家の鍵と一緒にキーホルダーへ通していると、電子キーの表面に入った王冠のエンブレムは一年も経たずに細かい擦り傷へ埋もれていく。ARS220は2018年6月から2022年7月まで売られた15代目クラウンの2.0Lターボで、電子キーのワイヤレスリモコンは施錠・解錠・トランクの3ボタン構成になる。社外キーケースの適合欄には「トヨタ用」「220系対応」といった曖昧な表記が並び、ボタン数も型式も書かれていない製品が同じ画面に混ざる。Amazonで拾えた5製品を、ARS220の3ボタンキーに当たるかどうかという一点で並べ直した。
5製品の素材・価格とARS220への当たり
キーケースの検索結果は、車名だけが一致していてキー形状の違う製品と、型式まで書き込んだ製品が並んで表示される。今回確認できた5製品を、素材と価格、そしてARS220の3ボタンキーへの当たりで整理した。
| 製品 | 素材・形状 | 価格の目安 | ARS220(3ボタン)への当たり |
|---|---|---|---|
| FRACTAL CREATION レザー調TPU キーシェル | TPU・約25g・カラビナフック付属 | 980円前後 | 商品名にARS220を明記。3ボタンの枝を選ぶ前提 |
| CAR PRODUCE TMG リモコンキーカバーセット | 220系特別仕様車向けのカバーセット | 10,980円前後 | ARS220/AZSH20.21/GWS224を名指し。取り寄せ扱い |
| Eiksouvi 本革×亜鉛合金 キーケース(ブラック) | 本革+亜鉛合金フレーム・3ボタン専用 | 3,269円前後 | 220系(2018.06〜 AZSH20 ARS220)と記載。新世代クラウンと併記 |
| Eiksouvi 本革×亜鉛合金 キーケース(ブルー) | 同型の色違い | 3,269円前後 | 同上 |
| AetherAura 亜鉛合金×PVCレザー フルカバー | 上下2分割の金属フレーム+PVCレザー | 3,250円前後 | 210系/220系の併記のみで型式の記載なし |
商品名にARS220を書いているTPUシェル
FRACTAL CREATIONのレザー調TPUキーシェルは、商品名にカムリ70系(AXVH70・AXVH75)と並べて、クラウンのAZSH20・AZSH21・GWS224・ARS220を書き込んでいる。適合欄にはクラウン220系(2018年6月〜)のほか、C-HR、プリウス50系、カローラスポーツ、カローラ210系、RAV4 50系、ランドクルーザープラド150後期、86後期型が並ぶ。トヨタがこの世代で共通化した板状の電子キーを、ひとつの型でまとめて受ける製品になる。
素材はTPUで重量は約25g、カラビナフックが付属して980円前後。ただしこの出品はキー形状のTYPEとボタン数、色で枝分かれしており、購入ページが最初に表示するのは2ボタンのシルバーになる。ARS220の電子キーは3ボタンなので、注文前にボタン数の枝を3ボタンへ切り替える手順が入る。
FRACTAL CREATION レザー調TPU スマートキーケース カラビナフック付
220系を名指しする本革×亜鉛合金の2色
Eiksouviの本革ケースは、適合欄に「クラウン 220系(2018.06〜 AZSH20 ARS220)」と型式を書いたうえで、3ボタン専用と明記している。本革と亜鉛合金フレームを組み合わせた全面カバー型で、ブラックとブルーの2色が同じ3,269円前後に並ぶ。キー全体を包む形なので、王冠のエンブレム面は隠れることになる。
引っかかるのは、同じ適合欄にクラウンクロスオーバー35系・クラウンスポーツ30系・クラウンエステート30系が併記されている点になる。220系と新世代クラウンは車としてもキーとしても世代が分かれるため、ひとつの型で全部を受けられるという説明は読み手が裏を取る側に回る。出品者自身も「年式・グレードによりキー形状が異なる場合があります」「掲載画像のキー形状とお手元のキーを比較してください」と書いており、商品写真と手元のキーを並べて見比べる作業が省けない製品になる。
特別仕様車向けのセットと、210系と併記された金属ケース
CAR PRODUCE TMGのリモコンキーカバーセットは、商品名にARS220・AZSH20.21・GWS224を並べた220系専用品で、特別仕様車向けとして売られている。価格は10,980円前後と今回の5製品では最も高く、在庫表示も「通常4〜5日以内に発送」の取り寄せ扱いになる。型式の名指しという点では最も明快だが、価格帯だけが一桁ずれている。
AetherAuraの亜鉛合金ケースは、上下2つに分かれた金属フレームとPVCレザーを組み合わせた全面カバー型で3,250円前後。適合表記は「クラウン 210系/220系 に適用」だけで、ARS220のような型式は出てこない。210系と220系はキーの世代が分かれるため、どちらの形状を基準に型を起こしたのかが商品ページからは読み取れない。型式の記載が無く並行輸入品と書かれている製品は、掲載写真のキー形状だけが手掛かりになる。
ARS220はどのクラウンを指す型式か
適合欄に並ぶ英数字が何を意味しているかを押さえておくと、選別の速度が変わる。ARS220は220系クラウンのなかの一系統を指す記号になる。
2018年6月に登場した15代目の2.0Lターボ
ARS220は、2018年6月に発売された15代目クラウンのガソリンターボ車に与えられた型式になる。トヨタの取扱説明書の車両仕様表には、クラウン ARS220、エンジン8AR-FTS(2.0Lガソリン)、駆動方式FR(後輪駆動)と記載されている。販売期間は2018年6月から2022年7月までで、S、RS、RSアドバンスなどのグレードがこの型式に含まれる。
車検証の型式欄には排出ガス記号が頭に付くため、3BA-ARS220のような表記で書かれている。頭の記号は年式や規制で変わるが、ハイフンより後ろがARS220であれば、この記事が対象にしている車になる。キーケースの適合欄では、この後ろ側のARS220だけが照合の対象になる。
AZSH20・AZSH21・GWS224とキーは共通
220系クラウンには、ガソリンターボのARS220のほかに、2.5Lハイブリッドの AZSH20(2WD)とAZSH21(4WD)、3.5LハイブリッドのGWS224がある。エンジンも駆動方式も別だが、渡される電子キーは同じ形になる。
社外品の商品名にARS220・AZSH20・AZSH21・GWS224が並記されているのは、この4つが同一のキー形状を共有しているためになる。自分の車がターボかハイブリッドかで悩む必要はなく、4つのうちどれかが書かれていれば220系のキーを想定した製品と読める。
車検証の型式欄で自分の車を確かめる
中古で購入した車の場合、カタログの記憶ではなく車検証を見るのが早い。型式欄に ARS220 とあればガソリンターボ、AZSH20 か AZSH21 なら2.5Lハイブリッド、GWS224 なら3.5Lハイブリッドになる。
ここで確認したいのは排気量ではなく、その車が220系かどうかという一点になる。210系クラウン(GRS210・ARS210など)や、2022年7月以降のクラウンクロスオーバー(AZSH35など)は別世代で、キーの形も変わる。
220系クラウンの電子キーは3ボタン
キーケース選びでつまずくのは、車名ではなく手元のキーのボタン数が合っていない場合になる。トヨタの取扱説明書に載る記述から、220系のキーの中身を確認しておく。
施錠・解錠・トランクの3つ
取扱説明書のワイヤレスリモコンの図には、上からドアの施錠、ドアの解錠、トランクを開けるの3つのボタンが並んでいる。押しボタンは物理的に3つで、社外品が「3ボタン用」として売っている形と一致する。商品写真のボタン穴が3つ開いているかを見るだけで、不一致の大半は避けられる。
キー表面には王冠のエンブレムが入る。全面を覆うカバー型を選ぶとこのエンブレムは隠れるため、純正の見た目を残したい場合は、ボタン面をくり抜いた薄いカバーか、エンブレム位置に窓のある製品を選ぶ流れになる。
長押しに割り当てられた窓の開閉
施錠ボタンを押し続けるとドアガラスとムーンルーフが閉まり、解錠ボタンを押し続けると開く。取扱説明書はこの機能にトヨタ販売店での設定変更が必要と注記しており、標準では無効になっている。トランクは押し続ける操作で開く。
つまり3つのボタンはいずれも短押しと長押しで役割が変わる。ボタンの反発が硬くなるケースを選ぶと、長押しの途中で指を離してしまう場面が増える。
メカニカルキーは電子キーから抜ける
電子キーにはメカニカルキーが内蔵されており、ロックを解除して引き抜く構造になっている。電池が切れたときやスマートエントリーが働かないときに、ドアの施錠・解錠へ使う逃げ道になる。
キーケースがこの抜き差しの動線を塞ぐと、必要な場面でケースごと外す手間が増える。カバー型を選ぶときは、メカニカルキー側に切り欠きがあるかを商品写真で確かめておく。
カードキーはキーケースの対象外
220系クラウンには、グレードやオプションによってカードキーが付く。取扱説明書ではカードキーもスマートエントリー&スタートシステムの作動に使えると案内されているが、形はカード状で電子キーとは別物になる。
社外キーケースはすべて電子キー(板状のリモコン)向けに作られているため、カードキーに被せる製品は今回の5製品には無い。カードキーの電池は市販されておらず、交換もトヨタ販売店に持ち込む前提だと取扱説明書に書かれている。
電池・作動範囲という装着後に効いてくる条件
キーケースの良し悪しは、届いた日ではなく数か月後の運用で分かれる。取扱説明書に載る数値を押さえておくと、装着後の確認が短く済む。
電池はCR2032で交換のたびにケースを外す
220系クラウンの電子キーの電池はリチウム電池CR2032になる。交換にはマイナスドライバーと小さいマイナスドライバーを使い、メカニカルキーを抜いてからカバーをはずす手順で進める。取扱説明書は、傷を防ぐためドライバーの先端に布などを巻いて保護するよう案内している。
電池交換のたびにキーケースは一度外すことになる。着脱が硬い製品を選ぶと、この作業が数年ごとの手間として返ってくる。電池が消耗するとスマートエントリーやワイヤレス機能が働かなくなるほか、その前段として作動距離が短くなる症状が出る。
作動範囲はドアハンドルから約70cm
取扱説明書によると、スマートエントリーはフロント席・リヤ席のドアハンドルから周囲約70cm以内に電子キーを携帯している場合に作動する。トランクの解錠も、トランクオープンスイッチから周囲約70cm以内が条件になる。
ケースを付けた直後は、この距離でドアハンドルに触れて解錠されるかを一度試しておく。反応が鈍いと感じたら、電波を遮る面積の広い素材が原因の候補に挙がる。
解錠後30秒で自動施錠される
解錠操作のあと約30秒以内にドアを開けなかったときは、盗難防止のため自動的に施錠される。ケースを付けたことで解錠ボタンの反応が悪くなっていると、押したつもりで押せておらず、ドアに手をかけた時点でまだ施錠されたままという場面が起きる。
トランクについては、グローブボックス内のメインスイッチをOFFにするとワイヤレスリモコンからもスマートエントリーからも開けられなくなる。ケースの不具合と切り分けるために、この設定も一度見ておく価値がある。
素材別に見た守れる傷と手間
同じ3ボタン対応でも、素材によって守れる傷の種類と操作感が変わる。220系のキーは平板型なので、素材差が体感に出やすい。
TPU・シリコン
薄く軽く、ボタンの上から押しても感触が残る。1,000円前後から選べて色数も多く、家族で2本持つ場合に色で見分ける使い方もできる。縁の巻き込みが浅い製品は落としたときに外れやすいため、フチがキーの角を噛む形状かどうかを写真で見ておく。
透明タイプはキー本体の造形と王冠のエンブレムを隠さずに使えるが、時間が経つと白濁して見た目が落ちることがある。色付きを選べば白濁は目立たない。日常の擦り傷を止めるだけならこの層で足りる。
本革・PUレザー
革のケースは手触りが良く、経年で色が深くなる。ボタン部分をくり抜いてそのまま押せる型と、キーを包み込んで金具で留める型に分かれ、後者はキーの厚みが増える。ポケットに入れる頻度が高いなら、この厚みの増分が毎日効いてくる。
革は型が合っていないと縫製で押し込むことになり、ボタンが常時押された状態になる事故が起きやすい。220系向けの本革ケースを選ぶなら、3ボタン専用と明記され、ボタン穴の位置が写真で確認できる製品に絞る。
亜鉛合金のハードケース
亜鉛合金やアルミのフレームを使ったケースは、落下時の打痕に強い。今回の5製品では、Eiksouviの本革ケースとAetherAuraのフルカバーがこの層に入り、どちらも3,000円台になる。質感を優先する場合の候補になる。
一方で、金属を広い面積に使うとスマートキーの電波を遮りやすくなる。両製品とも商品説明では電波を妨げない構造と説明しているが、装着後に約70cmの距離で解錠されるかを自分で試す手順は変わらない。重量も増えるため、キーホルダーごとポケットに入れる使い方だと存在感が出る。
買う前に手を動かして確かめる3点
適合欄の文字だけで判断すると、届いてから合わないことに気づく。注文前と装着後に自分で確認できるのは次の3点になる。
手元のキーのボタンを数える
まず自分の電子キーを取り出し、押しボタンが3つあるかを数える。220系クラウンなら施錠・解錠・トランクの3つが縦に並ぶ。中古で購入した車では前オーナーが別のトヨタ車から流用したキーを登録している可能性もゼロではないため、カタログではなく現物を見る。
商品ページに型式が書かれているか
商品ページにARS220、AZSH20、AZSH21、GWS224のいずれかが書かれていれば、出品者は220系のキー形状を想定している。型式が無く「トヨタ車用」「クラウン対応」だけの製品は、どの世代のどのキーを指しているかが読めない。選ぶ軸は車名ではなく、ボタンの数と並び、そして型式の明記になる。
装着後に約70cmで解錠されるか
ケースを付けたら、ドアハンドルから約70cmの位置で解錠されるかを試す。あわせて施錠・解錠・トランクの3つを順に押し、長押しの反応も見ておく。装着後の数分でこれを済ませておけば、返品の手間はほぼ避けられる。
よくある質問
ARS220とAZSH20でキーケースは共通ですか
共通です。220系クラウンはガソリンターボのARS220、2.5LハイブリッドのAZSH20・AZSH21、3.5LハイブリッドのGWS224で電子キーの形が同じで、社外品も4つの型式を並記して売られています。パワートレーンの違いはキーの外形に影響しません。
220系用と書かれたケースはクラウンクロスオーバーにも使えますか
同じ製品で両方を確実に受けられるとは限りません。220系は2018年6月から2022年7月までの15代目で、クラウンクロスオーバー(AZSH35など)はその後継にあたる別世代です。両方に適合とうたう製品もありますが、出品者自身が掲載写真とキーを見比べるよう注記している例もあるため、注文前に写真での照合が要ります。
キーケースを付けるとスマートキーの反応は鈍りますか
樹脂や革のケースであれば、通常は作動距離に大きな影響は出ません。影響が出やすいのは金属を広い面積に使ったハードケースで、電波を遮る面積が広いほど反応が落ちます。取扱説明書が示す作動範囲はドアハンドルから周囲約70cm以内なので、この距離で解錠されるかを装着後に確かめます。
電池交換のたびにキーケースを外す必要がありますか
外すことになります。220系クラウンの電子キーはCR2032を使い、交換ではメカニカルキーを抜いてカバーをはずす作業が入るため、キーケースは一度取りはずします。着脱の硬い製品を選ぶと、この作業のたびに手間が増えます。
ARS220のキーケース選びのまとめ
ARS220は2018年6月から2022年7月までの220系クラウンで、電子キーは施錠・解錠・トランクの3ボタン。この一点を押さえれば、キーケースの候補は「3ボタン専用」と書かれた製品に絞り込める。AZSH20・AZSH21・GWS224と共通のキーなので、商品ページにこの4つのどれかが書かれていれば照合の第一段階は通る。
今回の5製品では、商品名にARS220を書いたFRACTAL CREATIONのTPUシェルが980円前後で最も入りやすく、注文時にボタン数を3ボタンへ切り替える手順だけが条件になる。質感を優先するならEiksouviの本革ケースやAetherAuraの金属ケースが3,000円台に並ぶが、いずれも掲載写真とキーの照合が前提になる。
装着したら、ドアハンドルから約70cmの距離で解錠されるかと、3つのボタンの短押し・長押しが通るかを試す。電池はCR2032で、交換のたびにケースを外すことになるので、着脱の硬さも数年単位の手間として見ておく。
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