 にはジャッキが標準搭載されていないので専用ジャッキ(別売り)を使うよう案内しており、詳しくは Honda販売店に相談するよう書いている。
ジャッキポイントはどこ?
取扱説明書は、交換するタイヤにもっとも近いジャッキポイントにかけるよう書き、場所を図で示している。本文の字では位置の説明が無いので、車載の取扱説明書の図で確かめてからかける。
ホイールナットの締め付けトルクは?
確かめた資料には値が載っていなかった。車載の取扱説明書のタイヤに関するページか、Honda販売店で確かめる。
交換後の増し締めは必要?
コンチネンタルの解説は、交換後 50〜100km ほど走ったところでナットを点検し、必要なら規定トルクで締め直すよう勧めている。自分でやりにくければ、整備工場やタイヤ販売店に点検を頼めばよい。
ロックナットを付けていると何が要る?
ホンダの純正アクセサリーのホイールロックナット(マックガード社製)は Honda車専用のキーパターンで、専用工具を使わないと外せない。作業の前に、その専用工具が手元にあるかを確かめる。
まとめ: 専用ジャッキ・図での位置確かめ・増し締めの3つ
作業を始める前に、まず車検証で型式と初度登録年月を確認し、手元の取扱説明書がこの BF1 のものかを確かめる。そのうえで押さえるのは次の3つだ。
- BF1 にはジャッキが標準で積まれていないので、別売りの専用ジャッキとジャッキハンドル類を用意する
- ジャッキポイントは交換するタイヤにもっとも近い所を、取扱説明書の図で確かめてからかける
- 空気圧は前後で違う指定値に合わせ、50〜100km ほど走ったらナットを点検する
同じ BF1 のほかの記事も、あわせて参考にしてほしい。

コメント