夜のガレージでドアを開けると、路面を切り取る前方の光は白く冴えているのに、車内に灯る明かりだけが黄色くぼんやり沈んで見える。200系クラウンマジェスタのURS206は主要な灯火をHIDと純正LEDで固めた設計で、後から社外バルブを差し込める箇所は思ったより絞られている。しかも室内をLEDに替えた瞬間、消したはずのルームランプが薄く点いたままになる固有の症状が顔を出す。バルブメーカーの適合表で箇所ごとの規格を洗い出したうえで、URS206の型式が明記された製品だけを比較していく。
URS206の灯火構成と純正バルブ規格(早見表)
200系クラウンマジェスタは2009年3月に発売された5代目で、2013年9月まで生産された。URS206は後輪駆動のFRで、レクサスLSやGSと同じV型8気筒4.6リッターの1UR-FSE(4,608cc)を積む。同じ200系でもフルタイム4WDのUZS207は4,292ccのV8となり、駆動方式と排気量が分かれる。ただし灯火まわりの適合表はURS206とUZS207をひとつの区分として扱うため、LEDバルブを選ぶ条件は両方の型式で共通になる。URS206で社外LEDが素直に成立するのは、室内のT10とフォグ・ハイビーム・バックランプに絞られる。
| 箇所 | URS206の純正バルブ | 社外LEDへの交換 |
|---|---|---|
| ヘッドライト ロービーム | D4S(純正HID) | 同規格のHIDバルブ交換が基本 |
| ヘッドライト ハイビーム | HB3(9005) | バルブ交換で対応可 |
| フォグランプ | H8 | バルブ交換で対応可 |
| ポジション(車幅灯) | T10 | バルブ交換で対応可 |
| フロントウインカー | T20 | 交換可(ハイフラ対策が要る) |
| テール・リアウインカー・ハイマウント | 純正LED | 交換対象外 |
| ストップ(制動灯) | T20シングル | 仕様差が出るため現車確認 |
| バックランプ | T16 | バルブ交換で対応可 |
| ナンバー灯(ライセンス) | T10 | バルブ交換で対応可 |
| ルームランプ(フロント/リア/トランク) | T10 | 交換可・微点灯対策が要る |
規格はLEDバルブ販売店が公開するクラウンマジェスタ(H21.3〜・URS/UZS20#型)の適合表に基づく。ナイトビュー装着車だけはハイビームがH11に変わるため、注文前に現車のバルブを1本抜いて規格を目で確かめておくと外さない。
前まわりはHIDと専用規格で組まれている
URS206のロービームは新車時からD4Sの純正HIDで、白い光はすでに手に入っている状態にある。ここに手を入れるなら同じD4S規格のHIDバルブを入れ替えて色温度を動かすのが基本線で、灯体をそのままにLED化しようとすると、リフレクターが想定する発光点の位置から光源がずれて配光が崩れやすい。ハイビームはHB3(9005)のハロゲンで、点灯している時間そのものが短いためLED化の効果を体感しにくい箇所でもある。前まわりで最初に投資する価値があるのはフォグランプのH8で、白へ振るか黄へ振るかで雨天や霧の日の見え方がはっきり変わる。
後ろまわりは純正LEDが多くバルブは残り少ない
200系マジェスタのリアコンビネーションはテール、リアウインカー、ハイマウントストップが純正LEDで組まれており、明るさや色を変える目的で球を差し替える余地がない。適合表でバルブ規格が残っているのはストップのT20シングルとバックランプのT16で、実質的に手を入れられるのはこの2箇所になる。後退灯のT16をLEDに替えると、夜間の駐車場でバックモニターに映る映像まで明るくなるため、費用に対する体感の伸びでいえばリアではここが一番わかりやすい。ストップ側は前期と後期、グレードで構成が分かれる可能性が残るので、レンズ裏から球を1個抜いて実物を見てから注文する。
室内はT10で規格が統一されている
フロントのマップランプ、リアのルームランプ、トランクルームの照明は、いずれもT10で統一されている。同じ規格のLEDバルブをまとめて買えば室内を一度に更新できる計算になり、ナンバー灯とポジションも同じT10のため、外装まで含めればT10だけで広い範囲をカバーできる。この統一されたT10こそがURS206のLED化の主戦場になる。ただし室内灯には後述する微点灯の問題が待っており、バルブだけを買って挿し替えると期待した結果にならない。
URS206専用として売られているLED製品を比較する
汎用のT10バルブは無数にあるが、URS206という型式を名指しして売られている製品は限られる。ここでは車種名と型式が商品名に明記され、在庫が確認できたものだけを取り上げる。価格は執筆時点のもので変動するため、実際の金額は商品ページで確認してほしい。
| 製品 | 用途 | 価格の目安 | 位置づけ |
|---|---|---|---|
| イネックス 微点灯カット抵抗(URS206専用表記) | ルームランプLED化時のゴースト点灯対策 | 約199円 | 室内LED化とセットで要る補助部品 |
| RAIDOU フットランプLED(URS206/UZS207専用設計) | 足元照明の追加・更新 | 約1,480円 | 雰囲気を足す演出系 |
室内のゴースト点灯を消す抵抗
室内のT10をLEDへ替えるとき、バルブと同時に用意しておきたいのがこの抵抗になる。単体では光らない地味な部品だが、これが無いと「消えないルームランプ」と付き合うことになる。URS206の車名を明記した状態で数百円で流通しており、室内LED化の総額をほとんど押し上げない。室内のLED化を計画しているなら、バルブより先にこの抵抗を買い物かごへ入れておくと二度手間が消える。
イネックス URS206 クラウンマジェスタ LEDルームランプ 微点灯カット・ゴースト対策 抵抗
足元を照らす専用設計のフットランプLED
こちらは既存の球を置き換える部品ではなく、足元に光を足す演出系の製品になる。URS206とUZS207の車種専用設計として売られているため、汎用品を買って取り付け位置や配線の長さで悩む工程が省ける。夜間の乗降時に足元がぼんやり照らされる効果は、走行中の実用よりも降車時の見え方に効く。純正で足元照明が装備されていない車両でも追加できるのが、専用設計品の強みになる。
RAIDOU 200系クラウンマジェスタ URS206/UZS207 フットランプ LED
汎用バルブと専用品をどう使い分けるか
室内のT10そのものは汎用バルブで足りるため、球の本数と色を決めて好みのものを選べばよい。一方で微点灯対策の抵抗と足元照明は、車両側の回路や取り付け位置に依存する部分が大きく、車種名が明記された製品を選んだほうが結果的に安く済む。汎用品で価格を詰めるのは球そのもの、専用品で手間を買うのは回路と取り付け、という線引きで考えると迷いが減る。
LED化でつまずく微点灯(ゴースト点灯)の正体
URS206の室内灯をLEDへ交換したとき、ドアを閉めてしばらく経っても明かりが完全には落ちず、うっすらと光り続けることがある。これがゴースト点灯、あるいは微点灯と呼ばれる症状になる。URS206の車名を明記した専用の対策抵抗が単体で流通していること自体が、この車でこの症状が定番であることを物語っている。
微弱電流にLEDが反応して薄く光る
原因は消灯後の回路に残るごく小さな電流にある。白熱球はフィラメントを赤熱させるだけの電力がなければ光らないため、微弱な電流が流れていても何も起こらない。ところがLEDはわずかな電流でも発光してしまうほど消費電力が小さく、白熱球なら無視できた電流に素直に反応する。つまり車両側が壊れているのではなく、球の側が敏感になったことで、それまで見えていなかった電流が可視化されたという構図になる。
抵抗を並列に入れて電流を熱へ逃がす
対策は単純で、LEDに流れ込む前の段階で微弱電流を消してしまえばよい。ルームランプのプラス線とマイナス線の間に抵抗を並列でつなぐと、残った電流が抵抗を通って熱に変換され、LEDまで届かなくなる。市販の微点灯カット抵抗はこの並列接続を前提に配線が用意されており、ギボシや分岐タップで割り込ませるだけで作業が終わる。抵抗は電流を熱に変えて捨てる部品なので、内張りの裏で樹脂やスポンジに密着させない場所へ固定する。
消灯までのフェードが残ることもある
抵抗で消えるのは、あくまで消灯後も残る微弱電流による発光になる。ドアを閉めた直後に明かりがじんわり暗くなっていく減光の動きは車両側の制御によるもので、これ自体は不具合ではない。フェードしながら最終的に完全消灯するなら正常な挙動で、抵抗が必要なのは「フェードが終わったはずなのに薄く光ったまま止まる」場合になる。まず自分の車がどちらの状態なのかを、夜間に一度観察してから部品を判断すると無駄がない。
失敗しないLEDの選び方
型式と年式が明記された製品を選ぶ
同じクラウンでもロイヤル、アスリート、マジェスタで灯火の構成が異なり、さらに200系と210系では世代がまるごと変わる。商品ページに「URS206」「UZS207」「H21.3〜」といった型式と年式の記載があるかどうかが、最初のふるいになる。車名だけが書かれた製品は、どの世代のどのグレードを指しているのかが読み取れないため、バルブ規格を自分で照合してから判断する。
色温度は6000K前後で内装と揃える
室内灯の色は数値で選べる。6000K前後が純白で、これより低い4000〜5000K台は電球色寄りの温かみが残り、高い8000K以上は青みが強くなる。URS206の内装は木目とレザーで構成されるため、青白すぎる光は素材の色を沈ませやすい。純正の雰囲気を保ったまま明るさだけを底上げしたいなら6000K前後、木目の質感を活かしたいなら少し低めを選ぶと収まりがよい。
外向きの灯火は色の規定を先に見る
室内灯には明るさや色の法的な規定がないが、車外へ向く灯火には基準がある。ポジションとナンバー灯とバックランプは白色、ウインカーは橙色と決まっており、色を外すと車検で不適合になる。フォグランプは白か淡黄色のどちらかで、両方を混ぜることはできない。室内は好みで選び、外装は基準の範囲内で選ぶという二段構えで考える。
取り付けの手順と工具
内張りはがしでレンズを浮かせる
室内灯のレンズは爪で固定されているため、マイナスドライバーを直接差し込むと樹脂に傷が残る。樹脂製の内張りはがしを浅い角度で差し込み、爪の位置を探りながら少しずつ持ち上げる。作業の前にバッテリーのマイナス端子を外すか、少なくともランプスイッチをOFF側にしておくと、球を抜き差しする瞬間のショートを避けられる。
T10は差し込む向きで点灯しないことがある
LEDのT10バルブには極性があり、白熱球のように向きを問わず点灯するわけではない。挿しても光らないときは、故障を疑う前に180度回してもう一度挿す。それでも光らない場合に初めて、バルブ側か車両側かの切り分けに進む。この一手間を知らずに初期不良と判断してしまう例は珍しくない。
抵抗は発熱するため固定場所を選ぶ
微点灯カットの抵抗を取り付けるときは、配線を割り込ませた後の固定場所に気を配る。抵抗は電流を熱として捨てる部品なので、内張りの裏の可燃物や配線束に密着させると熱がこもる。金属のブラケットなど熱の逃げる面へ結束バンドで留め、周囲に空間を残しておく。取り付け後は夜間にドアを開閉し、消灯まで見届けて効果を確かめる。
よくある質問
URS206のヘッドライトをLEDに交換できますか
ロービームはD4Sの純正HIDのため、LEDバルブへの単純な差し替えは前提から外れる。色温度を変える目的なら同じD4S規格のHIDバルブへ交換するのが素直な道になる。ハイビームはHB3(9005)のハロゲンなので、こちらはLED化の対象になる。
バックランプはT16のLEDで明るくなりますか
適合表ではURS206のバックランプはT16で、LEDバルブへの交換が成立する箇所になる。純正の白熱球からLEDへ替えると後方の照射が白く強くなり、バックモニターの映像も見やすくなる。車検では後退灯の色が白色と決まっているため、青みの強い製品は避ける。
フォグランプのH8をLEDに替えても車検は通りますか
フォグランプの色は白色または淡黄色と定められており、この範囲に収まる製品なら問題にならない。左右で色を揃えることと、光軸が上を向かないことが前提になる。青白い高ケルビン品や、白と黄を左右で混ぜる使い方は基準から外れる。
4WDのUZS207でも同じLEDが使えますか
灯火まわりの適合表はURS206とUZS207をひとつの区分で扱っており、バルブ規格は共通になる。両者の違いは駆動方式とエンジン排気量にあり、ライトの構成には及ばない。フットランプなどの専用設計品も、URS206/UZS207の両方に対応すると明記された製品が流通している。
ルームランプをLEDにするとバッテリーは上がりますか
微点灯している状態のLEDが消費する電流はごく小さく、それだけで一晩にバッテリーが上がる水準にはならない。ただし長期間乗らずに放置すれば、小さな電流でも積み重なって残量を削っていく。見た目の問題としても電気的な問題としても、抵抗で消しておくほうがすっきりする。
まとめ URS206のLEDは室内と補助灯から手を付ける
URS206はロービームがD4SのHID、テールとリアウインカーとハイマウントが純正LEDという構成で、外装のバルブを差し替えて劇的に変える余地は最初から限られている。適合表で規格が残っているのはハイビームのHB3、フォグのH8、ポジションとナンバー灯のT10、ストップのT20、バックランプのT16で、体感の伸びが大きいのはフォグと後退灯になる。そして手を入れて満足度が上がるのは室内側で、フロントとリアとトランクがすべてT10に統一されているため、規格を1つ覚えるだけで室内を一気に更新できる。ただしLED化すると微点灯が顔を出すため、数百円の対策抵抗をバルブと同時に用意しておく。足元に光を足したいなら、URS206/UZS207の専用設計として売られているフットランプLEDが、取り付け位置と配線の悩みを省いてくれる。
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