夜のRAV4に乗り込むと、手元の小物入れを探る一瞬だけ視線が泳ぐ。荷室を開けてもオレンジ色の豆球がぼんやり光るだけで、夕方にキャンプ道具を積み下ろしする場面では明らかに光量が足りない。ハイブリッド2WDのAXAH52で、数千円の投資に対して体感が最も変わるのはこの室内まわりだ。ただし買うべき製品は年式ではっきり割れる。2019年4月から2021年11月までの前期は室内灯が電球なのでバルブ交換で一気に白くできるが、2021年12月のマイナーチェンジ以降は室内灯そのものが純正で白色LEDになり、同じセットは物理的に付かない。
AXAH52でLED化できる箇所とバルブ規格の早見表
AXAH52は50系RAV4のハイブリッド2WDにあたる型式で、E-Four(4WD)がAXAH54、2.0Lガソリン車がMXAA52とMXAA54、PHVがAXAP54という関係になる。灯火類の構成はこの5型式でほぼ共通のため、社外品も「50系RAV4対応」という単位で売られている。
電球メーカーの車種別適合表と、LED専門店が公開している50系RAV4の適合ページを突き合わせると、交換の可否は次のように整理できる。
| 箇所 | 前期(2019年4月〜2021年11月) | 後期(2021年12月〜) | 交換難易度 |
|---|---|---|---|
| ヘッドランプ(ロー/ハイ) | LED(バルブ品番の設定なし) | LED(バルブ品番の設定なし) | 交換対象外 |
| フロントフォグ | H16(H8・H11と共通形状) | 純正LED | 中 |
| ウインカー | 前後ともT20(ピンチ部あり) | フロントは純正LED/リアはT20 | 中 |
| バックランプ | T16 | T16 | 易しい |
| マップランプ(フロント) | T10 | 純正LED | 中 |
| リアルームランプ | T10×31(フェストン) | 純正LED | 易しい |
| ラゲッジランプ | T10 | 純正LED | 易しい |
| バニティランプ | T10 | 純正LED | 易しい |
表を上から眺めると、AXAH52のLED化で手が入る余地は思ったより狭い。ヘッドランプは適合表でもロー・ハイともに「LED」と記載され、そもそもバルブ品番が振られていない。つまり最初からLEDユニットであり、バルブを差し替えるカスタムの対象にはならない。残るのは室内灯、バックランプ、そして前期だけのフォグということになる。
室内灯はT10とフェストンが混在する
室内灯を「全部T10」と思い込んで同じ球を6個買うと、リアのルームランプだけが余る。LED専門店の適合表では、フロントのインテリアランプ・ラゲッジランプ・バニティランプがT10なのに対し、リアインテリアランプだけはT10×31のフェストン(両端を金具で挟む筒型)が指定されている。規格が混在するため、単品のT10を数合わせで買うより、最初から車種専用の6点セットを選んだほうが確実に収まる。市販の6点セットが「RAV4 50系専用」と銘打たれているのは、この混在に合わせて中身を組んであるからだ。
後期は室内灯が純正LEDでバルブ交換ができない
2021年12月のマイナーチェンジで、RAV4はルームランプ・フロントパーソナルランプ・ラゲッジルームランプが白色LEDに変更された。ここが後期AXAH52オーナーにとっての分かれ道になる。後期向けに基板ごと置き換えるセットを出しているメーカーは、その理由をはっきり書いている。曰く「フロント側ルームランプは純正LED装備のため、一般的なT10バルブでの交換ができません」。
つまり後期(2021年12月〜)のAXAH52では、Amazonで主流の「6点セット」は装着できない。 商品タイトルに「前期 H31.4〜R3.11」と年式が明記されているのは伊達ではなく、後期に買ってしまうと開封しただけで終わる。自分の車が前期か後期かは、車検証の初度登録年月を見れば判別がつく。
前期AXAH52向けLEDルームランプ4製品の比較
ここからは前期(2019年4月〜2021年11月)のAXAH52を前提に、実際に手に入る6点セットを比べる。価格は取得時点のもので変動するため、目安として見てほしい。
| 製品 | 光色 | 特徴 | 参考価格 |
|---|---|---|---|
| OPPLIGHT ホワイト 6点セット | 白 | 微点灯対応済み。明るさを最優先した構成 | 約2,990円 |
| 3色切替 6点セット(リモコン付) | 電球色/白色/昼光色 | 10段階調光とメモリー機能、リモコン操作、専用工具と日本語説明書つき | 約3,599円 |
| OPPLIGHT 電球色 3500K 6点セット | 電球色 3500K | 純正に近い色味のまま光量だけを底上げする | 約2,980円 |
| BORDAN ホワイト 6点セット | 白 6000K | 専用設計で価格は最安帯 | 約2,980円 |
4製品はいずれも6点構成で、マップランプ・リアルームランプ・ラゲッジランプ・バニティランプという同じ守備範囲を埋める。違いが出るのは光色と機能で、そこが選択の軸になる。
明るさを最優先するなら微点灯対応済みのホワイト
白色で光量を稼ぎたい場合の第一候補が、OPPLIGHTのホワイト6点セットになる。純正交換・加工不要で、内装を切ったり配線を割り込ませたりする作業は発生しない。この製品の実利は明るさそのものより「微点灯対応済み」と明記されている点にある。 消灯後に室内灯がうっすら光り続ける現象を回路側で抑えてあるため、後述する微点灯のトラブルを最初から避けられる。
OPPLIGHT RAV4 50系 LEDルームランプ ホワイト 6点セット
家族で使うなら色と明るさを変えられる3色切替
電球色・白色・昼光色を切り替えられ、10段階の調光とメモリー機能まで備えたセットもある。リモコンで操作できるので、後席の子どもが本を読む夜と、就寝前に光量を落としたい車中泊の夜を、同じ球のまま使い分けられる。専用工具と日本語の取扱説明書が同梱される点も、初めて内装を外す人にとっては保険になる。4製品のなかでは最も高いが、差額は600円ほどだ。
RAV4 50系 3色切替 LEDルームランプセット 10段階調光 リモコン付 6点セット
純正の落ち着いた色を残したいなら電球色3500K
白色は明るい代わりに、内装の質感が硬く見えることがある。RAV4の黒基調のインテリアに対して、色温度3500Kの電球色は純正の空気感を保ったまま光量だけを持ち上げる方向だ。同乗者を乗せる機会が多く、コンビニの店内のような白さを避けたいなら、電球色の6点セットが素直な選択になる。
価格を抑えて白くしたいなら6000Kの専用設計
BORDANのセットは6000Kのホワイトで、専用設計をうたいながら価格は最安帯に収まる。まず白くしてみて、気に入らなければ純正に戻す、という試し方をする場合には金銭的な痛みが小さい。ただし微点灯対策の記載は製品情報から読み取れないため、消灯後の挙動は装着後に確認する前提で考えておきたい。
荷室だけを明るくするならラゲッジランプ単体交換
6点すべてに手を入れるつもりはないが、荷室の暗さだけは解決したい。そういう需要には、ラゲッジランプを単体で置き換えるユニットが応える。
スイッチ付きで純正ユニットごと置き換える
この製品は球だけを差し替えるのではなく、スイッチのついたランプユニットごと交換する。商品情報では純正品番81330-48010および81330-58010の置き換えとされ、MXAA52・MXAA54・AXAH52・AXAH54・AXAP54を適合として挙げている。内張りはがしでカバーを起こし、ユニットを引き出して差し替える流れになるため、室内の6点交換より作業範囲は狭い。
6点セットとどちらを選ぶか
荷室の暗さだけが不満なら、1,790円前後の単体交換で用は足りる。 一方、夜間の乗り降りや後席の手元まで含めて改善したいなら、6点セットのほうが単価あたりの満足度は高い。両方を入れる場合はラゲッジが二重になるので、6点セットを選ぶならこの単体ユニットは不要になる。
選び方の4基準
製品ページを並べても決め手が見えないときは、次の4点を順に潰していくと迷いが減る。
基準1 色温度は3000K台か6000K台か
3500K前後の電球色は純正の色味に近く、6000K前後の白色は文字や小物の視認性が上がる。問題になるのは色を混ぜたときで、前席が白・後席が電球色といった構成は室内がちぐはぐに見える。 6点セットで揃えれば色は自動的に統一されるが、単品を買い足すときは色温度を必ず合わせたい。
基準2 微点灯への対策があるか
トヨタ車のルームランプはドアを閉めてから徐々に暗くなるフェード制御が入っており、消灯後もごく微弱な電流が流れる。消費電力の小さいLEDはこの電流でも反応してしまい、消したはずの室内灯がうっすら光り続けることがある。製品情報に「微点灯対応済み」と書かれたものは、この対策が回路に組み込まれている。気づかず装着して悩むより、最初から対策済みを選ぶほうが手戻りがない。
基準3 明るさは拡散とセットで考える
ルーメン値が大きいほど良いとは限らない。LEDは光の指向性が強く、素子がむき出しのタイプは真下だけが白く抜けて周辺が暗いままになる。カバー越しに使う室内灯では、素子数の多さより光をどう散らすかのほうが体感に効く。純正のレンズカバーを戻したうえで点灯し、手元と足元の両方が持ち上がっているかを見るとよい。
基準4 保安基準にかかわる箇所は室内と切り離す
室内灯は保安基準の色や光量の規制対象ではないため、白でも電球色でも車検で問題になることはない。一方、バックランプやウインカーは色と明るさの基準があり、社外LEDでも車検対応をうたう製品を選ぶ必要がある。室内の6点セットと、外装の灯火は別の話として考えたい。
取り付け手順と用意する工具
前期AXAH52の6点交換は、作業そのものより「パネルをどう起こすか」で難易度が決まる。
用意するもの
- 内張りはがし(樹脂製のヘラ。金属ドライバーは内装に傷を残す)
- 軍手または薄手の手袋(球が熱を持っている場合の保護)
- 明るい手元灯(作業中は室内灯が使えない)
3色切替のセットには専用工具が同梱されるため、内張りはがしを別途買わずに済む。
マップランプ(フロント)の外し方
6点のうち最も手間がかかるのがフロントのマップランプになる。ヘラをパネルと内張りの隙間に差し込み、手前に引くのではなく下方向へ引き下ろすのが要点だ。 パネルの裏にはコネクタが繋がっているため、外れた瞬間に引っ張るとハーネスに負荷がかかる。隙間ができたら指を入れて支え、コネクタを抜いてからパネルを車体から離す。
リア・ラゲッジ・バニティの外し方
リアルームランプはレンズカバーを起こしてフェストン球を抜き、同じ向きで新しい球を挟み込む。ラゲッジランプは内張りはがしでカバーを剥がすとスイッチ付きのユニットが出てくるので、ユニットからカバーを外して球を引き抜く。バニティランプはサンバイザーのミラー部分にあり、カバーを爪で起こせばT10が現れる。この3か所はマップランプほど神経を使わない。
点灯確認とやり直しの判断
T10には極性があり、向きが逆だと点灯しない。点かない球があったら故障を疑う前に、一度抜いて180度回して差し直す。フェストン球は極性を持たない製品が多いが、点灯しないときは接点の当たりを確認する。全点灯を確認したら、ドアを閉めてフェード消灯し、数分後にうっすら光っていないかを見る。ここで微点灯が出た場合は、対策済み製品への交換が現実的な解になる。
室内の次にやるならバックランプとフォグ
室内が終わって物足りなくなったときの次の一手も、規格だけ押さえておくと迷わない。
バックランプのT16は前期・後期を問わず共通
バックランプは50系RAV4を通してT16で、前期と後期で規格が変わらない。 純正の電球は暗く後退時の視界が乏しいため、LED化の体感差が大きい箇所になる。バルブ1本を差し替えるだけで作業は10分ほどだが、色と明るさは保安基準の対象なので車検対応品を選ぶ。
フォグは前期のH16だけが交換対象
前期のフロントフォグはH16のハロゲンで、H8・H11と共通形状のためLEDバルブの選択肢が広い。後期はフォグ自体がLED化されており、Adventureではユニットにチップが埋め込まれた一体型のため、バルブだけを交換する余地がない。前期に乗っていてフォグの色を変えたいなら、ここは数少ない自由度のある箇所になる。
よくある質問
AXAH52が前期か後期かを見分ける方法はありますか
車検証の初度登録年月を見るのが最も速い。2021年11月までが前期、2021年12月以降が後期にあたる。中古で購入した場合も車検証は手元にあるはずなので、商品を注文する前に確認しておきたい。
6点セットは工具なしで取り付けられますか
素手だけでパネルを起こすと内装に傷が入るため、樹脂製の内張りはがしは用意したい。3色切替のセットのように専用工具が同梱される製品なら、追加の購入は不要になる。配線加工やヒューズの追加は発生せず、球とユニットの差し替えだけで完結する。
室内灯をLEDにすると車検に通らなくなりますか
室内灯は保安基準で色や光量が規定された灯火ではないため、白色でも電球色でも車検の合否には影響しない。判断が必要なのはバックランプやウインカーなど外部に向いた灯火のほうで、そちらは車検対応をうたう製品を選ぶ。
消灯後にうっすら光り続けるのはなぜですか
トヨタ車のルームランプはドアを閉めた後にゆっくり暗くなるフェード制御があり、消灯後も微弱な電流が残る。消費電力の小さいLEDはこの残留電流でも点灯してしまうことがある。これが微点灯で、対策済みと明記された製品を選ぶか、抵抗を追加することで解消できる。
後期のAXAH52では室内をLED化できないのですか
Amazonで主流の6点セット(T10バルブ交換式)は装着できない。後期は室内灯が純正で白色LEDになっているためだ。それでも明るさを変えたい場合は、純正LED車専用に基板ごと置き換えるセットを扱うメーカーがあり、そちらを探すことになる。前期用の製品を後期に流用する方法はない。
まとめ AXAH52のLED化で押さえる3点
AXAH52のLED化は、まず年式の確認から始まる。前期(2019年4月〜2021年11月)なら室内灯6点セットで3,000円前後、後期(2021年12月〜)なら室内灯は純正LEDのため一般的なバルブ交換の対象外、という線引きが最初にあり、ここを間違えると製品が届いた時点で無駄になる。
前期であれば、明るさ重視なら微点灯対応済みのホワイト、色と光量を状況で変えたいなら3色切替のリモコン式、純正の色味を保ちたいなら電球色3500Kという整理になる。荷室だけが不満なら、スイッチ付きのラゲッジランプ単体交換で1,790円前後に収まる。
ヘッドランプは前期・後期ともバルブ品番の設定がない純正LEDで、交換の対象にはならない。室内の次に体感が変わるのはバックランプのT16で、こちらは年式を問わず共通だ。この3点を押さえておけば、AXAH52のLED化で製品選びを外すことはなくなる。
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