デリカD5の電球を買いに行く前に、まず押さえるべきは「自分の車が前期か後期か」です。2019年2月のビッグマイナーチェンジを境に灯火の構成が大きく変わり、前期のロービームは純正HIDのD2S、後期はヘッドライトごと純正LEDになってバルブ交換そのものができません。リアウインカーのように、前期はT20・後期はS25と型番が入れ替わっている部位もあります。ここでは前期・後期それぞれの型番を部位別の一覧にまとめ、どこが交換でき、どこが交換できないのかを整理します。
デリカD5のバルブ型番早見表(前期・後期別)
まず全体像を一覧で確認します。年式・型式の区切りは2019年2月(平成31年2月)のビッグマイナーチェンジです。
前期(2007年1月〜2019年1月/CV1W・CV2W・CV4W・CV5W)
| 部位 | バルブ型番 | 定格 |
|---|---|---|
| ヘッドライト ロービーム | D2S(純正HID) | 85V35W |
| ヘッドライト ハイビーム | HB3(9005) | 12V60W/65W |
| フォグランプ | H11 | 12V55W |
| コーナリングランプ | H8 | 12V35W |
| ポジション(車幅灯) | T10 | 12V5W |
| フロントウインカー | T20 ピンチ部違い(アンバー) | 12V21W |
| サイドウインカー | アッセンブリー(バルブ交換不可) | - |
| リアウインカー | T20 ピンチ部違い(アンバー) | 12V21W |
| テール&ストップ | ダブル球 | 12V21/5W |
| ハイマウントストップ | T16(またはLED) | 12V16W |
| バックランプ | T20 シングル | 12V21W |
| ライセンス灯(ナンバー灯) | T10 | 12V5W |
| ルームランプ(フロント・ミドル) | T10×31 | 12V8W |
| ルームランプ(リア) | T8×28 | 12V5W |
後期(2019年2月〜/CV1W)
| 部位 | バルブ型番 | 定格 |
|---|---|---|
| ヘッドライト ロービーム | 純正LED(交換不可) | - |
| ヘッドライト ハイビーム | 純正LED(交換不可) | - |
| フォグランプ | 純正LED | - |
| ポジション(車幅灯) | 純正LED | - |
| フロントウインカー | T20 ピンチ部違い(アンバー) | 12V21W |
| サイドウインカー | LED | - |
| リアウインカー | S25 ピン角違い(アンバー) | 12V21W |
| テール | LED | - |
| ストップ | S25 シングル | 12V21W |
| ハイマウントストップ | LED | - |
| バックランプ | T20 シングル | 12V21W |
| ライセンス灯(ナンバー灯) | T10 | 12V5W |
| ルームランプ(フロント) | T13 | 12V10W |
| ルームランプ(ミドル・リア) | T10×31 | 12V8W |
後期で電球として交換できるのは、ウインカー・ストップ・バックランプ・ナンバー灯・ルームランプの5系統だけで、ヘッドライトからテールまで前を照らす主要灯火は純正LEDに置き換わっています。
前期と後期で灯火構成が変わった理由
デリカD5は2019年2月のビッグマイナーチェンジで、フロントマスクが刷新されるのと同時に灯火のLED化が一気に進みました。前期はロービームこそHID(D2S)でしたが、ハイビーム・フォグ・ポジションはすべてハロゲンや白熱球で、ほぼ全部位が電球交換の対象でした。
後期ではヘッドライト、フォグ、ポジション、テール、ハイマウントストップ、サイドウインカーがLEDユニット化されています。LEDは素子とレンズが一体のユニットになっているため、球だけを抜いて差し替えるという構造になっていません。つまり後期で「ヘッドライトが暗いからバルブを明るいものに替える」という発想は、そもそも成立しないということです。
同時に、後期はガソリン車が整理されてディーゼルのCV1Wに集約されました。前期は2.4Lガソリンや2.0Lガソリンを含むCV5W・CV4W・CV2Wと、2.2LディーゼルのCV1Wが併存していたため、適合を調べるときは「型式」よりも先に「前期か後期か」を見るほうが確実に切り分けられます。
ヘッドライトの型番と交換可否
前期のロービームはD2S(純正HID)
前期のロービームは純正でHIDが組まれており、バーナーの型番はD2Sです。定格は85V35Wで、いわゆるハロゲンバルブとは口金も点灯方式も異なります。純正HID車のバーナーが暗くなってきた、色が左右でずれてきたという場合は、同じD2Sのバーナーに交換するのが基本の対処になります。
D2SはHID専用の型番なので、H11やHB4といったハロゲン用バルブとは互換性がありません。社外品を選ぶときも「D2S」と明記されたものを選びます。
前期のハイビームはHB3
前期のハイビームはHB3(9005とも表記)のハロゲンバルブです。定格は12V60Wまたは65Wで、ロービームがHIDなのに対しハイビームはハロゲンという、いわゆる混在構成になっています。ロービームだけが白く、ハイビームにすると黄色っぽく見えるのはこのためです。
なお、ハイビームをLED化する場合はヘッドライトユニットの裏側にヒートシンクぶんの奥行きが必要になります。適合表でも、レンズカバーとヒートシンクが干渉して装着できないケースが型式ごとに案内されているため、コンパクトなモデルを選ぶか、装着可否を型式単位で確認してから購入します。
後期のヘッドライトは純正LEDで交換不可
後期のロービーム・ハイビームは純正LEDで、対応するバルブ型番の設定がありません。球切れではなくLEDユニット自体の故障となるため、不点灯時はヘッドライトASSY(ユニットごと)の交換になります。バルブ交換の感覚で費用を見積もると差が大きくなる部分です。
フォグランプとコーナリングランプの型番
前期のフォグランプはH11
前期のフォグランプはH11、定格12V55Wのハロゲンバルブです。ヘッドライトのロービームがHIDで白いぶん、フォグの黄色が目立ちやすく、色味を揃える目的でLEDやHIDに交換する例が多い部位でもあります。
ただしフォグランプはメーカー純正装着車を前提とした型番です。ディーラーオプションや社外品のフォグが付いている個体は、バルブ形状そのものが違うことがあります。
前期にはH8のコーナリングランプがある
見落とされやすいのが、前期に設定されているコーナリングランプです。型番はH8、定格12V35Wで、フォグのH11とは別の球になります。
H8とH11は口金の形状が似ているため混同されやすく、「フォグを替えるつもりでH8を買ってしまった」という取り違えが起きます。前期でフォグとコーナリングの両方をまとめて交換するなら、H11とH8を別々に用意するという認識が要ります。
後期のフォグランプは純正LED
後期のフォグランプは純正LEDです。ヘッドライト同様にユニット構成となるため、球の差し替えによる交換はできません。明るさや色味を変えたい場合は、フォグランプユニットごと社外品に置き換えるアプローチになります。
ウインカー・ストップ・バックランプの型番
フロントウインカーはT20ピンチ部違い(前期・後期共通)
フロントウインカーは前期・後期ともT20のピンチ部違い(アンバー)、定格12V21Wです。デリカD5で数少ない、前期から後期まで型番が変わっていない部位のひとつになります。
「ピンチ部違い」は、口金の突起の位置が左右非対称になっているタイプを指します。通常のT20とは差し込み向きが決まっているため、購入時にピンチ部違い対応と明記されたものを選びます。
リアウインカーは前期T20・後期S25
リアウインカーは前期がT20ピンチ部違い、後期がS25ピン角違いで、前期と後期で型番が入れ替わっている部位です。ここを前期の感覚のままT20で買うと後期には差さりません。デリカD5のバルブ選びで最も取り違えが起きやすい箇所なので、後期はS25と覚えておきます。
同様に、ストップランプも後期はS25シングル(12V21W)に変わっています。後期のテールランプ本体はLEDのため、赤く光り続ける部分はLED、ブレーキを踏んだときに追加で光る部分がS25の電球、という役割分担になっています。
バックランプとナンバー灯は前期・後期共通
バックランプは前期・後期ともT20シングル(12V21W)、ライセンス灯(ナンバー灯)はT10(12V5W)で共通です。後期で純正LED化が進んだなかでも、この2か所は電球のまま残っています。夜間の後退時に見えづらいと感じたときにLED化しやすいのは、この部位ということになります。
自分の車の型式と仕様を確認する方法
車検証で型式と初度登録年を確認する
車検証の「型式」欄に、CV1W・CV2W・CV4W・CV5Wのいずれかが記載されています。CV5W・CV4W・CV2Wであれば前期のガソリン車です。CV1Wはディーゼルで、前期と後期の両方に存在するため、型式だけでは前期・後期を判別できません。
CV1Wの場合は「初度登録年月」を併せて見ます。2019年2月より前なら前期、それ以降なら後期として適合表を引くのが基本の手順になります。
現車で実際のバルブを確認する
適合表はメーカー純正装着を前提としています。中古で購入した個体は前オーナーが社外ヘッドライトやフォグに交換していることがあり、その場合は表の型番と現車が一致しません。
購入前に一度、実際に付いているバルブを抜いて口金を見るのが最も速い確認方法です。バルブの根元には型番の刻印があることが多く、そこを読めば型番が特定できます。
バルブ交換で失敗しないための注意点
ウインカーのLED化はハイフラ対策が要る
ウインカーを白熱球からLEDに替えると、消費電力が下がったことで車両側が「球切れ」と判断し、点滅速度が異常に速くなります。これがハイフラッシャー(ハイフラ)と呼ばれる現象です。
対策として、ハイフラ防止抵抗(メタルクリップ抵抗)を並列に入れるか、ハイフラ防止リレーに交換するかのどちらかが必要になります。LEDバルブ側にキャンセラーが内蔵された製品もあるため、購入前に対策済みかどうかを確認しておくと後戻りが減ります。
適合表の記載が割れる箇所は現車で確認する
前期のテール&ストップ(12V21/5Wのダブル球)は、適合表によってT20ダブルとS25ダブルで記載が分かれます。ルームランプ(リア)も、T8×28とT10×31で記載差があります。
こうした部位は年式やグレードによる違いが表に反映しきれていない可能性があるため、表の型番を鵜呑みにせず、現車から球を抜いて口金を照合してから購入するのが安全です。ダブル球はシングル球と口金の突起数が異なるので、抜いて見れば見分けがつきます。
よくある質問
デリカD5の前期と後期はどこで見分けますか?
2019年2月(平成31年2月)のビッグマイナーチェンジが境界です。フロントグリルが厚みのある「ダイナミックシールド」デザインになり、ヘッドライトが上下に分割された縦基調の意匠になっているのが後期です。車検証では型式CV5W・CV4W・CV2Wなら前期、CV1Wなら初度登録年月で判別します。
後期のヘッドライトはLEDバルブに交換できますか?
交換できません。後期のロービーム・ハイビームは純正LEDユニットで、対応するバルブ型番の設定自体がありません。不点灯になった場合はヘッドライトユニットごとの交換になります。
前期のロービームをLEDにできますか?
前期のロービームは純正HID(D2S)のため、HID用のバラストを外してLED化するキットを使う形になります。ただし装着には専用のゴムカバーが必要だったり、干渉部のカット加工が求められたりする場合があります。加工を伴うため、まずは同じD2SのHIDバーナーに交換して明るさを回復させるほうが手戻りは少なくなります。
ウインカーをLEDにするとハイフラになりますか?
なります。純正の白熱球(12V21W)に比べてLEDは消費電力が小さく、車両側が球切れと誤検知して点滅が速くなります。ハイフラ防止抵抗かハイフラ防止リレーの追加、あるいはキャンセラー内蔵のLEDバルブを選ぶことで回避できます。
フォグランプのH11とコーナリングランプのH8は同じものですか?
別物です。前期のフォグはH11(12V55W)、コーナリングランプはH8(12V35W)で、ワット数も口金形状も異なります。見た目が似ているため取り違えが起きやすく、両方交換する場合はそれぞれ用意します。
まとめ|まず前期・後期を確定させてから型番を引く
デリカD5のバルブ選びは、型式よりも先に「2019年2月を境にした前期・後期」を確定させることから始まります。前期はロービームD2S(純正HID)、ハイビームHB3、フォグH11、コーナリングH8という構成で、ほぼ全部位が電球交換の対象です。
後期はヘッドライト・フォグ・ポジション・テール・ハイマウントが純正LEDに置き換わり、電球として残っているのはウインカー、ストップ、バックランプ、ナンバー灯、ルームランプに限られます。特にリアウインカーが前期T20・後期S25と入れ替わっている点は、買い間違いが集中する箇所です。
CV1Wは前期・後期の両方に存在するため、車検証の型式だけでは判別できません。初度登録年月を併せて確認し、迷ったら現車から球を抜いて口金を照合するのが最も確実な手順になります。

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