プリウス60系タイヤ交換 ジャッキポイントとトルク103N・m

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冬の前にスタッドレスへ履き替えようと、2023年以降のプリウス60系の荷室の床下を開けても、パンク修理キット装着車ならジャッキもレンチも見当たらない。60系はパンク修理キットが標準で、ジャッキやホイールナットレンチは工場出荷時に積まれていないからだ(2023年1月〜2024年2月生産のハイブリッド車の取扱説明書に載る応急用タイヤ装着車には、ジャッキやホイールナットレンチなどが積まれている)。自分で交換するなら、工具をそろえる、取扱説明書の図でジャッキをかける位置を確かめる、ナットを103N・mで締める、の3つが土台になる。

目次

60系のタイヤ交換で先に押さえる3つのこと

対象は2023年以降の60系で、ハイブリッド車の1.8L(2ZR-FXE)がZVW60(前輪駆動)・ZVW65(4WD)、2.0L(M20A-FXS)がMXWH60(前輪駆動)・MXWH65(4WD)、プラグインハイブリッド車がMXWH61だ。

  1. 工具: パンク修理キットが標準で、ジャッキ・ジャッキハンドル・ホイールナットレンチ・輪止めは工場出荷時に積まれていない(2023年1月〜2024年2月生産のハイブリッド車の取扱説明書に載る応急用タイヤ装着車には、ジャッキ・ジャッキハンドル・ホイールナットレンチが積まれている。後述)。
  2. ジャッキの位置: ハイブリッド車(ZVW60・ZVW65・MXWH60・MXWH65)の取扱説明書は図だけで示しており、ガレージジャッキで上げるときのリヤ側の図が2WD車と4WD車で分かれている。
  3. 締め付けトルク: 103N・m(1050kgf・cm)。ハイブリッド車(2023年1月〜2024年2月生産の版・2026年7月以降生産の版)とプラグインハイブリッド車(2023年3月〜2024年2月生産の版・2026年7月以降生産の版)の取扱説明書のどれでも同じ値で、17インチ・19インチの区別も無い。

作業の前にそろえる物

純正の車載工具は販売店で買える

60系はパンク修理キット(タイヤパンク応急修理キット)が標準で、ホイールナットレンチ・ジャッキ・ジャッキハンドル・輪止めは工場出荷時には積まれていない。どれもトヨタ販売店で買える。2026年7月以降生産のハイブリッド車の取扱説明書には「この車両には、スペアタイヤが搭載されていません。」とあり、プリウスPHEVの取扱説明書にも、ジャッキ・ホイールナットレンチ・ジャッキハンドル・輪止めは搭載されていないと書かれている。例外は2023年1月〜2024年2月生産のハイブリッド車の取扱説明書に載る応急用タイヤ装着車で、次の項で触れる。

ハイブリッド車の取扱説明書はほかの車のジャッキを使わないよう求めているので、車載ジャッキで作業するなら販売店で純正品をそろえるのが手堅い。締め終わりに103N・mを確かめるトルクレンチも用意したい(無いときの対処は「交換したあとの確認」の節で触れる)。

応急用タイヤ装着車の場合

2023年1月〜2024年2月生産のハイブリッド車の取扱説明書には「パンクしたときは(応急用タイヤ装着車)」の頁がある。この装着車にはホイールナットレンチ・けん引フック・ジャッキ・ジャッキハンドル・応急用タイヤが積まれ、ジャッキはデッキボードを開けて取り出す。同じ版に載る応急用タイヤはT145/90D16 106M(16×4T・空気圧420kPa〈4.2kg/cm2〉)で、装備の有無はグレードやオプションによって異なると注記されている。2026年7月以降生産の版のタイヤの表に応急用タイヤの行は無い。自分の車がどちらかは、デッキボードを開けて確かめるのが早い。

ジャッキポイントの位置と確かめ方

ハイブリッド車の取扱説明書はジャッキをかける位置を図だけで示しており、文字の説明は無い。この記事でも部位を文字では言い切らず、図の探し方を案内する。

車載ジャッキのジャッキセット位置

車載用のジャッキ(販売店で買える純正品)は、取扱説明書のタイヤ交換の頁にある「ジャッキセット位置」の図の位置にかける。ジャッキの部分を手で回し、ジャッキの溝をジャッキセット位置に外れないようにかける。

ガレージジャッキのジャッキポイント

ガレージジャッキ(フロアジャッキ)で上げるときは、タイヤ交換とは別の「ガレージジャッキ」の頁にある「ジャッキポイントの位置を確認する」の図を見る。ハイブリッド車(ZVW60・ZVW65・MXWH60・MXWH65)の取扱説明書では、2023年1月〜2024年2月生産の版も2026年7月以降生産の版も、フロント側の図は1つ、リヤ側は「4WD車」と「2WD車」で別々の図になっている。4WD(E-Four)はZVW65・MXWH65なので、型式で見る図を選ぶ。

作業はガレージジャッキに付属の取り扱い説明書に従う。取扱説明書は「正しい位置にセットしないと、車両が損傷したり、けがをしたりするおそれがあります。」としている。プラグインハイブリッド車(MXWH61)のガレージジャッキの頁は確かめられていないので、プリウスPHEVの取扱説明書の図を見てほしい。

自分の車の版の取扱説明書で図を見る

トヨタのWeb版の取扱説明書は、生産期間ごとに5つの版に分かれている。ハイブリッド車は2023年1月〜2024年2月、2024年3月〜8月、2024年9月〜2025年6月、2025年7月〜2026年6月、2026年7月以降。プラグインハイブリッド車は2023年3月〜2024年2月、2024年3月〜8月、2024年9月〜2025年6月、2025年7月〜2026年6月、2026年7月以降。生産時期に合う版を選び、車載の冊子かWeb版で図を開く。

自動車情報サイトCARPRIMEの解説では、多くの車は車体側面の下部(前輪と後輪の間のスカート部分)に逆三角形や矢印のマークがあり、その奥のプレスラインの切り欠きが車載ジャッキをかける所で、車体の重さがかかっても傷まないよう補強されているという。これは車種を問わない一般論なので、60系の位置は取扱説明書の図を正とする。

作業前の準備と輪止めの位置

ハイブリッド車の取扱説明書に沿った準備は次のとおり。

  1. 地面が固く平らで安全な場所に移動する
  2. パーキングブレーキをかける
  3. シフトポジションをPにする
  4. ハイブリッドシステムを停止する
  5. パワーバックドア装着車は、パワーバックドアの設定をOFFにする(作業中に誤って作動すると指や手を挟むおそれがある)

2023年1月〜2024年2月生産の版のパンク時の手順では、非常点滅灯を点けることも挙げている。走行直後はディスクホイールやブレーキまわりが高温になっており、手や足が触れるとやけどのおそれがある。

輪止めは、外すタイヤの対角線上のタイヤにかける。取扱説明書の位置は次のとおり。

外すタイヤ 輪止めをかける位置
左前輪 右側後輪のうしろ
右前輪 左側後輪のうしろ
左後輪 右側前輪の前
右後輪 左側前輪の前

タイヤの外し方

  1. ホイールキャップ装着車はキャップを外す(レンチの先を布などで保護する)
  2. 車体を上げる前に、ナットを約1回転ゆるめる
  3. ジャッキをジャッキセット位置にかけ、ジャッキハンドルにホイールナットレンチを取り付けて回し、タイヤが地面から少し離れるまで上げる
  4. ナットをすべて外し、タイヤを外す
  5. 地面に置くときは、ホイールの表面に傷が付かないよう表面を上にする

ガレージジャッキで上げるなら、3のかける位置が「ガレージジャッキ」の頁のジャッキポイントに変わる。

タイヤの付け方と締め付け

  1. ホイールの接触面の汚れをふき取る
  2. タイヤを付け、がたつかない程度まで手でナットを仮締めする
  3. 車体を下げる
  4. ホイールナットレンチで図の番号順に2、3回締め付ける
  5. ホイールキャップ装着車は、バルブの切り欠きを合わせて確実に取り付ける
  6. 工具をすべて片付ける

仮締めの目安(スチールホイール・アルミホイール)

手での仮締めは、スチールホイールどうしならナットのテーパー部がシート部に軽くあたるまで、アルミホイールどうしならナットの座金がホイールにあたるまでが目安。手で回して引っ掛かりがあるときは、無理に締めずにトヨタ販売店で点検を受ける。

締める順番と回数

ナットは取扱説明書の図の番号順(対角線)で2〜3回に分けて締め、最後に103N・mで締める。乗りものニュースの記事では、地面に近い位置から対角線の順に締め、仕上げはトルクレンチで規定トルクに締めるとしている。

ナットまわりで守ること

  • ナットのねじ部にオイルやグリースを塗らない(付いていればふき取る)
  • そのホイール専用のナットを使う
  • ナットはテーパー部を内側にして取り付ける
  • ボルト・ナットのねじ部やホイールのボルト穴・接触面に、つぶれ・亀裂・錆などの異常があればトヨタ販売店で点検を受ける

ジャッキアップ中にしてはいけないこと

ハイブリッド車の取扱説明書は、ジャッキの扱いを誤ると車が落ちて重大なけがにつながるおそれがあるとして、次を挙げている。

  • タイヤ交換などの目的以外に使わない。ほかの車のジャッキを使わない
  • 正しいジャッキセット位置にかける
  • ジャッキで支えた車の下に体を入れない
  • 持ち上げた状態でハイブリッドシステムを始動したり、車を走らせたりしない
  • 車内に人を乗せたまま持ち上げない
  • ジャッキの上や下に物を置かない
  • タイヤ交換に必要な高さ以上に上げない
  • 車の下にもぐる作業ではジャッキスタンドを使う
  • 車を下げるときは周囲を確かめ、人がいれば声をかける

あわせて、ナットを回すときにレンチを足で踏んで使わないこと。

交換したあとの確認

締め付けトルクの確認

タイヤを替えたら速やかに締め付けトルクを確かめ、自分で確かめられなければ販売店で点検を受ける(取扱説明書)。JAFの解説では、無理に締めるとボルトが破損する場合があるので規定のトルクで締めるよう求め、トルクレンチが無い場合はできるだけ早くガソリンスタンドや整備工場で規定トルクで締めてもらうよう案内している。交換後に普段と違う音が出るなど異常を感じたら、すぐ販売店に相談する。

増し締めの目安

タイヤメーカーのコンチネンタルの案内では、交換後50〜100kmを目安に走ってからホイールナットを増し締めする。交換時のトルクが適切でなかったり、走り始めの環境の変化などで、まれにナットが緩むことがあるからだ。

指定空気圧(17インチと19インチ)

2023年1月〜2024年2月生産のハイブリッド車の取扱説明書は、空気圧を月に1回以上、タイヤが冷えているときにタイヤ空気圧ゲージで測るよう求めている。見た目では分からず、走行後に温まって空気圧が上がるのは正常なので空気を抜かない。

指定値は次のとおり。ハイブリッド車(2023年1月〜2024年2月生産の版・2026年7月以降生産の版)とプラグインハイブリッド車(初期の版・2026年7月以降生産の版)の取扱説明書のタイヤの表で同じ値で、空気圧はタイヤが冷えているときの値だ。

型式 タイヤ / ホイール 前輪 後輪
ZVW60・ZVW65(1.8L) 195/60R17 90H / 17×6 1/2J 250kPa(2.5kg/cm2) 240kPa(2.4kg/cm2)
MXWH60・MXWH65・MXWH61(2.0L) 195/60R17 90H / 17×6 1/2J 250kPa(2.5kg/cm2) 240kPa(2.4kg/cm2)
MXWH60・MXWH65・MXWH61(2.0L) 195/50R19 88H / 19×6 1/2J 240kPa(2.4kg/cm2) 230kPa(2.3kg/cm2)

履き替えるタイヤ・ホイールのサイズ

上の表のとおり、1.8L車(ZVW60・ZVW65)の取扱説明書のタイヤの表には195/60R17だけが載り、19インチ(195/50R19)は載っていない。2.0L車(MXWH60・MXWH65・MXWH61)は195/60R17と195/50R19の2つが載る。ハイブリッド車の取扱説明書は、メーカー指定サイズ以外のタイヤやホイールを使わないよう求めている。タイヤ・ディスクホイール・ホイール取り付けナットを替えるときは、トヨタ販売店に相談するよう案内している。

2023年1月〜2024年2月生産のハイブリッド車の取扱説明書は、タイヤローテーションを5,000kmごとに行うよう記載している(入れ替え方は図で示される)。履き替えでタイヤを外すときに、前後のどちらに付けていたかの印を付けておくと入れ替えの判断がしやすい。

サイズやホイールの選び方は、次の記事で詳しく扱っている。

出先でパンクしたとき

修理キットで直せないパンク

2023年1月〜2024年2月生産のハイブリッド車の取扱説明書によると、パンク修理キットの対象は釘やネジが刺さった程度の軽いパンクで、補修液1本で直せるのはタイヤ1本。次の場合は直せない。

  • 空気圧不足のまま走ってタイヤが傷んでいる
  • 接地面以外(側面など)に穴や傷がある
  • タイヤがホイールから明らかに外れている
  • 4mm以上の切り傷や刺し傷がある
  • ホイールが壊れている
  • 2本以上パンクしている、または1本に2か所以上の傷がある
  • 補修液の有効期限が切れている

修理後の走り方

空気を入れたら約5kmを80km/h以下で走って補修液を広げ、その後の空気圧が130kPa(1.3kg/cm2)未満なら直せない。直った場合も走行距離約100km以内・80km/h以下で、急ブレーキ・急加速・急ハンドルを避けてトヨタ販売店へ行く。応急修理の後はバルブを新品に替える。

応急用タイヤ装着車の場合

同じ版の取扱説明書は、応急用タイヤ(側面に「TEMPORARY USE ONLY」)を使うとき、80km/h以上で走行しない、2本以上同時に使わない、できるだけ早く通常のタイヤに戻す、急加速・急ハンドル・急ブレーキを避ける、タイヤチェーンを付けない、ホイールキャップを付けない、としている。車輪の速度の検出が不正確になり、ABS・VSC・TRC・EPS・PCS・LTA・BSM・パノラミックビューモニターなどが正常に作動しないおそれがあり、4WD車は性能が十分に出ず駆動系の部品に悪影響のおそれもある。

JAFの解説では、応急用タイヤに替えるときの流れとして、ほかの車の邪魔にならない場所に止める、パンクしたタイヤの対角線上のタイヤに輪止めをかける、ナットを少しだけ緩めてからジャッキアップする、2〜3回に分けて仮締めし、車を下ろしてから規定トルクで本締めする、を挙げている。工具が無い・自信が無いときはJAFを呼ぶよう案内している。

よくある質問

60系に純正のジャッキは付いている?

60系はパンク修理キットが標準で、ジャッキ・ジャッキハンドル・ホイールナットレンチ・輪止めは工場出荷時に積まれておらず、トヨタ販売店で買える。2023年1月〜2024年2月生産のハイブリッド車の取扱説明書に載る応急用タイヤ装着車には、ジャッキやジャッキハンドルなどが積まれている。

ジャッキポイントはどこで確かめる?

自分の車の生産時期に合う版の取扱説明書の図で確かめる。ハイブリッド車(ZVW60・ZVW65・MXWH60・MXWH65)の取扱説明書は位置を図だけで示し、文字での説明は無い。ガレージジャッキのリヤ側の図は2WD車と4WD車で別になっている(詳しくは「ジャッキポイントの位置と確かめ方」の節)。

自分で交換するのとお店に頼むのはどちらがいい?

乗りものニュースの記事は、夏タイヤとスタッドレスの履き替えで年に2回くらいしか作業しない人なら、ディーラーや整備工場、カー用品店に任せるほうが費用面でも安全面でもおすすめとしている。同じ記事は、ジャッキだけで車を支えるとジャッキが外れて挟まれる危険があるとも書いている。応急用タイヤ装着車(2023年1月〜2024年2月生産のハイブリッド車の取扱説明書に載る車)でなければ、60系は工具を一からそろえることになるので、最初の1回はお店に任せ、作業の流れを見てから決めても遅くない。ほかの点検と時期を合わせて頼むなら、オイル交換の目安もあわせて確かめておきたい。

増し締めはいつ?

コンチネンタルの案内では、交換後50〜100kmを走ったころが目安になる。

1.8L車に19インチは履ける?

1.8L車(ZVW60・ZVW65)の取扱説明書のタイヤの表には195/60R17だけが載り、195/50R19は載っていない。履けると言える根拠が無いので、19インチにしたいときはトヨタ販売店に相談してほしい。

まとめ(作業前のチェックリスト)

  • 工具: パンク修理キットが標準の60系には、ジャッキ・ジャッキハンドル・ホイールナットレンチ・輪止めが工場出荷時に積まれていない(2023年1月〜2024年2月生産のハイブリッド車の取扱説明書に載る応急用タイヤ装着車は、ジャッキなどが積まれている)。販売店で先にそろえ、トルクレンチも用意する
  • ジャッキの位置: 自分の車の生産時期に合う版の取扱説明書の図で確かめる。ハイブリッド車の取扱説明書では、ガレージジャッキのリヤ側は2WD車と4WD車で図が別
  • 締め付け: 対角線の順に2〜3回に分けて締め、仕上げは103N・m(ZVW60・ZVW65・MXWH60・MXWH65・MXWH61とも、確かめた取扱説明書の版で同じ値)
  • 交換後: 50〜100km走ったら増し締めし、空気圧はタイヤが冷えているときにゲージで測る
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この記事を書いた人

車種別パーツ適合情報サイト「パーツ選び.com」の編集部。タイヤサイズ・エンジンオイル量・ワイパー適合・フィルター型番など、2,400本以上の記事と全80車種対応の早見表を公開中。適合値はメーカー公式の諸元・取扱説明書や部品メーカーの公式適合表で確認したものを優先し、確認できない数値は載せない方針で運営しています。

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