夜のバックで後方が見えにくい、フォグランプだけ色味が浮いて見える。90系ノアに乗っていると、灯火まわりに手を入れたくなる場面がいくつか出てくる。ただ2022年1月にフルモデルチェンジした90系は80系までと灯火類の構成が大きく変わっていて、ヘッドライトを含む多くの部位が新車の時点で純正LEDになっている。社外バルブに載せ替えられるのは実質4系統だけで、そこで使う規格もL1B・T20・LW5Bと見慣れないものが並ぶ。部位ごとの型番と交換可否を、適合表の記載に沿って一覧にした。
部位別バルブ型番の早見表
対象は2022年1月(R4.1)以降の90系ノア。ハイブリッドがZWR90W/ZWR95W、ガソリンがMZRA90W/MZRA95Wで、バルブの適合表ではこの4型式をまとめて扱う。駆動方式の違いで型式は枝分かれするが、灯火類の型番に差は付かない。
| 部位 | 型番・仕様 | 社外バルブへの交換 |
|---|---|---|
| ヘッドライト(ロービーム) | 純正LED | 適合設定なし |
| ヘッドライト(ハイビーム) | 純正LED | 適合設定なし |
| フォグランプ | L1B | 可 |
| フロントウインカー | T20ピンチ部違い(アンバー) | 可 |
| サイドウインカー | 純正LED | 不可 |
| リアウインカー | 純正LED | 不可 |
| テール&ストップ | T20ダブル | 可 |
| ハイマウントストップ | 純正LED | 不可 |
| バックランプ | LW5B(左右で2個) | 可 |
| ポジション(車幅灯) | 純正LED | 不可 |
| ナンバー灯 | 純正LED | 不可 |
| ルームランプ(前・中・後) | 純正LED | 不可 |
この一覧は、LIGHT COLLECTIONが公開している「トヨタ ノア 90系(ZWR/MZRA90W)R4.1〜/LED仕様車」の適合表の記載に沿って整理している。
バルブを買って交換できるのは4系統
自分で電球を入れ替えられるのは、フォグランプ・フロントウインカー・テール&ストップ・バックランプの4系統に限られる。 灯火のドレスアップを考えるときは、この4つの中で何を変えるかという話に収まる。裏を返せば、ここに載っていない部位を明るくしたいと思っても、バルブを買い替えるという解決策が最初から用意されていない。予算配分を決めるときは、この線引きを先に頭に入れておくと迷いが減る。
純正LEDで設定がない部位
ヘッドライト、サイドウインカー、リアウインカー、ハイマウントストップ、ポジション、ナンバー灯、ルームランプは、90系ノアではすべて純正LED。LED素子がユニット側に組み込まれているため、電球のように差し替える構造になっていない。80系の途中まではハロゲン仕様車の設定があり、適合表にもハロゲン用の行が並んでいた。ところが90系の適合表にハロゲン仕様の行は存在せず、あるのはLED仕様車の行だけになる。世代がひとつ進んだだけで、社外バルブの守備範囲がここまで狭くなっている。
ヘッドライトはバルブだけの交換ができない
灯火のカスタムで最初に候補に挙がるのがヘッドライトだが、90系ではここがいちばん割り切りの必要な部分になる。
適合表でもロービーム・ハイビームとも設定なし
LIGHT COLLECTIONの適合表では、90系ノアのロービーム・ハイビームがどちらも「設定なし」と記載されている。社外バルブメーカーが適合品を出していない、つまりバルブという形の交換部品が存在しないという意味になる。ヘッドランプはユニット単位でLEDが封入されており、光源に不具合が出た場合はユニットごとの交換になる。トヨタの取扱説明書でも、ヘッドランプの光源が点かなくなったときは販売店に相談するよう案内されている。90系ノアのヘッドライトには、社外バルブという選択肢が最初から存在しない。
明るくしたいときに残る手段
バルブ交換という手が使えない以上、ヘッドライトまわりで取れる選択肢は限られる。ひとつはレンズの黄ばみや曇りを落として本来の配光を取り戻す方向で、費用に対する効果が読みやすい。もうひとつはフォグランプ側を明るくして手前の路面を補う方向で、90系ではフォグが交換できる数少ない前方灯火にあたる。ヘッドランプユニットごと社外品に載せ替える道も残るが、光軸調整と保安基準の確認が伴うため、作業範囲と費用は施工店と詰めておきたい。部位別の作業手順はノア 90系のLED交換の手順と注意点にまとめている。
フォグランプのL1Bは90系世代の新しい規格
90系ノアのフォグランプはL1Bという規格のLEDバルブを使う。LEDでの使用を前提に設計された比較的新しい口金で、近年のトヨタ車で採用が広がっている。
H11・H16とは互換性がない
80系までのトヨタ車でフォグに使われていたH11やH16と、L1Bは口金の形状そのものが違う。型番の見た目が近くても差し替えはできないため、90系のフォグ用バルブはL1Bと明記された製品を選ぶ。 H16用として売られているLEDを90系ノアに付けようとしても、そもそも固定できない。社外品の選択肢は、L1B対応をうたうLEDバルブか、フォグランプユニットごと交換するキットのどちらかになる。ここを取り違えると、届いた製品が箱から出した時点で使えないという結果になる。
標準顔とエアロ顔でユニット形状が分かれる
90系ノアはグレードによって前まわりの造形が違い、適合表の行もG/X/Zの標準顔と、S-G/S-Zのエアロ顔で分けられている。バルブそのものはL1Bで共通だが、フォグランプユニットの形状が違うため、ユニット交換タイプの社外品を選ぶときはグレードまで合わせて確認する。バルブ単体を入れ替えるだけなら、この造形差は影響しない。自分の車がどちらの顔なのかは、グレード名にSが付くかどうかで判別できる。
ウインカーはノアとヴォクシーで交換できる側が逆
同じ90系の車台を使いながら、ノアとヴォクシーではウインカーの構成が違う。ここを取り違えると、買ったバルブの置き場所がない。
ノアはフロントがT20ピンチ部違い
ノア90系のフロントウインカーはT20ピンチ部違いのアンバーバルブで、社外品への交換ができる。一方でリアウインカーは純正LEDになっていて、交換設定がない。ヴォクシー90系はこれが逆で、フロントが純正LED、リアがT20ピンチ部違いになる。同じ90系だからとヴォクシー向けのバルブセットを買うと、ノアでは付け替えられる場所が食い違う。 兄弟車の作り分けについてはヴォクシーとノアの違いでも触れている。
T20ピンチ部違いは、T20の口金のうち左右の爪の位置が非対称になっているタイプを指す。ウインカーのような単線式の灯火で使われる形状で、通常のT20シングルとは差し込みの向きが合わない。商品ページでT20とだけ書かれている場合は、ピンチ部違いに対応しているかを本文で確かめる。
LED化するならハイフラ対策とセットで
ウインカーの電球をLEDに替えると、消費電力が下がった分を球切れと判断して点滅速度が上がるハイフラッシャー現象が起きる。回避するには抵抗を内蔵したLEDバルブを選ぶか、ハイフラ防止用の抵抗やリレーを別に組み込む。90系ノア向けとして売られているLEDウインカーの多くは抵抗内蔵型になっており、購入前に商品説明でハイフラ対策の有無を確かめておけば余計な手戻りがない。抵抗を内蔵しないタイプを選んだ場合、点滅の速さで車検に通らない可能性が出てくる。
リアで交換できるのはバックランプとテール&ストップ
リアまわりは全部がLEDに見えるが、適合表では2つの部位に交換設定が残っている。
バックランプはLW5Bを左右で2個
90系ノアのバックランプは新車時点で純正LEDが入っており、この部位だけはLEDのまま差し替えられる。使われている規格がLW5Bで、LEDバルブ用に定められた口金になる。リアコンビネーションランプの左右に1個ずつ入るため、必要な数は合わせて2個。適合表にも「LW5B 2個」と記載されている。純正LEDからの置き換えなので、ハロゲンからLEDへ替えるときのような極端な明るさの変化は起きにくいが、後退時の見え方を底上げする効果は出る。
テール&ストップはT20ダブル
テールとストップを兼ねる球にはT20ダブルが使われており、ここも交換できる部位に入る。ダブル球は、テール点灯時とブレーキ踏み込み時で明るさを切り替える2系統の構造を持つ。LED化する場合は、テール側とストップ側の光量差がはっきり出る製品を選ばないと、後続車からブレーキを踏んだことが読み取りにくくなる。ハイマウントストップランプは純正LEDで交換設定がないため、リアの制動灯で手を入れられるのはこのT20ダブルだけになる。
色の規定を外さない
バックランプは保安基準で白色、テールとストップは赤色と定められている。バックランプで青みの強い製品を選ぶと基準から外れる可能性があるため、6000K前後までに収めておくと車検で問題になりにくい。社外品は車検対応をうたっているLW5B用・T20ダブル用のバルブに絞るのが安全側の選び方になる。 明るさだけを追って色温度の高い製品を選ぶと、雨天や夜間にかえって路面が見づらくなる副作用も出る。
注文前に確認したい3つのポイント
適合表はあくまで目安で、現車と一致しない例も出る。バルブを注文する前に3点を押さえておく。
年式と改良時期をそろえる
90系は2022年1月の発売以降に改良が重ねられており、時期によって純正LED化された部位が増えている場合がある。fcl.が公開しているノア/ヴォクシーのライトカスタムガイドでも、年式によって交換できる部位が変わる旨が案内されている。車検証の初度登録年月を見て、自分の車がどの時期のものかを先に把握しておく。
グレード差が出るのはフォグまわり
適合表の行が分かれているのは標準顔(G/X/Z)とエアロ顔(S-G/S-Z)で、違いが出るのは主にフォグランプユニットの形状になる。ウインカーやバックランプの型番はグレードをまたいで共通に扱われている。
現車で口金の形を目で見る
最終的な判断は適合表ではなく現車の口金形状が正になる。 フォグやバックランプなら、外した純正バルブと買おうとしている製品の口金を並べて見比べるのが早い。適合表に「年式・車両型式が一致していても記載と異なる場合がある」という注記が付いているのは、この個体差を織り込んでのこと。ソケットを一度外して形を控えてから注文すれば、返品のやり取りを避けられる。
よくある質問
90系ノアのヘッドライトをLEDバルブに交換できますか?
できません。90系ノアのヘッドライトは純正LEDで、適合表でもロービーム・ハイビームともに社外バルブの設定がありません。明るさを変えたい場合はユニット単位の交換になり、光軸調整と保安基準の確認が伴います。
フォグランプのL1BはH11やH16と付け替えできますか?
できません。L1BはH11やH16と口金の形状が異なる別規格です。90系ノアのフォグに使えるのは、L1B対応と明記された製品か、ユニットごと交換するキットに限られます。
バックランプのLW5Bは何個必要ですか?
左右で2個です。適合表にも「LW5B 2個」と記載されています。片側だけ替えると左右で明るさや色味の差が出るため、2個セットで揃えるのが一般的です。
ウインカーをLEDにするとハイフラになりますか?
対策していなければなります。LED化で消費電力が下がると球切れと判断され、点滅が速くなります。抵抗を内蔵したLEDバルブを選ぶか、ハイフラ防止抵抗を追加して回避します。
ヴォクシー用のバルブをノアに流用できますか?
部位によります。ノアはフロントウインカーがT20ピンチ部違いでリアが純正LED、ヴォクシーはその逆です。バックランプのLW5Bのように共通の部位もありますが、ウインカーは車種を確かめてから買う必要があります。
まとめ
90系ノアは灯火類の大半が新車時点で純正LEDになっており、バルブを買って交換できるのはフォグランプ(L1B)、フロントウインカー(T20ピンチ部違い)、テール&ストップ(T20ダブル)、バックランプ(LW5B)の4系統に絞られる。ヘッドライトは適合設定そのものがなく、明るさを変えるならユニット単位の話になる。間違えて買いやすいのは、ウインカーの交換できる側がヴォクシーと逆になっている点と、フォグのL1BがH11・H16と互換性を持たない点の2つ。注文の前に初度登録年月とグレードを確かめ、外した純正バルブの口金と見比べておけば、適合違いはほぼ防げる。

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