キャンプ道具一式と家族分のスーツケースを前にして、X5のどこに何を収めるか迷う場面があります。BMW X5 G05のラゲッジは通常時650L、後席を倒せば最大1,870Lまで広がり、上下に割れるテールゲートと、車高を落として積み込む機能という、この車ならではの装備を備えます。ただしプラグインハイブリッドのxDrive45e・xDrive50eは駆動用バッテリーを床下に積むぶん容量が減り、500L・最大1,720Lにとどまります。容量の実像からゲートの開け分け、後席の倒し方、床下と固定装備の使い方までを、積み込みの手順に沿って追います。
X5 G05の荷室容量と基本スペック
まず荷室の全体像を数値で押さえます。容量だけでなく、開口の作りや後席の分割、床下の構造まで通して見ておくと、あとの積み方の工夫がつながって理解できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 通常時のラゲッジ容量 | 650L |
| 後席格納時の最大容量 | 1,870L |
| PHEV(xDrive45e/xDrive50e) | 500L・最大1,720L |
| 後席の分割比率 | 40:20:40(4:2:4の分割可倒式) |
| テールゲート | 上下2分割(アッパーハッチ+ロアフラップ) |
| ハンズフリー開閉 | コンフォート・アクセス装着車で上下とも電動開閉 |
| 積み込みモード | エアサス装着車はラゲッジ内のボタンで車高40mmダウン |
| トノカバー | 電動で荷室の床下へ格納 |
| 床下収納 | スライド式のデッキボックス |
| 3列目シート | オプション設定(2脚・個別に前倒し可能) |
| ボディ寸法 | 全長4,935×全幅2,005×全高1,755〜1,770mm |
| ホイールベース | 2,975mm |
650Lから1,870Lへ広がる荷室
BMW X5 G05のラゲッジは、後席を起こした5人乗車の状態で650L、40:20:40に分かれた後席の背もたれを前へ倒すと最大1,870Lまで拡大します。650Lは大型のスーツケースを数個並べても後席に人を乗せられる広さで、4人家族の1泊旅行なら後席を起こしたまま収まる計算です。全長4,935mm・ホイールベース2,975mmという車体から生まれる床面積に加え、全高1,755〜1,770mmぶんの天井高があるため、床に置くだけでなく縦方向にも積めます。積載計画を立てるときは、650Lと1,870Lという2つの数字を上限の目安に置くと、後席を倒すかどうかの見極めが早くなります。ただし高く積むほど重心が上がり、後方視界もふさがるので、上限いっぱいに積む日は後述の固定と積む順番が効いてきます。
PHEVは500Lから1,720Lにとどまる
プラグインハイブリッドのxDrive45e、および2023年以降の後期型にあたるxDrive50eは、駆動用バッテリーを荷室の床下に搭載するため、通常時500L・後席格納時1,720Lと、標準モデルより容量が下がります。同じX5 G05でもPHEVは150Lぶん少ないため、標準モデルの650Lを前提に道具を揃えると入り切りません。床下のデッキボックスもバッテリーの搭載によって使える余地が変わるので、床下を収納として当てにする使い方はPHEVでは控えめに見積もります。中古車の諸元表は「X5」でひとくくりにされていることがあり、グレード名まで見ないと500Lなのか650Lなのかが判別できません。車検証やカタログでxDrive45e・xDrive50eかどうかを確かめてから積載計画を立てます。
E70世代の数字をそのまま当てはめない
X5は世代ごとに荷室の容量も装備も変わっており、中古車情報やSNSで見かけた数字がG05に当てはまるとはかぎりません。とくに先代にあたるE70(2006〜2013年)は容量が異なり、床下の作りや3列目シートの収まり方も別物です。G05の積載計画を立てる場面では、650L・1,870Lという現行世代の数値だけを基準にします。世代をまたいで数字を借りてくると、100L単位で見込みがずれます。先代の荷室については、E70の構造に沿って別の記事にまとめてあります。
上下2分割テールゲートを使い分ける
G05の荷室で目を引くのが、上下に分かれたテールゲートです。上側のハッチと下側のフラップを別々に扱えるため、駐車位置や荷物の大きさに合わせて開け方を選べます。コンフォート・アクセス装着車なら、上下とも電動で開閉でき、リアバンパーの下に足を出し入れするだけで手を使わずに開けられます。
上側ハッチと下側フラップの役割
上側のアッパーハッチは、後方へ大きく跳ね上がる通常のバックドアです。下側のロアフラップは水平近くまで倒れ、荷室の床の延長として働きます。買い物袋を数個積むだけなら上側だけを開ければ済み、大型の家具やキャンプ道具を入れる日は両方を開けて開口を最大にします。上側だけを開ける操作は、後方の余裕が乏しい駐車場で効いてきます。下側フラップを立てたまま上側だけを開ければ、車体後方に必要なスペースはフラップ1枚ぶん少なくて済みます。閉じるときは下側から上側という順番を守ると、ゲート同士が干渉せずに収まります。
下側フラップを積み下ろしの中継台にする
倒した下側フラップは、荷物をいったん置く台になります。重い箱を地面から荷室の奥まで一気に運ぶのではなく、まずフラップの上へ載せ、そこから奥へ滑らせる二段構えにすると、腰への負担が目に見えて減ります。X5は床面が高いSUVなので、この中継点があるかどうかで積み込みの疲れ方が変わります。荷室に積んだ荷物が手前へ転がってきても、閉じたフラップが受け止める壁になるため、丸い荷物や袋物の落下止めとしても働きます。汚れた工具や園芸用品を置くときは、フラップの上に養生シートを一枚敷いてから載せると、塗装面に傷や汚れが残りません。フラップに人が座るような使い方は、耐荷重の裏付けがないので避けます。
天井が低い駐車場と後方が狭い場所
上側のハッチは後方へ大きく跳ね上がるため、機械式駐車場や立体駐車場では天井やパイプに当たらないかを先に確かめます。上方向のクリアランスが足りない場所では、下側フラップだけを開けて荷物を出し入れする逃げ道が残ります。逆に、後方の余裕がない縦列駐車ではフラップが倒れるぶんの空間が要るので、上側だけを開けるほうが収まります。天井と後方のどちらが詰まっているかで開けるゲートを選び分けるのが、2分割ゲートを持つX5らしい使い方です。前後どちらにも余裕がある位置に停められるなら、両方を開けて一気に積み込むのが最も速く済みます。
エアサス車は積み込みモードで40mm下げる
X5 G05のもうひとつの積み込み装備が、車高を落とす機能です。BMWの公式資料では、ラゲッジ・ルーム内のボタンで積み込みモードを起動すると、車両を40mm下げられると説明されています。SUVの高い床面を、荷物を持ち上げる高さぶんだけ低くできる仕掛けです。
ラゲッジ内のボタンで車高を落とす
積み込みモードのボタンは荷室の側面にあり、押すと車体が沈んで床面が下がります。この機能はエアサスペンション装着車に限られるため、装備の有無をカタログや実車で確かめてから当てにします。日本仕様では3列目シートをオプションで選ぶと4輪アダプティブ・エアサスペンションが組み合わされる設定があり、この場合は積み込み時の車高ダウンも使えます。エアサスは積載重量にかかわらず車高を一定に保つ自動調整も備えるため、重い荷物を積んだときに車体後部が沈み込んだままになりにくいという利点もあります。重い荷物を繰り返し積み下ろしする日は、最初に40mm下げてから作業を始めると、一往復ごとの持ち上げ高さが縮まります。
下げたままにしない
積み込みモードで下がった状態のまま走り出すと、最低地上高が減って段差や輪止めに下回りを当てるおそれがあります。積み終えたら車高を通常位置へ戻し、車体が上がり切ってから発進します。段差の大きい駐車場や未舗装路へ入る日は、走行モードで車高を上げる設定を使い分けます。車高の上げ下げには数秒かかるので、後続車がいる場所では動作が終わるまで待てる位置に停めておくと落ち着いて操作できます。
40:20:40の後席を倒して1,870Lを引き出す
650Lで足りない日は後席を倒します。X5 G05の後席は40:20:40(4:2:4)の分割可倒式で、3枚の背もたれを別々に倒せるため、人と荷物の割り振りを細かく決められます。
分割比率の使い分け
40:20:40という割り方の利点は、中央の20%だけを倒せる点にあります。スキー板や物干し竿のような長尺物は、中央だけを倒して左右に人を乗せたまま貫通させられます。左右どちらかの40%を倒せば、後席に2人を乗せながら幅の広い荷物を積めます。3枚すべてを倒すと1,870Lのフラットに近い空間が現れ、大型家具や自転車のような大物に対応できます。乗る人数と荷物の形を先に決めてから、どの背もたれを倒すかを選ぶと、積み直しの手間が減ります。
荷室側のレバーとコントロールパネル
背もたれのロック解除は荷室側からも操作でき、後席のドアを開けて回り込まずに倒せます。3列目シートをオプションで装備した車では、荷室にコントロールパネルが備わり、2列目シートの前後スライドと、2列目・3列目の背もたれの格納をここから操作できます。買い物の荷物で両手がふさがっている場面では、荷室側だけで完結する操作が効いてきます。背もたれを倒す前には、後席に人やチャイルドシートが残っていないか、シートベルトが背もたれとフレームの間に挟まっていないかを確かめます。ベルトを噛み込んだまま倒すと、ベルトに折り目が残り、巻き取りも渋くなります。
3列目オプション車の荷室
3列目シートはオプション設定で、2脚を個別に前へ倒せます。3列目に人を乗せた状態では背もたれの後ろに残る空間はごくわずかで、大型のスーツケースを立てて並べる余裕はありません。3列目を使う日は、荷物を屋根側のルーフボックスや2列目の足元へ振り分ける前提で計画を組みます。3列目を床へ格納すれば荷室の床はつながり、5人乗車時の650Lに近い使い勝手に戻ります。3列目を装備する車は床下の構造も変わるため、床下収納をどれだけ当てにできるかは実車で確かめます。
床下デッキボックスと固定装備を使い切る
X5 G05の荷室には、床面より下と側面にも収納・固定の仕掛けが備わります。650Lという数字に表れない部分で、荷室の使い勝手を左右します。
スライド式デッキボックスに濡れ物を入れる
荷室の床下にはスライド式のデッキボックスが備わり、濡れたものや汚れたものを室内から隔離して積めます。雨天のキャンプや海水浴の帰りは、濡れた道具を床下に落とし込むだけで内装への被害を止められます。床上に置いた荷物が動いても床下の中身は動かないので、細かい小物や工具の定位置としても収まりがよく、床面をフラットに保てます。ただしPHEVは床下にバッテリーを積むため、標準モデルと同じ感覚で床下の容量を見込むと足りません。使う前に、自分の車の床板を持ち上げて実際の深さを見ておきます。
電動トノカバーとラゲッジレール
X5 G05のトノカバーは電動で荷室の床下へ格納される仕組みで、外して家に置いてくる必要がありません。荷室の高さいっぱいまで積む日はカバーを下げ、車内に荷物を見せたくない日は掛けておく、という使い分けがその場でできます。荷室には滑り止めのラゲッジレールも備わり、走行中に荷物が滑って動くのを抑えます。カバーを掛けた状態で天井近くまで積み上げると、カバーの巻き取り機構に荷重がかかるので、高く積む日はカバーを格納してから積みます。
フックとネットで動きを止める
荷室の四隅にはフックがあり、ラゲッジネットやベルトを掛けて荷物を固定できます。急ブレーキで前へ飛ぶ荷物は、後席の背もたれ越しに乗員へ届くため、重い荷物ほど固定の優先度が上がります。買い物袋のような軽い荷物はフックに直接掛ければ倒れず、荷崩れで中身が転がるのを防げます。大物を積む日は、ベルトを対角にたすき掛けして前後左右の動きを同時に止めると、少ない本数で効きます。滑り止めのマットを床に敷いておくと、固定具の本数を減らしても荷物が動きにくくなります。
650Lを積み切る順番と大物の目安
同じ650Lでも、積む順番と置く位置で入る量と走りやすさが変わります。荷室が広いX5では、詰め込む前に置き場所を決めておくと積み直しが減ります。
重い荷物を低く、後車軸寄りに
重い荷物は床に近く、かつ後車軸に近い位置へ置きます。重心が高く後ろに寄るほど、カーブでの揺れ返しが大きくなるため、クーラーボックスや工具箱のような重量物は荷室の奥、背もたれ寄りの床面に置くのが基本形です。軽くてかさばる寝袋や衣類は上や手前に載せ、途中で降ろす荷物ほど手前に置くと、目的地ごとの出し入れがはかどります。積み込みモードで車高を下げているうちに重い荷物を先に入れ、車高を戻してから軽い荷物を足すと、腰に負担が集まりません。
積める大物の目安
3枚とも倒した1,870Lの空間なら、組み立て式の家具やホイール4本、前輪を外した自転車といった大物に手が届きます。長尺物は中央の20%だけを倒して助手席側から差し込むと、後席に2人を乗せたまま運べます。天井まで積み上げるときは、後方視界とルームミラーの見え方を積む前に確かめ、視界がふさがるならデジタルミラー相当の装備の有無を含めて積み方を見直します。屋根に載せる選択肢もありますが、ルーフレールの耐荷重と全高の増加を確かめてから使います。
よくある質問
BMW X5 G05の荷室容量は何リットルですか
標準モデルは通常時650Lで、40:20:40に分かれた後席の背もたれを倒すと最大1,870Lまで広がります。プラグインハイブリッドのxDrive45e・xDrive50eは駆動用バッテリーを床下に積むため、500L・最大1,720Lと少なくなります。
xDrive45e・xDrive50eの荷室も650Lですか
いいえ、PHEVは500Lです。後席を倒したときの最大容量も1,720Lで、標準モデルより150Lほど少なくなります。床下のデッキボックスもバッテリーの搭載で使える余地が変わるため、床下を収納として当てにする使い方は控えめに見積もります。
テールゲートは上側だけ開けられますか
上下2分割のテールゲートなので、上側のハッチだけを開けられます。後方に余裕のない駐車場では上側だけを開け、大物を積む日は下側フラップも倒して開口を最大にする、という使い分けができます。コンフォート・アクセス装着車では上下とも電動で開閉できます。
荷室から後席を倒せますか
荷室側から後席の背もたれを倒せます。3列目シートを装備した車では荷室のコントロールパネルから、2列目の前後スライドと2列目・3列目の背もたれ格納を操作できます。倒す前に後席の乗員とシートベルトの噛み込みを確かめます。
まとめ
BMW X5 G05の荷室は通常時650L、後席を倒すと最大1,870Lまで広がります。PHEVのxDrive45e・xDrive50eだけは500L・最大1,720Lと少なく、床下の使える余地も変わるので、グレードを確かめてから積載計画を立てます。この世代らしさは積み下ろしの装備にあり、上下2分割のテールゲートは下側フラップを中継台と落下止めに使え、天井の低い駐車場では上側だけを開ける逃げ道になります。エアサス装着車ならラゲッジ内のボタンで車高を40mm下げられ、重い荷物の持ち上げ高さを縮められます。後席は40:20:40の3分割で、中央だけを倒せば人を乗せたまま長尺物を通せます。重い荷物を低く後車軸寄りに置き、四隅のフックにベルトとネットを掛けて動きを止めれば、650Lは数字以上に使い切れます。
関連するおすすめ記事
BMWのSUVで荷室の使い方を見直すときに、あわせて確かめたい記事をまとめます。

コメント