納車して初めての夏、青空駐車から戻るとダッシュボードもハンドルも熱くなっている。e ビターラのサンシェード選びは、車検証の型式が PA2AS か PB3AS かで品物が変わるのか、ルーフにガラスが入っている以上フロントだけ塞げばいいのか、この2つで入り口が分かれる。先に結論を書くと、型式で品物は変わらず、買い足すのはフロントガラス用でよい。ただし発売から日が浅く、車種名を掲げて買えるものはまだ数えるほどしかない。
e ビターラのサンシェード選びを決める3つのこと
判断の骨格は3つに畳める。1つめ、上からの日差しはルーフ側の装備で処理できるので、買い足すのはフロントガラス用でよい。2つめ、選ぶときに突き合わせるのは年式ではなく型式の PA2AS/PB3AS。3つめ、車種名と型式を掲げて買えるフロント用は傘型だけで、ブランドは実質3つしかない。
その3つを横に並べると次のとおり。価格と在庫は2026年8月27日に確認した時点のもので、後から変わる。
| ブランド | 固定方式 | ミラー・ドラレコの逃げ | 収納 | 価格(2026年8月27日時点) |
|---|---|---|---|---|
| ruiya | 中央の吸盤+サンバイザー | ルームミラーとドライブレコーダーの両方に言及 | 本体の幅広バンド | ¥3,062(残りわずかの表示) |
| Kurtz | プルコード式・吸盤なし | 切り込みの記載なし | 収納袋つき | ¥3,280(在庫あり) |
| カーキャンパージャパン | 中棒が360°回る | バックミラーの切れ込み加工 | 折り畳み式(袋の記載なし) | ¥4,980(在庫あり) |
同じスズキ車のサンシェード選びの流れは
も参考になる。
車検証の型式欄が PA2AS か PB3AS か
車検証の「型式」欄に入るのは ZAA-PA2AS か ZAA-PB3AS のどちらか。頭の ZAA は排出ガスなどの識別記号にあたる部分なので、商品ページと突き合わせるのは後半の PA2AS/PB3AS になる。
カタログサイトの型式別の一覧では、PA2AS が駆動輪フロントの2WD側で、グレード X(399.3万円・車両重量1,700kg)と Z の2WD(448.8万円・車両重量1,790kg)が該当する。PB3AS は4×4の4WD側で、Z の4WD(492.8万円・車両重量1,890kg)が入る。つまり2WD と 4WD の分かれ目がそのまま型式の分かれ目だ。
ただしサンシェードの側から見ると、この違いは効いてこない。今回扱う3製品はどれも PA2AS と PB3AS の両方を対象に掲げているので、2WD だから、4WD だからで品物が変わるわけではない。
適合年式が「2025年10月」と「令和8.1」で割れている
商品ページを並べて見ると、適合年式の書き方が2通りある。ruiya の2件は「2025.10~現行」、Kurtz の2件は「2025年10月~現行に適合します」と書いているのに対し、カーキャンパージャパンの1件だけが「年式:令和8.1~」、つまり2026年1月からと書いている。
一方でスズキのニュースリリースによると、e ビターラの日本での発売日は2026年1月16日だ。この日付を基準にすると、2025年10月という表記は日本での発売時期と合わない。とはいえ、どちらの表記が誤りなのかを示す一次資料は無く、海外での生産開始時期を指している可能性も残る。どちらかを「間違い」と決めつける材料が無い、というのが正直なところになる。
そこで実務的にどうするか。型式の表記だけは5件すべてが PA2AS/PB3AS で一致している。だから年式の欄は判断の軸にせず、車検証の型式欄の後半と商品ページの型式表記が合っているかだけを見る。これで迷いは消える。
ルーフは車両側で塞げる。買い足すのはフロント側
スズキ公式のデザインページには、e ビターラのルーフにサンシェード付きのガラスルーフを搭載し、IRカットガラスを採用していると書かれている。室内空間のページにも、サンシェードを閉めた状態の数値だという注記がある。上からの日差しは車両側の装備で処理できる前提で考えてよい。ただしこのページにはグレード別の設定(標準装備なのかメーカーオプションなのか)の記載が無いので、自分の車に付いているかは納車時の仕様書で確かめてほしい。
では純正のフロント用はあるのか。スズキ公式の純正用品のページを2026年8月27日に見た範囲では、フロントガラス用サンシェードに当たる品目は載っていなかった。日除け方向の品目としてカータープはあるが、これはルーフサイドやバックドアに吸盤で留めて車外に張るもので、公式自身が「※遮光生地ではありません。」と注記している。フロントガラスを塞ぐ用途の代わりにはならない。販売店取り扱いの用品や今後の追加設定まで調べたわけではないので存在しないとは言えないが、いま棚から選ぶなら社外の車種専用品になる。
同じスズキ車で傘型と全窓セットを比べた例は
にまとめてある。
サンシェードを付けると、どこの温度が変わるのか
JAF のユーザーテスト「真夏の車内温度」は、2012年8月に埼玉県戸田市の駐車場で、晴天・気温35度のもとミニバン5台を正午から4時間駐車して条件別に測ったもの。測定値は次のとおり。
| 条件 | 車内最高 | 車内平均 | ダッシュボード最高 |
|---|---|---|---|
| 対策なし(黒) | 57℃ | 51℃ | 79℃ |
| 対策なし(白) | 52℃ | 47℃ | 74℃ |
| サンシェード装着 | 50℃ | 45℃ | 52℃ |
| 窓開け(3cm) | 45℃ | 42℃ | 75℃ |
| エアコン作動 | 27℃ | 26℃ | 61℃ |
目が行くのはダッシュボードの列だろう。対策なしの2台と窓開けが74〜79℃だったのに対し、サンシェードを装着した車両は52℃だった。ただしサンシェード装着車のボディカラーはページに書かれていないので、何度下がるという引き算はできない。ミニバンでの測定であって、e ビターラで測った値でもない。
そして JAF 自身の結論は、サンシェードや窓開けをしていても温度を抑える効果は低く、人や動物が耐えられない温度になる、というものだ。車内を涼しく保つ装備ではなく、直射日光が当たる面を守る装備として位置づけるのが正しい。ダッシュボードやハンドルの焼けを抑えたい、という目的なら噛み合う。
条件の近い車での比較は
も見ておくといい。
フロント用を選ぶときに見る4か所
e ビターラ用として買えるものは、いまのところ全部が傘型(パラソル型)で、引き紐を引いて開くタイプだ。蛇腹に折るタイプやポップアップ式は見当たらない。同じ形の中で何を見るか、4か所に整理した。
固定方式
吸盤で中央を留めてサンバイザーで挟むか、吸盤を使わないプルコード式か、中棒の向きを変えられるか。吸盤の跡が気になる人はプルコード式、留まり具合を優先するなら吸盤併用、という分かれ方になる。ここが3製品でいちばんはっきり違うところだ。
ルームミラーとドライブレコーダーの逃げ
フロントガラス上端の逃げ方は、商品ごとに書きぶりが違う。ルームミラーの切り込みだけを挙げているもの、ドライブレコーダーまで触れているもの、切り込みに言及していないものがある。ドライブレコーダーを付けているなら、切り込みの有無と大きさが書かれている製品を選ぶほうが確実だ。
収納
収納袋が付くか、本体のバンドでまとまるか。傘型は細く畳めるのが持ち味なので、畳んだ状態をどこに置くかを先に決めてから選ぶといい。運転席から手が届く場所に定位置を作れると、出し入れが続く。
表記の読み方
層構造や紫外線カット率、耐熱温度といった数値は、いずれも出品者が書いている表記で、第三者機関が測った値ではない。遮光率や反射率を測った値を示している出品は無い。だから数値の大小で順位を付けず、書かれている構造(層があるか、骨が何本か、切り込みがあるか)と自分の使い方が合うかで見る。同じ考え方で6製品を並べた例が
にある。
PA2AS/PB3AS に使えるフロントサンシェード3製品
先に注意を1つ。Amazon の一覧には5件並ぶが、同じブランドから商品説明が一字一句同じ出品が2件ずつある。ruiya の2件は箇条書きも商品画像も同一で、違うのは商品名末尾のキーワードと価格だけ(¥3,062 と ¥3,480 で¥418差)。Kurtz の2件も箇条書きと画像が同一で、価格はどちらも¥3,280、商品名の「車種専用」と「車種専用設計」という語だけが違う。同じ説明文の出品を見つけたら安いほうでいい。実質の選択肢は次の3つになる。
ruiya|吸盤+サンバイザーで留める、ドラレコまで書いてある1本
商品ページの表記では、中央部の高耐久シリコン吸盤で吸着し、フロントガラスに当てて中央を押し、最後にサンバイザーを下ろして装着完了、という手順。バネ式の先端がガラスの曲面に自動で追従するとも書かれている。骨組みは10本構造のガラス繊維で、各骨に耐錆のスプリングを内蔵。片づけは本体の幅広バンドでまとめる形で、専用袋は不要とある。
逃げの説明が3製品でいちばん詳しく、大型の切り込みとベルクロでルームミラーとドライブレコーダーに干渉しないと明記している。ドライブレコーダーを付けている人はここを買えばいい。2026年8月27日時点の Amazon 実売価格は¥3,062で、3つの中で最も低い(残りわずかの表示)。
ruiya スズキ eビターラ PA2AS/PB3AS型 専用 傘型フロントサンシェード(引き紐式・シリコン吸盤・ミラー/ドラレコ用の切り込みつき)
Kurtz|吸盤を使わないプルコード式、収納袋つき
こちらは吸盤の記載が無く、プルコード式のハンドルレス設計を掲げている。ハンドルを握ってリングをゆっくり引くだけで開き、取り付けは5秒もかからないという説明。骨組みはグラスファイバー製の10本で、収納袋が付く。ガラス面に吸盤の跡を残したくない人、置き場所を袋で決めたい人はこちら。
切り込みそのものへの言及は無く、代わりに中央のディスプレイに傷が付きにくいという内装側の説明が置かれている。ドライブレコーダーの有無で判断が分かれる部分だ。2026年8月27日時点の Amazon 実売価格は¥3,280(在庫あり)。
Kurtz スズキ eビターラ PA2AS/PB3AS型 車種専用 傘型フロントサンシェード(プルコード式・ハンドルレス設計・収納袋付き)
カーキャンパージャパン|中棒が360°回る、適合を令和8.1~と書く唯一の1本
傘型・折り畳み式で、バックミラーの切れ込み加工済み、中棒は360°回転して好きな方向へ曲げられる、という書き方。骨数や素材の記載は無い。3製品の中で唯一、適合年式を令和8.1~、つまり日本での発売時期に合わせて書いている出品でもある。年式表記の食い違いが気になる人の逃げ道として選ぶ価値はある。
2026年8月27日時点の Amazon 実売価格は¥4,980(在庫あり)で、3つの中では最も高い。それでも全体は¥3,062から¥4,980まで、およそ¥1,900の幅に収まっている。
カーキャンパージャパン eビターラ PA2AS/PB3AS 用 傘型フロントサンシェード(バックミラー切れ込み加工・中棒360度回転)
サイド・リア・全窓は今のところ選べない
2026年8月27日時点で、車種名の「eビターラ」と型式の「PA2AS」を商品名に掲げて買えたのは、フロントガラス用の傘型5件(実質3製品)だけだった。サイドガラス用・リアガラス用・全窓セットの車種専用品は、車種名や型式を含む複数の言い方で探した範囲では1件も出てこない。これは今回の探し方で見つからなかったということであって、存在しないと言い切れるわけではない。
同じ棚には汎用の車用カーテンやマグネット式のメッシュが並ぶ。ただしどれも商品名に車種の記載が無く、e ビターラ用として適合の確証が取れない。車中泊や仮眠まで考えている人には物足りないだろうが、いま確実に選べるのはフロント用だけ、というのが現状だ。
なお、運転者席より後方の側面ガラスとリアガラスは、国土交通省が示している不正改造の具体例で言う可視光線透過率70%の条件の対象外になる。駐車中の目隠しとして後席側を覆う分には、前席側とは扱いが違う。全窓まで揃った車種の例は
を見てほしい。
使うときに外せない注意点
まず、走り出す前に必ず外す。道路運送車両の保安基準の窓ガラスの条は、前面ガラスと運転席・助手席の側面ガラスについて、運転者の視野を妨げないことを求めていて、そこに装着・貼り付けできるものも限定している。遮光を目的とした布はここに入らない。国土交通省の不正改造の具体例でも、前面ガラス等に装飾板を装着した状態で可視光線透過率が70%未満のものは不可とされ、対象は被牽引自動車以外のすべての自動車だと明記されている。駐車中に使い、乗り込んだら畳む。これを守れば問題になる場面ではない。
次に、前の節で見たとおりサンシェードを装着しても車内は高温になる。子どもやペットを車内に残さない、という前提はサンシェードの有無で変わらない。
3つめ、e ビターラはスズキコネクトに加入すると離れた場所からエアコンを動かせる。ただし公式の注意書きに、住んでいる地域の条例でアイドリングが禁止・制限されている場合があること、一般公道では使わないこと、人やペットが車内にいるときは使わないことが明記されている。乗り込む前に冷やす手段ではあるが、駐車中にダッシュボードが焼けること自体を防ぐものではない。役割が別だと考えて、両方を使い分けるのがいい。PHEV での同じ整理は
にある。
日々の運用は、駐車したら出す、乗り込んだら畳んで運転席から手の届く場所に置く、の往復になる。畳んだときの太さと置き場所を先に決めておくと続く。
よくある質問
PA2AS と PB3AS でサンシェードは変わりますか
変わらない。今回扱った3製品はどれも PA2AS と PB3AS の両方を対象に掲げている。車検証の型式欄の後半がどちらであっても、同じ品物を選べる。
ガラスルーフが付いているならフロントのサンシェードは要りませんか
役割が違う。スズキ公式のデザインページによれば、ルーフ側はサンシェード付きのガラスルーフと IRカットガラスで上からの日差しを扱う装備で、前方から差し込む光とダッシュボードの焼けは別の話になる。ダッシュボードやハンドルの温度が気になるなら、フロント用は要る。
他の車種用や汎用のサンシェードで代用できますか
寸法が合うかを自分で確かめられるなら選択肢にはなる。ただし汎用品は商品名に車種の記載が無く、e ビターラのフロントガラスに合うという確証が取れない。フロントガラス自体の寸法は公表されていないので、机上で計算して確かめる方法も無い。型式を掲げた車種専用品が3つある以上、そちらから選ぶほうが早い。
運転支援のカメラに影響しませんか
断定できる材料が無い。スズキ公式の安全装備のページには、前方の検知にミリ波レーダーと単眼カメラを使うという記述があるが、そのカメラがフロントガラスのどこに付くかという設置位置の記載は見当たらず、ウェブ取扱説明書にも辿り着けなかった。商品側は「ルームミラー・ドライブレコーダーに干渉しない」と書いているものの、これは出品者の表記だ。そもそもサンシェードは駐車中に使って走行前に外すものなので、走行中の検知と重なる場面は無い。
まとめ
まず車検証の型式欄の後半を見て、PA2AS か PB3AS かを確かめる。商品ページの適合年式は「2025年10月~」と「令和8.1~」で割れていて、どちらが誤りかを示す資料は無いので、そこは判断の軸にしない。突き合わせるのは型式だけでいい。
買い足すのはフロントガラス用で、ルーフ側は車両の装備で扱える。候補は3つ。ドライブレコーダーを付けているなら ruiya、吸盤の跡を残したくないなら Kurtz、日本の発売時期に沿った適合表記で選びたいならカーキャンパージャパン。ここまで1つに絞ったら、自分の車検証の型式と商品ページの型式表記が一致しているかを見て確定する。
価格は2026年8月27日時点で¥3,062から¥4,980までのおよそ¥1,900の幅に収まっていたが、価格も在庫も後から変わる。そして走り出す前に外す。それだけ守れば、この装備で困ることはない。
この記事にはAmazonアソシエイトを含むアフィリエイト広告を含みます。

コメント