アームレストの下を開けると、スマートキーも小銭も充電ケーブルも底で一緒くたになっている。5代目プリウス(60系)のセンターコンソールボックスは深さがある一方で中に仕切りがなく、小物が沈む・走行中に動くという不満がここから出てくる。60系で買う「コンソールボックス」は箱を増設する部品ではなく、この純正ボックスに落とし込んで内部を上下2段に分けるインナートレイだ。選択を分けるのは、充電ケーブルを通す穴があるか、小銭とカードの定位置があるか、下段にティッシュ箱を置けるか、そしてプラグインハイブリッド車まで適合表記が伸びているかの4点になる。
60系のコンソールボックスは増設ではなく中身の作り替え
トヨタ公式サイトのプリウス室内空間ページによると、現行プリウスのセンターコンソール周りには、フロントカップホルダー2個、フロントコンソール2段トレイ、センターコンソールボックス、サイドスリットトレイが並ぶ。同ページはセンターコンソールを、二段式のユーティリティトレイやスマートフォンを収納できるスリット型トレイを備えた構成として説明している。センターコンソールボックス自体は最初から車両に付いている装備で、社外品で足すものではない。
取扱説明書によると、このボックスはボタンを押してロックを解除して開ける構造で、フタを持ち上げるだけの形式ではない。だから社外品側も、フタの開閉を邪魔しない高さで純正ボックスの中に収まる形が主流になる。買い物としては「箱を増やす」ではなく「今ある箱の使い方を変える」と考えたほうが外しにくい。
4製品の早見表
今回比較する4製品を、メーカーが商品ページで公表している内容だけで並べると次のようになる。
| 製品 | ケーブル穴 | 小銭・カード | 下段にティッシュ箱 | 取り付け | メーカーの対応表記 |
|---|---|---|---|---|---|
| CORSA コンソールボックストレー | 記載なし | コインケース最大39枚(500円硬貨は不可) | 記載なし | 記載なし | 2023年1月〜 全グレード対応 |
| ruiya コンソールトレイ | あり | コインホルダー | 記載なし | 差し込むだけ | ZVW60・ZVW65・MXWH60・MXWH65(2023.1〜) |
| Coleya コンソールトレイ | 記載なし | 記載なし | あり(穴あけ加工) | 記載なし | 60系 2023.1〜/PHEV 3代目 2023.3〜 |
| RUIYA 内蔵コンソールトレイ | あり | 上段に硬貨など | あり | 縁にクリップ掛け | 60系 2023.1〜/PHEV 3代目 2023.3〜 |
純正のセンターコンソールがどう並んでいるか
前側のトレイとカップホルダー
コンソールの前半分はカップホルダー2個と2段トレイで構成される。取扱説明書によると、この2段トレイは上段と下段の二層で、ノブを押して上段トレイを取り外せる。上段を外せば下段の深さをそのまま使えるので、背の高いものを前側に置きたいならまずここを試すといい。社外トレイを足す余地があるのは、この前側ではなくアームレスト下のボックスのほうだ。
アームレスト下のコンソールボックス
社外品の主戦場がここになる。純正は仕切りのない一室で、深さがある分だけ底に物が溜まる。インナートレイを1枚入れて上段に使用頻度の高い小物、下段に使わないものを回すのが、60系での基本形だ。 すぐそばのサイドスリットトレイはスマートフォンを置く場所で、取扱説明書は転がりやすいものやトレイから飛び出すおそれがあるものを置かないよう注意している。スマートフォンをここに置くなら、コンソールボックス側は小物専用と割り切れる。
グレードで分かれるマット
公式サイトはフロントコンソール2段トレイについて「Z、Gはマット付(上段トレイ)」と注記しており、Uについての注記はない。サイドスリットトレイも、Zはワイヤレス充電器付、Gはマット付と分かれている。純正でマットが敷かれるかどうかがグレードで違うので、滑り止めマットが付属する社外トレイの効きめもグレードによって変わる。Uに乗っているなら、マット付きの製品を選ぶ意味はZやGより大きい。
コンソール周りの電源と、ケーブルの通し方
充電端子の位置
公式サイトの収納・電源の項目によると、充電用USB端子(Type-C)はセンターコンソールボックスの内側に2個ある。加えてセンターコンソール前部に通信/充電用のType-C端子が1個、充電用のType-C端子が1個、アクセサリーソケット(DC12V・120W)が1個という配置だ。ボックスの中に充電端子があることが、インナートレイにケーブル穴が要る理由になっている。
充電専用という制約
取扱説明書によると、充電用USB Type-C端子はDC5V/3.0A(消費電力15W)の電源として使うものとされ、充電専用でデータ転送は行えないと明記されている。ハイブリッドシステムを停止した状態での長時間使用にも注意が付く。ボックス内の端子は音楽再生の接続先ではなく、あくまで充電用と理解しておく。
フタを閉じたまま配線を出す
取扱説明書は、ボックス内の充電用Type-C端子を使うとき、コンソールボックスを閉じた状態で配線を外に引き出せると記載している。純正の時点でこの使い方が想定されているわけだ。ここにトレイを1枚追加すると、ケーブルの通り道がトレイでふさがれることがある。ケーブル穴のある製品を選ぶか、トレイの縁とフタの間に配線を逃がせるかを見ておく。
買う前に見る6つの基準
深さと2段の分け方
浅いトレイほど下段に高さが残り、深いトレイほど上段に背の高いものを置ける。純正ボックスの内寸をトヨタは公表していないので、判断材料になるのは製品側の公表値だ。各メーカーが商品ページで公表している仕様では、CORSAがトレーの深さ約4cmと数値を出しており、深さを明示している数少ない製品になる。
ケーブル穴とマット
ケーブル穴の有無は前述のとおり充電の使い勝手に直結する。マットは走行中の音対策として効く部分で、CORSAはPVC製の滑り止めマットが付属し取り外して水洗いできると公表、Coleyaはラバーマット付き、ruiyaはゴムマット付きとしている。ただしメーカーの表現は騒音や振動の軽減であって、音がなくなると読み替えないほうがいい。
小銭・カードと取り付け方式
小銭の定位置が欲しいなら、CORSAはコインケース最大39枚収納(500円硬貨は収納できない)と枚数と除外硬貨まで公表しており、ruiyaはコインホルダー付きをうたう。取り付けはいずれもネジや両面テープを使わない設計で、RUIYAは原車コンソールの縁にクリップを掛けるだけ、ruiyaは差し込むだけと説明している。原状回復できる取り付け方式かどうかは、リース車や下取りを考えているなら先に見る項目だ。 下段の使い道も基準になり、RUIYAとColeyaは下段にティッシュ箱を置く使い方を公表している。
型式・グレードとプラグインハイブリッド車の扱い
60系の型式一覧
トヨタ公式の主要諸元表によると、現行プリウスの車両型式は、2.0LハイブリッドがMXWH60(2WD)とMXWH65(E-Four)、1.8LハイブリッドがZVW60(2WD)とZVW65(E-Four)、2.0LプラグインハイブリッドがMXWH61(2WDのみ)。グレードは2.0LハイブリッドとプラグインハイブリッドがそれぞれZとG、1.8LハイブリッドがUという構成になる。手元の車検証で型式を確認してから製品ページの表記と突き合わせるのが確実だ。
プラグインハイブリッド車で使うとき
トヨタの発売時ニュースリリースによると、5代目プリウスのハイブリッド車は2023年1月10日発売、プラグインハイブリッド車はZグレードに設定されて同年3月15日発売だった。社外品の適合表記が「2023.1〜」と「PHEVは2023.3〜」に分かれるのはこの発売時期の差による。
表記が60系だけの製品の扱い
社外トレイの適合根拠は、各メーカーが商品ページに書いている対応車種表記だけだ。ハイブリッド車とプラグインハイブリッド車でセンターコンソール形状が共通かどうかをトヨタが公表しているわけではない。プラグインハイブリッド車で使うなら、メーカーがPHEV 3代目 2023.3〜まで明記している製品を選ぶのが安全側になる。 表記が60系だけの製品は、買う前に現車のコンソール形状を見ておく。CORSA自身も購入前に現車の形状を確認するよう注意書きを載せている。
4製品を同じ物差しで比べる
深さと小銭収納を数値で示す1台
CORSAの60系プリウス専用コンソールボックストレーは、公表仕様で2023年1月〜の全グレード対応、トレーの深さ約4cm、スマートフォンやキー、ボールペンなどを整理する専用スペース、最大39枚のコインケース、ABS樹脂の本体とPVC製の取り外して水洗いできる滑り止めマットという内容だ。セット内容はトレー1点とマット1点。数値で仕様を出している分、入るか入らないかの見当を付けやすい。
CORSA 60系プリウス専用 コンソールボックストレー(PVC滑り止めマット付き)
型式を書き出している1台
ruiyaのプリウス60系専用コンソールトレイは、対応車種を「新型プリウス 60系 ZVW60/ZVW65/MXWH60/MXWH65 5代目(2023.1〜現行)」と型式まで書き出している。ABS樹脂にゴムマット付き、充電ケーブル類を通す穴があってケーブルを挿したまま使える、コインホルダーとカードや鍵の小物収納、差し込むだけの取り付けでサイドブレーキレバーの操作に干渉しない、という説明だ。型式が並記されているので、車検証と照合して判断できる。
ruiya プリウス60系専用 コンソールトレイ(コインホルダー・ケーブル穴付き)
プラグインハイブリッド車まで明記した2台
Coleyaのコンソールトレイは、対応車種を「トヨタ プリウス5代目 60系 65系 ZVW6# MXWH6#型 2023.1〜、トヨタ プリウス PHEV 3代目 2023.3〜現行」としており、ハイブリッド車とプラグインハイブリッド車の両方を書いている。ティッシュペーパー用の穴あけ加工、間仕切りデザイン、高硬度ABSプラスチック、滑り止めのラバーマット付きで、上段に小物・下段にティッシュ箱という使い方を示す。
Coleya プリウス60系・PHEV対応 コンソールトレイ(ラバーマット付き)
RUIYAの内蔵コンソールトレイも、適応車種を「プリウス 60系(2023.1〜現行)/プリウス PHEV 3代目(2023.3〜現行)」としている。仕切りで上段にスマートフォンやティッシュ、イヤホン、硬貨などを、下段にティッシュ箱を置く構成で、USBケーブル用の穴付き、ABS樹脂製で水洗い可、取り付けは原車コンソールの縁にクリップを掛けるだけの着脱式だ。ケーブル穴と下段ティッシュ箱の両方を公表しているのはこの1台になる。
RUIYA プリウス60系 内蔵コンソールトレイ(下段ティッシュ・充電ケーブル穴付き)
使い方から1つに絞る
充電中心で使う
ボックス内の端子でスマートフォンを充電しながら走ることが多いなら、ケーブル穴を公表している2台に絞る。ruiyaとRUIYAが該当する。ケーブルを挿したまま上段に端末を置けるので、フタを開けて配線を引き回す手間が消える。
小銭とカードを定位置に
駐車券や高速道路の小銭を車内に置いておきたいなら、収納枚数まで公表しているCORSAか、コインホルダーを持つruiyaになる。CORSAは500円硬貨が収納できないと明記しているので、500円玉をまとめて置きたい人はruiyaを選ぶ。
ティッシュを入れたい
ティッシュ箱を助手席や運転席の背面に置きたくないなら、下段にティッシュ箱を置く使い方を公表しているRUIYAかColeyaから選ぶ。Coleyaはティッシュを引き出す穴あけ加工を持つので、フタを閉じたまま取り出す使い方を想定しているならこちらが向く。プラグインハイブリッド車のオーナーも、この2台なら適合表記の面で悩まずに済む。
取り付けの流れと、使うときに守ること
取り付けの流れ
いずれもネジや両面テープを使わない設計なので、作業自体は数分で終わる。純正ボックスの中を空にして、クリップを縁に掛けるか、トレイを差し込む。ケーブル穴のある製品なら、先に充電ケーブルを端子へ挿してから穴に通しておくと収まりがいい。最後にフタを閉じて、引っかかりなく閉まるかを確認する。
走り出す前にフタを閉じる
取扱説明書はコンソールボックスについて、必ず閉じるよう警告している。急ブレーキや急旋回のときに開いたフタに体が当たったり、収納していたものが飛び出したりして事故につながるおそれがあるためだ。トレイを入れて収納量が増えても、走り出す前にフタを閉じる前提は変わらない。 充電ケーブルを外へ出す場合も、フタが閉まる位置に配線を通す。
置きっぱなしにしないもの
取扱説明書は収納装備全般について、メガネ・ライター・スプレー缶を放置しないよう警告している。室温が上がったときの熱や他の収納物との接触でメガネが変形やひび割れを起こすこと、ライターやスプレー缶が爆発したりガスがもれて火災につながることが理由として挙げられている。前側のオープントレイについても、転がりやすいものや凹面より高さがあるもの、トレイの端より高く積んだものや端からはみ出すものを置かないよう警告がある。仕切りができて小物を常設しやすくなるほど、この2つは効いてくる。
よくある質問
プラグインハイブリッド車にも付きますか
メーカーが「PHEV 3代目 2023.3〜」まで書いている製品を選べば、そのメーカーの表記の範囲で使える。ColeyaとRUIYAがこれに当たる。表記が60系だけの製品については、トヨタがコンソール形状の共通性を公表していないため、装着できると言い切れない。MXWH61に乗っているなら表記の広い製品を選ぶ。
充電ケーブルを挿したまま使えますか
ケーブル穴のある製品なら使える。純正の時点で、取扱説明書がボックスを閉じた状態で配線を外へ引き出せると記載しているので、トレイ側にも通り道があれば同じ使い方を続けられる。
Uグレードでも意味がありますか
ある。むしろU向きだ。公式サイトがマット付きと注記しているのはZとGの上段トレイで、Uについての記載はない。滑り止めマットが付属する社外トレイを入れると、仕切りと滑り止めの両方が同時に手に入る。
ワイヤレス充電器は後から付けられますか
公式サイトがワイヤレス充電器について明記しているのはZへの標準装備までで、他グレードへの後付けの可否は今回確認した資料からは分からない。ボックス内のType-C端子は充電専用でデータ転送はできないので、有線で充電する前提ならトレイのケーブル穴で足りる。
純正の上段トレイは外せますか
前側のフロントコンソール2段トレイについては、取扱説明書がノブを押して上段トレイを取り外せると記載している。アームレスト下のコンソールボックスとは別の場所なので、混同しないようにする。
まとめ:買う前に確認すること
60系のコンソールボックスは、買い足す装備ではなく中を作り替える対象だ。注文する前に次を確認しておく。
- 車検証で型式を見る(ZVW60・ZVW65・MXWH60・MXWH65・MXWH61)
- プラグインハイブリッド車なら、PHEVまで書いてある製品に絞る
- 表記が60系だけの製品は、現車のコンソール形状を先に見る
- ボックス内で充電するなら、ケーブル穴の有無を確認する
- 小銭を入れるなら、500円硬貨が入るかどうかまで見る
- 届いたら、フタが引っかからずに閉まるかを最初に確かめる
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