F82 の M4 クーペに乗っていると、純正マットが傷んできたり、中古で買った車にマットが付いていなかったりして、足元を敷き替える場面が来る。車種専用の社外マットを選ぶとき、最初の分かれ道になるのは自分の車が右ハンドルか左ハンドルかで、その次が固定のしかたと表面の素材だ。ここで紹介するのはレザー調の Lacaca と布のチェッカー柄の GXARTS の2ブランドで、どちらも商品名と商品説明の箇条書きにハンドル位置の指定の記載が無いため、選ぶ前の確かめ方から順に書く。
F82 用の2ブランドと、選ぶ前に確かめる3つのこと
F82 用として確かめた候補は、表面を拭いて手入れするレザー調の Lacaca(説明の期間は2014年7月〜2020年12月)と、布のチェッカー柄で前後4枚組の GXARTS(説明の適用年式は2014〜2019年)だ。どちらを選ぶにしても、注文の前に次の3つを確かめる。
- ハンドル位置: BMW の日本法人の2014年の発表では、受注開始時点の日本仕様の M4 クーペに 6速 MT の左ハンドル車がありえる(詳しくは次の節)
- 固定のしかた: 車両側の固定具に留める作りかどうか
- 素材と手入れ: 拭いて手入れするレザー調か、掃除機や水洗いで手入れする布か
| 項目 | Lacaca 3D フロアマット | GXARTS チェッカー柄フロアマット |
|---|---|---|
| 表面 | レザー調(商品名と説明で素材の書き方が食い違う) | 黒と白の市松模様のベルベット生地 |
| 手入れ | ぬれたタオルで表面を拭く | 掃除機をかけるか水ですすぐ。洗濯機で洗える |
| 枚数 | 記載が無い | フロント2枚・リア2枚の4点セット |
| 説明の適用期間 | 2014年7月〜2020年12月 | 2014〜2019年式 |
| ハンドル位置の指定 | 商品名・説明の箇条書きに記載が無い | 商品名・説明の箇条書きに記載が無い |
| 固定のしかた | 説明は「滑り止め」まで。固定具への留め方は記載が無い | 裏面のゴムの裏地。固定具に留める作りは記載が無い |
表の中身は、どれも Amazon の販売ページの商品説明(出品者の記載)による。
Lacaca BMW M4 F82 クーペ用 3Dフロアマット(レザー調)
GXARTS BMW M4 F82 用 チェッカー柄フロアマット 前後4枚セット
自分の車のハンドル位置とトランスミッションを先に確かめる
受注開始時の発表にあるハンドル位置
BMW の日本法人(ビー・エム・ダブリュー株式会社)が2014年2月19日に出した M3 セダンと M4 クーペの注文受付開始の発表では、M4 クーペは先代の M3 クーペの後継モデルとされ、同じ日に注文の受付を始め、納車は2014年7月からの予定だった。トランスミッションは6速 MT と7速 M DCT で、ステアリング位置は7速 M DCT のモデルが右ハンドル仕様、6速 MT のモデルが右/左ハンドル仕様とされている。つまり、受注開始時点の日本仕様の M4 クーペには、6速 MT の左ハンドル車がありえる。
この発表は2014年の受注開始時点の仕様を述べたもので、その後の年次でステアリング位置とトランスミッションの組み合わせが変わったかは確かめていない。手元の車が右ハンドルか左ハンドルかは、運転席の位置で確かめるのが確実だ。
出品の説明でハンドル位置を確かめる
車種専用のフロアマットは左右の足元の形に合わせて作られるので、右ハンドル用と左ハンドル用を取り違えると運転席側の形が合わないおそれがある。自分の車のハンドル位置を確かめたら、リンク先の選択肢や説明にハンドル位置の指定があるかを見る。指定が見当たらないときは、注文の前に出品者へ問い合わせる。ここで紹介する Lacaca と GXARTS は、どちらもこの問い合わせが要る側に入る。
フロアマットは固定して使い、重ね敷きしない
国土交通省の注意
国土交通省のフロアマットについての注意では、フロアマットを固定せずに重ね敷きするなど不適切に使うと、アクセルペダルがフロアマットに引っかかり、車の急加速につながる不具合が起きることがあるとしている。そのうえで、フロアマットを確実に固定して使うこと、重ね敷きをしないこと、運転前に正しく固定されているかを確かめることを呼びかけている。特定の車種を名指ししたものではなく、全部の車に向けた注意だ。
同じ注意では、フロアマットとアクセルペダルが干渉して加速したときにブレーキ操作を繰り返すと、ブレーキ倍力装置の働きが大きく落ち、ブレーキを踏むのに大きな力が要るようになるとも書いている。
国民生活センターの調査
国民生活センターが2010年3月30日に公表した調査の結果を報じた Car Watch の記事によると、入手できた26車種で試験したところ、吊り下げ式アクセルペダルの車では、固定していない純正マットや市販マットがずれた場合にアクセルペダルがマットに干渉することがあった。調査結果は、純正マットは固定フックが外れてずれていないかを十分に確かめること、市販マットはずれないよう必ず固定フックなどを付けることを求めている。この調査も特定の車種名は挙げていない。
社外マットに替えるときの手順
今敷いているマットを外してから新しいマットを敷き、上に重ねない。敷いた後は、走り出す前にアクセルとブレーキを奥まで踏んで、マットの端に当たらないか、マットがずれないかを確かめる。
F82 のフロアマットを選ぶ4つの軸
軸1: ハンドル位置の指定
出品の説明や選択肢に、右ハンドル用・左ハンドル用の指定があるかを見る。確かめ方は前の節のとおり。
軸2: 固定の仕組み
車両側の固定具に留める作りか、裏面の滑り止めだけで押さえる作りかを、説明に書かれた固定のしかたで見る。固定具に留める作りの記載が無いマットを選ぶなら、敷いた後の確かめを省かない前提で選ぶ。
軸3: 表面の素材と手入れ
表面を拭いて手入れするレザー調か、掃除機や水洗いで手入れする布(毛足のある生地)かで分かれる。雨の日や泥の付いた靴で乗ることが多いなら汚れをその場で拭けるレザー調、足元の感触や見た目を重んじるなら布を選ぶとよい。
軸4: 枚数と範囲・適用年式の表記
前席だけか前後か、何枚組か、説明にある適用年式が自分の車の年式を含むかを見る。
通販の検索結果には、型式の表記だけが違う G82 用の商品や、荷室用のラゲッジマット(トランクマット)が、同じブランド・似た商品名で並ぶ。注文の前に、商品名の型式が F82 か、足元用のフロアマットかを確かめる。
Lacaca の F82 用 3D フロアマット(レザー調・拭いて手入れ)
販売ページの商品説明では、適用車種を BMW M4 F82 のクーペ、期間を2014年7月〜2020年12月とし、「全グレード対応」と書いている(出品者の記載)。色を選べること、ダイヤモンド柄のデザインと縫製、防水性・滑り止め・耐摩耗性・柔らかい感触をうたい、商品名には「3Dフロアマット」「傷防止」「防水」「取り付け簡単」とある。手入れは、ぬれたタオルで表面を拭き、使う前にマットが乾いていることを確かめるよう書いている。
素材の書き方は食い違っている。商品名は「PUレザー素材」、商品説明は「無臭で厚みのある本革素材」と書いており、どちらの素材かは言い切れない。気になる人はリンク先で確かめるか、出品者に問い合わせる。
マットの枚数(何枚組か)と、車両側の固定具への留め方は、商品名と商品説明の箇条書きのどちらにも記載が無い(説明にあるのは「滑り止め」まで)。右ハンドル用・左ハンドル用の指定も同じく記載が無い。
今回確かめた Lacaca の F82 用 3D フロアマットの出品は2つあり、商品名と商品説明の箇条書きが同じ文面になっている。2つの違いは商品名と箇条書きからは分からないので、リンク先の選択肢で確かめる。
Lacaca BMW M4 F82 クーペ用 3Dフロアマット(レザー調)
Lacaca BMW M4 F82 クーペ用 3Dフロアマット(同じ文面の別の出品)
GXARTS のチェッカー柄フロアマット(布・前後4枚・洗える)
販売ページの商品説明では、BMW M4 と 4シリーズクーペ(F82)の2014〜2019年式の床の形に合わせて作ったとし、フロント2枚とリア2枚の4点セットで、切り詰めなしで全体を覆うと書いている(出品者の記載)。注文の前に車の年式とモデルを確かめるよう求めている。
表面は黒と白の市松模様(チェッカー柄)の柔らかいベルベット生地で、高密度のフラシ天繊維を使うとしている。裏面は底面全体がゴムの裏地で、元のカーペットをつかんでずれを防ぎ、追加のクリップは要らないと書いている。手入れは、ごみを振り落として掃除機をかけるか、水ですすいで自然乾燥させるとし、ポリエステルのプラッシュ生地は洗濯機で洗えるという。四季を通じて汚れ・泥・ほこり・水から元のカーペットを守る全天候型としている。
注意したいのは年式と固定だ。説明にある適用年式は2014〜2019年で、Lacaca の説明(2020年12月まで)より短い。2020年に登録された車に使うなら説明の範囲の外になるので、注文の前に出品者へ確かめる。また、説明が挙げる固定の仕組みは裏面のゴムの裏地だけで、車両側の固定具に留める作りについての記載は、商品名と商品説明の箇条書きのどちらにも無い。国土交通省の注意に照らし、敷いた後にずれないか、ペダルに当たらないかを確かめる。右ハンドル用・左ハンドル用の指定も、商品名と商品説明の箇条書きのどちらにも記載が無い。
GXARTS BMW M4 F82 用 チェッカー柄フロアマット 前後4枚セット
Lacaca と GXARTS のどちらを選ぶか
4つの軸で並べると次のとおり。
- ハンドル位置の指定: どちらも商品名と商品説明の箇条書きに記載が無く、この軸では選び分けられない。どちらを選んでも注文の前に出品者へ問い合わせる
- 固定の仕組み: Lacaca の説明は「滑り止め」まで、GXARTS の説明は裏面のゴムの裏地でずれを防ぐとする。どちらも車両側の固定具に留める作りの記載は無いので、敷いた後に確かめる前提は変わらない
- 素材と手入れ: 汚れをその場で拭いて済ませたい、レザー調の見た目にしたいなら Lacaca。外して掃除機や水洗いで手入れしたい、布の足元の感触やチェッカー柄の見た目が好みなら GXARTS
- 枚数と適用年式の表記: 前後4枚と書いてあるのは GXARTS で、Lacaca は枚数の記載が無いのでリンク先で確かめる。2020年に登録された車なら、説明の期間に入るのは Lacaca のほうだ
ハンドル位置を出品者に確かめたうえで、説明の適用年式(2014〜2019年)に入る車で前後をそろえて洗える布のマットにしたいなら GXARTS、説明の期間(2014年7月〜2020年12月)に入る車で拭いて手入れするレザー調にしたいなら Lacaca を選ぶとよい。
よくある質問
純正マットの上に重ねて敷いてもよい?
重ねない。国土交通省は重ね敷きをしないよう呼びかけている。今敷いているマットを外してから社外マットを敷き、走り出す前にペダルを奥まで踏んで当たらないかを確かめる。
左ハンドルの6速MT車にも合う?
ここで紹介した2ブランドについては、合うとも合わないとも言えない。BMW の日本法人の2014年の発表では、受注開始時点の日本仕様の M4 クーペで6速 MT に左ハンドル仕様があったが、Lacaca と GXARTS は商品名と商品説明の箇条書きにハンドル位置の指定の記載が無い。注文の前に出品者へ問い合わせる。
レザー調と布のマットで手入れはどう違う?
Lacaca の説明は、ぬれたタオルで表面を拭く方法を挙げている。GXARTS の説明は、掃除機をかけるか水ですすいで自然乾燥させる方法を挙げ、洗濯機で洗えるとしている。ここで紹介した2ブランドのうち、洗濯機で洗える記載があるのは GXARTS だけだ。
M3 F80 や M2 G87 のマットも同じ見方で選べる?
ハンドル位置・固定のしかた・素材と手入れを見る順番は同じでよい。商品名の型式は車ごとに確かめる必要があるので、それぞれの記事を見てほしい。
まとめ
まずは実車の運転席に座り、ハンドル位置と、今敷いているマットの状態や留まり方を見る。年式は車検証で確かめ、商品説明の適用年式と照らす。
- ハンドル位置の指定が説明に見当たらないときは、注文の前に出品者へ問い合わせる
- 社外マットは固定して使い、今のマットの上に重ねない
- 拭いて手入れするレザー調なら Lacaca(説明の期間は2014年7月〜2020年12月)、前後4枚で洗える布なら GXARTS(説明の適用年式は2014〜2019年)
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