更新日:2026年3月
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この記事はHA36S型アルトワークス向けの内容です。
結論:アルトワークス(HA36S)の異音は5つの部位から発生する
アルトワークス(HA36S)で異音が発生した場合、「どこから鳴っているか」と「どんな音か」の2軸で原因を絞り込めます。この記事では、部位ごとに音の特徴・原因・修理費用の目安を整理しました。数値データとスズキ公式のサービスキャンペーン情報をもとに解説します。
エンジン系の異音と原因
エンジン由来の異音は、R06Aエンジン特有の構造に起因するケースが多いです。放置するとエンジン本体の交換に発展する事例もあるため、早期の判断がカギになります。
タイミングチェーン/テンショナーの劣化
エンジン始動直後に「ガラガラ」「ジャラジャラ」と金属が擦れる音が出る場合、チェーンテンショナーの劣化が疑われます。R06Aエンジンはタイミングベルトではなくチェーン方式を採用しており、10万km前後でテンショナーのバネ力が低下する傾向があります。
オイル交換を怠ると劣化が加速します。5,000km または6ヶ月ごとの交換が予防策として有効です。エンジンオイルの管理状態は純正オイルフィルターの選び方でも解説しています。
修理費用の目安は、テンショナー単体交換で3〜5万円(税込・工賃込み)、チェーン一式交換で12万円前後(税込・工賃込み)です。
スラストメタル(スラストベアリング)の摩耗・脱落
発進時に「ポコポコ」「コンコン」と断続的な打音がする場合、スラストメタルの摩耗を疑います。R06Aエンジンはクランクシャフトのスラストベアリングが構造的に摩耗しやすく、スズキが2020年5月28日付で保証期間延長を発表しています。
症状が進行すると、クラッチのミートポイントが急に深くなる変化が出ます。この段階で放置するとクランクシャフトの振れが拡大し、最悪の場合はエンジンアッセンブリ交換に至ります。
対象車両はスズキ公式サイトで車台番号から確認できます。該当する場合はディーラーへ持ち込めば無償修理の対象となる場合があります。
遮熱板の干渉
加速時に「ビリビリ」「カラカラ」と振動音がする場合、排気管周辺の遮熱板が他の部品と接触している可能性があります。遮熱板の固定ボルトを増し締めするか、干渉部分を曲げて調整すれば解消できます。
修理費用は数千円程度で、DIYでも対処できる初級作業です。
クラッチ・ミッション系の異音と原因
MT車のアルトワークスでは、クラッチ周辺の異音が比較的多く報告されています。音の発生タイミング(ペダル操作時か走行中か)で原因の切り分けが容易です。
レリーズベアリング・クラッチペダル機構
クラッチペダルを踏んだときに「ギュ〜」「ヒッ」と金属的な音がする場合、2つの原因が考えられます。
1つ目はペダル支点のグリス切れです。ペダル軸やワイヤー取り付け部にシリコングリスを塗布すれば改善します。費用は数百円で済みます。
2つ目はレリーズベアリングの摩耗です。こちらはクラッチO/Hが必要で、部品代+工賃で5〜8万円(税込)が目安です。クラッチディスクとカバーも同時交換するのが一般的です。
AGSリコール対象車の確認
AGS(オートギヤシフト)搭載車には、2024年7月18日付でリコールが出ています。オイルポンプ駆動モーターのブラシが固着し、変速不能に至る不具合です。該当車両は無償修理の対象となります。MT車には適用されません。
足回りのパーツ選びでは、ブレーキパッドの摩耗が異音の原因になることもあります。bremboブレーキパッドのレビューも参考にしてください。
足回り・ブレーキ系の異音と原因
走行中に車体下部から発生する異音は、サスペンション構成部品の劣化が原因となるケースが大半です。
サスペンションブッシュ・スタビライザーリンク
段差を越えたときに「コトコト」「カタカタ」と軽い打音がする場合、ゴムブッシュの経年劣化やスタビライザーリンクのボールジョイント摩耗が原因です。
ブッシュ交換の修理費用は1箇所あたり5,000〜15,000円(税込・工賃込み)です。スタビリンクは片側3,000〜8,000円(税込・部品代)+工賃が目安です。走行距離5万kmを超えた車両で発生しやすい傾向があります。
車高調を装着している場合は、ロックシートの緩みが原因になることもあります。増し締めで解消できるため、まず取り付け状態を点検してください。
ハブベアリングの摩耗
走行中に「ゴー」「ウォーン」と速度に比例して大きくなる低音が発生する場合、ハブベアリングの摩耗が疑われます。左右どちらかに偏る音が特徴です。
修理費用は1輪あたり15,000〜30,000円(税込・工賃込み)です。ベアリング単体で交換できない車種の場合、ハブアッセンブリごとの交換になり、費用が増加します。放置するとタイヤの異常摩耗やハンドル振れにつながるため、早めの対処を推奨します。
ブレーキパッドの残量不足
ブレーキ操作時に「シャリシャリ」「キーキー」と高音が出る場合、パッドの摩耗限界を示すウェアインジケーターが接触しています。パッド残量が2mm以下になると鳴り始める設計です。
交換費用は1輪あたり5,000〜15,000円(税込・工賃込み)です。パッド交換は整備初級の作業ですが、制動力に直結するためプロへの依頼が安全です。
ターボ系の異音と原因
ターボ加速時に通常とは異なる「ヒュルヒュル」「シュイーン」という高音が混じる場合、タービンブレードの損傷やベアリングの摩耗が考えられます。
純正タービン交換の修理費用は10〜15万円(税込・工賃込み)です。社外品やリビルトタービンを使えば費用を抑えられますが、ECUセッティングが必要になる場合があります。
異音が軽微な段階であれば、オイル管理の徹底(ターボ車は3,000〜5,000kmごとの交換推奨)で進行を遅らせることが見込めます。
異音の部位別・音別 早見表
| 音の種類 | 発生タイミング | 疑われる部位 | DIY可否 | 修理費用目安(税込) |
|---|---|---|---|---|
| ガラガラ・ジャラジャラ | エンジン始動時 | チェーンテンショナー | 不可 | 3〜12万円 |
| ポコポコ・コンコン | 発進時 | スラストメタル | 不可 | 保証対象の場合あり |
| ビリビリ・カラカラ | 加速時 | 遮熱板 | 可(初級) | 数千円 |
| ギュ〜・ヒッ | クラッチ操作時 | ペダル機構/レリーズ | 一部可 | 数百円〜8万円 |
| コトコト・カタカタ | 段差通過時 | ブッシュ/スタビリンク | 一部可 | 5,000〜15,000円 |
| ゴー・ウォーン | 走行中(速度比例) | ハブベアリング | 不可 | 15,000〜30,000円/輪 |
| シャリシャリ・キーキー | ブレーキ操作時 | ブレーキパッド | 中級 | 5,000〜15,000円/輪 |
| ヒュルヒュル・シュイーン | ターボ加速時 | タービン | 不可 | 10〜15万円 |
異音が出たときにまずやるべきこと
異音を感じたら、以下の3ステップで情報を整理してからディーラーや整備工場に相談すると、原因特定が早まります。
- 音をスマートフォンで録音する — 文字では伝わりにくい音質をそのまま共有できます。
- 発生条件を記録する — 速度帯(停車時/低速/高速)、エンジン温度(冷間/暖機後)、操作(ブレーキ/クラッチ/ステアリング)を書き留めます。
- 日ごとの変化を観察する — 音量が増している場合は部品の摩耗が進行しているサインです。この場合は走行を控え、早めに入庫してください。
DIY点検として、ジャッキアップしてタイヤを手で揺すり、ガタつきの有無を確認する方法も有効です。ガタがあればハブベアリングやブッシュの劣化が疑われます。
Q1. 異音を放置するとどうなる?
軽微な異音でも放置すると周辺部品への負荷が増大し、修理範囲が広がります。スラストメタルの摩耗を放置した場合はエンジン本体の交換(数十万円規模)に至った事例があります。異音の段階で早期対処すれば、修理費用を大幅に抑えられます。
Q2. ディーラーに持ち込む際に伝えるべきことは?
「いつから」「どんな音が」「どの操作・速度で」鳴るかの3点を伝えてください。スマートフォンで録音した音声データがあると、整備士の判断が格段に早くなります。走行距離と直近のオイル交換時期もメモしておくと有益です。
Q3. スラストメタルの保証期間延長はまだ有効?
スズキが2020年5月28日付で発表した保証延長は、対象車台番号に該当すれば現在も有効です。スズキ公式サイトの「リコール・改善対策・サービスキャンペーン情報」ページで車台番号を入力すると対象かどうかを確認できます。
まとめ:異音は音の特徴と発生条件で原因を絞り込める
アルトワークス(HA36S)の異音は、部位と音の種類を組み合わせれば原因の見当がつきます。エンジン系(特にスラストメタルとチェーンテンショナー)は修理費用が高額になりやすいため、早期発見が費用面でも有利です。
足回り系の異音はブッシュやスタビリンクの交換で済む場合が多く、走行距離5万km前後を目安に予防的な点検を入れることで未然に防げます。異音に気づいたら録音と条件記録を済ませ、速やかに整備工場へ相談してください。

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