ランドクルーザーFJ(TRJ240W)のタイヤ交換で見落としやすいのは、ナットの締め付けトルクが場所によって違うことだ。トヨタの取扱説明書では、車体側のホイールナットが105N·mなのに対して、背面のスペアタイヤキャリアのナットは60N·mで、パンクしたタイヤを背面に戻すときに車体側と同じ値で締めると取扱説明書の値と合わない。ジャッキをかける位置は、TRJ240Wの取扱説明書で前輪がフロント側のクロスメンバーの下、後輪がリヤアクスルハウジングの下と決まっている。
TRJ240Wのジャッキポイントと締め付けトルクの早見表
型式3BA-TRJ240W(2026年5月発売)の取扱説明書と、トヨタの公式カタログの値をまとめた。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 前輪のジャッキセット位置 | フロント側のクロスメンバーの下 |
| 後輪のジャッキセット位置 | リヤアクスルハウジングの下 |
| 車体側のホイールナット | 105N·m(1071kgf·cm) |
| スペアタイヤキャリアのナット | 60N·m(611kgf·cm) |
| ホイールカバーのボルト | 14N·m(143kgf·cm) |
| 純正タイヤサイズ | 前後とも265/60R18 |
ジャッキはこの2か所にかけ、ナットとボルトは場所ごとの値で締める。これだけ覚えておけば、手順の途中で迷うことは少ない。
作業の前に押さえる純正の値
ランドクルーザーFJの型式は3BA-TRJ240Wで、2026年5月に発売された。駆動方式はパートタイム4WDで、トヨタの公式カタログのモデル一覧に載っているグレードはVXの1件だけだ。車両重量はVXで1960kg、全長×全幅×全高は4575×1855×1960mmある。
タイヤとホイールのサイズ
TRJ240Wの純正タイヤサイズは、前後とも265/60R18だ。取扱説明書のメンテナンスデータの表記は265/60R18 110Hで、ホイールは18×7 1/2J。公式カタログでは18インチのアルミホイールが標準になっている。
PCDやオフセットなど、ホイールの寸法は別の記事にまとめた。
指定空気圧
取扱説明書のメンテナンスデータでは、TRJ240Wの指定空気圧(タイヤが冷えているとき)は、空荷で前輪・後輪とも220kPa(2.2kg/cm2)、積荷で前輪・後輪とも250kPa(2.5kg/cm2)。運転席側のタイヤ空気圧ラベルでも確かめられる。
車載の工具・ジャッキ・スペアタイヤ
取扱説明書の「スペアタイヤ・工具・ジャッキの位置」では、格納品は工具袋・ジャッキ・スペアタイヤの3つ。工具袋には、ホイールナットレンチ、ジャッキハンドル延長バー、ジャッキハンドルバー、スパナ、ドライバー、プライヤーが入っている。
工具袋とジャッキの格納場所は取扱説明書の図で示されていて、文章では場所を言っていない。パンクしてから探すことのないよう、図で場所を先に確かめておくのがよい。ジャッキは、カバーを取りはずし、固定バンドをはずしてから、ジャッキをゆるめて取りはずす。工具袋も、カバーとバンドを外して取り出す。
スペアタイヤは車体の背面に背負う作りだ。初公開時(ジャパンモビリティショー2025)の展示車を取材したMotor Fanの記事では、背面にスペアタイヤを背負い、テールゲートは横開き式と紹介されている。取扱説明書でも、スペアタイヤはスペアタイヤキャリアにナットで留め、その上からホイールカバーをボルトで留めて、ボルトカバーをかぶせる作りになっている。
ジャッキアップの前の準備
トヨタの取扱説明書では、ジャッキアップの前に次のことを行う。
- 地面が固く平らで安全な場所に移動する
- パーキングブレーキをかける
- シフトレバーをPにする
- エンジンを停止する
- 非常点滅灯を点滅させる
そのうえで、タイヤ交換の最初の手順として輪止めをする。輪止めはトヨタ販売店で購入できると、取扱説明書に書かれている。
走行直後はディスクホイールやブレーキまわりが高温になっていて、手や足がふれるとやけどのおそれがある。また、パンクしたまま走行しない。タイヤとホイールが修理できないほど傷んだり、事故につながったりするおそれがあるので、車に備え付けのスペアタイヤと交換する。
背面のスペアタイヤの外し方
- マイナスドライバーでボルトカバーを外す。傷を防ぐため、ドライバーの先端を布などで保護する
- スパナでホイールカバーのボルトを外し、ホイールカバーを取り外す
- ホイールナットレンチでナットをゆるめ、スペアタイヤキャリアからタイヤを取り外す
取扱説明書にも書かれているとおり、スペアタイヤは非常に重い。キャリアから外すときは、足もとに落とさないよう慎重に取りはずす。
ジャッキポイントとジャッキアップのしかた
まず、パンクしたタイヤの側で、ホイールナットレンチの後端を挿し込んでセンターオーナメントを外し、車体を上げる前にナットを約1回転ゆるめておく。
次に、工具袋からジャッキハンドルバー、ジャッキハンドル延長バー、ホイールナットレンチを取り出して組み付ける。組み付けたジャッキハンドルをジャッキの穴部に挿し込み、ジャッキセット位置にジャッキをかける。
前のジャッキセット位置
TRJ240Wで前輪を上げるときのジャッキセット位置は、フロント側のクロスメンバーの下だ(取扱説明書の記載)。
後ろのジャッキセット位置
TRJ240Wで後輪を上げるときのジャッキセット位置は、リヤアクスルハウジングの下だ(取扱説明書の記載)。この2か所以外にジャッキをかけない。
ジャッキアップの警告
取扱説明書の警告は次のとおり。
- ジャッキはジャッキセット位置に正しくかける
- タイヤが地面から少し離れるまで車体を上げる
- ジャッキの黄色い警告線が見えたら、それ以上ジャッキアップしない
- ジャッキで支えられている車の下に体を入れない。車の下にもぐり込んで作業するときはジャッキスタンドを使う
- ジャッキで支えた状態でエンジンを始動したり、車を走らせたりしない
- 車内に人を乗せたまま車を持ち上げない
備え付けのジャッキはこの車にしか使えない。他の車に使ったり、他の車のジャッキをこの車に使ったりしない。タイヤ交換とタイヤチェーンの取り付け・取りはずし以外の目的にも使わない。
タイヤの付け替えと締め付け
- ナットをすべて外して、パンクしたタイヤを取り外す
- スペアタイヤのホイール接触面の汚れをふき取る
- 手でナットを仮締めする
- 車体を下げる。自分や周りの人がけがをしないよう注意する
- 取扱説明書の図の番号順に、ナットを2〜3回締め付ける
- センターオーナメントを取り付ける
接触面が汚れていると、走行中にナットがゆるみ、タイヤが外れるおそれがある。ひと手間でも、ふき取りは省かない。締め付けトルクは車体側の105N·mで、取扱説明書は、これを守らないとナットがゆるみ、ホイールが外れ落ちて重大な傷害につながるおそれがあると警告している。
ナットとねじ部については、取扱説明書に次の注意がある。
- タイヤの取り付けには、使っているホイール専用のナットを使う
- ねじ部にオイルやグリースを塗らない。付いているときはふき取る
- 亀裂や変形のあるホイールは使わない
- タイヤ・ディスクホイール・ホイール取り付けナットを交換するときは、トヨタ販売店に相談する
パンクしたタイヤを背面に格納する
- スペアタイヤキャリアにタイヤを取り付け、手でナットを仮締めする
- ホイールナットレンチで、図の番号順にナットを2、3度締め付ける
- 取りはずしたときと逆の手順でホイールカバーを取り付け、ボルトを締め付ける
- ボルトカバーを取り付ける
- 工具とジャッキを元の位置に格納する
ここで締めるのは車体側ではないので、値が変わる。キャリアのナットは60N·m、ホイールカバーのボルトは14N·mで、車体側の105N·mとは違う。
キャリアからタイヤを外したまま走らない。キャリアが直接歩行者に接触するおそれがあるので、必ずキャリアにタイヤとホイールカバーを載せて走る。走り出す前には、工具とジャッキが正しい位置に格納されているかを確かめる。
交換したあとの確かめと日ごろの点検
締め付けトルクの確かめ
タイヤを交換したら、速やかに車体側のナットの締め付けトルクを確かめる。トルクレンチが手もとに無いなら、販売店で確かめてもらうのが確実だ。
空気圧の点検
タイヤの点検は法律で義務付けられている。空気圧は月に1回以上、タイヤが冷えているときにタイヤ空気圧ゲージで測る。見た目だけでは適正か判断できない。走行後はタイヤの発熱で空気圧が高くなるが、異常ではないので減圧しない。空気圧のほかに、亀裂や損傷の有無、溝の深さ、異常な摩耗の有無も見ておく。
ローテーションとタイヤを替えるときの決まり
取扱説明書は、摩耗を均等にし寿命をのばすため、タイヤローテーション(タイヤ位置交換)を5,000kmごとに行うよう書いている。トヨタは定期点検ごとのローテーションもすすめている。
タイヤそのものを替えるときは、取扱説明書の警告に従う。
- すべて同一メーカー・同一銘柄・同一トレッドパターンで、摩耗差のないものを使う
- メーカー指定サイズ以外のタイヤやホイールを使わない
- ラジアル・バイアスベルテッド・バイアスプライのタイヤを混ぜて使わない
- サマー・オールシーズン・冬用のタイヤを混ぜて使わない
自宅で交換するときの道具の選び方
季節のタイヤの履き替えを自宅で行うなら、トルクレンチを1本用意しておくと、締め付けの値を自分で確かめられる。選ぶ基準は、車体側の105N·mと背面のスペアタイヤキャリアの60N·mの両方を設定できる範囲の物。これなら交換と格納の両方で使える。ソケットの大きさは、この記事の出典ではナットの二面幅を確かめていないので、車のナットに現物で合わせて確かめる。
市販のジャッキを使うなら、車両重量(VXで1960kg)に対して余裕のある耐荷重で、取扱説明書のジャッキセット位置(前はフロント側のクロスメンバーの下・後ろはリヤアクスルハウジングの下)にかけられる物を選ぶ。車の下に体を入れるなら、ジャッキスタンドを併せて使う。市販のジャッキの使い方は取扱説明書には書かれていないので、使うときはそのジャッキの説明書に従う。必要な耐荷重やジャッキの高さの数値は、この記事の出典では決めていない。
よくある質問
ジャッキポイントはどこ?
TRJ240Wの取扱説明書では、前輪がフロント側のクロスメンバーの下、後輪がリヤアクスルハウジングの下。かけ方と警告は「ジャッキポイントとジャッキアップのしかた」の節にまとめた。
スペアタイヤ側のナットも105N·m?
違う。TRJ240Wの取扱説明書では、背面のスペアタイヤキャリアのナットは60N·mで、ホイールカバーのボルトは14N·mだ。
スペアタイヤを外したまま走ってもよい?
走ってはいけない。取扱説明書は、キャリアが直接歩行者に接触するおそれがあるとして、キャリアにタイヤとホイールカバーを載せて走るよう警告している。
ローテーションの目安は?
取扱説明書では5,000kmごと。トヨタは定期点検ごとのローテーションもすすめている。
指定空気圧はいくつ?
TRJ240Wは、タイヤが冷えているときに空荷で前輪・後輪とも220kPa、積荷で前輪・後輪とも250kPa。運転席側のタイヤ空気圧ラベルでも確かめられる。
まとめ
作業の前に、まず実車で、いま履いているタイヤの側面の表記が純正の265/60R18かどうかと、工具袋とジャッキの場所を取扱説明書の図と見比べて確かめておく。そのうえで、車検証の型式が3BA-TRJ240Wであることも見ておく。
TRJ240Wの取扱説明書では、ジャッキセット位置は前がフロント側のクロスメンバーの下、後ろがリヤアクスルハウジングの下。締め付けトルクは車体側のナットが105N·m、背面のスペアタイヤキャリアのナットが60N·m、ホイールカバーのボルトが14N·mで、交換したあとは車体側のトルクを速やかに確かめる。
同じ車のほかの記事もあわせて確かめておくとよい。

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