パッソ KGC30 車中泊マットの選び方と実測3か所

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同じ2代目パッソでも、後席の倒れ方は1種類ではない。背もたれが左右に分かれて片側だけ倒せる車と、一体でまとめて倒れる車があり、どちらかで敷けるマットの幅もレイアウトも変わる。しかも後席を倒した面が平らになるとは、トヨタの資料のどこにも書かれていない。まず自分の車がどちらかを確かめ、段差が残る前提で寸法を測るところから始めたい。

目次

平らにはならない前提で選ぶ

トヨタ自動車が公開している車両詳細情報によれば、2代目パッソは全長3,640mm・全幅1,665mm・全高1,535mm、ホイールベースは2,440mmの5ドア5人乗りで、駆動方式は2WD(FF)と4WDがある。全長3.6m台の車体でも寝床を作ること自体は無理ではない。ただし後席を倒した面が水平な就寝面になるという記載は、メーカー資料のどこにもない。トヨタの取扱説明書(2010年2月版・2014年4月版)を全ページ検索しても「フルフラット」「フラット」「車中泊」「就寝」はいずれも出てこないし、車両詳細情報にもシートアレンジの記述はない。

だから買い方はひとつに決まる。段差と傾斜が残る前提で、自分の車で測った数値に合うマットを選ぶ。カタログの数字でも、他人の車の写真でもない。もうひとつ、販売ページの型式表記に自分の型式が入っているかも必ず見る。KGC30・KGC35・NGC30は2010年2月から2016年4月までの2代目の型式で、2016年4月以降のM700A・M710Aは別世代だ。

KGC30の寸法と、そこから読めること

型式は駆動方式と排気量で分かれる。2WDの1.0LがKGC30、4WDの1.0LがKGC35、2WDの1.3LがNGC30。エンジンは1.0Lが直列3気筒DOHCの996cm3、1.3Lが直列4気筒DOHCの1,329cm3で、車両重量は発売時のグレードで940kg〜970kg。車中泊マットの適合表記では、この3型式がまとめて併記されることが多い。

室内寸法は自動車諸元データベースの掲載値で、室内長1,830mm・室内幅1,420mm・室内高1,280mm。ただしこれはメーカーの計測基準による代表値であって、寝られる長さや幅ではない。室内長は前席まわりを含んだ値だし、室内幅は室内でもっとも広いところの数字だ。後席を倒した面で実際に使える幅は、これより小さくなる。カタログ値でマットのサイズを決めると寸法が合わない。

後席は一体可倒と分割可倒の2種類ある

トヨタの取扱説明書は、この車のリヤシートとして「一体可倒シート」と「分割可倒シート」の両方を並べて説明している。前期の2010年2月版でも後期の2014年4月版でも扱いは同じで、装備差のある項目には「車両型式などで異なる装備やオプション装備」という注記が付く。全車が分割可倒だという記載はない。自分の車がどちらかは、背もたれの中央に分割の切れ目があるかどうかで見分けられる

違いは寝床の作り方に直結する。分割可倒なら片側だけ倒して、寝床を片側に寄せ、反対側に荷物を置ける。一体可倒は全部倒すか全部起こすかの二択だから、荷物の置き場は足元側か車内の別の場所に確保することになる。必要なマットの幅も、この時点で変わる。

取扱説明書どおりに倒す

順序を飛ばすとシートや内装を傷める。トヨタの取扱説明書が示す手順はこうだ。

  1. シートクッションが当たらないよう、前席の前後位置とリクライニング位置を先に調整する
  2. 後席のシートベルトをベルトハンガーに挟む(2014年4月版では、リヤ中央席のシートベルトを格納することも指示している)
  3. 解除バンドを引いて、シートクッションを前に引き出す
  4. シートバックフックを引いたまま、背もたれを前方に倒す

一体可倒シートは車両後側から両手で同時に操作する。シートバックフックの前側に指をかけて上へ引き、親指で背もたれを前へ押す。この順序は前期・後期で変わらない。

倒す前の条件も説明書が指定している。平坦な場所に停め、パーキングブレーキを確実にかけ、シフトレバーをPにする。走行中には操作しない。倒した後席やラゲージルームに人を乗せて走ってはいけない。守らなければ重大な傷害におよぶか、最悪の場合は死亡につながるおそれがある、と記されている。

戻すときは背もたれを起こして固定し、シートクッション後部を下から潜り込ませるように戻してから、シートベルトをベルトハンガーからはずす。最後にシートを前後に軽くゆさぶって固定を確かめ、シートベルトがシート下に挟まっていないかを見る。

買う前に測る3か所

寝られる最大長

荷室の後端、つまりバックドアの内張りから、倒した背もたれの先端を越えて前席の背面までを、床に沿わせて測る。前席をどこまで前に出すかで数字が動くので、実際に寝るときの位置に決めてから測る。

段差の高さ

荷室の床面から、倒した背もたれの上面までの高さ。ここが埋めるべき段差になる。マットの厚みも補助クッションの要否も、この数字で決まる。

有効幅

左右の内張りの間で、いちばん狭いところ。タイヤハウスの張り出し位置で測る。

測る条件はそろえる。ドアとバックドアは閉めた状態で測り(開けたままだと内張りの位置が変わる)、前席の角度も決めてから始める。巻尺は床の凹凸に沿わせず、まっすぐ渡して測る。マットは床の起伏に沿って曲がってはくれない。3つの数値はメモに残し、商品ページのサイズ表記と突き合わせてから買う。

測った数値をマット選びの基準に変える

サイズは実測値より小さく

長さも幅も、測った数値より小さいものを選ぶ。ぴったりか少し大きめが良さそうに思えるが、はみ出した分が内張りに当たってマットが浮き上がり、丸まって寝心地が落ちる。幅はタイヤハウスでいちばん狭くなるところに合わせる。長さの不足は、頭側か足側にクッションを足して補うほうが扱いやすい。

厚みは段差が消える最小限

段差が大きいほど厚みが要る。ただし厚くするほど室内高を食う。この車は全高1,535mmで、寝たときの天井までの余裕はミニバンほどない。厚くしすぎると、車内で身体を起こしたり着替えたりしにくくなる。段差そのものを別の補助クッションで埋めて、マット本体は薄めにするという分担も選べる。

折り目の位置と空気の要否

折りたたみ式は、折り目が段差の真上に来ると山や谷ができて、身体の下に空洞ができる。1枚あたりの長さが商品ページに書かれていれば、実測した段差の位置と照らす。方式も分かれる。空気を入れないタイプは広げるだけで使えて空気漏れの心配がなく、そのぶんたたんでも体積が残る。エアー式は収納が小さく厚みを稼げるが、ポンプが要り、空気圧の調整で寝心地が変わり、穴があくと使えない。

収納したときの大きさ

この車では特に効く。後席を起こして普段使いするとき、荷室に置きっぱなしにできる大きさかどうかで、持ち出す回数が変わる。毎回自宅から積む前提なら、玄関やクローゼットに収まるかも見ておく。

型式表記がKGC30系と一致するマット

販売ページの適合表記は、販売者による記載であってメーカーの適合保証ではない。それでも、型式と年式レンジの両方が明記されている製品は、確からしさを測る手掛かりになる。

1点目は、販売ページに「パッソ KGC30 KGC35 NGC30 型 2010 年 2 月 – 2016 年 4 月 シリーズ対応」と書かれた車中泊マット。空気を入れない折りたたみ式で、生地は綿麻。年式レンジが2代目の設定期間と一致している点は見やすい手掛かりだ。Amazonでの確認時点の価格は10,088円だった。

パッソ KGC30/KGC35/NGC30 対応 車中泊マット 折りたたみ式・空気入れ不要(ブラック)

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2点目は「トヨタ パッソ KGC30 KGC35」と明記された折りたたみ式で、滑り止め付き。車内に限らず自宅でも使える多用途をうたっている。今回確認した型式一致の製品では低い価格帯にあたり、確認時点で3,799円。まず一度試してみたい場合の選択肢になる。

トヨタ パッソ KGC30/KGC35 対応 車中泊マット 折りたたみ式・滑り止め付き(ブラック)

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どちらも展開サイズは販売ページで確かめてほしい。価格も在庫も変わる。そして「パッソ M700A M710A」「パッソ モーダ M700 M710」と書かれた製品は3代目向けなので、KGC30の車内に合う保証はない。同じブランドが同一価格で世代別に併売している例もある。車名だけの製品や、車種名を大量に並べただけの製品も、どの世代向けか判別できない。

残った段差をどう埋めるか

マット1枚で段差が消えないときは、後部座席用の段差解消クッションを足す手がある。「トヨタ パッソ KGC30 KGC35」の表記と「前低後高設計」の記載がある3個セットの製品で、確認時点の価格は4,698円。マット本体ではなく、床と背もたれ上面の高さの差を埋める補助品という位置づけになる。

パッソ KGC30/KGC35 対応 後部座席用 段差解消クッション 3個セット(前低後高設計)

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頭側と足側のどちらを高くするかは、実際に寝てみて決める。数字の上で埋まっていても、わずかな傾斜の向きで眠れるかどうかが変わる。マット本体を厚くして解決するか、薄いマットと補助クッションで分担するかも、ここで決まる。

換気と虫対策はマットとセットで考える

エンジンを切って眠る以上、車内の空気を入れ替える手段は窓を開けることしかない。ところが窓を開ければ虫が入る。窓を覆う車用の網戸を用意しておくと、開けたまま夜を越しやすい。「トヨタ パッソ KGC30 KGC35」と明記された4枚セットの製品があり、確認時点で1,999円。目隠しを兼ねる製品もある。

トヨタ パッソ KGC30/KGC35 用 車用網戸 4枚セット(窓を開けたまま虫よけ・日よけ)

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なお、この製品の販売ページの年式表記は、メーカー資料上の設定期間と1か月ずれている。年式の数字そのものを適合の判断材料にせず、型式表記のほうを見る

エンジンは切って眠る

トヨタの取扱説明書は「仮眠するときは」という項目を立て、必ずエンジンを停止するよう明記している。この記述は2010年2月版と2014年4月版で完全に同一だ。理由は2つ挙がっている。無意識にシフトレバーを動かしたりアクセルペダルを踏み込んだりして事故やエンジンの異常過熱による火災が起きるおそれ、そして風通しの悪い場所では排気ガスが車内に侵入し、重大な健康障害や死亡に至るおそれだ。暖房のためにかけたまま眠るという選択は、この車のメーカー自身が禁じている。

排気ガスと一酸化炭素

排気ガスには無色無臭の一酸化炭素が含まれる。説明書は、換気の悪い場所ではエンジンを停止すること、降雪時や雪が積もった場所ではエンジンをかけたままにしないこと(まわりに積もった雪で排気ガスが滞留して車内に入るため)、どうしても必要なら開かれた場所に停めて排気ガスが入ってこないことを確認すること、排気管に腐食による穴や亀裂がないか点検することを求めている。

JAFのユーザーテストでは、雪に埋まった車でマフラー周辺を除雪しなかった場合、16分後に車内の一酸化炭素濃度が400ppmまで上がり、その後6分で1,000ppmに達した。運転席の窓を5cm開けた場合も、はじめはあまり上がらないものの、風が止むと危険な濃度まで上昇している。一方、ボンネットの上まで雪に埋まった状態でも、マフラー周辺を除雪しておけば濃度はほとんど上がらなかった。窓を細く開けるだけでは足りず、排気口まわりの除雪が要点になる

同じ姿勢のまま夜を越さない

厚生労働省は、食事や水分を十分に取らない状態で車などの狭い座席に長時間座り、足を動かさずにいると、血行不良が起きて血液が固まりやすくなると説明している。できた血栓が血管を流れて肺に詰まり、肺塞栓などを誘発するおそれがあるという。挙げられている予防法は、軽い体操やストレッチ、こまめな水分補給、アルコールを控えてできれば禁煙、ゆったりした服装でベルトを締めすぎない、かかとの上げ下ろしやふくらはぎをもむこと、眠るときに足を上げること。トイレが近くなるのを嫌って水分を控えるのは逆効果になる。身体を伸ばして寝られる面を作ること自体が、この対策の一部だ。

荷物の積み方

説明書は、シートの背もたれより高いものをラゲージルームに積まないこと、後席を倒して長い荷物を積むときはできるだけ前席背もたれの真うしろを避けること、室内に積んだ荷物はすべて安定させること(急ブレーキや事故の際に投げ出されて乗員を傷つけるおそれがある)を求めている。走行前にバックドアが閉まっていることの確認も、排気ガスの侵入を防ぐ理由から求められている。寝具や道具を積んだまま走る場面があるので、走り出す前に積み直す前提で考えておく。

泊まる場所のルールは現地で確かめる

国土交通省の道の相談室によれば、道の駅は道路利用者への安全で心地よい道路交通環境の提供と、地域の振興や安全の確保を目的とした施設で、24時間無料で使える駐車場とトイレを備えている。

ただし、この説明に「宿泊」「車中泊」という語は出てこない。休憩以外の目的で駐車場をどこまで利用してよいかは施設ごとに異なり、各自治体が利用ルールを定めている場合がある。休憩目的の道路利用者の利用が妨げられないことが必要で、長時間の利用を遠慮するよう求められる場合もある、とも記されている。国が一律に認めているとも、禁じているとも読めない

だから、まとめ記事の可否リストを頼りに出かけない。行く前に施設の案内で確認し、現地では掲示や看板に従う。長い滞在を予定しているなら、宿泊を前提に運営されているキャンプ場や車中泊向けの有料駐車場を選ぶほうが確実で、周囲との摩擦も避けられる。

よくある質問

後席を倒せばフルフラットになりますか

メーカー資料にその記載はない。取扱説明書にも車両詳細情報にも、就寝面が平らになるという説明も寸法もない。段差と傾斜が残る前提で、自分の車で3か所を測ってからマットを選ぶ。

M700A用と書かれた車中泊マットは使えますか

M700A・M710Aは2016年4月以降の3代目の型式で、KGC30系とは世代が違う。車内寸法に合う保証はないので選ばない。販売ページの型式表記に自分の型式が入っているかで判断する。

大人2人で寝られますか

実測しないと判断できない。室内幅の公表値は室内でもっとも広いところの数字で、後席を倒した面で使える幅とは別物だ。タイヤハウスの張り出しでいちばん狭くなるところを測り、そこに2人分が収まるかで考える。

エアー式と空気を入れないタイプはどちらがよいですか

設営の速さ、収納の大きさ、管理の手間で選ぶ。夜遅く着いてすぐ横になりたいなら空気を入れないタイプ、日中は荷室を広く使いたいならエアー式。ポンプの持ち運びと空気漏れの管理を負担に感じるかどうかが分かれ目になる。

まとめ

買う前に確認することを並べておく。

  • 後席が一体可倒か分割可倒か(背もたれ中央の切れ目で見分ける)
  • 取扱説明書の順序で倒せているか(前席の位置調整 → ベルトをハンガーへ → 解除バンド → シートバックフック)
  • 寝られる最大長・段差の高さ・有効幅の3か所を測ったか
  • 実測値より小さいサイズを選び、厚みは段差が消える最小限にしたか
  • 販売ページの型式表記にKGC30・KGC35・NGC30が入っているか
  • 眠るときにエンジンを切る前提で、換気の手段を用意したか

最後の1つだけは選択肢ではない。取扱説明書が仮眠時のエンジン停止を明記している以上、そこは動かせない。

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この記事を書いた人

車種別パーツ適合情報サイト「パーツ選び.com」の編集部。タイヤサイズ・エンジンオイル量・ワイパー適合・フィルター型番など、2,400本以上の記事と全80車種対応の早見表を公開中。適合値はメーカー公式の諸元・取扱説明書や部品メーカーの公式適合表で確認したものを優先し、確認できない数値は載せない方針で運営しています。

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