BMWX3 F25 タイヤ交換|ジャッキポイントは4か所の受け

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2代目 X3(F25)で夏タイヤと冬タイヤを自分で履き替えようとすると、国産車の感覚のままでは手が止まる所がいくつかある。ジャッキを当てるのはサイドシルの前と後ろに差し込まれた4か所の受けの部品で、リアのデフカバーや、xDrive の前のサブフレームには当てない。スペアタイヤと工具の有無も車ごとに確かめが要るので、作業の前日までに荷室を開けておきたい。

目次

F25 のジャッキポイントはサイドシル前後4か所の受け

F25 の整備書(英語版)では、ジャッキポイントはサイドシルの前と後ろの開口部に下から差し込む受けの部品として扱われている。ここからはこの受けの部品を「ジャッキパッド」と呼ぶ。自分で作業するなら、ジャッキを当てるのはこの4か所のジャッキパッドだけと覚えておけばよい。

位置は F25 の取扱説明書(英語版)でも図で示されていて、文では「図の位置にある」としか書かれていない。正確な場所は、手元の車の取扱説明書の図で確かめてほしい。

もう1つ国産車と違うのが、パンクへの備えだ。F25 の取扱説明書(英語版)は、ランフラットタイヤかパンク修理剤を使う車は空気が抜けてもすぐにタイヤを替える必要がなく、そのためスペアタイヤは用意されていない、と書いている。ホイールとタイヤの節でも、パンクのときのスペアタイヤは無いとしている。さらに同じ取扱説明書は、ホイール交換用の工具を販売店(サービスセンター)が用意するアクセサリーとして扱っている。ジャッキとホイールレンチが自分の車に載っているかは、作業の前に確かめる。確かめ方は後の「用意する物」の節で書く。

対象の F25 を見分ける

F25 は BMW X3 の2代目で、生産は2010年9月に始まり2017年8月に終わった(モデルイヤーは2011〜2017)。先代は E83(2003〜2010年の生産)、後継は G01(2017年6月に発表)だ。

ジャッキの当て方もボルトの扱いも、手元の資料が F25 用であることが前提になる。中古で買った車や生産の切り替わりの時期の車は、まず世代を確かめ、E83 や G01 の取扱説明書や整備の情報を F25 に当てはめない。

ジャッキポイントの場所と、当ててはいけない所

サイドシル前後の4か所のジャッキパッド

F25 の整備書(英語版)は、ジャッキパッドをサイドシルの前と後ろの開口部に下から差し込む部品として扱い、新車のときは装備品の袋から出して差し込む、としている。リフトで上げるときも4か所のジャッキポイントだけを使い、4つ全部がそろっていなければならず、ジャッキパッドが無いまま上げてはいけない、とも書いている。

BMW 部品の販売店の説明では、F25 X3(2011〜2017)が適合に入るジャッキパッド(品番 51717189259)はサイドシルの下側に付くゴムのブロックで、フロアジャッキやリフトのアームを当てるのに最もよい場所だという。車には出荷時から4個付いているが、外れたり傷んだりする、とある。ただし同じ説明は、F25 でこの品番を使うのは左後ろの位置だけ、としている。ほかの位置のジャッキパッドを買い足すときは、位置ごとの品番を販売店で確かめる。

作業の前に車の下を見て、4か所のジャッキパッドがそろっているかを見ておく。欠けていたり無くなっていたりする所では上げない。ジャッキの受け皿はジャッキパッドに真っすぐ合わせ、金属の受け皿を車体やサイドシルのカバーに直接当てない。

フロアジャッキで上げるとき

F25 の整備書(英語版)は、ガレージジャッキ(フロアジャッキ)で上げてよい所を、車体のジャッキポイント・側面のジャッキポイント・リアアクスルのファイナルドライブの3つに限り、リアのデフカバーで上げるのは禁止(壊れるおそれ)としている。ただ、上げてよい所は図で示されていて、文からは番号と場所の対応が読めない。ファイナルドライブとデフカバーの違いも文では分からないので、自分で作業するならリアのデフ周りには当てず、サイドシルのジャッキパッドを使う。

同じ整備書は、フロアジャッキは BMW が販売・承認した、受け面にゴムの板が付いた物を使い、使う前に毎回ゴムの板を確かめて要れば替え、ゴムの板をジャッキポイントに合わせて周りの部品に触れないようにする、と書いている。リフトで上げるときもゴムのブロック(または硬い発泡材のブロック)をジャッキポイントに合わせ、ブロック無しで上げてはいけない、床下を傷めるおそれが大きい、としている。手持ちのフロアジャッキの受け皿が金属のままなら、ゴムの当て物を用意してから使う。

xDrive の前側で気をつけること

F25 の整備書(英語版)は、四輪駆動(xDrive)の車は前軸に補強プレートが付いた状態でだけ上げてよく、補強プレートの無いまま前軸のサポート(前のサブフレーム)に直接ジャッキを当てて上げてはいけない、と書いている。xDrive で前輪を外すときも、前のサブフレームではなくサイドシルの前側のジャッキパッドを使う。

作業の前に用意する物と確かめる物

F25 の取扱説明書(英語版)は、車載工具キットは荷室の左側の折りたたみカバーの奥、救急セットの下にある、と書いている。ホイール交換用の工具がアクセサリー扱いである以上、手元の車にジャッキやホイールレンチが載っているとは限らない。作業の日より前に荷室の左側のカバーの奥を開けて、ジャッキ・レンチの有無を確かめ、無ければ先に用意する。

そろえておく物は次のとおり。

  • ジャッキ(車載の物が無ければ、受け面にゴムの当て物があるフロアジャッキ)
  • ホイールボルトの頭に合うソケットとレンチ(頭の大きさは次の節)
  • トルクレンチ
  • 輪止め
  • リジッドラック(ジャッキスタンド)

リジッドラックとトルクレンチは「あれば便利」ではなく、手順の中で必ず使う道具として数えておく。

ホイールボルトの規格と締め付けトルクの目安

F25 のホイールはナットではなくボルトで止める。タイヤ・ホイール販売店の車種別データでは、F25(2010〜2014年型と、2014〜2017年型の改良型)の値は次のとおりだ。

項目 販売店のデータの値
締め付けトルク 140Nm
ホイールボルトのねじ M14×1.25
PCD 5×120
ハブ径 72.6mm

ボルトの頭については、BMW 部品の販売店の説明で、F25 X3(2011〜2017)が適合に入る M14×1.25 のスペーサー用の延長ボルトが、六角の頭が 17mm・座面が 60 度のテーパーとされている。これは延長ボルトの説明で、純正のボルトの頭の大きさとして確かめた値ではない。

締め付けトルクは車種ごとに違う。140Nm は販売店のデータの値なので目安にとどめ、作業の前に手元の車の取扱説明書か販売店で確かめてから、トルクレンチで締める。ソケットも、手元のボルトの頭に合う大きさを確かめてから用意する。

F25 のタイヤ交換の手順

止める場所と上げる前の準備

  1. 地面がなるべく水平で固い舗装の場所を選ぶ。砂利や土の上は避ける。
  2. AT は P に入れてパーキングブレーキをかけ、外すタイヤと対角線の位置のタイヤに輪止めをかける。
  3. 車を上げる前に、ホイールボルトを反時計回りに少しだけ緩めておく。緩める量はわずかでよい。

ジャッキで上げてリジッドラックで支える

  1. ジャッキをジャッキパッドに正しく合わせてかけ、タイヤが路面から少し浮く程度まで上げる。上げすぎると車体が不安定になって危ない。取扱説明書に載る場所以外にかけると車体を傷めるおそれがある。
  2. ジャッキだけで車を支えない。外れて車が落ちると挟まれる。上げたらリジッドラックで支え、外したタイヤ・ホイールは車体の下に入れておく。ジャッキで上げた車の下には体を入れない。周りの車が当たって倒れることもあるので、作業の場所はよく考える。

ホイールを外して付け直す

  1. ボルトを外すときは、いちばん上の1本を最後に外す。外す途中でタイヤが手前に倒れてくるのを防げる。
  2. 付けるホイールの内側や当たり面にゴミが無いかを確かめて除き、ボルトはいちばん上から手で入れて仮止めする。
  3. 仮止めの後は2〜3回に分けて均等に、隣へ順に回すのではなく対角線の順に、ガタが無くなるまで締める。ボルトが5本以上のホイールは星を描く順になる。

下ろしてから本締め

  1. タイヤを地面に下ろしてジャッキを外してから本締めをする。まず規定トルクの半分ほどで全部を締め、その後で規定トルクで締め上げる。
  2. 本締めは必ずトルクレンチで、メーカーが定める規定のトルクで締める。手の感覚だけで締めると、締め付けの不足や締めすぎで脱輪やボルトの破損につながるおそれがある。

交換した後に確かめること

まず空気圧を見る。しまっておいたタイヤは空気が抜けていることがあるので、車の指定の値かを確かめ、足りなければ入れる。F25 の取扱説明書(英語版)は、空気圧はタイヤが冷えているとき(走って 2km 以内か、2時間以上止めた後)に測り、少なくとも月2回と長い旅の前に確かめる、と書いている。空気圧を直した後は、空気圧の監視の仕組み(Tire Pressure Monitor)ならリセット、パンクの警告の仕組み(Flat Tire Monitor)なら初期化する、ともしている。手元の車がどちらの仕組みかは取扱説明書で確かめる。

試運転では急な加速や急なコーナリングを避け、振動や異音が無いかを確かめる。

最後が増し締めだ。50〜100km ほど走った後に、ボルトの緩みをトルクレンチで確かめ、要れば締め直す。緩むと最悪の場合は走行中にホイールが外れる。

ランフラットタイヤと履き替えの注意

ランフラットかどうかの見分け方

F25 の取扱説明書(英語版)は、ランフラットタイヤは側面に RSC の文字を丸で囲んだ印がある、と書き、すでにランフラットを使っている車は安全のため同じ種類に替えるよう書いている。冬タイヤを選ぶ前に、今のタイヤの側面の印を見ておく。

組み替えとバランス取りは整備工場で

同じ取扱説明書は、タイヤのホイールへの組み付けとバランス取りは整備工場(サービスセンター)だけで行うよう書き、走りを保つため同じメーカーの同じ溝の形のタイヤをそろえる、としている。自分でできるのは、ホイールごと付け替える作業までだ。

ローテーションとタイヤチェーン

F25 の取扱説明書(英語版)は、減り方をそろえるために前後でタイヤを入れ替えてよく、入れ替えた後は空気圧を確かめる、と書いている。ただし前と後ろでタイヤやホイールの大きさが違う車では、入れ替えてはいけない。

タイヤチェーンについては、後輪に2本1組で、205/65R17・225/60R17・245/50R18・245/45R19 のタイヤにだけ付け、245/55R17 には付けない(車を傷めるおそれ)、チェーンを付けたら 50km/h を超えない、としている。

サイズの見当として、タイヤ・ホイール販売店の車種別データでの F25 の前軸の純正の例を挙げておく。手元の車のサイズは、タイヤの側面か車の表示で確かめる。

グレード 前軸の純正の例
sDrive18d・sDrive20i・xDrive20d・xDrive20i 225/60R17(7.5J×17 ET32)
xDrive28i・xDrive30d・xDrive35d・xDrive35i 245/50R18(8J×18 ET43)

外したタイヤのしまい方

F25 の取扱説明書(英語版)は、外したホイールとタイヤは涼しく乾いた、光の当たりにくい所にしまい、油・グリス・燃料に触れさせないよう書いている。

よくある質問

F25 にスペアタイヤは積まれている?

F25 の取扱説明書(英語版)は、ランフラットタイヤかパンク修理剤を使う車ではスペアタイヤが用意されていない、と書いている。ジャッキやレンチの有無とあわせて、手元の車の荷室で確かめておく。

リアのデフにジャッキを当てて上げてよい?

当てない。F25 の整備書(英語版)はリアのデフカバーで上げるのを禁止している。上げてよい所の区別は文だけでは付かないので、自分でやるならサイドシルのジャッキパッドを使う。

ホイールボルトの締め付けトルクは?

タイヤ・ホイール販売店の車種別データでは、F25(2010〜2014年型と、2014〜2017年型の改良型)は 140Nm。取扱説明書や整備書の値として確かめたものではないので、手元の取扱説明書か販売店で確かめてから締める。

増し締めはいつする?

交換してから 50〜100km ほど走った後に、トルクレンチで緩みを確かめる。

自分でやるか、店に任せるか?

年に2回ほどの履き替えなら、ディーラーや整備工場・カー用品店に任せたほうが費用の面でも安全の面でもよい、という見方がある。ジャッキやジャッキパッドに不安があるとき、トルクレンチやリジッドラックが無いときは、迷わず店に任せる。

まとめ:作業の前に確かめる6つのこと

  • 荷室の左側のカバーの奥に、ジャッキとホイールレンチがあるか
  • サイドシル前後の4か所のジャッキパッドがそろい、欠けていないか
  • ジャッキを当てる所をジャッキパッドだけに決め、リアのデフカバーや xDrive の前のサブフレームを避ける段取りか
  • 車を支えるリジッドラックを用意したか
  • 締め付けトルクを手元の取扱説明書か販売店で確かめ、トルクレンチを用意したか
  • 走った後の増し締めの日を決めたか

F25 のほかの装備や手入れは、次の記事にまとめている。

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この記事を書いた人

車種別パーツ適合情報サイト「パーツ選び.com」の編集部。タイヤサイズ・エンジンオイル量・ワイパー適合・フィルター型番など、車種ごとの記事と、車種を横断した早見表を公開中。適合値はメーカー公式の諸元・取扱説明書や部品メーカーの公式適合表で確認したものを優先し、確認できない数値は載せない方針で運営しています。

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