BMWX5 F15 荷室収納|620Lと2分割テールゲート

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立体駐車場の天井は低く、後ろには壁が迫っている。テールゲートを跳ね上げれば天井に当たり、下がれば壁にぶつかる——この場面で荷物を積み下ろせるかどうかは、カタログに載る容量とは別の話になる。F15型X5の荷室はBMWジャパンの発表資料で620ℓ、後席を前に倒せば最大1,870ℓまで広がる。ただしプラグイン・ハイブリッドのxDrive40eだけは床下に電池が入るため500ℓから始まり、同じF15でも前提が変わる。容量の数字と、この車にしかない上下2分割テールゲートの使い方を、積み方の手順に落とし込んだ。

目次

F15の荷室容量は620ℓ|数字の全体像

F15は2013年11月16日に日本発売された3代目X5で、2018年まで生産され、2019年1月に4代目G05へ切り替わった。荷室まわりの数字を先に並べておくと、この後のシートアレンジもテールゲートの使い分けも一本の線でつながる。

項目 数値・仕様
荷室容量(後席使用時) 620ℓ(先代E70比 +30ℓ)
荷室容量(後席前倒し時) 最大1,870ℓ(先代E70比 +120ℓ)
xDrive40e(PHEV)の荷室容量 500〜1,720ℓ
後席の分割方式 40:20:40の3分割可倒式(全車標準装備)
テールゲート 上下2分割式(上部にオートマチック・テールゲート・オペレーション標準装備)
ボディサイズ 全長4,910×全幅1,940〜1,985×全高1,760mm
ホイールベース 2,935mm
日本発売〜生産終了 2013年11月〜2018年(2019年1月にG05へ)

日本仕様の公式値は620ℓ/最大1,870ℓ

BMWジャパンがF15の発表時に出した資料では、ラゲージ・ルーム容量は先代E70から30ℓ拡大して620ℓ、後席バックレストを倒したときの最大値は先代から120ℓ拡大して1,870ℓと記されている。後席を起こしたまま620ℓという数字は、天井近くまで積み上げたときの体積であって、床の奥行きや平面性を保証するものではない——ここを取り違えると、容量に余裕があるはずなのに荷物が入りきらない、という噛み合わない結果になる。実際に効くのは、床にどれだけ整った面を作れるかと、開口部をどう開けるかの2点になる。

xDrive40eは床下に電池があり500ℓから始まる

2015年9月に追加されたプラグイン・ハイブリッドのX5 xDrive40eは、BMWジャパンの発表資料でラゲージ・ルーム容量が500〜1,720ℓとされている。9.0kWhの高電圧バッテリーがラゲージ・ルームの床下に置かれているためで、後席の40:20:40分割可倒式は同じでも、床の下に使える余白は残らない。中古でF15を探すとき、あるいは自分の個体に荷室グッズを足すときは、まず40eかどうかで話が変わる。床下収納を当てにした収納計画は、40eでは最初から成り立たない。

検索で出てくる「650L」はどの数字か

X5の荷室容量を調べると650Lという数字が繰り返し出てくるが、これはそのままF15日本仕様に当てはめられない。現行のG05型X5の荷室が650ℓであり、加えて欧州仕様のF15を扱う資料も650ℓと表記している。日本のBMWが自社の発表資料で示したF15の値は620ℓで、最大値の1,870ℓは両者で一致する。数字が食い違って見えるときは、G05の値か、欧州の測定値か、BMWジャパンの発表値かを先に切り分けると迷わずに済む。積載計画を立てるうえでは、620ℓでも650ℓでも実務上の差は小さく、決定的に効いてくるのは40eの500ℓという線引きのほうになる。

2分割テールゲートは「下」を使い切る

F15の荷室で他のSUVと決定的に違うのが、上部と下部に分かれて開閉する2分割式のテールゲートになる。上へ跳ね上がる部分と、後ろへ倒れる部分が独立していて、状況に応じて片方だけを開けられる。この構造を知らずに毎回まるごと開けていると、F15の積載力は半分しか引き出せない。

上だけ開ければ天井の低い場所でも積める

上部テールゲートには、オートマチック・テールゲート・オペレーションが標準装備されている。ボタン操作で上半分だけを電動で跳ね上げれば、下部を閉じたまま荷室の上側へ手を入れられる。天井の低い機械式駐車場や、屋根のある狭いガレージでは、この開け方が現実的な選択になる。開口部を「全部開ける」か「開けない」かの二択で考えている限り、狭い場所では積めない車になってしまう。買い物袋やカバンを上から落とし込むだけなら、上部の開閉で用が足りる場面は多い。

下部ゲートは水平な作業台になる

下部のテールゲートを倒すと、荷室フロアの延長線上に水平な面ができる。ここに重い荷物をいったん置き、荷室の奥へ滑らせて送り込む——という二段構えの積み方が、F15の正しい手順になる。クーラーボックス、工具箱、キャリーケースのような、腕を伸ばしたまま持ち上げるとぎっくり腰を招く重量物ほど、この面の恩恵が大きい。腰の高さで一度荷物を預けられるかどうかで、積み下ろしの疲労は明確に変わる。荷室の奥行きが足りないときに、下部ゲートを倒したまま長い物を少しはみ出させて運ぶ使い方もできるが、公道では法令上の制限とはみ出し部分の表示が必要になるため、日常の積載として当てにする性質のものではない。

上は電動・下は手動という役割分担

BMWジャパンの資料で電動化が明記されているのは上部テールゲートのほうで、下部は自分で倒して自分で閉じる。日常の開閉は上部だけで済ませ、重い物を積むときだけ下部を開ける、と使い分けを固定してしまうのが手数の少ないやり方になる。後席側から荷室に手を伸ばす頻度が高いなら、後席の背もたれ中央を倒す方法も併せて覚えておくと、テールゲートを開けずに済む場面が増える。

40:20:40の倒し分けで床を作る

F15の後席バックレストは、全車標準で40:20:40の3分割可倒式になっている。左・中央・右をそれぞれ独立して前へ倒せるので、この3枚をどう組み合わせるかが、そのまま荷室の使い方になる。

中央の20だけを倒して長尺物を通す

中央の20だけを前に倒すと、左右の席に人を座らせたまま、真ん中に細長いトンネルができる。スキー板、テントのポール、釣り竿、物干し竿、長い木材といった荷物は、この隙間へ通してやると乗車定員を削らずに積める。40:20:40の真価は全部倒すことではなく、人と長尺物を同時に運べる中央の20にある。3枚を1枚板として扱ってしまうと、この使い分けを丸ごと捨てることになる。片側の40だけを倒せば、後席に1人を乗せながら荷室の片側を縦に長く使える。

全部倒して1,870ℓにするときの段差

左右と中央をすべて倒すと、620ℓから最大1,870ℓへ、およそ3倍まで広がる。引っ越しの段ボール、自転車、大型の家具といった、後席を残したままでは入らない荷物はこの状態が前提になる。ただし倒した背もたれの上面は荷室フロアと完全な平面では揃わず、前方が高くなる段差と傾斜が残る。硬い箱物なら段差をまたいで置けるが、柔らかい荷物や転がる荷物は傾斜を滑って前席側へ寄っていく。倒す前にヘッドレストを抜いておくと背もたれがより深く前傾し、段差は小さくなる。シートベルトのバックルが背もたれの上へ飛び出すときは、内側へ寝かせてから荷物を載せると、バックルが荷物の底面へ食い込むのを避けられる。

リヤ・コンフォートシートなら80mm前へ逃がせる

F15にはオプションでリヤ・コンフォートシートが設定されていた(X5 xDrive50i xLineには標準装備、X5 xDrive35d SEを除く他モデルにはオプション)。BMWジャパンの資料によれば、シート・クッションの前後位置を80mm、バックレストの角度を10度の範囲で調節できる。後席に人を乗せたまま荷室の奥行きをあと少し稼ぎたいときは、クッションを前へ寄せ、バックレストを起こす——後席の膝まわりと引き換えに、荷室側へ実寸を移せる。自分のF15にこの機能があるかどうかは、後席側面の調節レバーやシート下の機構を見れば分かる。荷室にあと数センチが足りずに諦めていた荷物が、この一手で収まることがある。

走行中に荷物を動かさない

620ℓを使い切ろうとするほど荷物同士の隙間は減り、代わりに一つひとつが重くなる。カーブやブレーキで動く荷物は、内張りを削り、割れ物を割る。積む技術と留める技術は別物で、後者を省くと荷室の内装から先に傷んでいく。

分離ネットで前方への飛び出しを止める

X5にはBMW純正のラゲージ・セパレーティング・ネット(荷室と客室を仕切る安全ネット)が設定されている。台湾BMWが公開しているX5の装備表にも、荷室の安全分離ネットが装備項目として並んでいる。急ブレーキで荷物が前席側へ飛び出す事故は、後席を倒して長い荷室を作ったときほど起こりやすい。天井近くまで積むなら、天井方向を塞ぐ面をひとつ作っておくと、荷物が乗員の頭上へ回り込む経路を断てる。

固定は荷物ではなく床から決める

荷室の床にあるアンカー(固定フック)に留め具を掛け、そこから荷物へベルトを渡すのが固定の基本形になる。先に決めるのは荷物の置き方ではなく、自分のF15の荷室に何個のアンカーがどこに出ているかのほうで、位置が分かればどの向きに荷物を置けばベルトを渡せるかが自動的に決まる。純正・社外を問わずラッシングベルトやカーゴネットは、このアンカーへ留める前提で作られている。買い物袋やボトルのような軽い小物はベルトで留めきれないので、折りたたみコンテナを荷室の隅に1つ置き、袋物の定位置と決めてしまうほうが早い。

620ℓでも足りない日の逃がし方

積載計画は、荷室の中だけで完結させようとすると必ず行き詰まる。F15はルーフレールを備え、屋根の上を積載スペースとして足せる設計になっている。

ルーフへ逃がす

xLineにはサテン・アルミニウム・ルーフレール、M SportにはBMW Individualハイグロス・シャドー・ラインのルーフレールが装備されている。ここにベースキャリア(土台)を渡し、その上へルーフボックスやホルダーを載せるのが定石になる。長いだけで軽い荷物——スキー板、サーフボード、キャンプ用のポール類——は屋根へ回し、重くて嵩張る荷物を荷室に残すと、重心も積み下ろしの手数も理にかなう。屋根の積載可否と上限荷重は車両側の取扱説明書に記載があり、キャリアやボックス自体の重量も上限に含まれるため、容量だけを見てボックスを選ぶと上限を超えたまま高速を走ることになりかねない。

荷物の形に合わせて仕切る

荷室が散らかる原因は容量不足ではなく、形の違う荷物を同じ床に直置きしていることのほうが多い。濡れた道具や泥の付いた靴は樹脂製のコンテナで隔離し、細かい物は仕切りのあるボックスへ入れ、自立しない袋物は箱の側面で囲う——この3つを決めておくだけで、荷室の床は片付く。縁の立ち上がったラゲッジマットを1枚敷いておけば、こぼれた水や砂が床の隙間へ流れ込むのも止められる。F15の荷室は日常的に濡れ物・汚れ物を積む使われ方をするので、マットは見た目より縁の形状で選ぶほうが後悔しない。

よくある質問

BMW X5 F15の荷室容量はどのくらいですか?

BMWジャパンの発表資料では、後席を起こした状態で620ℓ、後席バックレストを前に倒すと最大1,870ℓです。先代のE70と比べると、後席使用時で30ℓ、最大時で120ℓ拡大しています。ただしプラグイン・ハイブリッドのxDrive40eだけは500〜1,720ℓと数字が異なります。

後席は何分割で倒せますか?

40:20:40の3分割可倒式で、全車に標準装備されています。左・中央・右を独立して前へ倒せるため、中央の20だけを倒せば左右に人を乗せたままスキー板などの長尺物を通せます。片側の40だけを倒し、後席に1人を乗せながら荷室の片側を縦に長く使う積み方もできます。

xDrive40eの荷室が狭いのはなぜですか?

9.0kWhの高電圧バッテリーがラゲージ・ルームの床下に搭載されているためです。BMWジャパンの資料ではラゲージ・ルーム容量が500〜1,720ℓとされており、通常のF15より小さくなります。床下の余白も残らないため、床下収納を前提にした収納計画は40eでは成立しません。

テールゲートは上側だけ開けられますか?

開けられます。F15は上部と下部に分かれて開閉する2分割式テールゲートを採用しており、上部にはオートマチック・テールゲート・オペレーションが標準装備されています。天井の低い駐車場では上部だけを開けて荷物を出し入れし、重い物を積むときだけ下部を倒して水平な作業台として使う、という使い分けができます。

荷室容量が620Lと650Lで食い違うのはなぜですか?

現行のG05型X5の荷室が650ℓであること、そして欧州仕様のF15を扱う資料が650ℓと表記していることが原因です。BMWジャパンが自社の発表資料で示したF15の値は620ℓで、最大値の1,870ℓは共通しています。世代と測定基準のどちらの数字を見ているのかを切り分ければ、矛盾は解けます。

まとめ:F15の荷室を使い切る順番

F15の荷室は620ℓから最大1,870ℓへ広がる器で、容量そのものに不満が出る場面は多くない。詰まるのはいつも、開口部の開け方と床の作り方のほうになる。手を付ける順番は、①自分の個体が通常モデルか40e(500ℓ・床下に電池)かを確かめる、②上下2分割テールゲートを使い分け、狭い場所では上だけ・重い物のときは下を倒して台にする、③40:20:40を倒し分け、中央の20で人と長尺物を両立させる、④荷室のアンカーを数えてベルトとネットで固定する、⑤それでも足りない日はルーフレールへ逃がす、の5段階になる。リヤ・コンフォートシート装着車ならクッションを80mm前へ寄せる一手が残っている——この余地を知っているかどうかで、積める荷物の線が変わる。数字を追いかける前に、まず自分のF15の荷室に立って、アンカーの数と下部ゲートの高さを見ておきたい。

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この記事を書いた人

車種別パーツ適合情報サイト「パーツ選び.com」の編集部。タイヤサイズ・エンジンオイル量・ワイパー適合・フィルター型番など、2,400本以上の記事と全80車種対応の早見表を公開中。適合値はメーカー公式の諸元・取扱説明書や部品メーカーの公式適合表で確認したものを優先し、確認できない数値は載せない方針で運営しています。

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