イスト NCP110 のジャッキをかける位置は、自分の車の生産年月に合う取扱説明書の図で確かめるのがいちばん確かだ。目印は一般にボディの縁にある印と切り欠きで、ジャッキの先端の溝をそこに合わせてかける。純正タイヤは 195/60R16 で、ナットは車体を下ろしてからトルクレンチで本締めし、走り出してしばらくしたら増し締めまで済ませる。
イスト NCP110 のジャッキポイントとタイヤ交換の要点
先に要点をまとめておく。
- ジャッキポイントの位置は、自分の車の生産年月に合う取扱説明書の図で確かめる。 トヨタの取扱説明書のサイトで見られるのは、生産年月 2010年8月〜2016年4月の分だ(それより前の生産の車の扱いは下の「ジャッキポイントの探し方」)。
- 探すときの目印は、ブリヂストンの解説では、ボディの縁(フチ)にある凹みや三角の印。
- 純正タイヤは 195/60R16。
- 締め付けトルクは、タイヤ・ホイールのマッチングデータ(MYGラボ)では、イスト P110系(NCP110 を含む)で 103N·m。作業の前に取扱説明書の値で確かめる。
イスト NCP110 は、2代目イスト(販売期間 2007年7月〜2016年5月)の 1.5L・FF の型式(DBA-NCP110)だ。同じ2代目には 4WD の NCP115 と、2007年7月発売のモデルだけの 1.8L・FF の ZSP110(180G)がある。型式が違うと前提が変わるので、車検証で NCP110 かどうかを見てから読み進めてほしい。
交換の前に知っておくタイヤとホイールの値
純正タイヤサイズ
イスト NCP110 の純正(標準装着)タイヤは 195/60R16 だ。トヨタの中古車の車種カタログの説明文も、2007年7月〜2012年6月発売のモデルを「16インチ大径タイヤ」を組み合わせたシルエットとしている。グレードごとの出典の記載は次のとおり。
| グレード | 純正タイヤ | 出典と対象 |
|---|---|---|
| 150G | 195/60R16 89H | ブリヂストンの車種別のタイヤ検索(イスト・2011〜2016・NCP110・150G) |
| 150X | 前後とも 195/60R16 | 中古車の車種カタログ(ガリバー)の 150X(DBA-NCP110・FF、2011年8月〜2012年6月のモデル) |
ホイールの穴数と締め付けトルク
| 項目 | 値 | 出典と対象 |
|---|---|---|
| 穴数・PCD・ハブ径 | 5穴・100mm・54mm | MYGラボのイスト P110系(NCP110 を含む)の共通の記載 |
| ホイールナットの締付トルク | 103N·m | MYGラボのイスト P110系(NCP110 を含む) |
| 150G の純正ホイール | 16×6.0J インセット39 | MYGラボ(ブリヂストンの車種別のタイヤ検索〈2011〜2016〉ではリム幅 6.0J) |
| 150X の純正ホイール | 種類・寸法は確かめられていない | トヨタの中古車の車種カタログ(2012年6月発売のモデル)とガリバー(2011年8月〜2012年6月のモデル)では、アルミホイールが「オプション設定有」 |
| ナットのネジ径・ピッチ・二面幅 | 確かめていない | マッチングデータにも記載が無い |
穴数・PCD・ハブ径と締付トルクは、タイヤ・ホイールのマッチングデータ(MYGラボ)の値で、トヨタの資料では確かめていない。150X に乗っているなら、ホイールの種類と寸法は自分の車のホイールで確かめる。 レンチやナットを用意するときも、今付いているナットで規格を確かめてから選ぶ。
ジャッキポイントの探し方
取扱説明書で確かめる
トヨタの取扱説明書のサイトには、イストの取扱説明書(ガソリン車)が 4 冊載っている。区分は生産年月だけで、型式の記載は無い。
- 生産年月 2014年9月〜2016年4月
- 生産年月 2012年6月〜2014年8月
- 生産年月 2011年8月〜2012年5月
- 生産年月 2010年8月〜2011年7月
2007年7月〜2010年7月に生産された車の分は、この一覧に無い。 手元に取扱説明書が無く、一覧にも無い生産年月の車なら、販売店に確かめる。
参照した出典(トヨタの中古車の車種カタログ・取扱説明書の一覧・タイヤの車種別検索)には、イスト NCP110 の前側・後ろ側それぞれのジャッキポイントの位置の記載が無く、取扱説明書の本文も確かめていない。位置は自分の車の図で見てから作業に入る。
マークと切り欠きの見つけ方
ブリヂストンの解説では、ジャッキポイント(ジャッキアップポイント)はボディの縁の部分にあり、凹みや三角の印が付いている。車の情報サイト CARPRIME の解説では、前輪と後輪の間の車体の下部に逆三角形か矢印のマークがあり、マークの奥をのぞき込むとプレスラインに切り欠きがある箇所があって、そこにジャッキをかける。どちらも車種を限らない一般の説明なので、イストの取扱説明書の図と照らし合わせて使う。
ジャッキの先端の溝は、この位置にぴったり合わせる。溝が合っていないと、ジャッキポイント自体が曲がってしまうことがある。 見当でジャッキをかけるのは危険だ。
フロアジャッキを使うとき
車載工具のパンタジャッキを使うなら、説明書にあるジャッキポイントにかける。フロアジャッキの場合は、イエローハットの解説のとおり、かける位置が車種によって異なるので注意が要る。イスト NCP110 でフロアジャッキをかける位置は、参照した出典では確かめていない。使うなら、取扱説明書か店で位置を確かめてからにする。
作業前の準備(道具・場所・車の状態)
道具は、ジャッキ、L型レンチ(または十字レンチ)、トルクレンチ、輪止め、軍手をそろえる。イエローハットの解説でも、最低限用意したいのは輪止めとトルクレンチだ。手の感覚で締めるのは避けたいので、トルクレンチは省かないほうがいい。
作業場所は、平坦で舗装された地面やコンクリートの上を選び、砂利や土の上は避ける。周りに作業スペースの余裕も要る。路上でパンクしたときは、後続車から見やすく、ほかの車の走行を妨げない場所まで移動してから止める。
車の状態も整える。トヨタの中古車の車種カタログでは、150G(DBA-NCP110・FF、2009年10月〜2010年8月のモデル)のトランスミッションは Super CVT-i(自動無段変速機)だ。自動変速の車は P レンジに入れ、サイドブレーキをかける。
ホイールキャップが付いているスチールホイールは、キャップを外さないとナットを緩められない。150X のようにホイールの種類が出典で確かめられていない車は、作業の日の前に自分の車のホイールを見ておく。スペアタイヤや車載工具が積まれているかも、作業の前に確かめる(下の「パンクのときのスペアタイヤとパンク修理キット」)。
タイヤ交換の手順
輪止めをかけてナットを緩める
- 交換するタイヤと対角線上にあるタイヤに輪止めをかける(右前を作業するなら左後ろ)。AT 車は P レンジ、MT 車は 1速に入れ、サイドブレーキもかける。
- 車体を上げる前に、ホイールキャップが付いていれば外し、全部のナットを反時計回りに少しだけ緩める。軽く緩める程度でよい。固いときは、レンチの先端を持って体重をかけると緩みやすい。
ジャッキアップ
- ジャッキポイントを確かめ、ジャッキの先端の溝をポイントに合わせてかけ、タイヤが路面から少し浮く程度まで持ち上げる。あまり高く上げる必要はない。高く上げすぎると車体が不安定になり、大変危険だ。
タイヤの取り外しと取り付け
- ナットを外してタイヤを外す。一番上のナットを最後に外すと、途中でタイヤが手前に倒れてくるのを防げる。タイヤは重いので手で支えながら地面に下ろし、外したタイヤを車体の下に置いておく。ジャッキが外れたときの落下防止になる。
- 付けるタイヤを、傾かないように奥まで差し込む。ホイールとナットの座面の形が一致していること、ナットの内部にゴミが無いことを確かめ、一番上のナットから時計回りに手で入れて仮止めする。そのあと、できるだけ対角線の順で、ガタが無くなるまで 2〜3回に分けて均等に仮締めする。
本締め
- 車体を完全に下ろし、ジャッキに力がかからなくなってからジャッキを外す。そのあと、トルクレンチで、取扱説明書に載る規定のトルクで本締めする。順番は仮締めと同じく対角線の順だ。無理に締め付けると、ボルトが破損する場合がある。
締め付けトルクと増し締め
トルクレンチを使わずに手の感覚で締めると、締め付け不足や締めすぎを招く。脱輪の要因には、ナットの締め忘れや締め付け不足、ホイールの座面やナットのサビ、ネジ山にかんだゴミがある。反対にトルクをかけすぎると、ホイールナットやハブボルトのネジ山を傷める。
値は、タイヤ・ホイールのマッチングデータ(MYGラボ)では、イスト P110系(NCP110 を含む)で 103N·m だ。トヨタの取扱説明書の値は確かめていないので、自分の車の取扱説明書か販売店で値を確かめ、その値にトルクレンチを合わせる。ナットを付けるときは、ホイールとナットの座面の形が合っているかも見ておく。
規定トルクで締めても、走行中の振動や熱などでナットが緩むことがある。タイヤを付けてから約 100km 走ったら、ナットが緩んでいないかを確かめ、トルクレンチで増し締めする。 交換直後の試運転では、いきなりスピードを出したり、カーブを勢いよく曲がったりしない。
パンクのときのスペアタイヤとパンク修理キット
イスト NCP110 にスペアタイヤ・パンク修理キット・車載ジャッキが積まれているかは、参照した出典では確かめられていない。トヨタの中古車の車種カタログの 150X(2012年6月発売のモデル)の装備欄にも、各モデルの説明文にも記載が無い。スペアタイヤの置き場所は車種によって荷室の中や車体の下と異なるので、困る前に、自分の車の荷室などと取扱説明書で確かめておく。
スペアタイヤが積まれているときの注意
スペアタイヤには、緊急時に使う応急用の「テンパータイヤ」と、標準装着と同じサイズ・銘柄の「標準装着タイヤ」がある。テンパータイヤは標準のタイヤより幅や接地面積が小さく、走行速度や走行距離に制限がある。履き替えたら、パンクしたタイヤを速やかに修理して元に戻す。
スペアタイヤは使わなくても劣化する。製造から 5年を過ぎたら点検し、10年以上たったものは新品への交換が目安だ。
パンク修理キットのとき
パンク応急修理キットは、パンク修理材をタイヤの内部に注入してエア漏れを一時的に止め、エアコンプレッサーで空気を入れて走れるようにする道具だ。タイヤが大きく破損したときやバーストには対応できない。使ったあとは、タイヤの修理が難しくなることがある。
作業の危険と、店に任せる判断
ジャッキアップ中に車が倒れると、重傷を負うおそれがあり、最悪の場合は車の下敷きになる。失敗の要因として多いのは、ジャッキをかける場所の間違い、輪止めやサイドブレーキのかけ忘れによる作業中の揺れ、傾斜のある場所や砂利・土の上での作業だ。
どれも作業の前の確かめで防げる。ジャッキの溝をジャッキポイントに合わせ、輪止めをかけ、平坦で舗装された場所を選ぶ。作業スペースが確保できないときや、作業に不安があるときは、無理に自分で作業せず、タイヤ専門店などに頼む。
よくある質問
イストのジャッキポイントはどこ?
イスト NCP110 の前側・後ろ側それぞれの位置は、参照した出典に記載が無い。生産年月に合う取扱説明書の図で確かめ、ボディの縁の印と切り欠きと照らし合わせる。生産年月 2010年8月〜2016年4月の分はトヨタの取扱説明書のサイトにあり、それより前の生産の車は販売店に聞く。
締め付けトルクは何 N·m?
タイヤ・ホイールのマッチングデータ(MYGラボ)では、イスト P110系(NCP110 を含む)で 103N·m。トヨタの取扱説明書の値は確かめていないので、取扱説明書か販売店の値で締める。
スペアタイヤは積まれている?
イスト NCP110 に積まれているかは、出典では確かめられていない。パンクしてから慌てないように、荷室などを先に見ておく。
フロアジャッキを使ってもいい?
使うなら、かける位置を先に確かめる。イスト NCP110 でフロアジャッキをかける位置は、参照した出典では確かめていない。取扱説明書か店で位置が分からないときは、説明書にあるジャッキポイントにパンタジャッキをかける。
交換した後にすることは?
約 100km 走ったところで、ナットの緩みを見てトルクレンチで増し締めする。それまでの間は、急なスピードの出し方やカーブの勢いのある曲がり方を避ける。
まとめ:作業の前に確かめる点
タイヤ交換の前に、次の点を確かめておく。
- 車検証の型式が NCP110 か(NCP115・ZSP110 は別の型式)
- ジャッキポイントの位置を、生産年月に合う取扱説明書の図で見たか(サイトの一覧は生産年月 2010年8月〜2016年4月の分)
- 締め付けトルクを取扱説明書か販売店で確かめたか(MYGラボのデータでは、イスト P110系〈NCP110 を含む〉で 103N·m)
- スペアタイヤ・パンク修理キット・車載ジャッキが積まれているか
- 輪止め・トルクレンチと、平坦で舗装された作業場所があるか
- 交換後、約 100km で増し締めする段取りがあるか
位置と順序を守って締め付けまで終えれば、タイヤ交換は自分でできる作業だ。空気圧の点検やローテーションも、あわせて覚えておくと役に立つ。

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