スペーシアギアのマフラーは、同じMK53Sでもターボの2WD・ターボの4WD・ノンターボの2WDで設定される品番が分かれる。さらに2024年9月20日からは現行のMK54S・MK94Sに切り替わっており、先代用として売られている製品がそのまま付くとは限らない。だから最初にやるのは商品を探すことではなく、車検証の型式欄と駆動方式を控えることだ。そこが決まれば、純正同等・社外スポーツ・マフラーカッターの3択のうちどれを見ればよいかまで自動的に絞られる。
目的と予算で分かれる3つの選択肢
| 選択肢 | 価格の目安 | 主に確認すること |
|---|---|---|
| 純正同等の交換用リアマフラー | 1万円台 | 自分の型式・駆動方式に合うか |
| 社外スポーツマフラー | 10万円前後 | 設定の有無・純正切断の要否・表示 |
| マフラーカッター | 3千円弱 | 排気管の外径が対応範囲に入るか |
選ぶ軸は3つに整理できる。1つ目は目的で、純正が傷んだので同等品に戻したいのか、音や見た目を変えたいのか、見た目だけ手軽に変えたいのか。2つ目は自分の車の組み合わせで、車検証の型式(4AA-MK53S=ターボ/5AA-MK53S=ノンターボ)と駆動方式、そして先代MK53Sか現行MK54S・MK94Sか。3つ目は表示で、国土交通省が示す適合確認の表示が製品に付くかどうか。この3つが決まった時点で、候補はほとんど1つか2つに絞られる。
車検証の型式欄と駆動方式を最初に控える
先代MK53Sの中が3区分に分かれる
柿本改の公式適合表では、先代スペーシアギアが3つの区分に整理されている。ハイブリッドXZターボの2WD(FF)が車輌形式「DAA,4AA-MK53S」、同じくターボの4WD(AWD)も「DAA,4AA-MK53S」、ノンターボのハイブリッドXZ 2WD(FF)が「DAA,5AA-MK53S」。いずれもエンジン型式はR06A WA05A、変速機はCVT、年式は2018/12〜2023/11で、スズキ公式のニュースリリースにある先代の発売時期とも重なる。
つまり車検証の型式欄が4AAで始まればターボ、5AAで始まればノンターボであり、そこに駆動方式を組み合わせた3つの組で適合が決まる。同じ車名・同じMK53Sというだけでは足りない。
2024年9月から現行型に切り替わっている
現行型はターボのHYBRID XZ TURBOが4AA-MK54S、ノンターボのHYBRID XZが5AA-MK94Sで、エンジンはターボがR06A型、ノンターボがR06D型。どちらも2WDと4WDのCVT車が設定され、寸法は全長3,395mm・全幅1,475mm・全高1,800mm、ホイールベース2,460mm、乗車定員4名となっている。車名が同じでも先代とはマフラーの設定が別なので、世代の取り違えだけは避けたい。
柿本改の適合表が示す型式別の品番
| 区分 | 車輌形式 | 製品・品番 | 希望小売価格 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| ターボ2WD(FF) | DAA,4AA-MK53S | GTbox 06&S/S44335 | 101,200円 | 純正マフラー要切断 |
| ターボ2WD(FF) | DAA,4AA-MK53S | Class KR センター出し/S71335 | 137,500円 | 純正マフラー要切断・センター出し |
| ターボ4WD(AWD) | DAA,4AA-MK53S | GTbox 06&S/S44338 | 適合表で確認できず | リアピースのみ(製品は2分割)・2019年8月に仕様変更有り |
| ノンターボ2WD(FF) | DAA,5AA-MK53S | GTbox 06&S/S44337 | 115,500円 | 吊りゴム別途 |
金額は柿本改が公表する希望小売価格で、税抜本体価格はS44335が92,000円、S71335が125,000円、S44337が105,000円。販売店の実売価格とは別物なので、見積もりは店に取る。保安基準等の欄は掲載の4品番ともJQR認証(性能等確認済表示)で、S44335の認証番号はJQR20152143、S44337はJQR20162031と記載されている。
ターボ2WDは純正マフラーの切断が前提
ターボ2WD用の2製品は、どちらも備考に「取付には純正マフラー要切断。」と明記されている。純正を切ってしまうと、あとで戻したくなったときは純正部品の買い直しになる。装着前に、純正へ戻す可能性があるかどうかを自分で決めておく。一方でノンターボ2WD用のS44337には切断の記載がなく、同じ柿本改でも作業の性質が違う。
吊りゴムにも注意がいる。3品番とも備考に「柿本改吊りゴム(GOP101)×2個別途必要。」とあり、付属するのは吊りゴム(STF030)×1だけ。本体だけ手配すると作業当日に部品が足りない。
設定があるのは3区分だけ
柿本改のスペーシアギアの車種一覧に載っているのは、ターボ2WD・ターボ4WD・ノンターボ2WDの3つ。ノンターボの4WD、および現行型MK54S・MK94Sの区分はこの一覧には出てこない。社外スポーツマフラーは車種と駆動方式の組み合わせごとに開発されるものなので、まず自分の組み合わせに設定があるかどうかが問われる。他社の設定まで調べたわけではないため、この一覧に無い=どこにも無い、とまでは言えない。
車検で見られるのは表示と騒音値
適合を示す表示は5種類
国土交通省が公表しているマフラーの騒音対策資料によると、交換用マフラーの規制は平成22年4月以降に製作される自動車等に適用される。内容は「消音器の騒音低減機構を容易に除去できる構造のものを禁止」と「使用過程車および並行輸入車等の消音器が加速走行騒音を有効に防止するものであることを義務付け」の2つ。後者は新車段階だけでなく、買ってから乗り続けている間にも効く。スペーシアギアは先代・現行ともこの対象年代にあたる。
同資料が挙げる適合例は、まず次のいずれかの表示があるマフラーだ。自動車製作者表示(純正マフラー。自動車メーカーの商号・商標等)、装置型式指定品表示(自マーク)、性能等確認済表示、協定規則適合品表示(Eマーク)、欧州連合指令適合品表示(eマーク)。加えて、加速走行騒音試験で騒音値が基準に適合する車(公的試験機関の試験結果が必要)、協定規則またはEU指令に適合する車が現に備えているマフラーも挙げられている。製品ページで探すのは、この5種類のうちどれが付くかという1点。性能等確認済表示は全開加速走行騒音が82dB以下であることを確認したマフラーに付き、確認機関の略称・原動機型式・識別番号・近接排気騒音値が記載される。
平成28年10月以降の車は表示が見えないと不適合
同じ資料には「平成28年10月以降に製作される自動車等は運行中にこれらの表示や試験成績表等が確認できない場合、基準不適合となります」という注意書きがある。先代スペーシアギアは2018年12月からの生産で、現行型ともどもこの対象。装着後は性能等確認済表示や試験成績表を確認できる状態にしておき、同梱の書類は捨てずに車に積んでおく。
騒音低減機構を容易に除去できるものも装着できない。不適合例として、消音機能に関する部品が溶接やリベットで取り付けられていないもの、具体的にはインナーサイレンサーがボルト止め・ナット止め・接着等で容易に外せるものが示されている。不正改造車の使用者には整備命令が出され、従わない場合は50万円以下の罰金、不正改造を実施した者は6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金と定められている。
近接排気騒音には相対値規制もある。国土交通省が平成30年11月に公表した交換用マフラーの規制見直しの資料では、新車時の近接排気騒音が一定の値を超える四輪自動車等に交換用マフラーを備える場合、使用過程における値が新車時から悪化しないことを確認するとされ、一定の値は乗用車(車両後部にエンジンを有するもの以外のもの)で91dB、判定は新車時の値に5dBを加えた値以下であること。自分の車の新車時の値は車検証等に記載がある。
純正が傷んだので戻すなら品番096-116
純正と同じ形の交換用リアマフラーとして、品番096-116がスペーシア/スペーシアギアのMK53S用として流通している。Amazon実売価格は確認時点で14,250円と14,672円の2商品があり、社外スポーツマフラーの10万円前後とは1桁近い差がある。同じ096-116を複数の出品者が別々の商品名で扱っているので、商品名が違っても中身は同じ品番だと思ってよい。
HST製 リアマフラー 096-116(スペーシア/スペーシアギア MK53S 用・純正同等タイプ)
HST リアマフラー 096-116(スペーシア/スペーシアギアほかスズキ・マツダ軽向け)
ただし商品名にはキャロル、フレア、フレアワゴン、アルト、アルトラパン、ワゴンRといった複数車種が並記されており、商品名だけではノンターボ用かターボ用か、2WD用か4WD用かが読み取れない。柿本改の適合表が示すとおりMK53Sは3区分に分かれる以上、注文前に自分の車検証の型式(4AA-MK53Sか5AA-MK53Sか)と駆動方式を伝えて、出品者か販売店に適合を照会する一手間を入れる。
見た目だけ変えたいならマフラーカッター
マフラーカッターは既存の排気口に被せて見た目を変える装飾部品で、消音器そのものの交換ではない。スペーシア/スペーシアカスタム/スペーシアギア向けの2本出しタイプは、Amazon実売価格が確認時点で2,899円、取付直径38〜53mmに対応と商品ページに記載がある。角度調整ができる構造なので、買う前に自分の車の排気管の外径を実測して、対応範囲に入るかを確かめるのが先。
マフラーカッター 2本出し(取付直径38〜53mm対応・角度調整式)
消音器を替えるわけではないから、排気音や抜けが変わることを期待して選ぶ部品ではない。目的がリアビューを整えることならここで完結してよいし、音や抜けが目的ならマフラー本体を見る。装飾部品でも走行中に脱落しては困るので、固定方法と締め付けだけは確認する。現行のMK54S・MK94Sに乗っているなら、先代用として売られているものではなく、自分の型式が明記された商品を探すところから始める。
注文前に踏む5つの確認
- 車検証を見て「型式」欄(4AA-MK53S/5AA-MK53S/4AA-MK54S/5AA-MK94Sなど)と駆動方式、初度登録年月を控える。
- メーカーの適合表で、その型式・駆動方式・年式の区分に欲しい製品の設定があるかを照合する。
- 製品側に自動車製作者表示・自マーク・性能等確認済表示・Eマーク・eマークのどれが付くかを確認する。
- 備考欄で純正マフラーの切断が要るか、吊りゴムなど別途手配する部品があるかを読む。
- 在庫と納期を販売店に確認する。
社外スポーツマフラーは受注生産や取り寄せになることが多く、届くまで数週間かかる場合がある。今回確認した時点でも、スペーシアギア・スペーシアカスタム向けの社外スポーツマフラーはすぐ出る状態ではなく、手配が早いのは純正同等の交換用リアマフラーとマフラーカッターだった。状況は動くので、急ぎで車検を通したいのか時間をかけて仕上げたいのかで順番を決める。
作業そのものは車体の下に潜る内容で、ジャッキアップかリフトアップが前提。純正マフラーの切断が要る製品では切断工具と切断位置の判断も加わり、DIYの難度は一段上がる。4WD用のようにリアピースのみで2分割になっているものは接続部の位置合わせが仕上がりを左右する。自信がなければ取付は店に任せて、工賃込みの総額で比べたほうがいい。
よくある質問
MK53S用と書いてあれば自分のスペーシアギアに付きますか
MK53Sという表記だけでは足りない。柿本改の適合表ではターボ2WD・ターボ4WD・ノンターボ2WDで品番が分かれており、型式欄が4AAで始まるか5AAで始まるか、駆動方式が2WDか4WDかまで揃って初めて適合が決まる。
JASMA認定と書いてあれば車検は通りますか
業界団体の認定表記は、国土交通省が示す適合確認の列挙には含まれない。列挙されているのは自動車製作者表示、自マーク、性能等確認済表示、Eマーク、eマークの5つ。車検の合否は装着状態や騒音の実測値、書類の有無で決まるため、商品単体で通ると言い切れるものはない。
社外マフラーに替えたあと純正に戻せますか
ターボ2WD用として柿本改が設定する2製品は備考に純正マフラーの切断が明記されているので、切ったあとで純正に戻すなら純正部品を買い直すことになる。戻す可能性を残したいなら、切断の記載がない製品かどうかを備考で確かめてから決める。
現行のスペーシアギアにも同じマフラーは使えますか
先代MK53S用として売られているものが現行の4AA-MK54S・5AA-MK94Sに付くとは考えないほうがいい。柿本改のスペーシアギアの車種一覧に現行型の区分は載っておらず、社外マフラーの選択肢は先代より限られる。
取り付け工賃を含めるといくらくらいかかりますか
工賃は店ごとに違い、今回は確認できていない。部品代の目安は純正同等の交換用リアマフラーが1万円台、社外スポーツマフラーが10万円前後、マフラーカッターが3千円弱で、ここに工賃と、柿本改の製品なら吊りゴム2個分が乗る。総額は見積もりで確かめる。
目的別のまとめ
純正が傷んで同等品に戻したいなら品番096-116の交換用リアマフラーが現実的で、注文前に型式と駆動方式を伝えて適合を照会すれば足りる。音や抜けを変えたいなら柿本改のように型式別の設定と認証番号が公表されている製品を選び、純正切断の要否と吊りゴム2個を織り込んで判断する。見た目だけならマフラーカッターで完結する。
どれを選ぶにせよ、出発点は車検証で型式と初度登録年月を確認することだ。そのうえで製品側の表示を見て、装着後は書類を車に積んでおく。
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