エスティマ ACR50W にドラレコを付けるときに見落としやすいのが、駐車中も録画したいならシガーソケットのような ACC 電源ではなく常時電源が要る、という点だ。走行中の録画だけなら、カメラをフロントガラス上部の決められた範囲に付け、コードを天井の内張りから助手席側のピラーを通して足元へ回し、シガーソケットから電源を取るのが基本の流れになる。ただし、自分の車にカーテンシールドエアバッグなどのオプションが付いているかで作業前に確かめることが変わり、ピラー内にエアバッグがある車は配線の前に購入したディーラーへ相談するようドラレコメーカーが案内している。2016年6月以降の車は、Toyota Safety Sense C との位置関係も確かめる。
エスティマ ACR50W のドラレコは位置・配線・電源の3点で考える
国土交通省の案内では、ドライブレコーダーは運転者の視界を妨げないよう保安基準で定められた位置に付けるよう呼びかけていて、位置の例として「フロントガラス上部から20%以内の範囲など」を挙げている。「など」付きの例示で、決まりの全部を言い切ったものではないので、この範囲を目安にしつつ、ほかの条件にも気を配る。
| 項目 | 進め方 | 先に確かめること |
|---|---|---|
| 取付位置 | フロントガラス上部の、国の案内が例示する範囲に付ける | 2016年6月以降の車は Toyota Safety Sense C との関係 |
| 配線 | 天井の内張り→助手席側のピラー→助手席の足元 | カーテンシールドエアバッグなどの装備の有無 |
| 電源 | 走行中の録画ならシガーソケット(ACC)が手軽 | 駐車監視をするなら常時電源が要る |
作業は「位置を仮決め→角度を合わせる→配線→本固定」の順に進める。取付位置・配線・電源の考え方は ACR50W の年式を問わず使えるが、2016年6月のマイナーチェンジより後の車かどうかと、カーテンシールドエアバッグなどのオプションが付いているかで、作業前に確かめることが変わる。ドラレコの付け方そのものの基本は
にまとめてある。
作業の前に確かめる型式・エアバッグ・Toyota Safety Sense C
型式と年式
トヨタは2006年1月16日にエスティマをフルモデルチェンジして発売した。エンジンは直4・2.4L の 2AZ-FE(Super CVT-i と組み合わせ)と、V6・3.5L の 2GR-FE(6 Super ECT と組み合わせ)の2本立てで、どちらにも 2WD と 4WD があった。
中古車カタログ(Gulliver)では、型式 DBA-ACR50W は 2AZ-FE(2.4L)・FF・CVT(Super CVT-i)の組み合わせで、ページは2006年1月〜2007年6月の「G」から2016年6月〜2019年10月の「アエラス」まである。同じカタログで2016年6月〜2019年10月に載るのは 2400cc の FF と4WD だけで、3500cc は2016年6月までの期間で終わっている。
この記事の対象は型式 ACR50W(2.4L・FF)だ。4WD車や3.5L車は型式を確かめていないので、まず車検証の型式欄で ACR50W かどうかを見ておく。
エアバッグの装備
トヨタの2006年の発表では、エスティマにサードシートまでカバーする新開発の「SRSカーテンシールドエアバッグ」、「SRSニーエアバッグ」、「SRSサイドエアバッグ」を「設定」したと書いている。標準装備かオプションかの区別は、この発表には書かれていない。
中古車カタログでは、ACR50W の「G」(2006年1月〜2007年6月)と「アエラス」(2016年6月〜2019年10月)のページで、運転席と助手席のエアバッグは標準、サイド・ニー・カーテンの各エアバッグはオプションとされている。ほかのグレードと年式での扱いは確かめられていない。カーテンシールドエアバッグが付いているかは車ごとに違いうるので、購入時の装備の記録や販売店で確かめてから、天井やピラーまわりの配線を決める。
Toyota Safety Sense C の有無
トヨタの2016年の発表では、2016年6月6日のマイナーチェンジでエスティマに衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense C」を全車標準装備とした。レーザーレーダーと単眼カメラを組み合わせ、衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ・レーンディパーチャーアラート・オートマチックハイビームをセットにしたものだ。同じ発表の価格表では、ガソリン車は 2AZ-FE(2.4L)・2WD(FF)・Super CVT-i で、4WD車の設定もある。
2016年6月より前の車でも、フロントまわりにセンサーが無いとは言い切れない。トヨタの2006年の発表で「プリクラッシュセーフティシステム(レーダー方式)」が設定されていて、どのグレードに付くか、センサーがどこにあるかは確かめられていない。自分の車がマイナーチェンジの前か後かは、購入時の記録や販売店で確かめる。
フロントカメラの取付位置を決める
ドラレコメーカーのJVCケンウッドの取付手順では、本体を含めてフロントガラスの上から20%以内で、運転者の前方視界を妨げない位置にする。推奨は助手席側のルームミラー周辺で、雨の日を考えてワイパーで拭える位置を選ぶ。メジャーで窓ガラスの長さを測り、取付位置の下限にテープで印を付けておくと決めやすい。同社はこの決まりを、道路運送車両の保安基準第29条(窓ガラス)と細目告示第195条に基づく細則によるもので、車検(継続検査)への適合と視界不良による事故の防止が目的だと説明している。
取付ブラケットの両面テープは非常に強力で、一度貼ると容易に貼り直しができない。貼り直すと粘着力が落ちて走行中に外れるおそれがあるので、位置は十分に検討してから貼る。
2016年6月以降の車は、Toyota Safety Sense C のセンサーの取り付け位置が、トヨタの発表にも、ここで読めた資料にも書かれていない。参考までに、別の車種であるトヨタのヤリス ハイブリッドの取扱書では、フロントウインドウガラスの前方カメラ前部(図に示す範囲内)にステッカー(透明なものを含む)などを貼り付けない、フロントウインドウガラスにフィルムを貼らない、レーダーやその周辺にアクセサリーを付けたりステッカーを貼ったりしない、と注意している。これはエスティマの取扱書の記載ではない。エスティマでドラレコ本体や配線を置いてよい範囲は、自分の車の取扱書かトヨタの販売店で確かめてから決める。
フロントの配線を天井から助手席の足元まで通す
作業の順番
JVCケンウッドの取付手順に沿って、次の順で進める。
- 取付位置を仮決めし、取付ブラケットの両端をテープで仮固定する(両面テープの裏紙はまだ剥がさない)
- 電源を入れて取付ブラケットの角度を調整する
- 配線する
- 両面テープでブラケットをガラスに固定する
仮取付・仮配線の前に車を平らで安全な場所へ移し、仮止めの状態では運転しない。
天井の内張りから助手席側のピラーへ
取付ブラケットに電源コードを通し、先端を5cm前後出しておく。電源コードを天井の内張りの中に押し込んで隠し、ブラケット上部から助手席側のピラーまで内張りの中を通す。コードが落ちてくるなら、市販のスポンジテープ(厚み1〜1.5mm)を途中に巻いて太くする。ピラー内に通らないときは両面テープ付きのコードクリップで固定し、クリップはガラスではなくピラーに貼る。
ドアまわりと助手席の足元
ドアの開閉でコードが挟まれないよう固定し、助手席エアバッグが動作する範囲には配線しない。余った分は助手席の足元のカーペットの下に隠してシガーソケット(アクセサリーソケット)まで配線し、助手席の可動レールなどに挟まれないようにする。余りは結束バンドなどで軽くまとめておく。
ピラーとエアバッグの注意
JVCケンウッドの取付手順は、サイドエアバッグ装備車など、ピラー内にエアバッグが装備されている車では、配線方法によってはエアバッグが正しく動作しない恐れがあるとして、車を購入したディーラーに相談するよう案内している。エスティマはサードシートまでカバーするカーテンシールドエアバッグが設定された車で、中古車カタログの ACR50W の「G」と「アエラス」のページではオプション扱いだ。カーテンシールドエアバッグが付いている車なら、ピラーや天井の横の配線を始める前に販売店へ相談する。 エスティマのピラーや天井の中のどこにエアバッグがあるか、どの経路なら影響しないかは確かめられていないので、ここでは経路を決め打ちしない。
電源の取り方を3つ比べる
ACC(アクセサリー)電源は、エンジンはかかっていないけれど通電してラジオやカーナビなどが動く状態(アクセサリーモード)で使える電源だ。長時間アクセサリーモードにしておくとバッテリーが上がるので注意する。
シガーソケットから取る
いちばん手軽なのは、ドラレコのシガープラグをシガーソケットに差す方法で、JVCケンウッドの取付手順もこの例で説明している。ただし、センターコンソールのシガーソケットに差すと電源コードが見えてしまう、と自動車情報誌の解説は指摘している。走行中の録画だけが目的なら、まずはこの方法で十分だ。
ヒューズから取る
ヒューズから取るなら、まず車の取扱説明書でヒューズの位置と用途を確かめる。ヒューズボックスはたいていエンジンルームと室内にあり、室内のものはハンドルの付け根やグローブボックス周辺にあることが多いという一般論はあるが、エスティマでの位置は確かめられていないので、取扱説明書で見る。
- 検電テスターで、目的の状態(ACCか常時か)で電気が流れるかを確かめる
- ヒューズには平型・ミニ平型・低背の3タイプとアンペア数の違いがあり、交換するヒューズと同じ形状・アンペア数の製品を使う
- ECUなど重要な電源のヒューズは使わない
- アース(マイナス)はボディから出ているネジ山やボルトなどを使い、塗装や樹脂部分を貫通しているものを選ぶ
接続する電源を間違えると電気系統のトラブルにつながる。手間はかかるが、駐車監視に要る常時電源はこの方法で取るのが簡単だと解説記事は書いている。
車種向けの電源取り出しハーネスを使う
3つ目は車種向けの電源取り出しハーネスだ。次の節で紹介する商品は商品名に「カプラーオン」とあり、出品者の記載で取り出せるのは ACC とマイナスの2つで、常時電源の記載は無い。
50系エスティマ向けの電源取り出しハーネス
紹介するのは「エスティマ 50系 シガーソケット 電源取り出し アクセサリー電源 ACC アース ハーネス 配線 2極 2P 2ピン カプラーオン コネクター 分岐 増設 DIY」という商品だ。販売ページの商品説明では、トヨタ車種のシガーソケット電源取り出しハーネスで、取り付けるとさまざまなトヨタ車のシガーソケットから「(1)赤配線→ACC (2)黒配線→マイナス信号」の電源を取り出せる、ACC連動させたい電装品の取り付けに、ドライブレコーダー/DVDプレイヤーなど、と書かれている。
エスティマ 50系向け シガーソケット電源取り出しハーネス(ACC・アース・カプラーオン)
出品者の記載での適合には限りがある。
- 商品名の対象は「エスティマ 50系」。販売ページの商品説明の適合車種は、プリウス・ヴォクシー・ノア・アルファード・ヴェルファイア・エスティマなど複数のトヨタ車を「など」付きで挙げている
- 型式(ACR50W など)・年式・グレードの限りは、商品名と商品説明の箇条書きのどちらにも記載が無い
- 取り出せる電源として書かれているのは ACC とマイナスの2つで、常時電源の記載は商品名と箇条書きのどちらにも無い
- 取り付けの手順(どこの内装を外すか・使う工具)も、商品名と箇条書きのどちらにも書かれていない
ACR50W が商品名の「50系」に当たるかは型式の字として書かれていない。買う前に、出品者に型式(ACR50W)と年式を伝えて使えるかを確かめる。 ACC とアースを配線の形で取り出したい人向けの選択肢で、取り付け方は自分で調べる前提になる。
駐車中も録画したいときの電源
ドライブレコーダーの電源は通常シガーソケットなどの ACC 電源から取れるが、駐車監視機能を使うには、エンジンがかかっていない状態でも通電している常時電源から取る必要がある。解説記事は、常時電源はヒューズから取る方法が簡単だと書いている。
常時電源とアクセサリー電源を間違えるとバッテリー上がりを起こす。 ヒューズから取るときは、先の検電テスターでの確かめを省かない。前の節のハーネスは、出品者の記載で取り出せる電源が ACC とマイナスの2つで、常時電源の記載は無いので、駐車監視の電源はヒューズから取る前提で考える。
リアカメラをバックドアまで配線する
位置と経路
カー用品の解説記事では、室内用リアカメラはリアウインドウ上側の中央に付ける。配線はフロント本体からリアカメラへ向けて進め、リアデフォッガー(リアウインドウの熱線)の配線コードと同じ箇所を通すと簡単だ。垂れ下がったコードが運転者の視界を妨げないよう助手席側を通し、内張りの中を通す。SRSエアバッグやカーテンエアバッグが装備された車では、それらを避けて配線する。トヨタの2006年の発表のとおり、エスティマのカーテンシールドエアバッグはサードシートまでカバーする設定なので、付いている車では後ろまでの経路も販売店に相談しておく。
バックドアへの通し方と動作確認
バックドアの開閉で配線が引っ張られないよう、バックドアのヒンジ近くにあるジャバラ状の部品に、ナンバー灯や熱線の配線と一緒に通す方法がある。細かい所や曲がった所は配線ガイドを使う。引き終えたケーブルは余裕を持たせた長さでリアウインドウにマスキングテープで仮止めし、外した内張りを戻す前に動作を確かめる。
自分で付けるか、店に頼むか
自分で付けるなら、取付位置の決定・天井とピラーの配線・電源の取り出しを全部自分で行うことになる。そのうえで、ACR50W では次の2つが自分だけでは決めきれない。
- ピラー内にエアバッグがある車の配線は、ドラレコメーカーがディーラーへの相談を案内している。中古車カタログでは ACR50W の「G」と「アエラス」のページでカーテンエアバッグがオプション扱いなので、自分の車の装備を先に確かめる
- 2016年6月以降の車は、Toyota Safety Sense C のセンサーとドラレコの位置の関係を取扱書か販売店で確かめる必要がある
販売店や専門店に頼めば、部品代のほかに工賃がかかる。サイドエアバッグやカーテンシールドエアバッグなどが付いている車や2016年6月以降の車で、相談の段階で販売店に行くなら、取り付けまで頼む方が手戻りは少ない。 どちらにも当てはまらないと確かめられ、走行中の録画だけでよいなら、シガーソケットから電源を取る形で自分で付けるのが現実的だ。作業の全体像は
でも確かめられる。
よくある質問
フロントガラスのどこまでなら付けてよい?
国土交通省の案内は、位置の例として「フロントガラス上部から20%以内の範囲など」を挙げている。「など」付きの例示で、これだけが決まりの全部ではない。2016年6月以降の ACR50W は、Toyota Safety Sense C との関係も取扱書か販売店で確かめる。
シガーソケットからの電源で駐車監視はできる?
駐車監視機能には、エンジンがかかっていない状態でも通電している常時電源が要る。シガーソケットなどの ACC 電源のままでは使えないので、ヒューズから常時電源を取る。取り違えるとバッテリー上がりを起こす。
このハーネスは自分の ACR50W に使える?
商品名の対象は「エスティマ 50系」で、型式(ACR50W など)・年式・グレードの限りは、商品名と商品説明の箇条書きのどちらにも記載が無い。買う前に出品者に型式と年式を伝えて確かめる。常時電源の記載も無いので、駐車監視の電源には考えない。
Toyota Safety Sense C 付きの車で気をつけることは?
トヨタの2016年の発表では、2016年6月以降のエスティマは Toyota Safety Sense C(レーザーレーダーと単眼カメラ)が全車標準だ。センサーの取り付け位置は、ここで読めた資料に書かれていないので、ドラレコ本体や配線を置いてよい範囲は自分の車の取扱書かトヨタの販売店で確かめる。
まとめ
最初にやるのは、実車でルームミラーまわりのフロントガラス上部に何が付いているかと、シガーソケットの有無と位置を自分の目で見ることだ。そのあと車検証の型式欄で ACR50W を確かめ、マイナーチェンジの前か後か、カーテンシールドエアバッグなどのオプションが付いているかを、購入時の記録や販売店で確かめる。
- 位置: 国土交通省の案内が例示する「フロントガラス上部から20%以内の範囲など」に収め、助手席側のルームミラー周辺を基本にする
- 配線: 天井の内張りから助手席側のピラー、助手席の足元へ通す。カーテンシールドエアバッグなどのオプションが付いている車は、配線の前に販売店に相談する
- 電源: 走行中の録画ならシガーソケット、駐車監視には常時電源が要る
- 2016年6月以降の車: Toyota Safety Sense C との位置関係を取扱書か販売店で確かめる
同じ車のほかの手入れは、次の記事にまとめている。
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