A200A型のライズでナビを決めるとき、最初に見るのは製品のランキングではなく、いま運転席の正面に付いている画面だ。選択肢は3つある。純正ディスプレイオーディオを残して足りない分だけ後付けするか、200mmワイドの社外ナビに載せ替えるか、9インチのラージサイズに載せ替えるか。メーカーが公表している適合条件を順に押さえれば、カー用品店で見積もりを取る前に自分の答えを絞り込める。
A200Aのナビは3択 いまの画面で決める
純正のディスプレイオーディオが付いている車と、画面まわりが空いたオーディオレスの車では、買うものも掛かる費用も変わる。ランキングを眺める前に、自分の車の画面まわりを確かめるのが最短の順序だ。3つの選択肢を先に並べる。
| 選択肢 | 向いている人 | 主に用意するもの | 費用の構造 |
|---|---|---|---|
| 1. 純正ディスプレイオーディオを残す | 画面の機能に大きな不満がない人 | テレビキット類、ガラスフィルム | 工賃も加工も発生しない範囲で選べる |
| 2. 200mmワイドの社外ナビ | 地図も音楽も社外ナビでまとめたい人 | ナビ本体、取付キット、ステアリングリモコン用配線 | 本体に取付キット・配線・工賃が乗る |
| 3. 9インチのラージサイズ | 画面の大きさを最優先したい人 | ナビ本体、専用取付キット | 本体に専用キット・加工・工賃が乗る |
載せ替える場合に比べる軸は5つ。画面サイズを200mmワイドにするか9インチにするか、対応する取付キットがあるか、車両側の加工が要るか、ステアリングスイッチを残せるか、そして工賃まで含めた総額だ。このうち加工の要否とステアリングスイッチの扱いは、選ぶサイズで答えが変わる。順に確かめていく。
A200Aが指す範囲を車検証で確定させる
トヨタが公開しているライズの取扱説明書の区分を見ると、ガソリン車は2019年11月〜2021年10月が1つの区分にまとまっていて、A200Aはここに属する。ハイブリッド車の取扱説明書は2021年11月〜2022年10月の区分が最も古く、それより前が存在しない。つまりA200Aの時期のライズに、ハイブリッドの設定はない。
型式と初度登録年月はどこで確かめるか
ナビメーカーの適合表でライズの車両型式として並ぶのは、5BA-A200A、5BA-A210A、5AA-A202A、5BA-A201A、3BA-A210Aの5つ。年式は「R1(2019)/11〜現在」とひとまとめにされている。自分の車がどれかは、車検証の型式欄と初度登録年月の欄で確かめる。適合表を読むときは、型式と初度登録年月を必ずセットで見る。型式だけを頼りにすると、次に書く4WDの見落としにつながる。
4WDのA210Aだけ年式が読めない理由
A200Aは前期の2WDにだけ使われた型式で、リストの中に1つしかない。一方でA210Aは、5BA-A210Aと3BA-A210Aの2つが併記されている。頭の排出ガス規制記号が違うだけで英数字の部分はどちらもA210Aだから、4WD車は型式の見た目だけでは年式区分を確定できない。
もう1つ、同じ2019年11月〜2021年10月の期間でも、画面まわりを扱うマルチメディア取扱説明書は「2019年11月〜2021年03月」と「2021年03月〜2021年10月」の2区分に分かれている。取扱説明書の区分は型式ではなく生産年月で切られているから、同じA200Aでも生産時期によって画面まわりの内容が変わりうる。自分の車の仕様は、型式より実車で確かめるのが確実だ。
選択肢1 純正ディスプレイオーディオを残して足す
載せ替えない選択も、最初から同じ土俵で比べる。画面はそのままに、同乗者がテレビを見られるようにするテレビキット類と、タッチ画面を傷や指紋から守るガラスフィルムを足すのが主な後付けだ。工賃も加工も発生しない範囲で不満を埋められるなら、載せ替えないのが最も安く済む。自分の車が純正ディスプレイオーディオなのかオーディオレスなのか記憶があいまいなら、先に運転席の正面を見て確かめる。グレード別にどちらが付くかは、ここでは断定しない。実車を見るのが早くて確実だ。
テレビキット類は適合表記と接続方式で選ぶ
見る点は4つ。自分の年式区分(R1/11〜R3/10か、R3/11以降か)が商品側の適合表記に入っているか。割り込ませる形がカプラーオンか。切替スイッチが付くか。取付説明書が付属するか。年式区分の表記があいまいな商品は、適合の裏取りが自分の側に回ってくるから候補から外してよい。
下のテレビキット類は、9インチのディスプレイオーディオを積んだライズ向けとして、A200A/A210A(R1/11〜R3/10)とA201A/A202A/A210A(R3/11〜)の両方の年式区分を商品名で明示している。接続はカプラーオン、取付工具と説明書が付く1セット構成という表示だ。使い方の前提は1つ。走行中に運転者が画面を注視することは道路交通法で禁止されているから、この種のキットは同乗者の視聴と停車中の利用のために付ける。詳しくは後半の「走行中の画面まわりで守ること」に書いた。
Virauto ライズ用 テレビキャンセラー 9インチディスプレイオーディオ対応
9インチ画面のガラスフィルムで効く違い
ガラスフィルムは、硬度(9H表記)、映り込みを抑えるアンチグレアか光沢か、指紋や汚れの付きにくさ、飛散防止の有無で選ぶ。純正のディスプレイオーディオはタッチ操作が中心だから、貼ったあとの反応の落ち方と気泡の残りにくさが日々の使い勝手を左右する。下のフィルムはライズのA200A/A201A/A202A/A210A(R1〜現行)の9インチ画面向けで、9H硬度、アンチグレア、透光性、傷防止、汚れ防止、飛散防止、指紋防止をうたっている。画面の映り込みが気になっているなら、アンチグレアを選ぶ判断でよい。
GAFAT ライズ用 9インチ ナビ画面ガラスフィルム 9H硬度・アンチグレア
選択肢2 200mmワイドの社外ナビに載せ替える
200mmワイドが素直に収まる根拠
パナソニックが公開している200mmモデルの適合表では、ライズ(R1/11〜現在)は200mmモデルの取付が「○」、ステアリングスイッチ接続も「○」と判定されている。凡例では「○」が適合・可能を表し、条件が付く場合は備考欄に書かれる決まりだが、ライズの行の備考は空欄だ。適合表の上では、200mmワイドは条件なしで収まる判定と読める。社外ナビへ全面的に切り替えたい人は、まずこのサイズから検討を始めるとよい。
取付キットは、ライズ用としてNKK-D75Dが案内されている。9インチ、200mmワイド、2DIN、1DIN+1DINのどれを取り付けるときにも使える構成で、適合の確認には初年度登録の確認が必要と明記されている。
ステアリングスイッチを残すために別途いるもの
NKK-D75Dの構成部品は、パネル(L)(R)、スペーサー、コネクター一式(10P/6P)、車両信号変換コネクター(24P20P)など。ステアリングリモコン用の配線は付属しないと明記されている。ハンドル側のスイッチを社外ナビでも使い続けたいなら、この配線を別に用意する。見積もりの段階で有無を確かめておくと、後から費目が増えない。
選択肢3 9インチのラージサイズに載せ替える
専用キットの型番と価格は公表されている
カロッツェリアが公表している9V型ラージサイズ(LSメインユニット)の適合情報によると、ライズ(R1/11〜現在)に対応する取付キットはKLS-Y903D(J)で、価格は11,000円(2026年7月現在の情報と付記あり)。本体より先にキットの型番と金額が確定しているから、総額の見積もりに最初から組み込める。
加工とシフトレバーまわりの2つの注記
同じ適合情報のライズの行には、注記が2つ付いている。1つは、ナビ本体を取り付ける際に車両側の一部加工が必要になること。もう1つは、シフトレバーが「P」の位置でモニターの開閉を行うと、シフトレバーとモニターの間隔が狭くなる位置があること。9インチの大画面は、加工の手間と、駐車時にモニターを開け閉めするすき間の2つの条件と引き換えになる。ここを許容できるかどうかが、200mmワイドとの分かれ目だ。
なお取付キットの案内では、NKK-D75Dも9インチの取り付けに対応している。どのキットで組むかは、選んだナビ本体側の指定に合わせる。
載せ替え前に確かめる適合と配線の落とし穴
適合表の「○」がどこまでを保証しているか
カロッツェリアの適合情報には「取付車種のグレードや仕様、メーカーオプション、ディーラーオプションの装備品等によっては取付けられない場合があります」と明記されている。取付キット側の案内にも、販売店で現車での取付可否を確認するよう求める記載がある。適合表の「○」は候補を絞るための情報で、自分の車に付く保証ではない。ここを飛ばして本体を先に買うのが、載せ替えでいちばん起きやすいつまずき方だ。
取付店に持って行くときに伝える情報
現車確認を頼むときは、車検証の型式(5BA-A200Aなど)と初度登録年月、いまの画面まわりの状態、付けたいサイズ区分(200mmワイドか9インチか)を伝える。あわせて、正しい配線と設置を行わないと商品破損や車両故障、重大な事故につながるおそれがあると案内されているから、取付は専門業者に任せる前提で話を進めるのが無難だ。
総額の考え方と見積もりまでの段取り
本体以外に積み上がるもの
総額はナビ本体の価格だけでは決まらない。取付キット、ステアリングリモコン用の配線、必要なら車両側の加工、そして工賃が上に乗る。取付キットのようにメーカーが金額を公表しているものは最初から計算に入れられるが、加工と工賃は取付店に現車を見てもらうまで確定しない。総額がいくらになるかを先に知りたいなら、順序としてまず現車確認の予約を入れることになる。
現車確認を頼む前に自分で調べておくこと
段取りは5段階で考える。1、車検証で型式と初度登録年月を確認する。2、画面まわりが純正ディスプレイオーディオかオーディオレスかを見る。3、付けたいナビのサイズ区分を決める。4、そのサイズに対応する取付キットとステアリングリモコン用の配線を洗い出す。5、加工の要否を含めて取付店に現車で確認してもらう。3と4を飛ばして見積もりだけ取ると、本体以外の費目が後から出てきて総額が読めなくなる。
走行中の画面まわりで守ること
警察庁の案内では、走行中にスマートフォンなどを使用したり、カーナビゲーション装置などに表示された画像を注視したりすると、周囲の交通の状況への注意が不十分になり大変危険だとされている。根拠は道路交通法第71条(運転者の遵守事項)第5の5号。罰則の区分は2つあり、携帯電話使用等(保持)は6月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金で違反点数3点、反則金は普通車で1万8千円。携帯電話使用等(交通の危険)は1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金で違反点数6点、反則金の適用はない。
選択肢1で扱ったテレビキット類は、同乗者の視聴と停車中の利用を前提にした装備だ。運転者が走行中に画面を注視することは、どんな機器構成でも許されない。ここを守ったうえで、画面まわりを整えてほしい。
よくある質問
A200AとA210Aで選べるナビは変わりますか
適合表の上では変わらない。パナソニックの適合表はライズを「R1/11〜現在」の1行でまとめて判定していて、型式ごとに行が分かれていない。ただし4WDのA210Aは前期と後期の両方に使われる型式だから、商品側が年式区分で適合を分けている場合は、初度登録年月で自分の区分を確かめてから選ぶ。
ロッキー用と書かれた取付キットはライズに使えますか
NKK-D75Dのように、トヨタ ライズ・ダイハツ ロッキー・スバル REX用とまとめて案内されている取付キットはある。ただし共通で案内されていても、車両側の装備は車種と年式で別に確認する必要がある。ロッキー用の表記だけで判断せず、ライズと自分の初年度登録が適合範囲に入っているかを商品側の案内で確かめ、最後は販売店の現車確認で確定させる。
純正ディスプレイオーディオのままでも困りませんか
不満の中身による。同乗者のテレビ視聴とタッチ画面の保護までなら、テレビキット類とガラスフィルムの後付けで埋められる。一方で、同じA200Aでも生産時期によって画面まわりの内容は変わりうるから、いまの自分の車で何ができるかは実車と取扱説明書の該当区分で確かめるのが確実だ。そこで足りないものが機能の根本にあるなら、載せ替えの2択を検討する。
自分でも取り付けられますか
テレビキット類には、カプラーオン接続で取付工具と説明書が付くと表示された商品があり、ここまでは自分で作業する余地がある。ナビ本体の載せ替えは別で、正しい配線と設置を行わないと商品破損や車両故障、重大な事故につながるおそれがあると案内されており、専門業者への依頼が推奨されている。9インチでは車両側の一部加工が必要という注記もあるから、載せ替えは取付店に任せる前提で計画するのが現実的だ。
まとめ:次の行動は車検証の確認から
分かれ目はこうなる。画面の機能に大きな不満がなければ、純正ディスプレイオーディオを残して、テレビキット類とガラスフィルムで足りない分を埋めるのが最も安い。社外ナビでそろえ直したいなら、適合表で条件なしの判定が出ている200mmワイドが起点。画面の大きさを最優先するなら、一部加工と駐車時のモニター開閉という2つの注記を許容できるか確かめたうえで9インチを選ぶ。
次にやることは3つ。車検証で型式と初度登録年月を確認する。運転席の画面まわりが純正ディスプレイオーディオかオーディオレスかを見る。付けたいサイズ区分を決めて、取付店に現車確認を頼む。ここまで整えてから見積もりを取れば、本体以外の費目に後から驚かずに済む。
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