フリードのエアコンフィルターで取り違えが起きるのは、型式が GB で始まる世代が2つあるからだ。2008年からの先代が GB3・GB4、2016年9月からの2代目が GB5〜GB8 で、純正品番は別番号になっている。GB5〜GB8 なら純正品番は1つに決まり、グレードや駆動方式で分かれることもない。あとは車検証の型式と初度登録年月を突き合わせれば、社外品への読み替えまで一度に片づく。
GB5〜GB8の純正品番は80291-T5A-J01
デンソーが公開しているクリーンエアフィルターの適合品番検索では、フリード GB5・GB6(2016年9月〜2024年6月)とフリードハイブリッド GB7・GB8(2016年9月〜)の純正品番はいずれも 80291-T5A-J01。適合グレードは「全車」で、グレードや2WD/4WDによる品番差はない。
ホンダ公式の交換部品ページによると、この部品の正式な名前は「エアクリーンフィルター」。カーエアコンに装着されていて、車外から取り込んだ空気と車内を循環する空気に含まれる粉塵や花粉などを低減・除去し、吹き出し口からきれいな空気を室内へ送る。目詰まりすると機能が低下し、車内環境に影響するとされている。一般に言うエアコンフィルター、キャビンフィルターと同じ部品を指す。
社外品は各メーカーが自社の品番を1つ指定していて、そちらは世代をまたいで共通になっている。純正と社外で分かれ方が違うので、順に見ていく。
車検証で型式と初度登録年月を確かめる
車検証の「型式」欄は、排出ガス規制などの識別記号が頭に付いた形で書かれている。ボッシュ公式の車種別適合品サーチに載っている GB系の表記は、ガソリン車が DBA-GB5/5BA-GB5/6BA-GB5 と DBA-GB6/5BA-GB6/6BA-GB6、ハイブリッドが DAA-GB7/DAA-GB8、フリード+ハイブリッドではこれに 6AA-GB7/6AA-GB8 が加わる。先代は DBA-GB3/DBA-GB4 だ。読むのはハイフンより後ろの GB5〜GB8 の部分で、頭の記号が違っても指定される品番は変わらない。
手順は3つ。
- 車検証の「型式」欄で、ハイフンより後ろの英数字(GB5/GB6/GB7/GB8 など)を読む
- 同じ車検証の「初度登録年月」が2016年9月〜2024年6月に入るかを見る
- GB で始まっていても数字が3・4なら先代、GT で始まるなら現行型で、それぞれ別の品番になる
デンソーの適合品番検索には「※車両型式末尾のアルファベットは省略しております」という注記がある。手元の表記が適合表と一字一句そろっていなくても、末尾の記号の有無は読み替えてよい。型式を一度読めてしまえば、他の消耗品も同じ引き方でたどれる。
世代の境界で純正品番が3つに分かれる
同じ適合表から純正品番だけを並べると、世代の切り替わりで3段に割れる。
| 世代 | 型式 | 期間 | 純正品番 |
|---|---|---|---|
| 初代 | GB3・GB4 | 2008年5月〜2016年9月 | 80291-TF0-941 |
| 2代目 | GB5〜GB8 | 2016年9月〜2024年6月 | 80291-T5A-J01 |
| 現行 | GT1〜GT8 | 2024年6月〜 | 80292-TZA-J01 |
先代の GB3・GB4 も型式が GB で始まるため、数字と年式を見ないと取り違える。2024年6月以降の現行型(ガソリン車 GT1〜GT4、e:HEV GT5〜GT8)は品番の先頭が 80292- で、GB系用として売られている純正品番の部品は現行型には使えない。
フリード+・ハイブリッドも同じ純正品番
フリード+(GB5・GB6)とフリード+ハイブリッド(GB7・GB8)は、適合表では標準ボディと別車種として登録されているが、指定される純正品番は同じ 80291-T5A-J01。適合グレードもいずれも「全車」で、社外品の品番も標準ボディと変わらない。荷室形状の違いは関係しないと考えてよい。
「フリードハイブリッド GP3」は対象外
同じフリードハイブリッドでも、2011年10月〜2016年9月の GP3 という型式は適合表上べつの車両として扱われている。GB系ではないので、ここで挙げる品番をそのまま当てはめない。
社外品の適合品番は世代をまたいで共通
純正が3つに割れるのに対し、社外品はどのメーカーも1つの品番で通している。
- デンソー:クリーンエアフィルター DCC3008(適合品番 014535-2220)、クリーンエアフィルタープレミアム DCP3008(適合品番 014535-4040)。GB3・GB4 から GB5〜GB8、GT系まで同じ指定
- ボッシュ:品番 H09。GB3・GB4 から GB5〜GB8 まで同じ指定
ボッシュの適合表は「H09」とだけ書いてあるが、これは先頭の記号を省いた表記で、実際の製品は ACM-H09(除塵タイプ)、AFS-H09(抗菌・抗ウイルスタイプ)、AP-H09(抗ウイルス・アレル物質抑制タイプ)に分かれる。適合する車種は共通で、違うのは中身のグレードだけだ。社外品の品番が共通だからといって、純正品番まで世代共通というわけではない点だけ混ぜないでほしい。
純正は3タイプあり、交換の目安が違う
ホンダ公式の交換部品ページによると、純正のエアクリーンフィルターは3タイプあり、交換の目安もそろっていない。
| タイプ | 交換の目安 |
|---|---|
| PM2.5対応高集塵タイプ | 1年または15,000km |
| アレルフリー高脱臭タイプ | 1年または15,000km |
| ロングライフタイプ | 2年または24,000km |
PM2.5対応高集塵タイプは集塵に特化し、従来品では集塵しきれなかった超微粒子をホンダ独自の技術で約80%集塵する。アレルフリー高脱臭タイプは抗アレルゲン剤を染み込ませたもので、内気循環に設定した場合に室内のアレルゲンを約5分で半減、約15分でほぼ捕獲するとされる(ホンダ調べ)。ロングライフタイプは花粉を捕らえつつ寿命が長い。どのタイプが適用されるかは車種によって異なるため、販売店に確認するようホンダ公式が案内している。交換時期はタイプと使用環境で変わり、粉塵の多いエリアでは早める必要がある。
距離より先に出るサイン
ホンダ公式の取扱説明書(2023年モデル)は「通常1年または15,000kmごとに交換してください。粉じんなどの多い場所で使用される場合は、早めの交換をおすすめします」としている。そのうえで、エアコンの風量が著しく減った、ガラスが曇りやすくなった、という症状が出たら目詰まりを疑って交換するよう書かれている。ホンダ公式の交換部品ページも同じ2系統を挙げていて、「エアコンがきかない」「ガラスがすぐ曇る」はチリ・ホコリによる目づまり、「嫌な臭いがする」はフィルターが汚れているか装着されていない可能性、という切り分けになっている。
同じ取扱説明書には「芳香剤を使用すると脱臭効果が弱くなり、脱臭寿命が短くなることがあります」という注意もある。車内で芳香剤を常用しているなら、距離を走っていなくても臭いが先に戻ってくる。
交換は自分でもできる作業
位置と難易度
エアクリーンフィルターはグローブボックスの奥にある。デンソーの適合情報は「グローブボックス内に取り付けられています。簡単に交換できます。(一部車種では道具が必要となります)」と説明し、フリードは全世代で交換難易度を「A : 簡単(道具を使わないもの。道具を使うが簡単なもの)」に分類している。ボッシュの適合表でも GB3〜GB8 は3段階のうち最も軽い「☆ : 場合により工具必要」。同じ表の「新車装着」欄はすべて「標準装備」で、GB系は新車の時点でフィルターが入っている。
手順は4段階
- グローブボックスを開け、両側のストッパー(左右2箇所)を内側に押し込んで外し、下に倒す。ホンダは「グローブボックスの両側に付いているストッパーを内側に押し込み、下ろす」、デンソーは「グローブボックスの両側を押しながら手前に倒してください」と案内している
- フィルターカバーの左右のツメ(2箇所)を押しながら外し、カバーを手前に引き抜く
- 古いエアクリーンフィルターを引き出す
- 新しいフィルターを差し込み、カバーとグローブボックスを元に戻す
失敗しやすい3点
- 向き:取扱説明書は「『AIR FLOW』マークの矢印が、下向きになるように取り付けます」、デンソーの手順も「『AIR FLOW』マーク矢印が下方向を向くようにしてください」としている。逆向きでは本来の性能が出ない
- 傾き:デンソーは差し込んだあと「フィルターが前後左右に傾いていないことを確認してください」と注意している
- 力加減と電源:デンソーの手順にはカバーを外す工程の前に「グローブボックスのフックが破損するおそれがあるため、無理な力が加わらないように」との注意がある。固ければ力任せに引かない。あわせて「長時間のドア開閉等により、ランプ・オーディオ等の電源が入っている場合には、交換作業中のバッテリー上がりに注意」ともある
純正と社外のどちらを選ぶか
GB系は適合が1つに決まるので、残る選択軸は中身とコストだけになる。判断は次の順でつけたい。
- 主訴が臭いなら脱臭・活性炭系の層があるタイプ、花粉やハウスダストなら集塵・アレル物質系のタイプを選ぶ
- 交換の手間を減らしたいなら長寿命タイプ。交換サイクルが延びるぶん、1回あたりの出費は上がる
- 純正か社外かは性能の優劣ではなく、販売店で作業までまとめて頼むか、自分で買って交換するかで決める
デンソー公式の製品情報では、クリーンエアフィルター(DCC)は帯電不織布ろ材の2層構造でチリ・ホコリのほかスギやヒノキの花粉を捕集し、上位のクリーンエアフィルタープレミアム(DCP)はこれにビタミンC放出(約0.35ppm放出・静岡大学での試験)とスギ花粉 Cryj1 の減少度84%、ダニ Derf2 の減少度99%が加わるとしている。ただしメーカー自身が「空気中の有害物質の全てを除去出来るものではありません」「0.3μm 未満の微粒子物質については除去の確認が出来ていません」「抗ウイルス加工は、病気の治療や予防を目的とするものではありません」と但し書きを付けている。数字の条件はメーカーごとに違うので、社外品どうしを数字だけで並べて優劣は決められない。
価格については、デンソーが公開しているメーカー希望小売価格が DCC3008 で3,630円(税込)、DCP3008 で6,600円(税込)。これは希望小売価格であって販売店やネット通販の実売価格ではないので、比べるときは購入する時点の販売価格で見ること。
よくある質問
GB5とGB7で品番は違う?
同じだ。適合表では GB5・GB6(ガソリン車)と GB7・GB8(ハイブリッド)のどちらにも 80291-T5A-J01 が指定されていて、動力の違いで分かれない。
先代GB3・GB4用を買ってしまったらどうなる?
純正品番が 80291-TF0-941 で別番号なので、GB系用として使えるものではない。開封前なら販売店の返品条件を確認するのが早い。
新型フリード(GT系)にGB系用は使える?
使えない。社外品の適合品番が全世代で共通なので同じに見えるが、純正品番は GT系だけ 80292-TZA-J01 と別になっている。社外品が共通であることを根拠に、純正品番まで流用しないこと。
フィルターが入っていないことはある?
ありうる。ホンダ公式は臭いの原因として「装着されていない可能性」を挙げている。新車時は標準装備なので、無いとすれば前の交換で戻し忘れているか、外されたままかのどちらかだ。グローブボックスを倒せば入っているかどうかはすぐ分かる。
まとめ
購入前に確認するのは次の4つ。
- 車検証の型式欄で、ハイフンより後ろが GB5〜GB8 か
- 初度登録年月が2016年9月〜2024年6月に入るか
- 純正なら 80291-T5A-J01、社外品ならデンソー DCC3008/DCP3008、ボッシュ H09
- 前回の交換から1年または15,000kmを超えていないか(純正ロングライフタイプは2年または24,000km)
型式さえ読めれば迷う要素は残らない。あとは臭い重視か花粉重視かで中身を決めて、グローブボックスを倒すだけだ。

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