スペーシア ベースのサンシェードを通販で探すと、乗用のスペーシア向けの品が同じ検索結果に混ざる。車名は共通でも、こちらは型式 MK33V の軽商用バンだ。買う前に決めることは2つある。どこまでを覆うのか、そして適合表記がこの型式を名指ししているのかどうか。前面ガラス1枚で済ませるか荷室まで覆うかで、選ぶ製品も見るべき表記も変わってくる。
覆う範囲で3系統に分かれる
サンシェードは目的別に3つに分かれ、この車ではどれを選ぶかで確認すべき適合表記まで変わる。まず「駐車中の熱だけ抑えたいのか、荷室で視線を切りたいのか」を決めれば、買うものはほぼ決まる。
| 系統 | 代表製品 | 覆う範囲 | 固定方式 | 適合表記 | Amazon実売価格(2026年8月27日時点) |
|---|---|---|---|---|---|
| 前面ガラス用 | ruiya MK33V型専用 | フロントガラス1枚 | サンバイザーで挟む | MK33V を名指し | ¥2,980 |
| 前面ガラス用 | 趣味職人 07s-g019-fu | フロントガラス1枚 | ワイヤー+吸盤2個 | MK53S と併記 | ¥1,980 |
| 全窓セット | Douauto 全窓用 | 前面+リヤ側まで | 吸盤不使用 | MK33V を名指し | ¥3,700 |
| メッシュ(防虫) | Teriao 4枚組 | 開けた窓の網 | マグネット | MK33V/53S型 | ¥4,699 |
価格は変動するので、注文時に各ページで確かめてほしい。前面ガラス用とメッシュは目的が違うため、どちらかを買えば片方が要らなくなるという関係ではない。
この車は乗用のスペーシアと別物だ
型式は 5BD-MK33V、定員は2名が基本
スズキ公式の諸元表では、型式は 5BD-MK33V。グレードは XF と GF の2種類で、それぞれに 2WD と 4WD があるが、型式はどれも共通だ。乗車定員は「2【4】名」、最大積載量は「200【100】kg」と表記されている(【】内が4人乗車時の値)。基本は2名乗車で荷室を広く使う設計で、常時4人乗りの乗用スペーシアとはここが分かれる。
スズキが2022年8月26日に出した発売時のニュースリリースでも、この車は軽商用車と位置づけられ、商用車の積載性と乗用車の運転しやすさを両立させたと説明されている。寸法は全長3,395mm・全幅1,475mm・ホイールベース2,460mm、全高は XF が1,800mm、GF が1,785mm。
純正ガラスは前席まわりを暗くしない
スズキ公式の装備表を見ると、スモークガラスが設定されているのはリヤドアとバックドアで、フロントまわりは熱線吸収グリーンガラス(フロント、フロントクォーター、フロントドア)とIRカット機能付フロントガラス、プレミアムUV&IRカットガラス(フロントドア)という構成になっている。前席まわりは色を濃くして視線を切る作りではないということだ。駐車中にダッシュボードやハンドルへ直射日光が入る前提の装備で、サンシェードを足す理由はここにある。
効くのはダッシュボード、効かないのは車内平均
JAF が実施した真夏の車内温度テストでは、2012年8月22日・23日に埼玉県戸田市の駐車場でミニバン5台を使い、外気温35度・正午から4時間という条件で測定している。結果はこうだ。
| 条件 | 車内最高 | 車内平均 | ダッシュボード最高 |
|---|---|---|---|
| 対策なし(黒) | 57℃ | 51℃ | 79℃ |
| 対策なし(白) | 52℃ | 47℃ | 74℃ |
| サンシェード装着 | 50℃ | 45℃ | 52℃ |
| 窓開け(3cm) | 45℃ | 42℃ | 75℃ |
| エアコン作動 | 27℃ | 26℃ | 61℃ |
大きく変わるのはダッシュボードの最高温度で、対策なし(黒)の79℃に対してサンシェード装着は52℃。一方で車内平均は51℃が45℃になるだけだ。JAF 自身、サンシェード対策や窓開け対策をしていても温度抑制効果は低く、人や動物が耐えられない温度となり車内温度の上昇を防ぐことはできない、と結論づけている。サンシェードは直射日光の当たる面の温度に効く道具であって、車内を涼しく保つものではない。付けているからと人やペットを車内に残す使い方はできない。
買う前に決める4つの軸
1. 覆う範囲
前面ガラスだけなら駐車中の熱対策、全窓なら外からの視線を切るのが目的になる。この車は荷室長が1m を超えるので、前面1枚で荷室側まで隠れると考えないほうがいい。メッシュは遮光ではなく通気と防虫なので、遮光用の置き換えにはならない。
2. 固定方式
大きく3通り。サンバイザーで挟む方式は吸盤跡が残らず着脱が速い。吸盤は位置を細かく決められる代わりに、暑い時期に外れることがあり跡を気にする人もいる。マグネットは工具が要らず、窓を開けたまま使える製品もある。優劣ではなく、着脱の速さ・跡の残りにくさ・窓を開けたまま使えるかの3点で選べばいい。
3. 畳んだときの形
ワイヤー入りで円形にねじって畳むタイプは薄くまとまり、収納袋が付く製品が多い。全窓セットは枚数のぶんかさばるので、荷室のどこに置くかを買う前に決めておく。2名乗車のこの車は荷室こそ広いが、運転席まわりに物を置く場所は限られる。
4. 適合表記
同じ「スペーシア」でも乗用と商用でカテゴリが違うため、製品ごとに表記の書き方が割れる。ここが最も外しやすい箇所なので、次の節で分けて見ていく。
「MK33V 専用」と「MK53S 併記」を読み分ける
販売元の適合表記は大きく2種類ある。1つは「スペーシアベース MK33V 専用」のようにこの型式だけを名指ししたもの。もう1つは「スペーシア MK53S/スペーシアカスタム/スペーシアギア/スペーシアベース MK33V 対応」のように乗用のスペーシアと併記したもので、前面ガラス用ではよく見かける形だ。後者は同じ品番で複数の型式をまとめて適合としているという販売元の表記であり、それ以上でも以下でもない。
表記から車の側の事実は読み取れない
注意したいのは、ここから車の側の事実を推し量れないことだ。メーカーはこの車のフロントガラスやサイドガラスの寸法を公開していないので、フロントガラスの形が乗用スペーシアと同じだとは書けないし、窓が何枚あるかも装備表からは確定できない。判断できるのは表記の事実までで、その先は購入前に販売元の適合表一覧を自分で確認することになる。汎用品を検討するなら、注文前に実車のガラスを測っておく。
全窓セットだけは型式明記に絞る
前面ガラス用は併記品も候補に入れてよいが、荷室まで覆う全窓セットは MK33V を明記した製品に絞る。窓の構成そのものが車格で変わるからだ。表記を確かめるときは、通販の商品タイトルだけで判断せず、販売元自身のページで品番を照合する手がある。たとえば品番 07s-g019-fu のワイヤーシェードは、販売元の自社通販ページでも MK33V 型と MK53S 型の両方を掲げる商品として掲載されており、商品ページ側の表記と食い違っていない。
同じ軽バンでの選び方は、車種をまたいで読むと判断の型がつかみやすい。
前面ガラス用の2点を比べる
ruiya MK33V型専用(吸盤を使わない)
販売元の商品説明では、適用車種を「新型 スズキ スペーシア ベース スペーシアベース MK33V型(2022.8~現行)」と、この車の型式だけで名指ししている。構造は4層構造・アルミメッキ・厚手ポリプロピレン不織布採用とされ、表側がアルミメッキの遮光シート、2層目が紫外線防止のナノ反射層、3層目が吸熱・耐燃層、裏側がポリウレタンの黒い断熱シートという説明だ。これらはいずれも販売元の表示値で、第三者が測った数字ではない。
固定は吸盤を使わず、本体を広げて下部をフロントガラスに押し当て、サンバイザーを下ろして挟むだけと書かれている。ワイヤーが入っているので折り畳んでまとめられ、収納袋が付く。ガラスに跡を残したくない人、着脱を毎日繰り返す人はこちらを選べばいい。なお、ブランド欄の表記と出品者名は一致しないが、商品タイトルと商品説明はどちらも ruiya の製品として書かれている。
ruiya スペーシア ベース MK33V型専用 フロントガラス用サンシェード 4層構造・吸盤不要・収納袋付き
趣味職人 ワイヤーシェード 07s-g019-fu(乗用と併記の品番)
こちらは適合車種を「スペーシア スペーシア カスタム スペーシア ギア MK53S スペーシア ベース MK33V ハイブリッド」と併記する形で掲げている。商品内容はフロントガラス1枚と吸盤2個。販売元の商品説明では特殊生地により遮光率99%以上を実現とあり、固定については、ワイヤーがフロントガラスと内装トリムの溝に固定できる新技術により外部の支持なしで安定して固定される、と説明されている。
同じ品番を乗用スペーシアと共用しているので、家族で乗用スペーシアも所有しているなら使い回しを検討できる。逆に、この車だけに合わせて作られた品が欲しいなら前者になる。価格は2026年8月27日時点の Amazon 実売で ¥1,980 と ¥2,980 の差があり、この差をどう見るかは使い方次第だ。
趣味職人 ワイヤーシェード スペーシア MK53S / スペーシア ベース MK33V 対応 07s-g019-fu
荷室まで覆うなら全窓セットに切り替える
スズキ公式の諸元表では、荷室長1,205【735】mm・荷室幅1,245【1,265】mm・荷室高1,220mm(【】内は4人乗車時)。荷室長が1m を超える以上、前面ガラス1枚では荷室側の視線も日射も残ったままになる。荷室で着替える、仮眠する、積んだ荷物を外から見せたくない——この用途なら最初から全窓セットを買うほうが早い。
Douauto の全窓用サンシェードは、販売元の商品説明で「スペーシアベース MK33V に適用」と型式を明記したうえで、車種別に専用設計されたサンシェード全窓用、業務用車両の目隠しなどにも人気のある全窓タイプ、と説明されている。素材は表面に銀塗った素材を使用、裏面に黒色断熱材質を使用の多層構造で、99%の有害な紫外線を効果的に遮断・光透過率0という表記がある。いずれも販売元の表示値だ。取り付けはフロントウィンドー全面をくまなく覆い、吸盤不使用なのでイヤな吸盤跡は付きません、とある。商品説明にも購入前に自分の車が適合するか確認するよう促す一文が入っている。
Douauto スペーシアベース MK33V 用 全窓サンシェード 多層構造・吸盤不使用
換気と目隠しは分けて考える
メッシュは遮光の代わりにならない
Teriao のメッシュカーテンは4枚組で、販売元の商品説明では、スズキ スペーシア ベース MK33V/53S型 専用設計により窓ガラスに隙間なくフィットするとされている。狙いは遮光ではなく通気と防虫で、細かい高密度メッシュにより通気性を確保しながら蚊や虫の侵入を強力にガードする、換気しながら外の景色を楽しめる、という説明だ。固定はマグネット式で、工具なしでワンタッチで着脱可能、装着したまま窓の開閉も行える、窓枠が金属以外でも付属品で固定可能とある。使わないときは折りたたんで付属の収納袋に入れられる。紫外線については高品質素材により紫外線を 99% カットという表記がある。
Teriao スペーシア ベース MK33V/53S型 メッシュカーテン マグネット式 4枚組
荷室で過ごすなら役割を分担させる
スズキは発売時のニュースリリースで、全車にマルチボードを標準装備し、車中泊やワーケーションなどに合わせて室内空間を組み替えられると説明している。隙間のないフルフラットなフロアと、低く抑えた荷室開口地上高も挙げられている。ただし寝床としての適否や眠りやすさをメーカーが述べているわけではないので、そこは実車で自分の体格に照らして判断してほしい。
組み方は単純で、視線と光を切るのが全窓セット、風を通して虫を止めるのがメッシュだ。夜に荷室で過ごすなら両方が要る。昼の駐車で室内の熱を抑えたいだけなら前面ガラス用1枚で足りる。どちらか一方に両方の役目を負わせない、と考えておけば買い過ぎも買い足りなさも避けられる。
走り出す前に必ず外す
道路運送車両の保安基準第29条第3項は、自動車の前面ガラス及び側面ガラス(告示で定める部分を除く)について、運転者の視野を妨げないものとして、ひずみや可視光線の透過率などに関する基準に適合しなければならないと定めている。続く第4項は、その窓ガラスには検査標章や保険標章など列挙されたもの以外を装着・貼付・塗装・刻印してはならないと定めている。
この記事で挙げた製品はすべて駐停車中に使うもので、前面ガラスと運転席・助手席側の側面ガラスに付けたまま走り出さない。降りるときに広げて、乗り込んだら畳む。この順番を習慣にしておけば迷わずに済む。
よくある質問
「スペーシア MK53S 対応」と書かれた製品はスペーシア ベースにも使えるのか
その表記は、販売元が同じ品番で複数の型式を適合として掲げているという事実を示している。前面ガラス用ならその表記を信じて候補に入れてよい。ただし荷室側まで覆うセットは窓の構成が車格で変わるため、MK33V を明記した製品を選ぶほうが外しにくい。
前面ガラス用だけで暑さ対策として足りるのか
ダッシュボードやハンドルの温度を抑える目的なら足りる。ただし前掲の JAF のテストが示すとおり車内平均温度の下がり方は小さく、車内を涼しく保つ道具ではない。荷室側の視線を切る用途にも足りない。
付けたまま走ってもよいのか
前面ガラスと運転席・助手席側の側面ガラスに装着したままでは走らせない。保安基準が窓ガラスへの装着物を限定しているためで、この記事で扱っているのは駐停車中に使う道具だ。
使わないときはどう畳んでどこに置くのか
ワイヤー入りは円形にねじって薄くまとめ、付属の収納袋に入れておける。全窓セットは枚数があるぶんかさばるので、荷室の定位置を決めておくといい。運転席まわりは置き場所が限られるため、前面用1枚はドアポケットや座席脇に差せる形かどうかを買う前に見ておく。
まとめ
買う前にやることは、実車の運転席に座って覆いたい窓を目で確かめることだ。前面ガラスだけでいいのか、荷室のリヤドアやバックドアまで隠したいのか。サンバイザーの位置や窓枠が金属かどうかも、その場で見ておくと固定方式を決めやすい。汎用品を検討するならガラスの寸法も測っておく。型式が 5BD-MK33V かどうかは、その後で車検証を見れば確かめられる。
選び方は4点に畳める。覆う範囲を先に決める。適合表記は MK33V 明記か MK53S 併記かで扱いを分ける。効くのはダッシュボードの温度で、車内平均には限界がある。そして走り出す前に必ず外す。この順で見ていけば、通販の検索結果に乗用スペーシア向けが混ざっていても迷わない。
この記事にはAmazonアソシエイトを含むアフィリエイト広告を含みます。

コメント