屋根を開けて走った帰り道、ナンバー灯だけが電球色に濁っていたり、室内灯の光が助手席の足元まで届かなかったりすると、そこだけ年式が古く見えてしまう。コペンGRスポーツ(LA400A)はロービームとフォグランプが最初からLEDで、社外バルブに差し替えられる箇所は思っているより少ない。裏を返せば、交換できる箇所と規格さえ押さえてしまえば、買うべき製品は数点に絞り込める。LA400Aの灯火を箇所ごとに分解し、規格・交換可否・製品の対応関係をまとめた。
LA400Aの灯火は「純正LED」と「交換できる箇所」に分かれる
LA400AのLED化でつまずく原因は、ほぼ一点に集約される。前を照らす主役であるロービームとフォグランプが、どちらも最初からLEDで組まれているという点だ。ここを知らずにバルブだけを買うと、届いた箱を開けてから入る場所が無いことに気づく。
| 灯火の位置 | 規格 | 交換の可否 |
|---|---|---|
| ヘッドライト ロービーム | 純正LED | 球単体の交換は不可 |
| ヘッドライト ハイビーム | H9 | バルブ交換で対応 |
| フォグランプ | 純正LED | レンズユニットごと交換 |
| フロント/リアウインカー | T20 ピンチ部違い | バルブ交換(ハイフラ対策あり) |
| バックランプ | T16 | バルブ交換で対応 |
| ライセンスランプ | T10 | バルブ交換で対応 |
| 前席室内灯 | T10×31(枕型) | バルブ交換で対応 |
球だけを差し替えられない2か所
ロービームは灯体とLED基板が一体で、バルブという交換部品がそもそも存在しない。明るさや色味に不満があっても、社外バルブで手を入れる余地は無いと考えてよい。フォグランプも同じくLEDだが、こちらはレンズユニットごと社外品に置き換えるキットが流通していて、色を変える道は残されている。
バルブ・ユニットで手を入れられる箇所
残りのハイビーム・ウインカー・バックランプ・ライセンスランプ・前席室内灯は、いずれも従来どおりバルブを抜き差しできる。LA400Aで実際に選ぶ製品は、この5か所とフォグのユニットキットに限られる。逆に言えば候補は絞られていて、選定に迷う余地は少ない。
純正LEDフォグの色を変えるにはレンズユニットごと替える
フォグの色を白から黄に振りたい、という要望はオープンカーでは特に多い。雨天や霧の日に屋根を閉めて走るとき、黄色い光は路面のコントラストを立ててくれるからだ。LA400Aでこれを実現する手段は、バルブ交換ではなくユニット交換になる。
なぜバルブだけの交換で済まないのか
ピカキュウの製品説明は、この構造をそのまま書いている。「本製品はダイハツ車の純正フォグランプユニットを『イエローガラスレンズフォグランプユニット』に交換し、ピカキュウLEDフォグバルブの人気モデル『LED MONSTER L8400』を装着するキットです」——つまり純正のLEDフォグは光源を抜けない構造で、レンズユニットごと、バルブが差せるタイプに置き換えるという考え方だ。商品名に「H8/H11/H16共通」と書かれているのは、純正側の規格ではなく、キットに同梱される新しいユニットが受けるバルブの規格を指している。ここを読み違えると、H11のバルブだけを単品で買ってしまう。
イエローとホワイト、2色切替のどれを選ぶか
ユニット交換キットは大きく3系統ある。悪天候での視認性を優先するならイエロー、灯火の色を白で統一したいならホワイト6300K、天候で使い分けたいなら2色切替タイプという整理になる。8,400lmクラスのガラスレンズユニット付きキットは、レンズごと替わるため見た目の変化も大きい。
ピカキュウ LED MONSTER L8400 イエローレンズユニット付 フォグキット
2色切替タイプ(L1B規格・9,800lm)は1つのユニットでホワイトとイエローを切り替えられるため、年に数回しか濃霧に遭わない使い方なら選択肢に入る。ただし切替機能のぶん構造は複雑になり、単色タイプより配線の取り回しに手間がかかる。フォグの色は保安基準で白色か淡黄色に限られているので、イエローを選ぶ場合も淡黄色の範囲に収まる製品かどうかを確認しておきたい。
室内灯とライセンスランプは費用対効果が高い
LA400AのLED化で最初に手を付けるなら、この2か所になる。合計3,000円弱で、乗るたびに目に入る部分が変わるからだ。ヘッドライトが純正LEDである以上、外から見て「古い」と感じさせる残りの弱点はナンバー灯であり、内側の弱点は室内灯になる。
前席室内灯はT10×31の枕型
コペンの室内灯は、両端が尖った枕型(フェストン)のT10×31という規格だ。純正の電球色から6500Kクラスの白色に替えると、夜間に助手席側の足元へ落とした鍵や小物を探す場面で差が出る。140ルーメン・6連クラスであれば、2シーターの狭い室内には十分な光量になる。
ピカキュウ 前席室内灯用 LED T10×31 枕型 140ルーメン 6連
ライセンスランプはT10
ナンバー灯はT10。純正の電球色が残っていると、ヘッドライトの白さと並んだときに後ろ姿だけ色温度がちぐはぐに見える。90lmクラスの5連タイプで白色に揃えると、リア周りの印象がまとまる。ナンバー灯は白色以外が保安基準で認められないため、青みの強い製品や色付きを選ばないことが前提になる。
ハイビーム・ウインカー・バックランプの規格と落とし穴
前を照らす部分で唯一バルブ交換が効くのがハイビームで、残るウインカーとバックランプは点滅・後退時の視認性に効いてくる。それぞれに固有の注意点がある。
ハイビームはH9(適合表の扱いが分かれる)
ピカキュウのLA400A向け適合表では、ハイビームはH9規格として扱われ、H9のLEDハイビームキットが設定されている。一方で、LA400A向けにハイビーム用製品を設定していないショップもあり、適合情報の見え方は販売店によって割れている。純正LEDのロービームと並べたときの色差を嫌うなら、6300K前後の製品で色温度を寄せるのが無難だ。購入前に現車のバルブを1本抜いて刻印を確認しておくと、規格違いの空振りを防げる。
ウインカーはT20ピンチ部違いとハイフラ対策
前後ともT20の「ピンチ部違い」という、爪の位置が一般的なT20とずれた形状になる。ここを普通のT20と勘違いすると、ソケットに入らないか、入っても固定されない。加えてLEDは消費電力が小さいため、そのまま組むと車両側が球切れと判断して点滅が速くなるハイフラ現象が起きる。抵抗内蔵タイプのバルブを選ぶか、別途ハイフラ防止抵抗を追加する対策が要る。抵抗内蔵タイプの考え方はハイフラ抵抗内蔵のLEDウインカーの記事で整理している。
バックランプはT16
バックランプはT16。コペンは後方視界が広いとは言えない車で、狭い駐車場でのバック時に足元が見えるかどうかは実用の差になる。ここは色味より光量を優先し、拡散性の高い製品を選ぶと後ろのバンパー際まで届く。T16はT20と名前も外形も似ているが口金の幅が異なり、互換性は無い。数字が近いぶん取り違えやすい組み合わせなので、発注前に品番を読み直しておきたい。
LA400A対応LEDを価格帯で比較する
LA400Aに適合が取れている製品を、対象部位と価格帯で並べ直すと選び方が見えてくる。価格は変動するため、確認時点の目安として見てほしい。
| 製品 | 対象 | 規格 | 明るさ | 参考価格 |
|---|---|---|---|---|
| ピカキュウ 前席室内灯 6連 | 室内灯 | T10×31 枕型 | 140lm/6500K | 約1,600円 |
| ピカキュウ ライセンスランプ 5連 | ナンバー灯 | T10 | 90lm | 約1,100円 |
| フォグユニット+L1B 2色切替 | フォグ | L1B(ユニット付) | 9,800lm | 約17,200円 |
| ピカキュウ MONSTER L8400 ホワイト | フォグ | H8/H11/H16(ユニット付) | 8,400lm/6300K | 約25,800円 |
| ピカキュウ MONSTER L8400 イエロー | フォグ | H8/H11/H16(ユニット付) | 8,400lm | 約25,800円 |
3,000円以内で始める室内灯とナンバー灯
室内灯とライセンスランプを合わせても3,000円に届かない。工具もほぼ要らず、内張り剥がし1本で作業が終わる。LED化の効果を最も安く体感できるのがこの組み合わせで、最初の1回として選ぶならここから入るのが失敗しない。
フォグのユニット交換は1.7万〜2.6万円
フォグは金額が一段跳ね上がる。レンズユニットが同梱されるため、バルブ単体の相場とは比較にならない価格になるからだ。2色切替タイプが約1.7万円、ガラスレンズユニット付きの8,400lmクラスが約2.6万円という並びになる。見た目の変化と悪天候での視認性、その両方に価値を感じるかどうかで判断が分かれる。
色温度とルーメンの読み方
製品ページの数字は、書き方ひとつで印象が変わる。買ってから「思ったより暗い」「白すぎる」と感じないために、2つの数字の読み方を押さえておきたい。
色温度は6300K前後で純正と揃う
LA400Aはロービームが純正LEDなので、社外品を足すときは純正の色に寄せるのが自然だ。6300K前後の製品を選ぶと、ハイビームやフォグを白系にしたときにヘッドライトとの色差が目立たない。8000Kを超える青白い製品は、見た目の主張は強いが雨天で路面が見えにくくなる方向に振れる。
ルーメン表記はセット値か1個値かを見る
フォグキットの8,400lmや9,800lmは、左右2個ぶんの合計値として書かれることが多い。一方で室内灯の140lmは1個あたりの値になる。同じ「lm」でも分母が違うため、数字の大小だけで製品を並べると比較を誤る。分母を揃えてから見比べるのが読み方の基本になる。
取り付け前に確認しておくこと
LA400Aは2シーターで作業スペースが狭く、電装品の配線も密集している。手を動かす前の準備で、作業時間と失敗率がかなり変わる。
現車のバルブを1本抜いて規格を照合する
適合表はショップごとに情報が割れることがある。特にハイビームは扱いが分かれるため、注文前に現車から1本抜いて刻印を読むのが最も速い検証になる。同じLA400Aでも年式やオプションで灯体が違う可能性は残るため、この一手間が空振りを防ぐ。抜いたバルブの口金にはH9やT16といった規格が刻まれているので、スマートフォンで撮影しておき、製品ページの規格表記と並べて見比べると読み違いが起きにくい。
電装品を触る前にバッテリー端子を外す
ウインカーの抵抗追加やフォグのユニット交換のように配線に触る作業では、作業前にバッテリーのマイナス端子を外しておく。ショートによるヒューズ切れやECUへの負荷を避けるための基本手順で、コペンのバッテリー位置や外し方はコペンのバッテリー交換ガイドにまとめてある。
よくある質問
コペンGRスポーツのロービームをLEDバルブに交換できますか
LA400Aのロービームは純正でLEDが組まれており、交換用のバルブという部品が存在しない。明るさや色味を変えたい場合、選択肢は灯体そのものの交換に限られ、バルブを買い替える形での対応はできない。社外バルブを探しても適合品が見つからないのは、この構造が理由になる。
純正LEDフォグのままバルブだけイエローに変えられますか
できない。純正のLEDフォグは光源を抜き差しする構造になっていないため、色を変えるにはレンズユニットごと社外品に置き換えるキットを使う。キットに「H8/H11/H16共通」と書かれているのは同梱される新ユニット側の規格であり、その規格のバルブを単品で買っても純正ユニットには装着できない。
LED化すると車検に通らなくなりますか
部位ごとに基準が決まっている。ナンバー灯は白色、ウインカーは橙色、バックランプは白色という色の指定があり、これを外れる製品を選ぶと指摘の対象になる。室内灯は保安基準の対象外なので色温度を自由に選べる。フォグは白色か淡黄色が認められており、イエローのキットもこの範囲に収まる設計になっている。
ウインカーをLEDにするとハイフラは必ず起きますか
抵抗内蔵タイプを選ぶか、別途ハイフラ防止抵抗を組めば起きない。LEDは白熱球より消費電力が小さく、車両側が球切れと判断して点滅を速める仕組みが働くため、消費電力を白熱球相当に見せかける抵抗が要る。抵抗を内蔵した製品なら追加部品なしで組めるが、発熱するため取り付け位置には配慮したい。
まとめ
LA400AのLED化は、交換できる箇所を先に確定させることから始まる。ロービームは純正LEDで手が入らず、フォグも光源を抜けないためレンズユニットごとの交換になる。実際にバルブを選べるのはハイビーム(H9)・ウインカー(T20ピンチ部違い)・バックランプ(T16)・ライセンスランプ(T10)・前席室内灯(T10×31)の5か所だ。まず3,000円以内で室内灯とナンバー灯を白に揃え、効果を確かめてからフォグのユニット交換という金額の大きい判断に進むと、無駄な出費が出にくい。ハイビームの規格だけはショップ間で情報が割れるため、注文前に現車から1本抜いて刻印を読む一手間をかけておきたい。
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