ノア ZRR70G 車中泊マット|段差解消の選び方

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後席を倒して寝床を作ってみると、座面と背もたれの継ぎ目に傾斜が残る。ZRR70Gの車中泊マット選びは、この傾斜を打ち消す段差解消クッションを足すか、寝床全面に厚手のマットを敷くかの二択で決まる。どちらを選ぶにしても、買う前の作業は2つある。倒したシートの上で実際に寝る範囲をメジャーで測ることと、商品名や説明文に書かれた適合年式を読むことだ。

目次

段差を消す3つの手段と費用の目安

倒しても傾斜と隙間は残る

ノア・ヴォクシーの車中泊を扱ったカー用品店の解説では、シートをすべて倒しても座面と背もたれの継ぎ目に10センチ程度の段差や傾斜が生じるとされている。さらに7人乗りは2列目が左右独立しているため、平らに近づけても中央のウォークスルー部分に隙間が空く。シートアレンジだけでは平らな寝床にならない前提で道具を選ぶ、というのがこの記事の立場になる。

3つの手段は狙いが違う

同じ解説は、段差への対処を3つに分けている。費用の目安もそこに示されたものだ。

手段 狙い 費用の目安
ベッドキット シートの上に載せるだけで平らな空間を作る 約5万〜10万円
インフレータブルマット 寝床全面に敷く。厚さ8cmで段差を感じにくくなるとされる 商品による
段差解消クッション 倒したシートに載せ、傾斜のある部分を埋める 約3,000円〜20,000円

予算を抑えて試すなら段差解消クッションから入るのが現実的で、寝心地そのものを底上げしたいなら厚手マット、毎週のように使うならベッドキットという順で考えたい。

ZRR70Gは70系の標準ボディを指す型式

70系には4つの型式がある

ZRR70Gは2代目ノア、通称70系の型式のひとつ。この世代は2007年6月27日に発売され、2014年1月まで販売された。同じ世代にZRR70G・ZRR70W・ZRR75G・ZRR75Wの4型式が併存する。

外寸は型式で変わる。ZRR70G(GグレードおよびXグレード)は全長4,595mm×全幅1,695mm×全高1,850mm、ホイールベース2,825mm。一方、Siグレードは型式がZRR70Wで、全長4,630mm×全幅1,720mmと外寸が異なる。全高とホイールベースは両者で共通だ。末尾のGとWは外寸の違う仕様を区別する記号で、標準ボディの全幅1,695mmは5ナンバーの枠に収まる寸法、Si系の1,720mmはその枠を超える寸法にあたる。「70系用」とだけ書かれた商品を見るときは、この違いが頭にある状態で読みたい。

前期と後期の分かれ目は2010年4月

70系は2010年4月にマイナーチェンジを受けている。前期は2007年6月27日から2010年4月26日まで、後期は2010年4月27日から2014年1月19日まで。ZRR70Gという型式自体は前期・後期の両方にまたがって存在する。つまり型式だけでは前期か後期かが決まらないので、車検証の初度登録年月をあわせて見ておく。

寝床の寸法はカタログの室内寸法から出さない

室内長2,970mmは寝床の長さではない

ZRR70G(Gグレード・2010年式・2WD・乗車定員7人)の室内寸法は、室内長2,970mm×室内幅1,485mm×室内高1,340mm。数字だけ見ると余裕がありそうに読めるが、室内長2,970mmは運転席の前端から3列目の後端までを指す数値で、後席だけで作る就寝スペースの長さではない。室内幅1,485mmも室内で最も広い箇所の値であり、寝る位置の実際の幅はこれより狭くなる。カタログの室内寸法をそのままマットの必要サイズとして扱わない

なお参考までに、ZRR70WのSi・2WD(2007.06-2010.04)は室内長2,970mm×室内幅1,485mm×室内高1,350mmで、室内長と室内幅は同値、室内高だけ10mm違う。

測るのは幅・奥行き・天井までの高さ

実測の手順は単純だ。まず自分の車のシートを倒したりスライドさせたりして、実際に就寝するスペースを作る。その状態でメジャーを当て、幅・奥行き・天井までの高さの3つを測る。測る対象は寝る姿勢で体が乗る範囲であって、車室全体ではない。この3つの数字が出れば、候補の絞り込みは一気に楽になる。

70系のシートアレンジで作れる寝床

3列目を跳ね上げて2列目を前後に振る

70系のサードシートは、ワンタッチでの折りたたみと跳ね上げまでできる「ワンタッチスペースアップシート」を採用している(当時の発表で世界初とされた機構)。セカンドシートは470mmのロングスライドが可能で、外側方向に回転してチャイルドシートへの乗せ降ろしを容易にするチャイルドケアモードも備える。3列目を跳ね上げて2列目の位置を振る、というのが寝床作りの基本操作になる。

兄弟車のレイアウト例は

も参考になる。

7人乗りと8人乗りで作り方が変わる

70系ノアの乗車定員には5名・7名・8名の設定がある。2列目の形状は定員で変わり、7人乗りは左右独立したキャプテンシート、8人乗りは3人掛けのベンチシートとなる。ベンチシートのほうが面としてつながるぶん、寝床の作り方は素直になる。

ただし、同じグレード名でも資料によって記載される乗車定員が違う。中古車カタログではGグレードの2010年式を7人乗りとしているのに対し、別の解説記事はX・G・S・Siを8人乗り(サイドリフトアップシート装着車は7人)としている。グレード名から定員や2列目の形を確定させることはできないので、車検証の乗車定員欄と実車の2列目シートを自分の目で確認してほしい。

厚みとタイプをどう決めるか

厚みの推奨は割れている

車中泊マットの厚みについて、解説の側の推奨は一致していない。キャンプ用品の解説メディアは、厚さ10cmあれば段差による不快感を大幅に軽減できるとし、積載スペースに余裕がなければ8cm程度を薦めている。車中泊マットの選び方を扱う解説記事は8〜12cmを最適とし、薄すぎると底付き感があり厚すぎると車内の天井高を圧迫すると説明する。これに対し、アウトドア誌がキャンピングカーで実際に長期使用した報告は、天井が近くなることを理由に厚みは5cmが限界と判断し、10cmや20cmでは車内の複雑な形状に対応する柔軟性が損なわれるとしている。

厚みは寝心地と、天井までの余裕・形状への追従性とのトレードオフだと考えたい。ZRR70Gの室内高1,340mmという条件で、座って着替えたいのか横になれれば十分なのかによって答えは変わる。迷うなら8cm前後から試し、天井が近すぎると感じたら薄いほうへ振るのが失敗の少ない進め方だ。

自動膨張式とエアー式

同じ解説メディアによれば、車中泊マットは自動膨張式(インフレーター)とエアー式に大別される。自動膨張式はバルブを開けると内部のクッションの復元力で自動的に膨らむもので、準備が簡単、寝心地に優れる、断熱性が良いという長所があり、収納サイズが大きいという短所がある。エアー式はポンプなどで空気を入れるタイプで、厚さや固さを調節でき、コンパクトに収納できる一方、準備に手間がかかり寝心地が劣る場合が多いとされる。

ミニバンで荷室に余裕があるZRR70Gなら、収納サイズの不利を飲んで自動膨張式を選ぶ判断が取りやすい。

ZRR70Gの型式が書かれた実売品

前低後高の段差解消クッション

70系向けに売られている段差解消クッションは、前部が低く後部が高い「前低後高」の形状で、倒した後席に残る傾斜を打ち消して平らな面を作ることを狙った製品だ。出品者の説明では、内材に高弾性のパール綿を使って体圧を分散させ、へたりを抑えるとされる。寝具として使い続けるなら、表面カバーがファスナーで着脱でき丸洗いできるかどうかが分かれ目になる。

DEQPC 車中泊マット 段差解消クッション ノア・ヴォクシー70系用

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ノア・ヴォクシー70系用 車中泊マット シートフラットクッション

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この2点は同じ役割の製品で、どちらも商品名にZRR70Gを含む。Amazonでの確認時点の実売価格は前者が¥2,588、後者が¥2,576。価格は変動するので、購入時に必ず現在の表示を見てほしい。役割が同じである以上、優劣を断じる材料はこちらにはない。カバーの着脱可否と実測サイズを見比べて決めるのが順当だ。

併用する遮光サンシェード

70系ノア・ヴォクシー向けには、全窓分をまとめた10枚組の遮光サンシェードが車種専用フルセットとして売られている。用途として、車中泊や仮眠時のプライバシー保護、アウトドアやレジャー、高速道路のパーキングエリアでの休憩、日よけや紫外線対策、車内での着替えや乳幼児の世話が挙げられている。マットが寝床の平らさを作る道具なのに対し、こちらは外からの視線と光を遮る役目で、併用する前提の道具になる。確認時点の実売価格は¥7,600。

JHTCARJP ノア・ヴォクシー70系 車中泊 遮光サンシェード 10枚組

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サンシェードの比較の考え方は

にも書いている。

適合年式の表記を読む

ここが最大の落とし穴になる。商品ページに出品者が記載している適合表記では、「ノア ヴォクシー 70系 ZRR70W ZRR75W ZRR70G ZRR75G」と型式を並べたうえで、適合年式を「H19.7~H22.4」(2007年7月から2010年4月)と商品名の中に明記している出品がある。ZRR70Gは2014年1月まで販売された型式なので、2010年4月以降の後期型は出品者が明記した適合範囲の外にあたる。後期型に使うつもりなら、購入前に出品者へ適合可否を問い合わせておきたい。

もう1点。同じ商品説明の中に「軽自動車やSUV、セダンなどさまざまな車種に対応」という汎用品としての記載が併記されていることがある。型式が列挙されていても、後席の形に合わせて成形された専用部品とは限らない。車種専用だからぴったり合う、という前提では選ばないほうがいい。

エンジンを切って眠る

雪の日はマフラー周りを空ける

JAFが2015年2月に行った実験では、マフラーの高さまで雪に覆われた状態でエンジンをかけたまま放置すると、開始直後から車内の一酸化炭素濃度が上がり、16分後に短時間暴露限度の400ppm、その6分後に測定上限の1,000ppmに達した。窓を5cm程度開けた場合でも開始5分で100ppm台、約40分後に400ppm、その後すぐ800ppm台まで上昇している。マフラー周辺の雪を除雪した場合は終始ほとんど検知されなかった。車の床下に溜まった排ガスが車内に吸い込まれたためで、エアコンが内気循環でも車体の隙間から排ガスが入る危険があると報告されている。窓を少し開ければ大丈夫、という対処では防げない。眠るときはエンジンを切る。寒さは寝袋と断熱性のあるマットで対処する。

暖房を落とす前提だと、朝の始動に使うバッテリーの状態も気になってくる。交換の目安は

にまとめている。

停める場所を先に確かめる

国土交通省が「道の駅」について案内している内容では、運転の途中で疲労回復のために車内で仮眠をとるなどしていただくことはかまわないが、駐車場など公共空間における宿泊利用は基本的にご遠慮いただいている、とされている。別途宿泊用の駐車スペースを設けている施設もあるため、可否は各施設で確認する。長時間のアイドリング、駐車マス以外への駐車、バーベキューや煮炊きなども禁止マナーとして挙げられている。

停車中のエンジンについては条例の側からも縛りがある。東京都の環境確保条例に基づく案内では、自動車を駐車または停車するときにエンジンを停止することが運転者の義務とされ、アイドリングは禁止されている(信号待ち、交通渋滞、人の乗降、冷凍車など動力としてエンジンを使う場合、緊急自動車、やむを得ないと認められる場合は対象外)。この種の条例は自治体ごとに内容が異なるので、全国一律の規制としては扱えない。

同じ姿勢を続けない

厚生労働省のエコノミークラス症候群の予防に関する案内では、車内で長時間同じ姿勢を続けると血行不良が起こって血液が固まりやすくなり、血栓が肺に詰まって肺塞栓などを誘発する恐れがあるとされている。予防として挙げられているのは、十分にこまめに水分を取る、ときどき軽い体操やストレッチ運動を行う、かかとの上げ下ろし運動をしたりふくらはぎを軽くもんだりする、ゆったりとした服装をしてベルトをきつく締めない、アルコールを控えできれば禁煙する、の5点。平らな寝床を作る目的の半分は、寝返りを打てるようにすることにある。

よくある質問

後期型のZRR70Gでも70系用のマットは使えますか

出品者が適合年式を前期までと明記している商品については、そのままでは範囲外になる。問い合わせて可否を確認するのが確実な道になる。型式が並んでいても汎用のクッションであることがあり、その場合は年式より実測サイズが合うかどうかで判断できる。

大人2人で寝られますか

車体側の条件だけでは決まらない。2列目の形と、どこまでスライドさせるかで寝床の幅も奥行きも変わるので、実際に作った状態で測った数字を見て判断してほしい。7人乗りは中央に隙間が残る点も見込んでおく。

8人乗りと7人乗りではどちらが寝床を作りやすいですか

2列目がベンチシートの8人乗りのほうが、面としてつながるぶん作りやすい。ただし自分の車がどちらかはグレード名では決まらないので、車検証の乗車定員欄で確かめる。

マットは何cmの厚さを選べばいいですか

推奨は資料によって5cmから12cmまで割れていて、一つの正解はない。ZRR70Gの室内高から座ったときの余裕を確保できる範囲で、段差が気にならない厚みを選ぶ、という順で決めるとよい。現行型の事情は

も参考になる。

まとめ:買う前のチェックリスト

  • 倒したシートで寝床を作り、幅・奥行き・天井までの高さを測る
  • 商品名と説明文の適合年式を読む。後期型なら出品者に問い合わせる
  • 車検証で乗車定員を確認し、2列目がキャプテンシートかベンチシートかを見る
  • 傾斜を埋める段差解消クッションと、寝床全面に敷くマットを混同しない
  • 眠るときはエンジンを切る

装備を整えたら足回りと積載も見直したくなる。

が次の一手になる。

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この記事を書いた人

車種別パーツ適合情報サイト「パーツ選び.com」の編集部。タイヤサイズ・エンジンオイル量・ワイパー適合・フィルター型番など、2,400本以上の記事と全80車種対応の早見表を公開中。適合値はメーカー公式の諸元・取扱説明書や部品メーカーの公式適合表で確認したものを優先し、確認できない数値は載せない方針で運営しています。

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